【湖北】懸案の源流探索 大音波川から下谷山へ

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山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【湖北】懸案の源流探索 大音波川から下谷山へ

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2021年11月13日(土)
【山 域】湖北 下谷山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】大音波川橋7:30---9:35ベルク余呉二俣---10:05音波二俣---11:40間違えた谷源頭---11:55目的の谷---
     12:45江美国境稜線14:20---14:35下谷山---16:05大音波---17:15県道---17:40駐車地

 道路際の気温表示は2℃。もう沢を歩く気の起こらない気温である。
今年の沢納めに選んだのは懸案の大音波川。検索してもまったく記録は見当たらない。いわゆるハズレ沢の可能
性が大なのだが、下谷山直下の源頭の佇まいを見れば、いつかは行かねばならない谷だと思っていた。
あの県境稜線でありながら谷底にいるような、不思議な感覚の場所へ詰め上がる谷は、どんな表情を見せるのだ
ろう。
昨年の夏、この源頭に向かい合うように福井県側から上がる美土路川を遡行した。まあ、予想通り何もない谷だ
ったのだが、源流の最初の一滴がここというのが何より素晴らしいのである。
どちらの谷もほとんど傾斜のないゆるゆるとした源頭部が、このパラダイスへと導いてくれる。

PB130006_1.JPG

 大音波川橋から釣り師が設置したと思われるトラロープで谷へ下りる。地形図をみればわかることだが、この
谷は延々と平流が続き、4キロの間に稼ぐ標高差はわずかに180mしかないのだ。谷幅も広く、まさに川と言うに
ふさわしい。何かがあると思う方が不思議だろう。
水の中に足を踏み入れるとさすがに冷たく、今日はできるだけ水に入らずに歩こうと心に決めた。

 ようやく谷に日が差し始めると、背中がポカポカと温かい。標高の低いまわりの山肌は色付きもピークを迎え
ていた。谷が広いおかげで河原も広く、昔からの道があるようで、その踏み跡を辿ってできるだけ水を避けて進
む。
たまに土管や訳の分からない廃材の残骸が転がっているのは、左俣上流にあったベルク余呉スキー場の工事の名
残りだろう。土砂を全部谷へ捨てたという荒っぽい工事で建設されたらしいスキー場も、バブルが終わってスキ
ーブームが去ると同時に客が減ってしまったのか、10年ほど前に閉鎖され放置されたままになっている。


PB130061_1.JPG

 Ca560mの二俣に着いた。左は三角点音波へ向かう谷である。ここを右に取り、さらにCa640mで北へ伸びる大
きな谷と別れて東へ針路を取るのだが、源流の明瞭な谷の形と比して、いかにも微妙な等高線の入り具合が悩ま
しい。源頭からそのまま地形図の窪みを辿って行くと、谷の形は斜面に吸収されてしまう。恐らくその南側の谷
地形がそこに接続しているだろうと見当を付けた。


PB130094_1.JPG
PB130121_1.JPG

 これまでほとんど標高を上げていない分、胸を衝くような傾斜になったが滝はほとんどなくガラガラした岩屑
の谷が続いた。ヤブっぽさがないのが救いというところか。
急な分仕事も早く。葉を落としたブナ林の向こうの青空が近付いてきた。いよいよあそこを右に曲がれば源流の
ゆるゆる地帯に突入か。と思ったら、谷はいきなりそこで終わっていた。GPSで確認すると、予定の谷の南側の
谷の源頭に立っていた。途中に分岐はなかった。と言うことは、この谷は予定の谷とは繋がっていなかったので
ある。
ならば、予定の谷はどこへ流れているのか。もうひと登りで下谷山北西の山稜に乗るのだが、このまま終わって
しまうわけにはいかない。北隣の谷へとトラバースを開始。これが意外に悪く、時間を食ってしまった。


