【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

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sato
記事: 136
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by sato »

【日 付】  2020年12月29日(火)
【山 域】  江美国境
【天 候】  晴れ
【メンバー】 夫、sato
【コース】 坂内広瀬鳥越林道路肩~・1039~金糞岳~・1039~・849手前の850mピーク~・603~車道~駐車地

あっ、と声をあげ、ブレーキを踏み、胸をなでおろす。危うく雪の中につっこむところだった。
坂内大草履から浅又川沿いの鳥越林道に入っても除雪されていたので、どこまでも通れるような気分になっていた。
夫と席を交換して、バックですれ違い場所まで戻ってもらう。雪のある細い道のバック運転は苦手。ひとりでなくてよかったと思う。

日曜日、大ダワの山頂から眺めた金糞岳の、水晶のように透明で冷たく熱い輝きが胸に突き刺さった。
わたしの中では二月に訪れる山。でも、あの煌めきがまぶたの裏で燃え上がっている。
30日には寒波が来る。出かけるなら火曜日。
山頂までは厳しいだろうけど、光り輝く北尾根に乗り、近づけるところまで近づこうと計画していると、
実家に泊りにいく予定が中止になった夫が、一緒に登ろうと言ってくれた。ふたりだとこころ強い。
ありがとう、じゃあ運転はわたしがするね、とえらそうに言ったのだが、早速頼ってしまうわたしだった。

イビデンの発電所?の傍に車を停め、スノーシューを履き、雪の積もった道をぼこっぼこっと音を立てながら進んでいく。
出発時間は7時20分。この時間にこんなに潜るのだから、帰りは車道歩きはしたくないな、と早くも思う。
北尾根に乗るにはどの尾根がいいのだろう。あまり下から取り付くと、山頂まで遠い。
でも、少しでも長く壮観な景色を味わいながら登りたい。お気に入りの台地、・1039にとどく尾根を辿ることに決める。
20分あまりで取り付く尾根の入り口の谷に着き、もこもこと雪の積もった林道を登っていく。ジグザグになるところで道を離れ尾根に入る。
IMG_02012021_092608_(563_x_1000_ピクセル).jpg
雪質は変わらず。しばらくわたしが先頭を歩く。雪は重いけれど、こころは軽やか。まぶたの裏の煌めきが、足を前に踏み出させてくれる。
標高800mあたりで傾斜が増すと、50mで交代しながら登っていく。
尾根が広くなり、青空に手が届くのでは、と思った時、ブナが立ち並ぶつるりとした台地にでた。
思わず周囲を見渡し、人の歩いた痕跡がないのを確認し、ほっとため息をつく。

時計を見ると10時前。うれしいことに雪質も変わった。わたしの足元からは、輝く雪稜が山頂へと延びていく。
目の前に広がるのは、夢でも憧れでもない。今、という現実だけ。いつの間にか、まぶたの裏の煌めきも消えていた。
IMG_02012021_092621_(1000_x_563_ピクセル).jpg
ここからは、お互い思い思いに登る。
春のような陽気に、絵に描いたような風景。二年前も同じことを呟いていたなぁ、と懐かしくなる。
夫は相変わらず山座同定に忙しい。

なんて穏やかな輝きに満ちているのだろう。ふっと現実から離れそうになる。
奥美濃の山やま、どこまでも白い白山、御嶽、乗鞍、北アルプス、中央、南アルプスまでも望みながら、
夢のような尾根を、今、歩いているのだが、光り輝くこの尾根、この山を中心に、
うつくしい真理の世界が展開している、曼荼羅のような世界に足を踏み入れた気分になる。
IMG_02012021_092647_(1000_x_563_ピクセル).jpg
まっしろな白倉の頭が存在感を増してくる。負けじと白い三角点ピークが目の前まで近づく。
一歩一歩踏みしめながら越え、もうひと登りすると、見覚えのある木が目に飛び込んだ。

ふぅと息を整え、最後の数歩の感触をかみしめ、凹凸のない滑らかな山頂にそっと足跡を刻みこむ。
「金糞岳」と書かれた赤いプレートのかかった木に近づいたその時、南から風が吹いてきて、何かを囁くように頬をなでる。
振り向くと、柔らかな陽射しを浴びてしっとりと光る、わたしの暮らす近江の風景がそこに在った。

