【奥美濃】山納めは初スノーシュー 土蔵岳から大ダワへ
Posted: 2020年12月30日(水) 11:58
【日 付】2020年12月27日(日)
【山 域】奥美濃 土蔵岳周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】八草トンネル東口8:15---9:45 P885m---11:50土蔵岳13:25---14:35大ダワ14:55---16:10 P727m---16:55駐車地
待望の雪が積もった。昨シーズンはまともに積もることがなく、悶々としながら短い冬を終えてしまったが、
今シーズンは行き先に頭を悩ませることもなさそうだ。
山納め兼初雪山として選んだのは、土蔵岳から大ダワへの周回コース。奥美濃でも最も手軽に楽しめて、かつ
ブナ林を堪能できるゴールデンコースである。
雪山の理想は、車を降りた瞬間からスノーシューを履いて歩き出して、そのまま脱ぐことなく下山できるこ
とだ。八草トンネル東口の除雪スペースに車を止めた。昨日の平地の雨は雪だったようで、国道には真新しい
轍ができている。
ドア・トゥ・ドアというわけにはいかないものの、国道を50mほど歩いたところでスノーシューを装着。目の
前の尾根に取り付くという理想の展開である。しかし、30センチほど積もったと思われる新雪は湿って重い。
スノーシューを履いていなければ股まで潜ってしまうだろう。satoさんが先頭に立ってグイグイとラッセル
してくれる。こちらは後を付いて行くだけなので楽チンと言いたいところだが、悲しいかな体重差のせいで、
トレースに足を置いてもさらに沈んでしまう。
ブナの巨木が立つ885mピークまで上がれば、いよいよブナ林の始まりだ。ここから下山ルートの727mピーク
までブナが切れることがないという、ブナフェチにはたまらないコースなのである。
間近に金糞岳と長大な北尾根がどっしりと控えている。
積雪は1m~1.5mぐらいだろうか。本来の雪量にはまだまだというレベルだが、潅木のヤブをほぼ埋め尽くす
には十分な積雪だ。
江美国境稜線と合流すれば、土蔵岳は目の前。この土蔵岳直下に広がるブナ林は素晴らしい。
単純な斜面ではなく、微妙なうねりの起伏が連続する斜面は、雪に覆われた時にその魅力をあらわにする。
雪の起伏が織りなす光と影に、ブナの大木が作り出す陰影が合わさって、何とも言えない世界が現われる。
スノーシューのヒールリフターを効かせて急斜面を登れば、まったく平坦な土蔵岳の山頂台地に到着だ。
積雪量のメルクマールとなる、ブナの木に付けられた山頂標識はまだ3m以上も上にあった。あの位置に取り付
けるためには、あと2m以上積もらないといけない。豪雪地帯のこの地の本来の積雪量に思いを馳せる。
しかし予想以上にいい天気である。金糞岳を正面に望む雪原に陣取ってランチタイムとしよう。
最高の天気と純白の雪山。ビールが美味くないはずがない。
気温が高いせいか、遠くはやや霞がちで白山の姿は見えないが、三周や高丸は無雪期とは違う山のような姿を
見せてくれていた。
大ダワへ向かう稜線もまた素晴らしい。
ゆったりとした広い尾根はブナ林で包まれ、伐採を受けた好展望ながら無機質な南側斜面と、神又谷の支流が
カーブを描いて食い込んでくる源頭部にブナ林が広がる北側斜面が好対照を見せる。
どこを歩こうか迷ってしまうほど、どこでも歩けるような広々とした尾根。それでいて、だだっ広いだけでは
なく、変幻自在の起伏の組み合わせがなんとも魅力的だ。
ここはまた動物の楽園でもあるようだ。雪面を縦横無尽にに走る兎の足跡が、美しい模様を描いていた。
ここにはどれだけの兎がいるのだろう。
大ダワが近付くと、どういう具合なのか分からないが稜線上は一瞬だけブナ林が切れてミズナラの森となる。