PB130137_1.JPG

 トラバースの末に見下ろした目的の谷は素晴らしい雰囲気を持っていた。屈曲した完全なV字谷の佇まいとま
わりの樹林の美しさは申し分ない源流の形を見せていた。
では、この谷の続きはどうなっているのか。確かめずにはおれず、下流へと足を運ぶ。
 谷が2度カーブした先に滝が落ちていた。10mほどだろうか。ここがちょうど地形図の谷の形がなくなるあたり
だ。この下にも滝が連続してるのかどうかはわからなかった。
結論は、地形図が間違っているわけでもなく、地形図に表しきれない微妙な谷の形がここにはあったということ
である。最初に進んだ谷も、先ほどの源頭部に向かってはいるが、途中からこの谷に繋がっているのだろうと勝
手に想像していただけなのだ。


PB130158_1.JPG

 完全に疑問が氷解したわけではないが、自分の中では答が見つかったので満足だ。
さあ、源流のパラダイスへ向かおう。V字の谷は続き、まもなく源頭の平流部かと思いきや、予想外の滝が現れた。
10m足らずだろうか、階段状なので問題なく直登。ところがまたも5mほどの滝に阻まれた。これは直登不可能で、
右岸のズルズルの斜面を這い上がって巻く。その上にも小滝が続いており、まとめて巻いて再び流れに下り立った。

 ここから先は何度も目にした優しい源流だ。まったく石が見えない、土だけでできたような炭焼窯跡があった。
下の方で茶碗のカケラが落ちていて驚いたのだが、かつてここで仕事をしていた人の痕跡なのだろうか。
斜面には昨日の冷え込みの名残りの雪がまだ残っていた。1000m足らずのこの山でも初雪が降ったようだ。
目の高さの先に国境稜線が見えている。

PB130180_1.JPG

 谷底のような県境稜線(江越国境稜線)は定番のランチ場だ。ブナ林に囲まれているが、まったく閉塞感のない
心落ち着く場所である。日溜まりに腰を降ろして至福の一杯を楽しむ。

 食後は下谷山頂へご挨拶。積雪期と違ってあまり展望の利かない山頂だが、南側だけは開けている。
さっきの雪を見れば、白山は真っ白に冠雪しているだろうと思ったが、残念ながらその姿を見ることはできなか
った。
 ここからは何度も歩いている三角点大音波への南尾根を辿る。ずっとブナ林が続くお気に入りの尾根なのだが、
ちょっと気になることがあった。白いビニールテープが延々と張られており、道と関係なさそうなところにピン
クのテープが付けられている。これは栃ノ木峠からの県境稜線に計画されている風力発電の絡みだろうか。
庄部谷山近辺といい、自分の愛するブナ林の山々が失われて行くのは身を切られるように悲しい。地球環境のた
めに自然を破壊する矛盾をおかしいと思わないのか、見て見ぬふりをしているのか。

PB130256_1.JPG

 大音波もいい山頂だ。余呉トレイルはここから南西の尾根に拓かれており、駐車地の大音波川出合への最短
ルートである。しかし、ここはあえて南東の針川へ向かう尾根を選択した。この尾根は2度歩いているが、ブナ
林が続く広く緩やかな尾根で、余呉トレイルよりも遥かに優れていると思う。なぜこちらに設定しなかったの
か不思議に思ったものだ。
 尾根上にはところどころに素敵なブナのコバが点在しており、もう少し明るいうちならじっくり歩きたいと
ころだが、日没が迫ってきたので足も速くならざるを得ないのが残念だ。
 徐々に標高が下がってくると、葉を落としていた木々に赤みが戻ってきた。夕刻の残照を受けて、一日の終わ
りの燃えるような輝きを放っていた。もうすぐ日が沈む。
最後は地形図通りの巡視路なので安心だ。やや足元が見にくくなってきたのでヘッデン点灯。
すっかり暮れなずんだ県道を駐車地へと戻った。

                   山日和
oku
記事: 240
登録日時: 2011年3月07日(月) 22:52

Re: 【湖北】懸案の源流探索 大音波川から下谷山へ

投稿記事 by oku »

山日和さん こんばんは

そのうち行ってみようかなとか思いつつ、足の向いていない場所です。
この時期になると釣師と衝突しないのがとにかくいいですね(笑)


>今年の沢納めに選んだのは懸案の大音波川。検索してもまったく記録は見当たらない。
>いわゆるハズレ沢の可能性が大なのだが、下谷山直下の源頭の佇まいを見れば、
>いつかは行かねばならない谷だと思っていた。
歩くだけの沢でしたらわざわざ歩いてレポあげる人、いないんでしょうね。
ただ、地形図に引かれて歩くってのはやっぱりありだと思います。