泣き出したくなるようなやさしい風景だった。大ダワの山頂で感じた「カミ」。
神が宿るのは「どこか」でも、「ここ」だけでもないのだ。風に乗って金糞岳の神様の笑う声が聞こえたような気がした。

あまりにも遠くまで見渡せて、あまりにも穏やかな陽気なので、ぽけっ、と出来ない夫も、今日は食後のんびりとしている。
それでも時間が気になるのか、12時35分になると、さぁ行こうと立ち上がる。
IMG_02012021_092704_(1000_x_563_ピクセル).jpg
絶景を楽しみながらの下り。登りの時より潜るが、心地よい傾斜が続くので、すたすたと進める。
どの尾根を下ろうかと話しているうちに・1211を過ぎ、・1039に。
時間には余裕がある。車道を出来るだけ歩かないのは、と地図を見る。車を停めたのは浅又川に入って一つ目の谷の近く。
・849の手前の850mピークから・603の尾根を下ってみよう、と考えが一致する。

△981・6から先は初めてだ。
雑然とした二次林になり、ブナ林とはお別れかな、とさみしく思うと、清々しいブナ林が現れ、ぱぁっとこころに光が射し込む。
痩せ尾根が出てきて、よしっ、とうれしくなる。未知の稜線歩きはわくわく面白い。
でも、標高が下がるにつれ雪がどんどん重くなり、ペースが落ちていく。
15時15分。若いブナに囲まれた850mピークで北尾根とお別れをする。

登り返しはしたくないので、小さな枝分かれをする尾根を、GPSで確認しながらゆっくりと下っていく。
進む尾根は、地図では分からなかったが、急こう配の岩の多い痩せ尾根だった。
ズボズボと潜るのでなかなか進まない。ため息が出るが、こういうのもなければね、と面白がる。
・603から先は、450mの小山に登るのをやめて、左の尾根に入り、谷に出る。

16時30分。愛車に到着。帰りも運転はわたしがする。
川上の集落が見えた時、「今度は末端から登る?」と夫が聞いてくる。「そういうこだわりはないよ」と笑って答える。

八草トンネルに入る前、今日辿った北尾根を見上げる。
静かに微笑む金糞岳を胸に感じ、穏やかな気持ちのわたしがここにいた。
年明け、どこかの山で、白く輝く金糞岳を見つめた時、何を思うのだろう。
そして、これからも、あちこちの山を歩き、あちこちの山を眺め、あれこれとこころを動かされるのだろうな、と可笑しくなり、
あれこれ思う自分を抱きしめたくなった。

sato
アバター
わりばし
記事: 1493
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、satoさん。

あっ、と声をあげ、ブレーキを踏み、胸をなでおろす。危うく雪の中につっこむところだった。
坂内大草履から浅又川沿いの鳥越林道に入っても除雪されていたので、どこまでも通れるような気分になっていた。
夫と席を交換して、バックですれ違い場所まで戻ってもらう。雪のある細い道のバック運転は苦手。ひとりでなくてよかったと思う。

良かったですね、車壊れずに。
こういう時、二人だと安心です。


日曜日、大ダワの山頂から眺めた金糞岳の、水晶のように透明で冷たく熱い輝きが胸に突き刺さった。
わたしの中では二月に訪れる山。でも、あの煌めきがまぶたの裏で燃え上がっている。
30日には寒波が来る。出かけるなら火曜日。

元気ですね。
翌々日に北尾根ですか。


時計を見ると10時前。うれしいことに雪質も変わった。わたしの足元からは、輝く雪稜が山頂へと延びていく。
目の前に広がるのは、夢でも憧れでもない。今、という現実だけ。いつの間にか、まぶたの裏の煌めきも消えていた。

気分がアゲアゲになる瞬間です。
天気もいいし言うことなし・・


なんて穏やかな輝きに満ちているのだろう。ふっと現実から離れそうになる。
奥美濃の山やま、どこまでも白い白山、御嶽、乗鞍、北アルプス、中央、南アルプスまでも望みながら、
夢のような尾根を、今、歩いているのだが、光り輝くこの尾根、この山を中心に、
うつくしい真理の世界が展開している、曼荼羅のような世界に足を踏み入れた気分になる。

