【比良】古道とパラダイス 荒川峠から比良岳へ
Posted: 2020年3月25日(水) 23:31
【日 付】2020年3月15日(日)
【山 域】比良山地
【天 候】晴れのち曇り一時小雪
【コース】大岩谷駐車地8:15---9:45荒川峠10:10---10:30南比良峠分岐---11:10擂鉢山---11:40烏谷山---
12:05比良岳13:50---14:20中ユリ道分岐---15:10中谷---15:25駐車地
3月半ばにして雪山シーズンは終了、と言うわけでないが、遠征ばかりしていられないので近場の雪無しの山
でお茶を濁す。
比良東面の昔ながらの登山道があった峠道の中で、これまで歩いたことのなかった道を歩いてみよう。
荒川峠越えの道はよく整備されており、迷うところはない。登り始めには大岩の下から流れ出す水場があり、ブ
ナ清水を思わせる。
途中からは完全な植林帯となって興趣を削がれるが、峠が近付くと自然林に変わって気分も明るくなってくる。
「迷うところはない」はずだったが、最後の最後で峠へトラバースする道を見逃してしまい、やや南側の縦走路
へ出てしまった。古い峠道にしてはずいぶん明るく尾根通しだと思ったら、道を間違えていたのである。
峠に飛び出すつもりが、締まりのない結末になってしまった。
峠の向こう側は峠越えの古道ではないが、しっかりした踏み跡があり、簡単に奥ノ深谷から南比良峠への道に
合流する。
ここから左手の尾根に取り付いて、擂鉢山と烏谷山の間へ上がろうという算段だ。
烏谷山へは荒川峠から直接上がれば20分ほどだが、わざわざ谷へ下りて登り返すのだからご苦労な話である。
しかも、期待した尾根はすべて植林オンリー。試すほどの尾根ではなかった。
擂鉢山付近の美しい樹林を味わいたかったので、まあ良しとしよう。
烏谷山の山頂では10人近いパーティーが食事中。素通りして比良岳へ向かう。やや風があるので、風を避けら
れる場所があればランチとするか。
進行方向には人工物だらけの打見山と蓬莱山が見える。蓬莱山頂から谷へ滑り込むチャンピオンコースだけに
べったりと雪が残っていた。
比良岳は比良山地を代表するような名前を持っているが、一般的には展望もない、特徴のない山頂として認識
されているのだろう。しかし私にとっては比良で一番好きな場所と言える。なだらかな山頂部にはブナ林が広が
り、なんとも心落ち着く場所である。
東側斜面の岩の陰で風を避けてランチタイムとする。ずっと晴れていた空は少し怪しくなって、時折小雪が舞
うようになってきた。その後もパーッと晴れたかと思えば、すぐにどんよりとした空から粉雪が落ちる。琵琶湖
はもう見えない。それでもビールと鍋でのんびりとランチを楽しんだ。
比良岳の本当の魅力は山頂部ではなく、南西側に広がる谷の源頭部にある。白滝谷の方からゆるゆると上がっ
てきた谷は放射状に広がり、小高い丘と浅い谷で構成された源頭部にはほとんどヤブのない疎林が展開している。
私にとってはここがパラダイス。ゆったりとうねる微妙な起伏がたまらなく美しく感じる。
これでブナの純林なら申し分ないのだが、そこまで望むのは贅沢というものだろう。
適当に東へ進んで、中ユリ道の分岐に出た。ここには大きなブナと道標があって、いい目印になっている。
中ユリ道はここから東への尾根を辿って、大岩谷へ下りる道だが、地図からは消されている。
上部はしっかりした道型があり、古くから使われていた道であるとわかる。しかし、大岩谷へ左折するあたりか
ら、尾根を直進する方向にテープがベタ張りされていた。これはどこに続くのだろうという興味で、このテープ
を辿ることにした。恐らく大岩谷への道が崩壊で危険なため、こちらに道を付け替えたのではないかと思われた。
道はスッキリしているとは言い難く、シャクナゲのヤブをかき分けたりしてスピードが上がらない。
中谷の方向へ下り始める斜面もテープがなければルートが分からないだろう。
激下りの末、崩壊した林道跡に着地してホッとひと息。