>地形図をみればわかることだが、この谷は延々と平流が続き、4キロの間に稼ぐ標高差はわずかに180mしかないのだ。
>谷幅も広く、まさに川と言うにふさわしい。何かがあると思う方が不思議だろう。
平坦な流れの沢の両岸には、、、ってのを探したくなりますが、

> Ca560mの二俣に着いた。左は三角点音波へ向かう谷である。
何もないまま着いちゃったんですね。

>葉を落としたブナ林の向こうの青空が近付いてきた。
これはこれで、違う明るさがあってきれいですね。

>いよいよあそこを右に曲がれば源流のゆるゆる地帯に突入か。と思ったら、谷はいきなりそこで終わっていた。
>GPSで確認すると、予定の谷の南側の谷の源頭に立っていた。
>途中に分岐はなかった。と言うことは、この谷は予定の谷とは繋がっていなかったのである。
ちょっと不思議な感じで???ってなりそうですね。
東の支流乗った後、本流っぽいところ素直に進めばぴったりな感じですよね。

> トラバースの末に見下ろした目的の谷は素晴らしい雰囲気を持っていた。
>屈曲した完全なV字谷の佇まいとまわりの樹林の美しさは申し分ない源流の形を見せていた。
到着おめでとうございます。

>結論は、地形図が間違っているわけでもなく、地形図に表しきれない微妙な谷の形がここにはあったということ
>である。最初に進んだ谷も、先ほどの源頭部に向かってはいるが、途中からこの谷に繋がっているのだろうと勝
>手に想像していただけなのだ。
なるほど。

>V字の谷は続き、まもなく源頭の平流部かと思いきや、予想外の滝が現れた。
こんなところで、まだ滝がでてくるんですね。

> ここから先は何度も目にした優しい源流だ。
この県境界隈はまた歩きたいなと思う場所ですね。

>ブナ林に囲まれているが、まったく閉塞感のない心落ち着く場所である。
分かります。

>地球環境のために自然を破壊する矛盾をおかしいと思わないのか、見て見ぬふりをしているのか。
クリーンエネルギーってブランド掲げた商売になっちゃってるような気がします。

> 徐々に標高が下がってくると、葉を落としていた木々に赤みが戻ってきた。夕刻の残照を受けて、一日の終わ
>りの燃えるような輝きを放っていた。もうすぐ日が沈む。
この時期でしたら傾いたお日様に照らされたブナの森もほんとにきれいですね。

>最後は地形図通りの巡視路なので安心だ。やや足元が見にくくなってきたのでヘッデン点灯。
>すっかり暮れなずんだ県道を駐車地へと戻った。
予定ぴったりでしょうか?
お疲れ様でした。

oku
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】懸案の源流探索 大音波川から下谷山へ

投稿記事 by 山日和 »

okuちゃん、どうもです。

そのうち行ってみようかなとか思いつつ、足の向いていない場所です。
この時期になると釣師と衝突しないのがとにかくいいですね(笑)


そうですねえ。でも魚が身を潜める場所がないような流れだけど。


スキー場跡からか土管が転がっている
スキー場跡からか土管が転がっている

歩くだけの沢でしたらわざわざ歩いてレポあげる人、いないんでしょうね。
ただ、地形図に引かれて歩くってのはやっぱりありだと思います。


ハナから沢登りの対象として見られてないでしょう。
あの源流に続く谷だから歩いてみたかったんですよ。

平坦な流れの沢の両岸には、、、ってのを探したくなりますが、

さて、何が? :D

>Ca560mの二俣に着いた。左は三角点音波へ向かう谷である。

何もないまま着いちゃったんですね。

平流歩きを十分堪能しました。 :lol:

>葉を落としたブナ林の向こうの青空が近付いてきた。

これはこれで、違う明るさがあってきれいですね。


そうそう。どのシーズンにもその良さがありますね。

ここで突然谷は終了
ここで突然谷は終了

ちょっと不思議な感じで???ってなりそうですね。
東の支流乗った後、本流っぽいところ素直に進めばぴったりな感じですよね。


頭の中で?マークがグルグルしてました。 :roll:

