【若狭】代打クリーンヒットの湯ノ花谷
Posted: 2011年9月20日(火) 00:08
【日 付】2011年9月18日(日)
【山 域】若狭 耳川折戸谷支流湯ノ花谷
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】湯ノ花谷出合9:16---10:04湯ノ花滝下---10:24湯ノ花滝上10:46---12:07登山道---12:30ランチ場13:58
---14:18 P727m---15:26駐車地
明け方には上がるはずの雨はいつまで経っても降り止まなかった。7時半頃まで待機していたが、明るくなる素振りも見
せない空に業を煮やして転進を決断する。
坂内の道の駅から往路を引き返し、八草トンネルを抜けると青空が広がっていた。
さて、どこにするか。手軽に楽しめてリスクも少ないところと言えば、通い慣れた耳川流域だ。前に訪れた時には天気が悪
かった湯ノ花谷へでも行ってみるか。
林道から見る粟柄谷の流れは速く、水量も多いようだ。これぐらいの方が小さな谷は面白い。
折戸谷への林道を入って2番目に流れ込むのが湯ノ花谷である。橋の袂から入渓。いきなり小ぶりながらも連瀑帯が出迎
えてくれる。2条3mを登ると谷は広がり落ち着きを見せた。
この谷にはなんと言うのか知らないが、やけに白っぽい変わった形の岩が目立つ。
雨の効用で、普段ならなんでもない落差がみんなそれなりの滝に見えるのも面白い。
やはり沢は水量が命だ。水を得た魚ではないが、水を得た沢は躍動感に溢れている。同じ滝でも水がチョロチョロ流れる
滝と、轟々と膨大な水量を落とす滝とでは命の宿り方が違う。遡行に支障をきたすような水量でない範囲で、沢は水量は
多い方が美しい。
トチ主体の美しい林相の中、1~2m程度の小滝が連続した。
初めて対面する滝らしい滝は7mほど。いつもは流れのない右側にもそこそこの水流があった。左から取り付くが、上部は
フルシャワー不可避。今日は諸般の事情により頭から水を被るのは避けたいので、左のガレへ逃げた。
[attachment=4]P1120093_1.JPG[/attachment]
S字斜瀑5m、2m、3mと小滝をこなして行くと、草付きの両岸の奥に10m滝が現われた。湯ノ花滝というらしい。
滝の左奥には15m滝もチラッと姿を見せている。この水量では取り付こうとも思えず、50mほど戻ったところから左岸の巻
きにかかった。急斜面のトラバース気味の巻きではあるが、けもの道が意外なほどしっかり付けられているので危険は少
ない。
[attachment=3]P1120112_1.JPG[/attachment]
小尾根状のところで上段の滝が見えたので、尾根を少し下って15m滝と斜めからご対面。両岸ツルツルの直瀑で取り付く
シマもない。その尾根を登り返して上へ上へと向かう。
次の小尾根の反対側に谷が見えた。この連瀑帯の上で左岸から合流する支谷だ。一旦支谷へ下りた方が安全で楽そう
なので、支谷を下って行くと本流との出合に5mばかりの滝がかかっていた。左へ逃げてズリズリと本流に到着したところ
は、15m滝の上の8m滝の落ち口だった。本流側にも5m滝が落ち、さながらミニ双門の滝といったところか。
[attachment=2]P1120123_1.JPG[/attachment]
ここは休憩するためにあるような場所だ。ザックを降ろして一服。自然林の林相が美しい。
双門の真ん中を直登して滝の上に出ると、なんとも言えない癒しの空間が広がっていた。
穏やかな流れと美しい森。若狭の谷を象徴する風景である。
粟柄越への水量のやや多い左俣の六セン谷を見送り、次の二俣も右を取るとゴルジュにかかる3段10mの連瀑だ。倒木
があってややスッキリしないが、最上段は気持ちよく直登できる。
