【奥美濃】ナメ天国の尾西谷から国見岳へ
Posted: 2019年10月29日(火) 23:59
【日 付】2019年10月26日(土)
【山 域】奥美濃 国見岳周辺
【天 候】曇り
【コース】尾西集落8:05---8:30入渓点---9:25二俣---12:00国見岳北峰14:00----15:45三角点丸山---P528m---
17:10駐車地
予定していた駐車スペースには先客が出発の準備中だった。これはまったく想定外。少し下がった路肩まで
戻って車を止めた。粕川の尾西(おさい)谷を訪れるのは2度目である。
前回は奥の二俣を間違えて右に入ってしまい、下りを左俣に取ったものの、その想像以上のナメ滝の連続を登
りで見るのと下りで見るのとでは印象が違う。やはりこのナメ滝は登りで味わいたい。それに加えて紅葉の谷
を楽しめれば言うことはないが、標高を考えれば少し時期が早いかもしれない。
白山神社の横を抜けて林道を進む。目の前に大きな堰堤が見えたところで先行者の姿が視界に入った。堰堤
の上で休憩していた先行者に軽く挨拶をして、こちらが先行した。
入渓点で休憩を取っていると先ほどの単独者がやってきた。お互いここで人に会うとは思っていなかったの
で、少しの間話し込んだ。40代と思しき彼は転勤族のようで、最近岐阜に引っ越して来たらしい。これから奥
美濃の沢を歩いて行きたいということだった。腰にぶら下げた年季の入ったバイルがキャリアを物語っている
ように見えた。先日は竹屋谷へ行ったが、途中まで整備され過ぎて観光地化した沢の様子に驚いたと言う。
再び先行した彼を見送って遡行開始。最初は植林の中で雰囲気もイマイチだが、花崗岩の美しい沢床は期待
を持たせる。小滝やナメ滝、ハーモニカを連想させるような変わった形の滝などを楽しみながら遡行して行く
と二俣に到着。小滝のかかる右俣の方がやや水量が多い。これに釣られて前回は右俣に入ってしまったようだ。
あまり風采の上がらない左俣に入ると、いよいよ核心部の始まりだ。ここから続くナメ滝の饗宴は、まさに
天国への階段のようだ。林相も自然林に変わり、谷が屈曲するたびに次のナメ滝が姿を現わして声にならない
歓声を上げる。これだけナメ滝の連続する谷は奥美濃でも珍しいのではないだろうか。しかも谷の広がりは入
渓した頃よりも大きく、スケール感がある。滑らないように注意しながらヒタヒタと水流を歩く足元の感触は
なんとも言えない。ここ2,3日の雨でやや水量が増えていることも、沢の躍動感に繋がっている。
これで青空に紅葉のおまけが付けば、どれだけ素晴らしい沢旅になっただろう。
しかし贅沢を言えばキリがない。
1ヶ所だけ、やや傾斜の強いナメ滝では少し緊張させられた。前回はここを滑り降りたのを思い出す。
尾西谷の最大にして唯一の弱点は源頭部のつまらなさである。今までの極楽状態はなんだったのかというぐ
らい、放置植林にヤブのミックスされた、まったく趣きも面白みもないツメだ。
前回ここを下った時は、この下流にホントにナメ天国があるのか信じられなかったものだ。
国見岳北峰の無線中継所跡から派生する北東尾根に乗った。ここは下山予定の尾根だ。山頂直下の尾根芯は
激ヤブなので左から回り込む。北峰へ到着。無線中継所の建物を撤去した後の広場は殺伐として潤いのない風
景が広がる。昼からは青空を期待していたのだが、すっかりガスに包まれて展望もなくなってしまった。
国見岳の独標を往復して、北峰の南東斜面でランチタイムとする。ここは自然林の疎林に包まれ、雨後限定
と思われる小さな池が現われたいい場所だ。樹林はほんのりと色付いて、苔むした岩と共に、うっすらとかか
る霧に覆われた幻想的な雰囲気を醸し出していた。
少しだけ登山道を外れただけでこんなにいいところがあるとは。なんの面白みもない北峰とは雲泥の差のラン
チ適地である。
下山は先ほどの北東尾根を取る。往路のトラバース地点を過ぎれば最初は踏み跡も明瞭で、楽勝かと思われ
た。ところがしばらく進むと尾根芯に岩場が出現。中央突破も可能に見えたが、右からの巻きルートを見出し
て通過。以後も小さな岩場が度々現われて退屈しない。
木の間越しには山の斜面に張り付くように点在する集落や棚田の姿を望むことができた。
791m三角点(点名丸山)のあたりで植林帯となった。ここからは杣道があって問題ないはずだが、近辺は大倒
木帯。倒木を乗り越えての前進は精神的にも疲れる。
Ca710mピークからは再び自然林となり、ようやく下生えのない疎林の尾根歩きになってホッとした。
528m標高点手前でずいぶん立派な掘り込まれた道が現われた。作業道だろうか。予定を変更してこの道を辿り
かけたが、少し進むと谷の方へ下り始めたと思うと道が怪しくなってしまった。
日没も近付いた時間、リスクは回避しないといけない。元に戻って528m経由で林道に着地。