峠越えの古道と疎林のパラダイス、締めくくりにバリルートを楽しめた一日だった。
山日和
【山 域】比良山地
【天 候】晴れのち曇り一時小雪
【コース】大岩谷駐車地8:15---9:45荒川峠10:10---10:30南比良峠分岐---11:10擂鉢山---11:40烏谷山---
12:05比良岳13:50---14:20中ユリ道分岐---15:10中谷---15:25駐車地
3月半ばにして雪山シーズンは終了、と言うわけでないが、遠征ばかりしていられないので近場の雪無しの山
でお茶を濁す。
比良東面の昔ながらの登山道があった峠道の中で、これまで歩いたことのなかった道を歩いてみよう。
荒川峠越えの道はよく整備されており、迷うところはない。登り始めには大岩の下から流れ出す水場があり、ブ
ナ清水を思わせる。
途中からは完全な植林帯となって興趣を削がれるが、峠が近付くと自然林に変わって気分も明るくなってくる。
「迷うところはない」はずだったが、最後の最後で峠へトラバースする道を見逃してしまい、やや南側の縦走路
へ出てしまった。古い峠道にしてはずいぶん明るく尾根通しだと思ったら、道を間違えていたのである。
峠に飛び出すつもりが、締まりのない結末になってしまった。
峠の向こう側は峠越えの古道ではないが、しっかりした踏み跡があり、簡単に奥ノ深谷から南比良峠への道に
合流する。
ここから左手の尾根に取り付いて、擂鉢山と烏谷山の間へ上がろうという算段だ。
烏谷山へは荒川峠から直接上がれば20分ほどだが、わざわざ谷へ下りて登り返すのだからご苦労な話である。
しかも、期待した尾根はすべて植林オンリー。試すほどの尾根ではなかった。
擂鉢山付近の美しい樹林を味わいたかったので、まあ良しとしよう。
烏谷山の山頂では10人近いパーティーが食事中。素通りして比良岳へ向かう。やや風があるので、風を避けら
れる場所があればランチとするか。
進行方向には人工物だらけの打見山と蓬莱山が見える。蓬莱山頂から谷へ滑り込むチャンピオンコースだけに
べったりと雪が残っていた。
比良岳は比良山地を代表するような名前を持っているが、一般的には展望もない、特徴のない山頂として認識
されているのだろう。しかし私にとっては比良で一番好きな場所と言える。なだらかな山頂部にはブナ林が広が
り、なんとも心落ち着く場所である。
東側斜面の岩の陰で風を避けてランチタイムとする。ずっと晴れていた空は少し怪しくなって、時折小雪が舞
うようになってきた。その後もパーッと晴れたかと思えば、すぐにどんよりとした空から粉雪が落ちる。琵琶湖
はもう見えない。それでもビールと鍋でのんびりとランチを楽しんだ。
比良岳の本当の魅力は山頂部ではなく、南西側に広がる谷の源頭部にある。白滝谷の方からゆるゆると上がっ
てきた谷は放射状に広がり、小高い丘と浅い谷で構成された源頭部にはほとんどヤブのない疎林が展開している。
私にとってはここがパラダイス。ゆったりとうねる微妙な起伏がたまらなく美しく感じる。
これでブナの純林なら申し分ないのだが、そこまで望むのは贅沢というものだろう。
適当に東へ進んで、中ユリ道の分岐に出た。ここには大きなブナと道標があって、いい目印になっている。
中ユリ道はここから東への尾根を辿って、大岩谷へ下りる道だが、地図からは消されている。
上部はしっかりした道型があり、古くから使われていた道であるとわかる。しかし、大岩谷へ左折するあたりか
ら、尾根を直進する方向にテープがベタ張りされていた。これはどこに続くのだろうという興味で、このテープ
を辿ることにした。恐らく大岩谷への道が崩壊で危険なため、こちらに道を付け替えたのではないかと思われた。
道はスッキリしているとは言い難く、シャクナゲのヤブをかき分けたりしてスピードが上がらない。
中谷の方向へ下り始める斜面もテープがなければルートが分からないだろう。
激下りの末、崩壊した林道跡に着地してホッとひと息。
峠越えの古道と疎林のパラダイス、締めくくりにバリルートを楽しめた一日だった。
山日和