街が見えないので、違う世界にさまよった気分になります。
山岳修験者も同じように感じたんだろうな。


まっしろな白倉の頭が存在感を増してくる。負けじと白い三角点ピークが目の前まで近づく。
一歩一歩踏みしめながら越え、もうひと登りすると、見覚えのある木が目に飛び込んだ。

白倉の白さはこの山域では際立っていますね。
美しい。


白倉岳
白倉岳

ふぅと息を整え、最後の数歩の感触をかみしめ、凹凸のない滑らかな山頂にそっと足跡を刻みこむ。
「金糞岳」と書かれた赤いプレートのかかった木に近づいたその時、南から風が吹いてきて、何かを囁くように頬をなでる。
振り向くと、柔らかな陽射しを浴びてしっとりと光る、わたしの暮らす近江の風景がそこに在った。
泣き出したくなるようなやさしい風景だった。大ダワの山頂で感じた「カミ」。
神が宿るのは「どこか」でも、「ここ」だけでもないのだ。風に乗って金糞岳の神様の笑う声が聞こえたような気がした。

白倉から金糞への周回を終えて、長浜の酒屋に地酒を買いに行った時です。
雪が無くなった山々の中でひときわ輝く山が長浜の街から見えました。
金糞岳で、これが崇められる理由かと思いました。
日々の生活のちょっとした瞬間に畏敬の念というか心穏やかになる
そんな対象なんだろうな思います。

金襴緞子の秀吉はこれを見て何を感じたのだろう・・


△981・6から先は初めてだ。
雑然とした二次林になり、ブナ林とはお別れかな、とさみしく思うと、清々しいブナ林が現れ、ぱぁっとこころに光が射し込む。
痩せ尾根が出てきて、よしっ、とうれしくなる。未知の稜線歩きはわくわく面白い。
でも、標高が下がるにつれ雪がどんどん重くなり、ペースが落ちていく。
15時15分。若いブナに囲まれた850mピークで北尾根とお別れをする。
16時30分。愛車に到着。帰りも運転はわたしがする。
川上の集落が見えた時、「今度は末端から登る?」と夫が聞いてくる。「そういうこだわりはないよ」と笑って答える。

なかなか男前な会話ができる夫婦ですなあ。 :mrgreen:

そして、これからも、あちこちの山を歩き、あちこちの山を眺め、あれこれとこころを動かされるのだろうな、と可笑しくなり、
あれこれ思う自分を抱きしめたくなった。

お疲れさまでした。
いい年納めができましたね。

                              わりばし

sato
記事: 136
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by sato »

わりばしさま

あけましておめでとうございます。
コメントありがとうございます。うれしく読ませていただきました。
雪の季節、白い山並みの奥に、一際白く光る金糞岳を、わたしの暮らす町からも望めます。
わりばしさんがおっしゃるように、春の訪れの頃、まわりの山の雪が融けても、金糞岳は、なおも白く輝き、
その神々しさ、冷たさ、やさしさに、ふっと、目があった瞬間、何を考えずともこころの中で手を合わしています。
「日々の生活のちょっとした瞬間に畏敬の念というか心穏やかになるそんな対象」、
昔むかしから、ひとびとは、金糞岳に手を合わせてきたのですね。
時代時代の権力者の目には、どう映ったのか・・・聞いてみたいです。

雪の山は、分け入るのも不安がありますが、車の運転は大丈夫かなぁというのが、先ず頭をよぎります。
この日は夫の愛車で向かいました。軽の二駆なので凍った道は緊張します。
無事帰宅できましたが(笑)、元旦から青ざめることに。カギが回らないのです。
寒いからかなと思い、カギ穴をドライヤーで温めたら、やっと回りました。
三が日、ダイハツはお休みで、夫はスキー場のアルバイトがあり、運転しなければならないので、
今、エンジンを切っても、カギを差しっぱなしにしています。
22万キロの車なので、これから先も、びっくりするようなトラブルがあるかも、と思うと心配です。

花房尾の長い尾根を辿り、まっしろな白倉の頭に近づいていくのも、至福の時を感じますね。
中津尾、江美国境稜線もそれぞれ味わい深いです。
金糞岳は1300mの高さで、これほどまでに壮大な尾根を4本も延ばしているのですね。