濃密な樹林がまばらになると、いよいよ大ダワの山頂に到着だ。と言っても、どこが山頂なのかわからないよ
うな広大な台地の一角に過ぎない。ほんの2週間前にヤブをかき分けながら辿り着いた山頂と同じ山とはとて
も思えない。たった2週間でこれほど変わってしまうとは驚きである。
山頂には川上の夜叉龍神社方面からのトレースが残っていた。
ここまでまったくノートレースだったので、ちょっと残念だ。
無雪期には潅木のバリアで展望皆無の山頂だが、潅木が雪の下となった今は展望は全開。
蕎麦粒、五蛇池、黒津、天狗、雷倉、花房、小津権現、貝月、ブンゲン、伊吹、金糞といった奥美濃南部のス
ター達が勢ぞろいだ。金糞の右には琵琶湖が遅い午後の光に照らされて、黄金色に輝いている。
いつまでも眺めていたいような風景だが、時間はもう3時。
山納めの闇下は避けたいものである。2時間あれば下りられるという計算で下山開始。
1026mまで戻って南への支尾根を辿る。この周回コースも今日で4度目だ。まあ、勝手知ったるという範疇に
入るだろう。
この尾根も細いながらブナ林が続く気持ちのいい尾根だ。雪は相変わらず重い。
一歩一歩、足を前に出すごとにスノーシューに雪が乗るので、足を持ち上げるのに余分なエネルギーを使わ
される。重力に任せて落ちて行くだけと思っていたら、最後に伏兵が待っていた。727mピークからの急傾斜の
下り。毎回ここは苦労するのだが、今日はこれまでで一番の難関だった。
腐り切った雪は、スノーシューを履いていても股まで潜ってしまうところもあり、それが全部なら心構えも
できるのだが、右足と左足で潜り方が違うので始末に負えない。まるで地雷原を歩くような感じである。
スノーシューが抜けなくなってしまい、足だけ抜いてからスノーシューを掘り出すこともあった。
まさに七転八倒状態でようやく畑の跡に着地。疲労困憊かつ汗だくである。
山納めの雪山をイヤというほど満喫して車に戻る頃には夕闇が迫っていた。
山日和
【山 域】奥美濃 土蔵岳周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】八草トンネル東口8:15---9:45 P885m---11:50土蔵岳13:25---14:35大ダワ14:55---16:10 P727m---16:55駐車地
待望の雪が積もった。昨シーズンはまともに積もることがなく、悶々としながら短い冬を終えてしまったが、
今シーズンは行き先に頭を悩ませることもなさそうだ。
山納め兼初雪山として選んだのは、土蔵岳から大ダワへの周回コース。奥美濃でも最も手軽に楽しめて、かつ
ブナ林を堪能できるゴールデンコースである。
雪山の理想は、車を降りた瞬間からスノーシューを履いて歩き出して、そのまま脱ぐことなく下山できるこ
とだ。八草トンネル東口の除雪スペースに車を止めた。昨日の平地の雨は雪だったようで、国道には真新しい
轍ができている。
ドア・トゥ・ドアというわけにはいかないものの、国道を50mほど歩いたところでスノーシューを装着。目の
前の尾根に取り付くという理想の展開である。しかし、30センチほど積もったと思われる新雪は湿って重い。
スノーシューを履いていなければ股まで潜ってしまうだろう。satoさんが先頭に立ってグイグイとラッセル
してくれる。こちらは後を付いて行くだけなので楽チンと言いたいところだが、悲しいかな体重差のせいで、
トレースに足を置いてもさらに沈んでしまう。
ブナの巨木が立つ885mピークまで上がれば、いよいよブナ林の始まりだ。ここから下山ルートの727mピーク
までブナが切れることがないという、ブナフェチにはたまらないコースなのである。
間近に金糞岳と長大な北尾根がどっしりと控えている。