>結論は、地形図が間違っているわけでもなく、地形図に表しきれない微妙な谷の形がここにはあったということである。最初に進んだ谷も、先ほどの源頭部に向かってはいるが、途中からこの谷に繋がっているのだろうと勝手に想像していただけなのだ。

なるほど。


行ってみなけりゃわからないってヤツです。

こんなところで、まだ滝がでてくるんですね。

地形図上では平流に入ってるんだけど、なかなか楽しませてくれました。


PB130161_1.JPG

この県境界隈はまた歩きたいなと思う場所ですね。

何度となく訪れてます。
美土路川、大音波川、針川左俣(下谷)と尾根が形作るH型の地形が面白い。

>ブナ林に囲まれているが、まったく閉塞感のない心落ち着く場所である。

分かります。


okuちゃんなら当然ですね。 :D


PB130183_1.JPG

クリーンエネルギーってブランド掲げた商売になっちゃってるような気がします。

その通りですね。温暖化防止のためという錦の御旗を上げると反対しづらいし。 :oops:

この時期でしたら傾いたお日様に照らされたブナの森もほんとにきれいですね。

その時間まで歩いてなきゃいかんってことだけどね。 :mrgreen:


PB130274_1.JPG

>最後は地形図通りの巡視路なので安心だ。やや足元が見にくくなってきたのでヘッデン点灯。
すっかり暮れなずんだ県道を駐車地へと戻った。

予定ぴったりでしょうか?


谷の間違いとウロウロで、予定より小1時間は遅かったかな。

             山日和
sato
記事: 421
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【湖北】懸案の源流探索 大音波川から下谷山へ

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
山日和さんのレポを味わいながら、ゆたかなお山の一日を振り返っているうちに、
木曜日になってしまいました。すみません。

遠くから眺めると上谷山に吸収されているように見える下谷山は、内に数々の輝きを散りばめる素晴らしいお山。
栃の木峠から初めて向かった時、清々しいブナの林に目を見張り、
山頂手前の尾根と谷が入り組んだ複雑な地形は、どんな風景なのだろう、とワクワクしながら歩いていきました。
そして、「県境稜線でありながら谷底にいるような、不思議な感覚の場所」に出会い、感激しました。
夢のような場所ですね。訪れる度、地形の妙、うつくしくやわらかな風景に浸っています。
山日和さんとは、雪の季節に二回、夏に一回、味わいました。
今回は、四回目の山旅。どんな旅になるのでしょう。

天気予報では、土曜日の朝はこの秋一番の冷え込み。寒かったですね。
車道の脇の落ち葉の上に、まっしろな雪が乗っているのを見てびっくりしました。
夜に雪が降ったのですね。

昨夏の越前側からの源流への旅で遡行した美土路川は、何もない谷でしたか。
わたしは、いろいろなものを感じましたが。滝がないと「何もない」谷になるのでしょうか(笑)。

延々と平流が続く大音波川は、岸辺もゆったりとしていて、道跡や整地したような場所もありました。
炭焼き窯の跡もいくつかありました。半明の人びとの生活の場だったのですね。

太陽の光は偉大ですね。寒い寒いといっていたのが、ぽかぽか、暑いくらいに。
朝の光は、世界をぱぁっと煌めかせますね。光り輝く色づいた山肌、流れゆく水・・・、
うつくしい、うつくしい、刹那の風景でした。
唯一気分が悪くなったのが、訳の分からないゴミ。スキー場の廃材だったのですね。

標高640m二俣。
左俣の情趣のある佇まいに、吸い寄せられていきそうになりましたが、
そう、谷を辿りあの地に立つのだ、と右俣へ。
入口の広い岸辺は、サワグルミとトチが穏やかに立ち並ぶ、こころ落ち着く場所でした。

地図を見ると、この先、谷は急こう配。
広がりがあり、豪快な滝のある険しい谷ではなさそう。行き詰らずに登れるかな、と思いました。
この季節に丁度いい水量でしたね。足元しか濡れずに滝を直登出来て楽しかったです。
お茶碗の欠片を見つけた時は、ふっと、谷の風景が変わりました。