山を愛し、お酒を愛するわりばしさん。長浜の地酒は何がお好きなのでしょう。
わたしは、木之本の北国街道が好きです。やまねこさんは、七本槍がお好きとお聞きしています。
訪れたお山の帰りに、その土地のお酒を買い、日常に戻り、山旅の余韻に包まれながら味わう。
こんな日々を重ねられるのはしあわせなことなのですね。

世の中で何が起ころうと、季節は淡々と巡っていき、
わたしたちは、こうして、また、雪の山に出会うことが出来ました。
今年は、どんな一年になるのでしょう。
山を想い、山で遊べることに感謝しながら、穏やかな日々を送っていきたいですね。

sato
バーチャリ
記事: 362
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by バーチャリ »

sato あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

あっ、と声をあげ、ブレーキを踏み、胸をなでおろす。危うく雪の中につっこむところだった。
坂内大草履から浅又川沿いの鳥越林道に入っても除雪されていたので、どこまでも通れるような気分になっていた。
夫と席を交換して、バックですれ違い場所まで戻ってもらう。雪のある細い道のバック運転は苦手。ひとりでなくてよかったと思う。


冬道は気を使いますよね。
大事に至らなくて良かったですね。


日曜日、大ダワの山頂から眺めた金糞岳の、水晶のように透明で冷たく熱い輝きが胸に突き刺さった。
わたしの中では二月に訪れる山。でも、あの煌めきがまぶたの裏で燃え上がっている。


振り向くと金糞岳のツルツルの尾根が目に入りますね・


30日には寒波が来る。出かけるなら火曜日。
山頂までは厳しいだろうけど、光り輝く北尾根に乗り、近づけるところまで近づこうと計画していると、
実家に泊りにいく予定が中止になった夫が、一緒に登ろうと言ってくれた。ふたりだとこころ強い。
ありがとう、じゃあ運転はわたしがするね、とえらそうに言ったのだが、早速頼ってしまうわたしだった。


テレビで山の番組をやると共通の話が出来るからいいですね
私の所は最近は全然付き合付てくれません :evil:


でも、少しでも長く壮観な景色を味わいながら登りたい。お気に入りの台地、・1039にとどく尾根を辿ることに決める。
20分あまりで取り付く尾根の入り口の谷に着き、もこもこと雪の積もった林道を登っていく。ジグザグになるところで道を離れ尾根に入る。


私はいかに楽して登るか考えますが
satoさん山に対して思いが素晴らしい。


なんて穏やかな輝きに満ちているのだろう。ふっと現実から離れそうになる。
奥美濃の山やま、どこまでも白い白山、御嶽、乗鞍、北アルプス、中央、南アルプスまでも望みながら、
夢のような尾根を、今、歩いているのだが、光り輝くこの尾根、この山を中心に、
うつくしい真理の世界が展開している、曼荼羅のような世界に足を踏み入れた気分になる。


大パノラマが広がりましたね。
satoさんが軽快に足を運ぶのが目に浮かびます。



ふぅと息を整え、最後の数歩の感触をかみしめ、凹凸のない滑らかな山頂にそっと足跡を刻みこむ。
「金糞岳」と書かれた赤いプレートのかかった木に近づいたその時、南から風が吹いてきて、何かを囁くように頬をなでる。
振り向くと、柔らかな陽射しを浴びてしっとりと光る、わたしの暮らす近江の風景がそこに在った。


登頂おめでとうございます。
長い尾根お疲れ様でした。



 バーチャリ
sato
記事: 136
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by sato »

バーチャリさま

あけましておめでとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございます。
お返事が遅くなり申し訳ありません。甲斐駒ヶ岳に登っておりました。
最近、夫と山に出かけることは少ないのですが、
年末か年始にアルプス方面に向かうのが、ふたりの間の行事になっています。
なんやかんやあっても、今年も出かけることができ、登らせていただくこともでき、
わたしを取り巻く全てのものに感謝です。

バーチャリさんは、うつくしい霧氷に飾られた藤原岳に登られていたのですね。
山日和さん、シュークリームさんが撮られた写真にうっとり見いってしまいました。

金糞岳のツルツルの尾根は、ほんとうにうつくしく、吸い込まれていきそうになりますね。
そのうつくしい尾根に立てたよろこび、
遥か、白山、アルプスの峰みねまで望めたしあわせに包まながら登っていました。