次に右から入るのはP841mへ突き上げる谷だろう。こちらにも少し心惹かれたが、予定通り直進すると2m滝。簡単に越え
られると踏んだが、意外に手が少なく敗退。右からの大巻きとなった。
こんな小さな滝でも両岸がズルズルの草付きのケースが多いので油断できないのだ。
もうそろそろ核心部も終わりかと思っていたら、予定外の10m直瀑が現われた。直登は到底不能である。ここも右からの
巻きで逃げる。
[attachment=0]パノラマ 1_1.JPG[/attachment]
その後も長い瀑流帯や左岸から落ちるすだれ状の美しい滝など、意外なほど変化を見せて飽きさせないのはうれしい誤算
だった。
ずいぶん稜線が近付いたように見えた。高さも距離もすぐそこのように思えたが、谷は稜線に辿り着くのを拒むように、地
形図では表せない蛇行を繰り返した。両岸の尾根は低く、圧迫感のない明るい源頭部である。
ブナも目立ち始め、この付近特有の草原の雰囲気も感じられた。尾根へ上がってしまってもと思うが、やはりここは最源流
まで確かめてみたい。ほとんど傾斜のない溝の中を進む。ヤブもなく歩きやすい。
水は少し手前から切れている。切れる寸前にビールを冷やすためにポリ袋に汲んで、手にぶら下げて歩いていた。片手が
ふさがっていても問題ないぐらい楽なツメである。
ついに谷の形がなくなり、高島トレイル(なんて嫌な響きだろう)の登山道に飛び出した。風が強く、落ち着いてメシを食え
そうにもない。滋賀県側には琵琶湖が光っている。
P841m方面へ入ってからブナ林でランチタイムとしよう。寒風方面へ登って行くと、Wストックも軽やかな単独の女性とすれ
違った。
県境稜線から湯ノ花谷左岸尾根に入る。分岐付近は潅木の密集だが、P841mの北からはブナ林が続く。
適当なところでシートを広げる。微風が心地よい。
標高が低いこともあってソーメンにしたが、今日は温かいものでもよかったかもしれない。
ビールの冷え具合は苦労した割にはイマイチだった。おまけに、飲み差しのビールにコガネムシが止まり、「おい、危ない
ぞ」と警告する間もなく缶の中に転落してしまった。まだ半分残っていたのに・・・
残りのビールを捨てると、あわれアルコール漬け標本となったコガネムシがコロンと落ちた。
この尾根はこの近辺でも最も優れた尾根のひとつと言っていいだろう。ブナ林の見事さ、P727m手前の鞍部の佇まい、
P727m付近の雰囲気と並んで、P727mから少し下りたあたりの巨木群が白眉である。
5mオーバーのトチの古木に度肝を抜かれると、ブナもそこそこ立派ではあるが、やはりトチがこの森のキャラクターを決定
づけているようだ。
[attachment=1]P1120232_1.JPG[/attachment]
この辺ではめずらしい岩グラがあったので、戻り気味にトラバースしていくと、割谷側の斜面に巨木の匂い。こうなると確か
めずにはいられない。4mクラスの見事なトチがあった。こういうところでは真っ直ぐ歩くのは不可能だ。
尾根の真ん中にズダ袋が置いてあると思ったら、そのズダ袋は立ち上がって走り去った。シカがうずくまっていたのだっ
た。お休みのところ、驚かせてしまったようだ。
右から送電線が近付いてきたら間もなく鉄塔だ。ここからは明瞭な巡視路。おなじみのプラ階段が出てくればもう楽勝だ。
下り立ったところは車の真ん前。まさにロスなしピンポイントの下山路だった。
急遽代打で送り出した予定外の沢だったが、十分に楽しめるいい沢歩きだった。
なお、左俣の六セン谷も滝の多いとてもいい沢だ。源頭の雰囲気も素晴らしく、再訪してみたいと思わせてくれる。
下山後の温泉ではBAKUさんに出会うおまけまで付いた。りんご畑さんの御一行で、今古川へ入るつもりが間違えて観音
川を詰めたと言っていたが、どうしたらそんな芸当ができるのか今もって謎である。
山日和