大岩の横を流れ落ちる滝が現れ、その上には風格のあるトチが谷を見おろしていました。
秘密の表情に出会った、とうれしくなりました。
滝を越え、チョロチョロになった流れから、コーヒー用のお水を汲み、
いよいよ「源流のゆるゆる地帯」と思ったら、目が点になりましたね。

あれっ?谷が無くなった・・・。
分岐がなかったので地図もGPSも見ていませんでした。
GPSを見た時、どういうこと?と思いました。

あの地へ辿り着く谷は、どうなっているのか。
トラバースで向かいましたが、落ち葉の折り重なった急斜面にはうっすらと雪が積もり、ズルズルで緊張しました。
遡るはずだった谷が見えた時、言葉を失いました。静かな感動がからだじゅうに響き渡りました。
素晴らしい光景でしたね。

この谷は地図のどこを流れているのだろう。下って確認すると谷の形がなくなるあたりに滝が!
驚きは続きましたね。引き返し、源流へと登っていくと、こんなところにも滝が。
地図からは想像できない風景が続きました。
この谷の源流にもトチがそびえていました。護り神さま、と感じました。

水を汲み直してあの地へ。
谷を遡り、辿り着いた源流の地の輝く風景に、感慨無量となりました。
炭焼き窯の跡もありました。お茶碗の持ち主が作った窯なのかもしれませんね。
13時前になっていましたが、さっとご飯を食べて立ち上がることは出来ませんでした。

△817・6大音波への南尾根は味わい深い尾根ですね。気になったビニールひもとピンクテープ。
余呉、南越前ウィンドファームによる音波山~下谷山付近の風力発電計画に、
取り止めの声を挙げ活動されている知人に伺いましたら、観測塔から音波山まで付けられていたものと同じ、
とお返事をくださいました。やるせないです。

大音波からの南東尾根は初めて歩く道。ブナのコバ素敵でした。
木立ちの向こうには残照を受け、真っ赤に燃える山。急ぎ足が止まってしまい、暫しの間、見入ってしまいました。
暗くなる前に、巡視路に入れてほっとしました。

沢納めは、こころに響く地形への旅。源流への旅。予期せぬ風景との出会いの旅。
うつくしい錦繍の山への旅・・・。素晴らしい沢山旅になりました。
ありがとうございます。

sato
アバター
山日和
記事: 3582
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【湖北】懸案の源流探索 大音波川から下谷山へ

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。お疲れさまでした。

そして、「県境稜線でありながら谷底にいるような、不思議な感覚の場所」に出会い、感激しました。
夢のような場所ですね。訪れる度、地形の妙、うつくしくやわらかな風景に浸っています。
山日和さんとは、雪の季節に二回、夏に一回、味わいました。
今回は、四回目の山旅。どんな旅になるのでしょう。


ここは私にとって唯一無二の場所です。こんな地形のところは他にはないよね。

天気予報では、土曜日の朝はこの秋一番の冷え込み。寒かったですね。
車道の脇の落ち葉の上に、まっしろな雪が乗っているのを見てびっくりしました。
夜に雪が降ったのですね。


温度計の2℃にビビりました。沢はやめて普通の山歩きにしようかなと。 :oops:

PB130173_1.JPG

昨夏の越前側からの源流への旅で遡行した美土路川は、何もない谷でしたか。
わたしは、いろいろなものを感じましたが。滝がないと「何もない」谷になるのでしょうか(笑)。


「何もない」は他の人へのわかりやすい説明です。私はそれなりに面白かったですよ。 :D

延々と平流が続く大音波川は、岸辺もゆったりとしていて、道跡や整地したような場所もありました。
炭焼き窯の跡もいくつかありました。半明の人びとの生活の場だったのですね。


歩いたあたりはスキー場ができる前とあまり変わってないのかな。
スキー場へ向かう谷はどうなってるのか、恐いけど見てみたいような。

太陽の光は偉大ですね。寒い寒いといっていたのが、ぽかぽか、暑いくらいに。

日が当たった瞬間に世界がかわりました。足は冷たいままだったけど。

標高640m二俣。
左俣の情趣のある佇まいに、吸い寄せられていきそうになりましたが、
そう、谷を辿りあの地に立つのだ、と右俣へ。
入口の広い岸辺は、サワグルミとトチが穏やかに立ち並ぶ、こころ落ち着く場所でした。

