【奥美濃/蕎麦粒山】水も滴る爺の「聖地」巡礼顛末記
Posted: 2020年7月03日(金) 20:38
梅雨も末期になると焦った雷神が長雨、豪雨をまき散らす。せっかくコロナ自粛モードから脱したというのに、こうも雨ばかりではヤブコギ掲示板も盛り上がらない。
だから、というわけではないが、賞味期限ギリギリではありますが、ヤブメンの「聖地」巡礼のヤブレポを1本、ご賞味ください。アメニモマケズ、コロナニモ、ササヤブにもタジロガズ、がんばった爺の奮戦物語。
【日付】2020年6月24日(水)
【山域】奥美濃/蕎麦粒山
【ルート】ホハレ峠-蕎麦粒山(往復)
【天候】曇り、一時雨
【メンバー】単独
【コースタイム】林道分岐7:40-・1075P10:25-12:20△蕎麦粒山13:00-・1075P14:30-涌谷山尾根分岐16:20-17:30駐車地
72回目の誕生日を迎えた。ありがた~い?「後期高齢者」の仲間入りも近い。「高貴高齢者」には、とてもなれないけど。(^_-)
それでも、なんとか元気で干支を6周もできたことは喜ぶべきだろう。7周目のゴール(84歳)をこの世で迎える確率はそんなに高くはないだろうから。
そう思っていたら、所用の予定が変更になった。梅雨の真っ最中なのに予報は晴れマーク。コロナ禍の外出自粛も緩和…! こうなったら、この記念日はお祝いの山へ出かけるしかない。
奥美濃の盟主とも言われる蕎麦粒山。10年近く前の春、残雪のこの山に初めて登った。それ以来、「今度は雪のない時期に!」と、何度か近くまで足を踏み入れながら、追い返され続けている。
別に誕生日と縁のある山というわけではない。蕎麦を肴に麦酒をあおりたいためでもない。白い蕎麦粒山もいいが緑の蕎麦粒山はもっと美味しいだろう。途中撤退続きの消化不良をなんとか解消したい。誕生日に免じて山頂へのゲートを開けてもらえないだろうか? という、ささやかな願望を叶えてもらいたいだけなのだ。
坂内川上の発電所横からホハレ峠への林道を登る。もちろん車で。道は細いがかなり上まで舗装してある。ダートになってからも整備工事が進み走りやすい。門入に続く黒谷への分岐、ホハレ峠まで行ってみる。林道は簡易ゲートがあり、工事中でこれ以上は通行止めだ。
峠には岩の上に供え物用の祭壇が設けられている。ところが足元から折れた白い観音像が横たわっている。4年前に来た時はこんな像はなかったから、その後建てられたものだろうが、なぜ折れたのか? 少し戻って旧ホハレ峠への分岐に駐車。4月に来た時より草や樹木が生い茂る廃林道には、ビニール紐が残ったままだ。まるでコース指定のマーカーみたいだけど、真の目的は分らない。
地形図にある「ホハレ峠」のところを、今回は少し回り込んでから枝尾根に取り付く。ここを歩くのも4度目か。尾根上に踏み跡はあるが、シャクナゲなど灌木に邪魔されてエスケープすると踏み跡を見失ってしまう。復帰できずヤブを彷徨う結果となるのだが、今日はなんとかうまくいって歩きやすい。
しかし、梅雨の晴れ間のはずが、ずっとガスったまま。せっかくのブナ林も台無しだが、まあ、見ようによっては趣のある世界かもしれない。
平坦な尾根は踏み跡をキープするのが難しい。そろそろ尾根が90度左折するあたり。頭の上の樹木の葉に当たる雨音がだんだん大きくなってきた。一休みして雨具を着る。予報は午後から晴れマークだったからこれ以上は強くはならんやろ?と希望的観測を信じて前進。
以前来た時は尾根芯を突破したらササヤブに捕まって苦労したので、左寄りの斜面をトラバース気味に進むと踏み跡があった。
尾根芯に出ると進路はノッポササのトンネルになった。足元は開けているのに雨に濡れたササの海はハンパない。汗なのか、浸透してきた雨水なのか、雨合羽も、中のシャツもグショグショ! co1050ピークも、・1075ピークもササ藪の中。コルへの下りになってやっとササから解放された。
雨は止んだがガスは掛かったまま。稜線に出ても周りの眺望はゼロ。最後のピラミッドへの登りになった辺りにシャクナゲのピンクの花が2輪。「ヤブっぽくてごめんなさいね、お気をつけて♪」と激励してくれてるのか?
