秋の月夜を北穂池で過ごす
Posted: 2011年10月12日(水) 22:48
【日時】2011年10月9~10日
【山域】北ア南部
【天候】晴れ
【コース】
10月9日
上高地 6:20---横尾山荘 8:50 ---横尾本谷出合 11:00--- 二俣 12:10--- 北穂の滝 13:45
--- 左俣カール 14:20 --- 北穂池 15:50
10月10日
北穂池 8:45--- 左俣カール 9:50 --- 北穂の滝 10:15 --- 二俣 11:10---横尾山荘 13:20---
14:40 嘉門次小屋 15:15 ---上高地 16:00
昨年、黄金平へ訪れた際に今回の北穂池山行を決めていた。
そして今年も紅葉シーズン突入、体育の日の連休はピーカン天気となり絶好の山日和が訪れた。
連休とあって上高地の人出は半端ではない、山ガスタイルも順調に増殖してる模様だ。
横尾までは周囲の山屋さんウオッチングをしながらのウォーキングとなる。
横尾を過ぎると行き交う人が多くて渋滞気味、涸沢はいったいどんなことになっているだろう。
本谷橋を過ぎると一般道とは別世界の静かなゴーロ歩きがはじまる。
横尾本谷も二度目の今年は要領がわかっているので歩きやすい。
背後に聳える屏風の頭が立派に見えるようになると、いよいよ横尾本谷左俣の入り口だ。
岩石に埋め尽くされた左俣は深く暗く静まり返っていて、なんだか嫌な雰囲気が漂っている。
白出沢も似た形容ができる谷だが、こちらの方が暗く汚い感じがする。
ガラガラと岩だらけの谷を1時間ほど歩くと大きな雪渓が現れた。
残雪歩きは8月のゾロ谷で終わらせたつもりだったが、こんなところでまた雪渓歩きができて嬉しくなる。
雪渓を過ぎるとすぐに北穂の滝が見えてきた。
100mの落差があるというその滝は、気温が低いので半凍結状態。
滝から落ちてくるのは水しぶきではなくて、氷粒なので周囲は真っ白となっている。
滝のすぐ上で谷は二俣となり、左俣へ進めば北穂池へのショートができる。
しかし、ネット情報によれば敗退した山行レポも見てるので安全とされる右俣へ入ることにする。
8月の南ア福川源頭のルートミスで痛い目にあっているので、今回はなるべく無理はしたくない。
北穂池へは左俣カールから北穂北壁直下2,700mを経由して入るというのが今日の計画なのだ。
チョロチョロと流れる水流が途絶えると突然目の前が開け、左俣カールの大パノラマが飛び込んできた。
北穂北壁と南岳南壁その間に広がるカールは想像以上のすばらしい眺めだ。
昨年の右俣カールの眺めでは失望したので、あまり期待はしていなかっただけにその感動は大きい。
しかしなんだかおかしいぞ、どこにも赤や黄の色づきがない。
ここまで登る間にも鮮やかな紅葉はどこにもなかった、先日の寒気で紅葉がダメになってしまったのに違いない。
こんなにひどい紅葉は見たことがない。
しかし、この眺めは紅葉の不味さを差し引いても余りあるすばらしさだ。
北穂池へ一番安全に行けるという北壁直下2,700m地点まではまだ200mも登らなくてはいけない。
よたよたと登っていると北穂池の方へ延びる踏み跡が目に入った。
ネット情報ではひどいヤブで相当厳しいというトラバースは、見たところそれほど難しそうには思えない。
疲れた体は楽なトラバースの誘惑に勝つことができず、当初の予定を変更してトラバースルートに入ってしまった。
まずはナナカマド帯へ突入だ、上手に通過するには決して彼らに逆らわないことだ。
枝の流れる方向にジグザクに進んで行けば、10分ほどで問題なく抜けることができた。
次の問題は氷でコーティングされた小さなルンゼの通過となる。
履き古してソールがツルツルの山靴で歩くのは辛い、慎重に進んでいこう。
無事にルンゼを通過すれば岩場の端の踏み跡をたどっていく。
日当たりが悪いので、氷や新雪を踏みしめながらの前進だ。
最後にもう一度ナナカマド帯を抜けると、枯れ果てたキイチゴ畑の下に北穂池が現れた。