わたしも、山頂に向かうのに楽をさせていただけるところはそうさせていただくことも。
でも、お山には、麓から分けいっていきたいなぁ、
ひとつひとつの尾根や谷を覗いてみたいなぁ、と妄想してしまいます。

オフ会、スノー衆でバーチャリさんとお会い出来るのを楽しみにしておりました。
いろいろお話しをお聞きしたいです。
この冬、またご一緒出来ますよね!

sato
Kasaya
記事: 879
登録日時: 2011年2月20日(日) 14:34

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by Kasaya »

satoさん こんばんは
金糞岳のレポが出たので気になって読んでます。
この北尾根はいいですね。土藏方面から見るとその長さがが分かるし、白く輝いているのも特徴的です。
satoさんはまたその描写がうまい。
諸先輩のレポを読みながら2014年に独りで挑んだ時は雪質の悪さに敗退しましたが
2015年3月にヤブコギメンバー+αの6人で尾根の末端から登り、完登できたときは本当にうれしかったです。
何もない純白の頂上に到着するのはその過程も含めてワクワクします。
久しぶりにその時のレポを読み返してみましたが、その時の好印象はそのまま残ってました。
自分の中では奥美濃で心に残る山の代表となってます
https://yabukogi.net/viewtopic.php?f=4&t=2904
また行きたいとは思ってましたが、ほかにもまだ未踏の山があったり、昨年のように
雪が少なくて行けなかったりでとうとう再訪は叶いませんでした。
でももし今度行くなら末端からではなく、きっと楽なところから取り付くんでしょうね。

こうした山へ登れるようになったのはスノー衆に参加して鍛えられたからです。
来週はそのスノー衆が開催されますね。存分に堪能してきてください。
kasaya
sato
記事: 136
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by sato »

kasayaさま

こんにちは。
宇都宮はからっからのお天気の日々でしょうか。
こちらは、今回の寒波でどのくらい雪が積もるのだろうと、楽しみと心配の入り混じった気持ちでしたが、
わたしの暮らす町では、それほど降らないようです。

コメントありがとうございます。
とてもうれしかったです。
前回の金糞岳の山旅記にもコメントをくださいましたね。
kasayaさんの金糞岳への思いを感じました。
そう、わたしがやぶこぎネットに投稿しようと思い立ったのは、
二年前のあの日、金糞岳で湧き上がった思いを言葉に紡ぎたい衝動に駆られたからなのでした。

「長くても充実の金糞岳北尾根」、わくわくしながら読ませていただきました。
お仲間と共に憧れの尾根を辿るよろこびが一文いちぶんから伝わってきました。
kasayaさんを感じるレポでした。
kasayaさんは、ほんとうに、山歩きがお好きで、素敵なお仲間に恵まれていらっしゃるのですね。
そして、皆さまもkasayaさんの山への想い、お人柄に惹かれていらっしゃるのだなぁと感じました。

わたしは、十代の頃からひとり旅に憧れてきたのですが、
最近は、ひとりでは感じられない風景、共振する感情などによろこびを覚えることが増えました。
お仲間とご一緒だったからこそ感じることの出来た会心の山旅は、かけがえのない宝物なのだなぁと感じます。
kasayaさんの宝物を感じさせていただき、わたしの宝物も光が増すのを感じました。

Kasayaさんにとっての北尾根の末端は八草トンネル東口なのですね。
わたしにとっての末端は、坂内川上の八草川と坂内川の合流地です。
末端から登ることにこだわりはないと書きましたが、憧れがあります。
いろいろとこだわりを持つ夫の言葉に、笑って返した言葉でした。
川と川が出合うところから始まる旅を想像すると、胸が熱くなります。
車で坂内川上の集落を通る時、ここが輝く尾根の始まり、と眺めてしまいます。
テントを背負って八草川をぐるりと囲む白く輝く稜線を辿る山旅が、こころの中に描かれています。
一方、金糞岳の山襞を眺めているうちに、ひとつひとつの尾根を覗いてみたくなりました。
どんな風景に出会えるのだろう、とどきどきします。
想像遊びは限りなく続いていきます(笑)。
今回の登り下りの尾根もそれぞれ味わい深かったです。