あっちも良さげでしたね。源頭の雰囲気がいいのは保証付きだし。


PB130076_1.JPG

地図を見ると、この先、谷は急こう配。
広がりがあり、豪快な滝のある険しい谷ではなさそう。行き詰らずに登れるかな、と思いました。
この季節に丁度いい水量でしたね。足元しか濡れずに滝を直登出来て楽しかったです。


この辺は大きな滝ができにくい地質なんでしょう。
針川左俣も2m以上の滝は皆無だったし、美土路川もしかり。

お茶碗の欠片を見つけた時は、ふっと、谷の風景が変わりました。

あれはびっくりしましたね。 :o


PB130102_1.JPG

大岩の横を流れ落ちる滝が現れ、その上には風格のあるトチが谷を見おろしていました。
秘密の表情に出会った、とうれしくなりました。

この谷にして正解だったと、この時までは喜んでんだけど・・・


PB130121_1.JPG

あれっ?谷が無くなった・・・。
分岐がなかったので地図もGPSも見ていませんでした。
GPSを見た時、どういうこと?と思いました。

ナニコレ珍百景でした。 :mrgreen:

あの地へ辿り着く谷は、どうなっているのか。
トラバースで向かいましたが、落ち葉の折り重なった急斜面にはうっすらと雪が積もり、ズルズルで緊張しました。
遡るはずだった谷が見えた時、言葉を失いました。静かな感動がからだじゅうに響き渡りました。
素晴らしい光景でしたね。


チェーンスパイクが度々外れたりして、なかなか厳しいトラバースでした。
しかし目的の谷を見下ろした時の感激はひとしおでしたね。


PB130134_1.JPG

この谷は地図のどこを流れているのだろう。下って確認すると谷の形がなくなるあたりに滝が!
驚きは続きましたね。引き返し、源流へと登っていくと、こんなところにも滝が。
地図からは想像できない風景が続きました。

その下にも滝が続いていそうな雰囲気でした。下流の流れが見えなかったし。
上流の滝にも驚かされましたね。まわりが岩壁でなくてよかった。滝はあるけど優しい風景でしたね。

水を汲み直してあの地へ。
谷を遡り、辿り着いた源流の地の輝く風景に、感慨無量となりました。

極上のコーヒータイムを楽しむための作業でしたね。水の中に土ぼこりが舞ってたけど、どうせフィルター通すから関係ないしね。 :lol:


土に還った?窯跡
土に還った?窯跡

炭焼き窯の跡もありました。お茶碗の持ち主が作った窯なのかもしれませんね。

茶碗の谷とは違う谷なんだけどね。自分で書いてて矛盾してるなと。 :mrgreen:

13時前になっていましたが、さっとご飯を食べて立ち上がることは出来ませんでした。

ここでそういうわけにはいかんでしょう。 :D

△817・6大音波への南尾根は味わい深い尾根ですね。気になったビニールひもとピンクテープ。
余呉、南越前ウィンドファームによる音波山~下谷山付近の風力発電計画に、
取り止めの声を挙げ活動されている知人に伺いましたら、観測塔から音波山まで付けられていたものと同じ、
とお返事をくださいました。やるせないです。


あー、やっぱりねえ。いい加減にしてほしいって感じです。 :twisted:

延々続いていた白いテープ
延々続いていた白いテープ

大音波からの南東尾根は初めて歩く道。ブナのコバ素敵でした。
木立ちの向こうには残照を受け、真っ赤に燃える山。急ぎ足が止まってしまい、暫しの間、見入ってしまいました。
暗くなる前に、巡視路に入れてほっとしました。


この尾根は素敵な尾根だったでしょう。一度間違いかけたけど。 :mrgreen:
もう少し明るい時に歩けばもっと吉ですね。


PB130247_1.JPG

沢納めは、こころに響く地形への旅。源流への旅。予期せぬ風景との出会いの旅。
うつくしい錦繍の山への旅・・・。素晴らしい沢山旅になりました。


予想以上にいい山旅になりましたね。未踏の地を探訪するのは楽しいですね。

             山日和
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