その通り、今度はシャクナゲのヤブに変わる。道型が切ってあるので登るには障害にならないが、葉や枝に溜まった雨粒をシャワークライムまがいに頭から浴びて、もう靴の中にも水がたまってきた。 最後の平坦な尾根を進み、やっと山頂! 正午を大きく回ってしまった。スタートから5時間近く。やはりこの老足では一筋縄にはいかないヤブ山だ。
三角点柱の前に転がった山名プレートはK氏謹製のものだ。クマさんのパンチか、シカさんに噛みちぎられたか、無残に傷ついている。せめても…と、三角点柱の前に安置しておいたが、いつまでもつか? 強い南西の風が吹き付けるのにガスは晴れない。時折周りの風景や青空が姿を見せるが、一瞬のうちにまたベールの中。濡れたシャツのままで体が冷えてきたが、とにかく食事だけは済ませないと。せっかく持ち上げたアワワは取り出す気分にもなれない。
13時、早々に山頂を後にし、来たルートを引き返す。 3時間半と読んだ下り時間だったが、カラダとアタマの疲弊がムダ足を踏ませて、駐車地には17時半。下着まで全部着替えるとホッと一息だ。
急に腹が減ってることに気付いて、帰り道のコンビニの場所が気になっている。
~びわ爺
だから、というわけではないが、賞味期限ギリギリではありますが、ヤブメンの「聖地」巡礼のヤブレポを1本、ご賞味ください。アメニモマケズ、コロナニモ、ササヤブにもタジロガズ、がんばった爺の奮戦物語。
【日付】2020年6月24日(水)
【山域】奥美濃/蕎麦粒山
【ルート】ホハレ峠-蕎麦粒山(往復)
【天候】曇り、一時雨
【メンバー】単独
【コースタイム】林道分岐7:40-・1075P10:25-12:20△蕎麦粒山13:00-・1075P14:30-涌谷山尾根分岐16:20-17:30駐車地
72回目の誕生日を迎えた。ありがた~い?「後期高齢者」の仲間入りも近い。「高貴高齢者」には、とてもなれないけど。(^_-)
それでも、なんとか元気で干支を6周もできたことは喜ぶべきだろう。7周目のゴール(84歳)をこの世で迎える確率はそんなに高くはないだろうから。
そう思っていたら、所用の予定が変更になった。梅雨の真っ最中なのに予報は晴れマーク。コロナ禍の外出自粛も緩和…! こうなったら、この記念日はお祝いの山へ出かけるしかない。
奥美濃の盟主とも言われる蕎麦粒山。10年近く前の春、残雪のこの山に初めて登った。それ以来、「今度は雪のない時期に!」と、何度か近くまで足を踏み入れながら、追い返され続けている。
別に誕生日と縁のある山というわけではない。蕎麦を肴に麦酒をあおりたいためでもない。白い蕎麦粒山もいいが緑の蕎麦粒山はもっと美味しいだろう。途中撤退続きの消化不良をなんとか解消したい。誕生日に免じて山頂へのゲートを開けてもらえないだろうか? という、ささやかな願望を叶えてもらいたいだけなのだ。
坂内川上の発電所横からホハレ峠への林道を登る。もちろん車で。道は細いがかなり上まで舗装してある。ダートになってからも整備工事が進み走りやすい。門入に続く黒谷への分岐、ホハレ峠まで行ってみる。林道は簡易ゲートがあり、工事中でこれ以上は通行止めだ。
峠には岩の上に供え物用の祭壇が設けられている。ところが足元から折れた白い観音像が横たわっている。4年前に来た時はこんな像はなかったから、その後建てられたものだろうが、なぜ折れたのか? 少し戻って旧ホハレ峠への分岐に駐車。4月に来た時より草や樹木が生い茂る廃林道には、ビニール紐が残ったままだ。まるでコース指定のマーカーみたいだけど、真の目的は分らない。
地形図にある「ホハレ峠」のところを、今回は少し回り込んでから枝尾根に取り付く。ここを歩くのも4度目か。尾根上に踏み跡はあるが、シャクナゲなど灌木に邪魔されてエスケープすると踏み跡を見失ってしまう。復帰できずヤブを彷徨う結果となるのだが、今日はなんとかうまくいって歩きやすい。
しかし、梅雨の晴れ間のはずが、ずっとガスったまま。せっかくのブナ林も台無しだが、まあ、見ようによっては趣のある世界かもしれない。
平坦な尾根は踏み跡をキープするのが難しい。そろそろ尾根が90度左折するあたり。頭の上の樹木の葉に当たる雨音がだんだん大きくなってきた。一休みして雨具を着る。予報は午後から晴れマークだったからこれ以上は強くはならんやろ?と希望的観測を信じて前進。
以前来た時は尾根芯を突破したらササヤブに捕まって苦労したので、左寄りの斜面をトラバース気味に進むと踏み跡があった。
尾根芯に出ると進路はノッポササのトンネルになった。足元は開けているのに雨に濡れたササの海はハンパない。汗なのか、浸透してきた雨水なのか、雨合羽も、中のシャツもグショグショ! co1050ピークも、・1075ピークもササ藪の中。コルへの下りになってやっとササから解放された。
雨は止んだがガスは掛かったまま。稜線に出ても周りの眺望はゼロ。最後のピラミッドへの登りになった辺りにシャクナゲのピンクの花が2輪。「ヤブっぽくてごめんなさいね、お気をつけて♪」と激励してくれてるのか?
その通り、今度はシャクナゲのヤブに変わる。道型が切ってあるので登るには障害にならないが、葉や枝に溜まった雨粒をシャワークライムまがいに頭から浴びて、もう靴の中にも水がたまってきた。 最後の平坦な尾根を進み、やっと山頂! 正午を大きく回ってしまった。スタートから5時間近く。やはりこの老足では一筋縄にはいかないヤブ山だ。
三角点柱の前に転がった山名プレートはK氏謹製のものだ。クマさんのパンチか、シカさんに噛みちぎられたか、無残に傷ついている。せめても…と、三角点柱の前に安置しておいたが、いつまでもつか? 強い南西の風が吹き付けるのにガスは晴れない。時折周りの風景や青空が姿を見せるが、一瞬のうちにまたベールの中。濡れたシャツのままで体が冷えてきたが、とにかく食事だけは済ませないと。せっかく持ち上げたアワワは取り出す気分にもなれない。
13時、早々に山頂を後にし、来たルートを引き返す。 3時間半と読んだ下り時間だったが、カラダとアタマの疲弊がムダ足を踏ませて、駐車地には17時半。下着まで全部着替えるとホッと一息だ。
急に腹が減ってることに気付いて、帰り道のコンビニの場所が気になっている。
~びわ爺