山旅の後、同じ山のレポを読むのは楽しいですね。
こういう素敵なコースを描けるのだ、と次の夢へと繋がっていったり、
同じ場所でこの方はこんなことを感じたのだなぁ、とその時の自分の感情を振り返ってみたり。

雪の山は、こわいですが、なんて自由で面白いのだろうと感じます。
昨年、山日和さんから送っていただいたスノー衆の一覧表で、2009年からの山行を知った時、
素晴らしい山旅を重ねていらっしゃるメンバーの皆さまをうらやましく思いました。
楽しみにしていましたスノー衆庄部谷山が中止となり残念ですが、
コロナが一日も早く下火になるよう、わたし自身に出来ること、感染予防に努めていきます。
皆さまの笑顔にお会いできる日を楽しみにしております。

sato
アバター
山日和
記事: 3021
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、こんにちは。

あっ、と声をあげ、ブレーキを踏み、胸をなでおろす。危うく雪の中につっこむところだった。

ボーッとしてたらダメですよ。 :mrgreen:

日曜日、大ダワの山頂から眺めた金糞岳の、水晶のように透明で冷たく熱い輝きが胸に突き刺さった。
わたしの中では二月に訪れる山。でも、あの煌めきがまぶたの裏で燃え上がっている。
30日には寒波が来る。出かけるなら火曜日。


大ダワのラッセルの2日後に金糞の北尾根とは、元気過ぎます。 :o

20分あまりで取り付く尾根の入り口の谷に着き、もこもこと雪の積もった林道を登っていく。ジグザグになるところで道を離れ尾根に入る。

大ダワで話していた林道やね。以前、biwacoさんが辿ったコース。

雪質は変わらず。しばらくわたしが先頭を歩く。雪は重いけれど、こころは軽やか。まぶたの裏の煌めきが、足を前に踏み出させてくれる。
標高800mあたりで傾斜が増すと、50mで交代しながら登っていく。


大ダワと同じような雪質でしたか。私なら交代しようと声を掛けずに後ろを付いて行きますわ。 :mrgreen:

時計を見ると10時前。うれしいことに雪質も変わった。わたしの足元からは、輝く雪稜が山頂へと延びていく。
目の前に広がるのは、夢でも憧れでもない。今、という現実だけ。いつの間にか、まぶたの裏の煌めきも消えていた。

これで山頂が見えましたね。と言うより、光洋さんが一緒なら届かないことはあり得んか。 :lol:

なんて穏やかな輝きに満ちているのだろう。ふっと現実から離れそうになる。
奥美濃の山やま、どこまでも白い白山、御嶽、乗鞍、北アルプス、中央、南アルプスまでも望みながら、
夢のような尾根を、今、歩いているのだが、光り輝くこの尾根、この山を中心に、
うつくしい真理の世界が展開している、曼荼羅のような世界に足を踏み入れた気分になる。


自由にルートを取れる広々とした尾根は、こころが解放されますね。また行きたくなりましたよ。

ふぅと息を整え、最後の数歩の感触をかみしめ、凹凸のない滑らかな山頂にそっと足跡を刻みこむ。
「金糞岳」と書かれた赤いプレートのかかった木に近づいたその時、南から風が吹いてきて、何かを囁くように頬をなでる。
振り向くと、柔らかな陽射しを浴びてしっとりと光る、わたしの暮らす近江の風景がそこに在った。

ノートレースの北尾根から金糞岳。充実感もひとしおだったでしょう。

あまりにも遠くまで見渡せて、あまりにも穏やかな陽気なので、ぽけっ、と出来ない夫も、今日は食後のんびりとしている。
それでも時間が気になるのか、12時35分になると、さぁ行こうと立ち上がる。

私なら下り3時間と見て、逆算して1時半までなら大丈夫とのんびりしてますね。 :D

△981・6から先は初めてだ。
雑然とした二次林になり、ブナ林とはお別れかな、とさみしく思うと、清々しいブナ林が現れ、ぱぁっとこころに光が射し込む。
痩せ尾根が出てきて、よしっ、とうれしくなる。未知の稜線歩きはわくわく面白い。
でも、標高が下がるにつれ雪がどんどん重くなり、ペースが落ちていく。
15時15分。若いブナに囲まれた850mピークで北尾根とお別れをする。

確かに新しい景色を見ると新鮮でウキウキしますね。
しかし雪が重くなってきましたか。

ズボズボと潜るのでなかなか進まない。ため息が出るが、こういうのもなければね、と面白がる。

大ダワの下りみたいな感じ?