【山 域】若狭 耳川折戸谷支流湯ノ花谷
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】湯ノ花谷出合9:16---10:04湯ノ花滝下---10:24湯ノ花滝上10:46---12:07登山道---12:30ランチ場13:58
---14:18 P727m---15:26駐車地
明け方には上がるはずの雨はいつまで経っても降り止まなかった。7時半頃まで待機していたが、明るくなる素振りも見
せない空に業を煮やして転進を決断する。
坂内の道の駅から往路を引き返し、八草トンネルを抜けると青空が広がっていた。
さて、どこにするか。手軽に楽しめてリスクも少ないところと言えば、通い慣れた耳川流域だ。前に訪れた時には天気が悪
かった湯ノ花谷へでも行ってみるか。
林道から見る粟柄谷の流れは速く、水量も多いようだ。これぐらいの方が小さな谷は面白い。
折戸谷への林道を入って2番目に流れ込むのが湯ノ花谷である。橋の袂から入渓。いきなり小ぶりながらも連瀑帯が出迎
えてくれる。2条3mを登ると谷は広がり落ち着きを見せた。
この谷にはなんと言うのか知らないが、やけに白っぽい変わった形の岩が目立つ。
雨の効用で、普段ならなんでもない落差がみんなそれなりの滝に見えるのも面白い。
やはり沢は水量が命だ。水を得た魚ではないが、水を得た沢は躍動感に溢れている。同じ滝でも水がチョロチョロ流れる
滝と、轟々と膨大な水量を落とす滝とでは命の宿り方が違う。遡行に支障をきたすような水量でない範囲で、沢は水量は
多い方が美しい。
トチ主体の美しい林相の中、1~2m程度の小滝が連続した。
初めて対面する滝らしい滝は7mほど。いつもは流れのない右側にもそこそこの水流があった。左から取り付くが、上部は
フルシャワー不可避。今日は諸般の事情により頭から水を被るのは避けたいので、左のガレへ逃げた。
[attachment=4]P1120093_1.JPG[/attachment]
S字斜瀑5m、2m、3mと小滝をこなして行くと、草付きの両岸の奥に10m滝が現われた。湯ノ花滝というらしい。
滝の左奥には15m滝もチラッと姿を見せている。この水量では取り付こうとも思えず、50mほど戻ったところから左岸の巻
きにかかった。急斜面のトラバース気味の巻きではあるが、けもの道が意外なほどしっかり付けられているので危険は少
ない。
[attachment=3]P1120112_1.JPG[/attachment]
小尾根状のところで上段の滝が見えたので、尾根を少し下って15m滝と斜めからご対面。両岸ツルツルの直瀑で取り付く
シマもない。その尾根を登り返して上へ上へと向かう。
次の小尾根の反対側に谷が見えた。この連瀑帯の上で左岸から合流する支谷だ。一旦支谷へ下りた方が安全で楽そう
なので、支谷を下って行くと本流との出合に5mばかりの滝がかかっていた。左へ逃げてズリズリと本流に到着したところ
は、15m滝の上の8m滝の落ち口だった。本流側にも5m滝が落ち、さながらミニ双門の滝といったところか。
[attachment=2]P1120123_1.JPG[/attachment]
ここは休憩するためにあるような場所だ。ザックを降ろして一服。自然林の林相が美しい。
双門の真ん中を直登して滝の上に出ると、なんとも言えない癒しの空間が広がっていた。
穏やかな流れと美しい森。若狭の谷を象徴する風景である。
粟柄越への水量のやや多い左俣の六セン谷を見送り、次の二俣も右を取るとゴルジュにかかる3段10mの連瀑だ。倒木
があってややスッキリしないが、最上段は気持ちよく直登できる。
次に右から入るのはP841mへ突き上げる谷だろう。こちらにも少し心惹かれたが、予定通り直進すると2m滝。簡単に越え
られると踏んだが、意外に手が少なく敗退。右からの大巻きとなった。