頭上に聳える北壁には氷結した白い筋が何本も走り、落石でガラガラと不気味な音をたてている。
キイチゴ畑を下りきると雪田の下にきれいな水が流れていて、ここで水の補給も可能なようだ。
雪田から少し登り返して二ノ池の畔にテントを設営する。
目の前に大きな北穂北壁、カールを挟んで南岳、東には常念岳というすばらしいロケーションを今夜は独り占めだ。
すぐ下の涸沢は大混雑というのになんという贅沢なことだろう。
満月間近のお月さまはもう蝶ヶ岳の上に高く昇っている。
夕食の準備を始めると北壁でパーンと大きな音がした、と思ったら大規模な崩落が発生した。
身の毛もよだつ恐ろしい音だ、どうか寝てる間に大崩落が起きませんように・・・
朝は北壁が真っ赤に染まるのを期待していたが、残念ながら雲が多くてモルゲンロートは見られなかった。
紅葉といいモルゲンロートといい赤色とはとことん縁がない今回の山行だ。
二ノ池から草地を下って一ノ池をぐるっと朝のお散歩。
撮影ポイントを見つけるが、水面が凍っていて山の影がうまく池に写ってくれない。
紅葉にモルゲンロートに逆さ景色も自然は思うようにはならないものだ。
湖畔遊びを楽しんで気がつけばもう8時半だ、急いで左俣へ戻るとしよう。
左俣へ戻るには凍ったルンゼから下って北穂の滝へ出るのが手っ取り早いのだが、もう一度左俣カールの感動を味わいたくて遠回りのトラバースルートをとった。
カールまで戻ると南岳の獅子鼻針峰群がすばらしい、とても日本の山とは思えない眺めだ。
左俣カールの展望を瞳に焼き付けて暗い左俣に入ることにした。
雪渓の上で南岳へ向かうという初老のご夫婦とすれ違った。
左俣は南岳へのワンデイルートとして利用する人が時々いるようだ。
横尾まで戻ると再び喧騒の観光地となる。
静かな裏道を嘉門次小屋まで飛ばして歩き、塩焼きとアワワでひとり祝杯を挙げた。
北面台地からの火打、南白山、福川からの赤石、そして今回の北穂池が今年の目標とした山々だった。
今は無事に全てをクリアできて最高の気分だ、さあ急いで上高地に向おう。
【山域】北ア南部
【天候】晴れ
【コース】
10月9日
上高地 6:20---横尾山荘 8:50 ---横尾本谷出合 11:00--- 二俣 12:10--- 北穂の滝 13:45
--- 左俣カール 14:20 --- 北穂池 15:50
10月10日
北穂池 8:45--- 左俣カール 9:50 --- 北穂の滝 10:15 --- 二俣 11:10---横尾山荘 13:20---
14:40 嘉門次小屋 15:15 ---上高地 16:00
昨年、黄金平へ訪れた際に今回の北穂池山行を決めていた。
そして今年も紅葉シーズン突入、体育の日の連休はピーカン天気となり絶好の山日和が訪れた。
連休とあって上高地の人出は半端ではない、山ガスタイルも順調に増殖してる模様だ。
横尾までは周囲の山屋さんウオッチングをしながらのウォーキングとなる。
横尾を過ぎると行き交う人が多くて渋滞気味、涸沢はいったいどんなことになっているだろう。
本谷橋を過ぎると一般道とは別世界の静かなゴーロ歩きがはじまる。
横尾本谷も二度目の今年は要領がわかっているので歩きやすい。
背後に聳える屏風の頭が立派に見えるようになると、いよいよ横尾本谷左俣の入り口だ。
岩石に埋め尽くされた左俣は深く暗く静まり返っていて、なんだか嫌な雰囲気が漂っている。
白出沢も似た形容ができる谷だが、こちらの方が暗く汚い感じがする。
ガラガラと岩だらけの谷を1時間ほど歩くと大きな雪渓が現れた。
残雪歩きは8月のゾロ谷で終わらせたつもりだったが、こんなところでまた雪渓歩きができて嬉しくなる。
雪渓を過ぎるとすぐに北穂の滝が見えてきた。
100mの落差があるというその滝は、気温が低いので半凍結状態。
滝から落ちてくるのは水しぶきではなくて、氷粒なので周囲は真っ白となっている。
滝のすぐ上で谷は二俣となり、左俣へ進めば北穂池へのショートができる。
しかし、ネット情報によれば敗退した山行レポも見てるので安全とされる右俣へ入ることにする。