車に戻る頃には陽も大きく傾いていた。
山日和
【山 域】奥美濃 国見岳周辺
【天 候】曇り
【コース】尾西集落8:05---8:30入渓点---9:25二俣---12:00国見岳北峰14:00----15:45三角点丸山---P528m---
17:10駐車地
予定していた駐車スペースには先客が出発の準備中だった。これはまったく想定外。少し下がった路肩まで
戻って車を止めた。粕川の尾西(おさい)谷を訪れるのは2度目である。
前回は奥の二俣を間違えて右に入ってしまい、下りを左俣に取ったものの、その想像以上のナメ滝の連続を登
りで見るのと下りで見るのとでは印象が違う。やはりこのナメ滝は登りで味わいたい。それに加えて紅葉の谷
を楽しめれば言うことはないが、標高を考えれば少し時期が早いかもしれない。
白山神社の横を抜けて林道を進む。目の前に大きな堰堤が見えたところで先行者の姿が視界に入った。堰堤
の上で休憩していた先行者に軽く挨拶をして、こちらが先行した。
入渓点で休憩を取っていると先ほどの単独者がやってきた。お互いここで人に会うとは思っていなかったの
で、少しの間話し込んだ。40代と思しき彼は転勤族のようで、最近岐阜に引っ越して来たらしい。これから奥
美濃の沢を歩いて行きたいということだった。腰にぶら下げた年季の入ったバイルがキャリアを物語っている
ように見えた。先日は竹屋谷へ行ったが、途中まで整備され過ぎて観光地化した沢の様子に驚いたと言う。
再び先行した彼を見送って遡行開始。最初は植林の中で雰囲気もイマイチだが、花崗岩の美しい沢床は期待
を持たせる。小滝やナメ滝、ハーモニカを連想させるような変わった形の滝などを楽しみながら遡行して行く
と二俣に到着。小滝のかかる右俣の方がやや水量が多い。これに釣られて前回は右俣に入ってしまったようだ。
あまり風采の上がらない左俣に入ると、いよいよ核心部の始まりだ。ここから続くナメ滝の饗宴は、まさに
天国への階段のようだ。林相も自然林に変わり、谷が屈曲するたびに次のナメ滝が姿を現わして声にならない
歓声を上げる。これだけナメ滝の連続する谷は奥美濃でも珍しいのではないだろうか。しかも谷の広がりは入
渓した頃よりも大きく、スケール感がある。滑らないように注意しながらヒタヒタと水流を歩く足元の感触は
なんとも言えない。ここ2,3日の雨でやや水量が増えていることも、沢の躍動感に繋がっている。
これで青空に紅葉のおまけが付けば、どれだけ素晴らしい沢旅になっただろう。
しかし贅沢を言えばキリがない。
1ヶ所だけ、やや傾斜の強いナメ滝では少し緊張させられた。前回はここを滑り降りたのを思い出す。
尾西谷の最大にして唯一の弱点は源頭部のつまらなさである。今までの極楽状態はなんだったのかというぐ
らい、放置植林にヤブのミックスされた、まったく趣きも面白みもないツメだ。
前回ここを下った時は、この下流にホントにナメ天国があるのか信じられなかったものだ。
国見岳北峰の無線中継所跡から派生する北東尾根に乗った。ここは下山予定の尾根だ。山頂直下の尾根芯は
激ヤブなので左から回り込む。北峰へ到着。無線中継所の建物を撤去した後の広場は殺伐として潤いのない風
景が広がる。昼からは青空を期待していたのだが、すっかりガスに包まれて展望もなくなってしまった。
国見岳の独標を往復して、北峰の南東斜面でランチタイムとする。ここは自然林の疎林に包まれ、雨後限定
と思われる小さな池が現われたいい場所だ。樹林はほんのりと色付いて、苔むした岩と共に、うっすらとかか
る霧に覆われた幻想的な雰囲気を醸し出していた。
少しだけ登山道を外れただけでこんなにいいところがあるとは。なんの面白みもない北峰とは雲泥の差のラン
チ適地である。
下山は先ほどの北東尾根を取る。往路のトラバース地点を過ぎれば最初は踏み跡も明瞭で、楽勝かと思われ
た。ところがしばらく進むと尾根芯に岩場が出現。中央突破も可能に見えたが、右からの巻きルートを見出し
て通過。以後も小さな岩場が度々現われて退屈しない。
木の間越しには山の斜面に張り付くように点在する集落や棚田の姿を望むことができた。
791m三角点(点名丸山)のあたりで植林帯となった。ここからは杣道があって問題ないはずだが、近辺は大倒
木帯。倒木を乗り越えての前進は精神的にも疲れる。
Ca710mピークからは再び自然林となり、ようやく下生えのない疎林の尾根歩きになってホッとした。
528m標高点手前でずいぶん立派な掘り込まれた道が現われた。作業道だろうか。予定を変更してこの道を辿り
かけたが、少し進むと谷の方へ下り始めたと思うと道が怪しくなってしまった。
日没も近付いた時間、リスクは回避しないといけない。元に戻って528m経由で林道に着地。
車に戻る頃には陽も大きく傾いていた。
山日和