こんな小さな滝でも両岸がズルズルの草付きのケースが多いので油断できないのだ。
もうそろそろ核心部も終わりかと思っていたら、予定外の10m直瀑が現われた。直登は到底不能である。ここも右からの
巻きで逃げる。
[attachment=0]パノラマ 1_1.JPG[/attachment]
その後も長い瀑流帯や左岸から落ちるすだれ状の美しい滝など、意外なほど変化を見せて飽きさせないのはうれしい誤算
だった。
ずいぶん稜線が近付いたように見えた。高さも距離もすぐそこのように思えたが、谷は稜線に辿り着くのを拒むように、地
形図では表せない蛇行を繰り返した。両岸の尾根は低く、圧迫感のない明るい源頭部である。
ブナも目立ち始め、この付近特有の草原の雰囲気も感じられた。尾根へ上がってしまってもと思うが、やはりここは最源流
まで確かめてみたい。ほとんど傾斜のない溝の中を進む。ヤブもなく歩きやすい。
水は少し手前から切れている。切れる寸前にビールを冷やすためにポリ袋に汲んで、手にぶら下げて歩いていた。片手が
ふさがっていても問題ないぐらい楽なツメである。
ついに谷の形がなくなり、高島トレイル(なんて嫌な響きだろう)の登山道に飛び出した。風が強く、落ち着いてメシを食え
そうにもない。滋賀県側には琵琶湖が光っている。
P841m方面へ入ってからブナ林でランチタイムとしよう。寒風方面へ登って行くと、Wストックも軽やかな単独の女性とすれ
違った。
県境稜線から湯ノ花谷左岸尾根に入る。分岐付近は潅木の密集だが、P841mの北からはブナ林が続く。
適当なところでシートを広げる。微風が心地よい。
標高が低いこともあってソーメンにしたが、今日は温かいものでもよかったかもしれない。
ビールの冷え具合は苦労した割にはイマイチだった。おまけに、飲み差しのビールにコガネムシが止まり、「おい、危ない
ぞ」と警告する間もなく缶の中に転落してしまった。まだ半分残っていたのに・・・
残りのビールを捨てると、あわれアルコール漬け標本となったコガネムシがコロンと落ちた。
この尾根はこの近辺でも最も優れた尾根のひとつと言っていいだろう。ブナ林の見事さ、P727m手前の鞍部の佇まい、
P727m付近の雰囲気と並んで、P727mから少し下りたあたりの巨木群が白眉である。
5mオーバーのトチの古木に度肝を抜かれると、ブナもそこそこ立派ではあるが、やはりトチがこの森のキャラクターを決定
づけているようだ。
[attachment=1]P1120232_1.JPG[/attachment]
この辺ではめずらしい岩グラがあったので、戻り気味にトラバースしていくと、割谷側の斜面に巨木の匂い。こうなると確か
めずにはいられない。4mクラスの見事なトチがあった。こういうところでは真っ直ぐ歩くのは不可能だ。
尾根の真ん中にズダ袋が置いてあると思ったら、そのズダ袋は立ち上がって走り去った。シカがうずくまっていたのだっ
た。お休みのところ、驚かせてしまったようだ。
右から送電線が近付いてきたら間もなく鉄塔だ。ここからは明瞭な巡視路。おなじみのプラ階段が出てくればもう楽勝だ。
下り立ったところは車の真ん前。まさにロスなしピンポイントの下山路だった。
急遽代打で送り出した予定外の沢だったが、十分に楽しめるいい沢歩きだった。
なお、左俣の六セン谷も滝の多いとてもいい沢だ。源頭の雰囲気も素晴らしく、再訪してみたいと思わせてくれる。
下山後の温泉ではBAKUさんに出会うおまけまで付いた。りんご畑さんの御一行で、今古川へ入るつもりが間違えて観音
川を詰めたと言っていたが、どうしたらそんな芸当ができるのか今もって謎である。
山日和
明け方には上がるはずの雨はいつまで経っても降り止まなかった。7時半頃まで待機していたが、明るくなる素振りも見せない空に業を煮やして転進を決断する。