【奥美濃】忘却の藤波谷から小津権現山
Posted: 2021年8月12日(木) 11:54
【日 付】2021年8月8日(日)
【山 域】奥美濃 小津権現山
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】藤波谷登山口7:40---12:00源流ランチ場13:00---14:20小津権現山15:00---16:35登山口
藤波谷は13年前に訪れているが、谷の様子はほとんど記憶に残っていない。ただ、想像していたよりもスッキリ
したいい谷だという印象はあった。
ハッキリと覚えているのは、メガネを落とした(置き忘れた)ことと、帰りに長浜のイオンでメガネを買ったことぐら
いである。どんな谷でもポイントになる箇所の一つや二つは覚えているものだが。
今日も予想最高気温は35℃以上。暑くなりそうだが、日の当たらない西向きの谷はひんやりとしていた。
朝なのに夕方のような暗さの陰鬱なゴルジュに入ると、90度右に曲がったところに10m滝を落としていた。巻くの
も面倒そうなのでルートを探ると、左の岩棚から滝に向かってバンドを伝えば抜けられそうだ。ロープを出して、
最後は落ち口横へ這い上がる。
次の15m滝は直登不可能。左右どちらから巻くか思案する。左の緩いガラガラのルンゼが登りやすそうだが、上
部に岩壁帯が見え、その基部をトラバースできるのかどうかわからない。状況次第ではかなり上の方まで追い上げ
られそうである。(前回の記録を読むとこちらから巻いていた)
右の方が落ち口へ素直に行けそうに見えたのでこちらを選択したが、結構緊張を強いられる大高巻きとなってしま
った。結局どっちもどっちだったかもしれない。
やっとの思いで落ち口のはるか上のラインまで来ると、その上にも10mほどの直登不能と思われる滝が続き、さら
に小滝が連続している。トラバースを続けて全部まとめて巻いて流れに復帰する。
このあたりからようやく尾根の向こうからの日差しが谷を照らし始めた。
ここからはいわゆるゴーロ谷の様相を呈するが、木漏れ日に光るサワグルミの森と苔むした岩が織りなす雰囲気が
素晴らしく、退屈することはない。時折現れる小滝とナメがアクセントとなって、気分良く遡行することができる。
Ca400mあたりから続く瀑流帯は見事で、傾斜も緩くフリクションが効くのでひたすら直登で前進。これほど楽
しい谷なのになぜ記憶がないのか不思議である。
地形図から想像するよりはるかに広く明るい谷だが、さらに大きく開けると左岸に目を瞠るような大岩が現れた。
岩壁ではなく、独立した巨大な岩がいくつも続き、その中に人工的と思われる穴が穿たれた岩があった。お不動様
でも安置されていたと思えるような四角い穴だ。穏やかな流れの横に突如出現した、なにか神の宿るような不思議
な感じのする空間だった。
威圧的な岩壁を穿って落ちる10m滝は、左手の急峻な小尾根を垂れ下がるツタを頼りに巻く。今回も巻くたびに
チェーンスパイクが大活躍である。
これで大きな滝は終了。記憶にない源流部の様子はどうだったのか。
これがまた素晴らしかった。濃密なサワグルミの森の中にトチの大木が散見されるようになった。中でも最大のも
のは6mオーバーと思われたが、この巨樹を見逃すはずはないし、記憶にないのはどうしたことだろうか。
ヤブっぽさが微塵もないのはもちろんのこと、伐採跡の潅木の林がまったくないのが谷の美しさを棄損していな
いのが藤波谷の最大の美点である。谷そのものはもう見るべき滝もなく、遡行という意味では面白みに欠けるかも
しれない。しかしこういう谷を取り巻く森の美しさや佇まいを谷の魅力として捉えてこそ、谷から稜線あるいは山
頂に立つという意味があるのだと思う。
最近は習い性になってしまったが、源流の雰囲気のいい場所でランチタイムとした。
山頂で景色を眺めながらというのもいいが、流れの横で水音を聞きながら飲むビールは格別のものがある。もちろ
ん、後がしんどいのは甘んじて受け入れなければならないが。
源頭部も胸を衝くような急登があるわけではなく、まったくヤブなしのV字谷を辿る。
最後はすぐ上に見えている登山道のある尾根へ逃げた。ここは植林が入っており、藤波谷の唯一残念な部分である。
これでブナの森を抜けて稜線に立てれば言うことなしなのだが。
よく踏まれた登山道を山頂へ向かう。青息吐息で、普段なら掴むこともないトラロープに縋って歩く有様である。
山頂はやはり熱気ムンムンで、とてものんびりしてはいられない状況だった。やはりあそこでランチタイムにして
良かった。今日は雲が多く、能郷白山や屏風山を辛うじて望むことができたが、展望としては申し分ない。
靴を履き替えて藤波谷右岸尾根の登山道を下る。ほとんどが木陰で直射日光を浴びることがないのが救いだが、
とにかく暑い。熱が体内にこもって、体温が限界まで上昇しているような感じだ。楽な道のはずなのに息切れして
しまう。そのせいでもあるまいが、なんでもないところで足を滑らせて、5mほど滑落してしまった。
落ちたところは登山道の続きで、意図せぬショートカットをしただけでほぼ無傷なのはラッキーだった。
横山ダム湖が見えたと思ってからが長かった。と言っても微々たる時間なのだが、やたら長く感じたのである。
ようやく藤波谷の渡渉点に着くと思いっきり水を被ってクールダウン。オーバーではなく生き返ったと実感した。