積雪は1m~1.5mぐらいだろうか。本来の雪量にはまだまだというレベルだが、潅木のヤブをほぼ埋め尽くす
には十分な積雪だ。
江美国境稜線と合流すれば、土蔵岳は目の前。この土蔵岳直下に広がるブナ林は素晴らしい。
単純な斜面ではなく、微妙なうねりの起伏が連続する斜面は、雪に覆われた時にその魅力をあらわにする。
雪の起伏が織りなす光と影に、ブナの大木が作り出す陰影が合わさって、何とも言えない世界が現われる。
スノーシューのヒールリフターを効かせて急斜面を登れば、まったく平坦な土蔵岳の山頂台地に到着だ。
積雪量のメルクマールとなる、ブナの木に付けられた山頂標識はまだ3m以上も上にあった。あの位置に取り付
けるためには、あと2m以上積もらないといけない。豪雪地帯のこの地の本来の積雪量に思いを馳せる。
しかし予想以上にいい天気である。金糞岳を正面に望む雪原に陣取ってランチタイムとしよう。
最高の天気と純白の雪山。ビールが美味くないはずがない。
気温が高いせいか、遠くはやや霞がちで白山の姿は見えないが、三周や高丸は無雪期とは違う山のような姿を
見せてくれていた。
大ダワへ向かう稜線もまた素晴らしい。
ゆったりとした広い尾根はブナ林で包まれ、伐採を受けた好展望ながら無機質な南側斜面と、神又谷の支流が
カーブを描いて食い込んでくる源頭部にブナ林が広がる北側斜面が好対照を見せる。
どこを歩こうか迷ってしまうほど、どこでも歩けるような広々とした尾根。それでいて、だだっ広いだけでは
なく、変幻自在の起伏の組み合わせがなんとも魅力的だ。
ここはまた動物の楽園でもあるようだ。雪面を縦横無尽にに走る兎の足跡が、美しい模様を描いていた。
ここにはどれだけの兎がいるのだろう。
大ダワが近付くと、どういう具合なのか分からないが稜線上は一瞬だけブナ林が切れてミズナラの森となる。
濃密な樹林がまばらになると、いよいよ大ダワの山頂に到着だ。と言っても、どこが山頂なのかわからないよ
うな広大な台地の一角に過ぎない。ほんの2週間前にヤブをかき分けながら辿り着いた山頂と同じ山とはとて
も思えない。たった2週間でこれほど変わってしまうとは驚きである。
山頂には川上の夜叉龍神社方面からのトレースが残っていた。
ここまでまったくノートレースだったので、ちょっと残念だ。
無雪期には潅木のバリアで展望皆無の山頂だが、潅木が雪の下となった今は展望は全開。
蕎麦粒、五蛇池、黒津、天狗、雷倉、花房、小津権現、貝月、ブンゲン、伊吹、金糞といった奥美濃南部のス
ター達が勢ぞろいだ。金糞の右には琵琶湖が遅い午後の光に照らされて、黄金色に輝いている。
いつまでも眺めていたいような風景だが、時間はもう3時。
山納めの闇下は避けたいものである。2時間あれば下りられるという計算で下山開始。
1026mまで戻って南への支尾根を辿る。この周回コースも今日で4度目だ。まあ、勝手知ったるという範疇に
入るだろう。
この尾根も細いながらブナ林が続く気持ちのいい尾根だ。雪は相変わらず重い。
一歩一歩、足を前に出すごとにスノーシューに雪が乗るので、足を持ち上げるのに余分なエネルギーを使わ
される。重力に任せて落ちて行くだけと思っていたら、最後に伏兵が待っていた。727mピークからの急傾斜の
下り。毎回ここは苦労するのだが、今日はこれまでで一番の難関だった。
腐り切った雪は、スノーシューを履いていても股まで潜ってしまうところもあり、それが全部なら心構えも
できるのだが、右足と左足で潜り方が違うので始末に負えない。まるで地雷原を歩くような感じである。
スノーシューが抜けなくなってしまい、足だけ抜いてからスノーシューを掘り出すこともあった。
まさに七転八倒状態でようやく畑の跡に着地。疲労困憊かつ汗だくである。
山納めの雪山をイヤというほど満喫して車に戻る頃には夕闇が迫っていた。
山日和