16時30分。愛車に到着。帰りも運転はわたしがする。

12時35分に出てこの時間でしたか。私なら闇下になってたかも。 :mrgreen:
北尾根は距離が長く勾配が緩いので、登りと同じような時間がかかるのかも。

八草トンネルに入る前、今日辿った北尾根を見上げる。
静かに微笑む金糞岳を胸に感じ、穏やかな気持ちのわたしがここにいた。
年明け、どこかの山で、白く輝く金糞岳を見つめた時、何を思うのだろう。
そして、これからも、あちこちの山を歩き、あちこちの山を眺め、あれこれとこころを動かされるのだろうな、と可笑しくなり、
あれこれ思う自分を抱きしめたくなった。


いい山納めができましたね。 :D

                  山日和
sato
記事: 136
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【江美国境】 輝く峰に向かった先で見えたもの 金糞岳

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんにちは。
今日は、大阪の街なかにも雪が降ったのですね。こちらは雨でした。
コメントありがとうございます。
むかし、暗くてまわりがよく見えなくて、雪壁にぶつかってしまい、
タイヤをパンクさせたことがあるのでひやっとしました。
景色に見とれたり、ぼんやり考えごとをしながら運転している時もあるので、気を付けなければ。

白く輝く金糞岳が目に入ると、胸が熱くなるのですが、衝動的に向かうことはありませんでした。
大ダワで見たカミを感じた情景が、わたしを震わせ、山へと駆りたてたのでしょうね。

取りつく尾根は、歩き始めた時は、まだ決まっていませんでした。
夫は、△688・7の尾根に興味を示していました。
でも、この雪ではどれだけ時間がかかるか分からないので、
山日和さんからお聞きした地形図に記されていない林道のことを話すと、GPSを見て、
△981・6の東920m付近にとどく尾根にしようか、でもこっちのほうが登り易いかな、と
・1039にとどく尾根になったのでした。この尾根はbiwakoさんも辿られたのですね。

雪質は、土蔵岳大ダワの登り下りと同様、湿り雪で潜りました。
夫と雪山を歩く時、登りのラッセルはある程度までは、わたしがはりきってしまいます。、
急こう配になると交替、岩場や下りでは夫が先頭というパターンが多いです。
まっさらな雪を登っていくのにしあわせを感じるのですね。

お天気に恵まれた日の北尾根は、解放感に満たされますね。
潜りはしたもののラッセルというほどではなかったので、
ゆらりゆらりと、今という輝く時間、輝く風景を味わいながら登ることが出来ました。

降雪後ひとの訪れた痕跡のない山頂に足跡を刻んだ時、辿り着いたよろこびが湧き上がりましたが、
それ以上に、光あふれる近江の風景が胸に迫ってきました。
そして、わたしの中の何かが求めてきた冷たく光る金糞岳ではなく、
あたたかな金糞岳がそこに在るのを感じ、力が抜けました。ほんとうにこころが解放された瞬間でした。
わたしは冷やかに美しく光る金糞岳に何を求めていたのだろう。
何だか分からない、分かりようもない何かが、やわらかな輝きに溶け込んでいった感じでした。

山日和さんとのお昼の休憩の長さは、「よく、そんなにゆっくりできるねぇ」と言われます。
この日も、言われましたよ(笑)。

ポカポカ陽気でしたので、どんどんと雪質は悪くなっていきました。△981・6から先は重かったです。
850mピークまでは、アップダウンもあり、思ったよりも時間がかかりました。
下りの尾根の潜り具合は、大ダワと同じような感じでしたが、スノーシューは一度しか外れませんでした。
尻餅の回数も少なかったです。夫は、足の甲が痛くなったようですが。

山を下り、辿った道を目で追いながら、感慨に耽る時間が好きなのですが、
眺めているわたしの横にいる夫は、次の山に頭がいっていました(笑)。
いろいろとあった1年でしたが、こうして今日も元気に山歩きが出来、
これからの山歩きも考えることが出来、ありがたいなぁと思いました。

sato
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