8月の南ア福川源頭のルートミスで痛い目にあっているので、今回はなるべく無理はしたくない。
北穂池へは左俣カールから北穂北壁直下2,700mを経由して入るというのが今日の計画なのだ。
チョロチョロと流れる水流が途絶えると突然目の前が開け、左俣カールの大パノラマが飛び込んできた。
北穂北壁と南岳南壁その間に広がるカールは想像以上のすばらしい眺めだ。
昨年の右俣カールの眺めでは失望したので、あまり期待はしていなかっただけにその感動は大きい。
しかしなんだかおかしいぞ、どこにも赤や黄の色づきがない。
ここまで登る間にも鮮やかな紅葉はどこにもなかった、先日の寒気で紅葉がダメになってしまったのに違いない。
こんなにひどい紅葉は見たことがない。
しかし、この眺めは紅葉の不味さを差し引いても余りあるすばらしさだ。
北穂池へ一番安全に行けるという北壁直下2,700m地点まではまだ200mも登らなくてはいけない。
よたよたと登っていると北穂池の方へ延びる踏み跡が目に入った。
ネット情報ではひどいヤブで相当厳しいというトラバースは、見たところそれほど難しそうには思えない。
疲れた体は楽なトラバースの誘惑に勝つことができず、当初の予定を変更してトラバースルートに入ってしまった。
まずはナナカマド帯へ突入だ、上手に通過するには決して彼らに逆らわないことだ。
枝の流れる方向にジグザクに進んで行けば、10分ほどで問題なく抜けることができた。
次の問題は氷でコーティングされた小さなルンゼの通過となる。
履き古してソールがツルツルの山靴で歩くのは辛い、慎重に進んでいこう。
無事にルンゼを通過すれば岩場の端の踏み跡をたどっていく。
日当たりが悪いので、氷や新雪を踏みしめながらの前進だ。
最後にもう一度ナナカマド帯を抜けると、枯れ果てたキイチゴ畑の下に北穂池が現れた。
頭上に聳える北壁には氷結した白い筋が何本も走り、落石でガラガラと不気味な音をたてている。
キイチゴ畑を下りきると雪田の下にきれいな水が流れていて、ここで水の補給も可能なようだ。
雪田から少し登り返して二ノ池の畔にテントを設営する。
目の前に大きな北穂北壁、カールを挟んで南岳、東には常念岳というすばらしいロケーションを今夜は独り占めだ。
すぐ下の涸沢は大混雑というのになんという贅沢なことだろう。
満月間近のお月さまはもう蝶ヶ岳の上に高く昇っている。
夕食の準備を始めると北壁でパーンと大きな音がした、と思ったら大規模な崩落が発生した。
身の毛もよだつ恐ろしい音だ、どうか寝てる間に大崩落が起きませんように・・・
朝は北壁が真っ赤に染まるのを期待していたが、残念ながら雲が多くてモルゲンロートは見られなかった。
紅葉といいモルゲンロートといい赤色とはとことん縁がない今回の山行だ。
二ノ池から草地を下って一ノ池をぐるっと朝のお散歩。
撮影ポイントを見つけるが、水面が凍っていて山の影がうまく池に写ってくれない。
紅葉にモルゲンロートに逆さ景色も自然は思うようにはならないものだ。
湖畔遊びを楽しんで気がつけばもう8時半だ、急いで左俣へ戻るとしよう。
左俣へ戻るには凍ったルンゼから下って北穂の滝へ出るのが手っ取り早いのだが、もう一度左俣カールの感動を味わいたくて遠回りのトラバースルートをとった。
カールまで戻ると南岳の獅子鼻針峰群がすばらしい、とても日本の山とは思えない眺めだ。
左俣カールの展望を瞳に焼き付けて暗い左俣に入ることにした。
雪渓の上で南岳へ向かうという初老のご夫婦とすれ違った。
左俣は南岳へのワンデイルートとして利用する人が時々いるようだ。
横尾まで戻ると再び喧騒の観光地となる。
静かな裏道を嘉門次小屋まで飛ばして歩き、塩焼きとアワワでひとり祝杯を挙げた。
北面台地からの火打、南白山、福川からの赤石、そして今回の北穂池が今年の目標とした山々だった。
今は無事に全てをクリアできて最高の気分だ、さあ急いで上高地に向おう。
以前に言われていた夢のコースついに決行ですね。