駐車地までのわずかな国道歩きがまた灼熱地獄だった。
山日和
【山 域】奥美濃 小津権現山
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】藤波谷登山口7:40---12:00源流ランチ場13:00---14:20小津権現山15:00---16:35登山口
藤波谷は13年前に訪れているが、谷の様子はほとんど記憶に残っていない。ただ、想像していたよりもスッキリ
したいい谷だという印象はあった。
ハッキリと覚えているのは、メガネを落とした(置き忘れた)ことと、帰りに長浜のイオンでメガネを買ったことぐら
いである。どんな谷でもポイントになる箇所の一つや二つは覚えているものだが。
今日も予想最高気温は35℃以上。暑くなりそうだが、日の当たらない西向きの谷はひんやりとしていた。
朝なのに夕方のような暗さの陰鬱なゴルジュに入ると、90度右に曲がったところに10m滝を落としていた。巻くの
も面倒そうなのでルートを探ると、左の岩棚から滝に向かってバンドを伝えば抜けられそうだ。ロープを出して、
最後は落ち口横へ這い上がる。
次の15m滝は直登不可能。左右どちらから巻くか思案する。左の緩いガラガラのルンゼが登りやすそうだが、上
部に岩壁帯が見え、その基部をトラバースできるのかどうかわからない。状況次第ではかなり上の方まで追い上げ
られそうである。(前回の記録を読むとこちらから巻いていた)
右の方が落ち口へ素直に行けそうに見えたのでこちらを選択したが、結構緊張を強いられる大高巻きとなってしま
った。結局どっちもどっちだったかもしれない。
やっとの思いで落ち口のはるか上のラインまで来ると、その上にも10mほどの直登不能と思われる滝が続き、さら
に小滝が連続している。トラバースを続けて全部まとめて巻いて流れに復帰する。
このあたりからようやく尾根の向こうからの日差しが谷を照らし始めた。
ここからはいわゆるゴーロ谷の様相を呈するが、木漏れ日に光るサワグルミの森と苔むした岩が織りなす雰囲気が
素晴らしく、退屈することはない。時折現れる小滝とナメがアクセントとなって、気分良く遡行することができる。
Ca400mあたりから続く瀑流帯は見事で、傾斜も緩くフリクションが効くのでひたすら直登で前進。これほど楽
しい谷なのになぜ記憶がないのか不思議である。
地形図から想像するよりはるかに広く明るい谷だが、さらに大きく開けると左岸に目を瞠るような大岩が現れた。
岩壁ではなく、独立した巨大な岩がいくつも続き、その中に人工的と思われる穴が穿たれた岩があった。お不動様
でも安置されていたと思えるような四角い穴だ。穏やかな流れの横に突如出現した、なにか神の宿るような不思議
な感じのする空間だった。
威圧的な岩壁を穿って落ちる10m滝は、左手の急峻な小尾根を垂れ下がるツタを頼りに巻く。今回も巻くたびに
チェーンスパイクが大活躍である。
これで大きな滝は終了。記憶にない源流部の様子はどうだったのか。
これがまた素晴らしかった。濃密なサワグルミの森の中にトチの大木が散見されるようになった。中でも最大のも
のは6mオーバーと思われたが、この巨樹を見逃すはずはないし、記憶にないのはどうしたことだろうか。
ヤブっぽさが微塵もないのはもちろんのこと、伐採跡の潅木の林がまったくないのが谷の美しさを棄損していな
いのが藤波谷の最大の美点である。谷そのものはもう見るべき滝もなく、遡行という意味では面白みに欠けるかも
しれない。しかしこういう谷を取り巻く森の美しさや佇まいを谷の魅力として捉えてこそ、谷から稜線あるいは山
頂に立つという意味があるのだと思う。
最近は習い性になってしまったが、源流の雰囲気のいい場所でランチタイムとした。
山頂で景色を眺めながらというのもいいが、流れの横で水音を聞きながら飲むビールは格別のものがある。もちろ
ん、後がしんどいのは甘んじて受け入れなければならないが。
源頭部も胸を衝くような急登があるわけではなく、まったくヤブなしのV字谷を辿る。
最後はすぐ上に見えている登山道のある尾根へ逃げた。ここは植林が入っており、藤波谷の唯一残念な部分である。
これでブナの森を抜けて稜線に立てれば言うことなしなのだが。
よく踏まれた登山道を山頂へ向かう。青息吐息で、普段なら掴むこともないトラロープに縋って歩く有様である。
山頂はやはり熱気ムンムンで、とてものんびりしてはいられない状況だった。やはりあそこでランチタイムにして
良かった。今日は雲が多く、能郷白山や屏風山を辛うじて望むことができたが、展望としては申し分ない。
靴を履き替えて藤波谷右岸尾根の登山道を下る。ほとんどが木陰で直射日光を浴びることがないのが救いだが、
とにかく暑い。熱が体内にこもって、体温が限界まで上昇しているような感じだ。楽な道のはずなのに息切れして
しまう。そのせいでもあるまいが、なんでもないところで足を滑らせて、5mほど滑落してしまった。
落ちたところは登山道の続きで、意図せぬショートカットをしただけでほぼ無傷なのはラッキーだった。
横山ダム湖が見えたと思ってからが長かった。と言っても微々たる時間なのだが、やたら長く感じたのである。
ようやく藤波谷の渡渉点に着くと思いっきり水を被ってクールダウン。オーバーではなく生き返ったと実感した。
駐車地までのわずかな国道歩きがまた灼熱地獄だった。
山日和
