【若狭】横谷川滝谷から庄部谷山へ
Posted: 2019年10月22日(火) 20:28
【日 付】2019年10月20日(日)
【山 域】若狭 庄部谷山周辺
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】横谷川林道駐車地7:35---8:15滝谷出合---10:30庄部谷山北尾根---11:00庄部谷山12:30---13:20鉄塔
---14:05駐車地
以前から気になっていた、横谷川支流の滝谷。イチョウの大木の立つ巡視路の吊り橋を過ぎて、左岸から
最初に出合う谷である。対岸の巡視路から眺めた時、出合にかかる大きな滝の様子から、どんな谷なのだろ
うといつも思っていた。源頭は庄部谷山北尾根の途中で流程は短く、普通ならあまり食指の動かない谷だろ
う。耳川流域の谷もそろそろ落穂拾いの領域に入ってきたということか。
雨でやや水量の多い横谷川本流を渡渉して滝谷出合に立つ。対岸から見ると厳しそうに見えた15mほどの
滝は、いざ間近に来てみると階段状で簡単に登ることができた。大高巻きも予想していただけに、幸先のい
いスタートである。
その後もポツポツと小滝が出てきて、退屈しのぎにはちょうどいい。もう大したものはあるまいと思って
いたら、突然2段15mの滝が登場して驚かされた。完全に立っているので直登は不可能だ。
右手前から急斜面を回り込むように巻いたが、落ち口へのトラバースがかなり渋い。チェーンスパイクを装
着して慎重に進む。ホールドが少なく高度感があるので緊張させられた。
水流の中に板切れが落ちている。これが次々と現れたので、いったい何なのだろうと思っていたら、やが
て右岸の斜面に土の流れ止めと思しき構造物が見えた。左岸側にはプラ階段が見える。
どうやら巡視路を確保するために流れ止めを作ったようだが、ど真ん中が崩れ落ちていた。さっきの板切れ
はこの残骸だったのだ。自然の力は人間の考えが及ばないほど威力があるということだろう。
いよいよ源流部に近づくと、両岸斜面を飾るトチの太さが変わってきた。かなりの巨木が目立ち、それに
吸い寄せられるように斜面を行ったり来たり。その中に1本だけカツラの巨木もあったりして、見応えのある
森を形作っていた。
源頭の一滴を確かめて尾根に乗る。庄部谷山北方のCa650m地点だ。尾根上では今度はブナの歓迎を受けた。
ただこのあたりはスギ混じりの森なのでスッキリ感が少し足りない。ブナそのものは3mクラスの巨木も多く、
それぞれの木は見応え十分だ。
山頂直下の庄部谷源頭がお気に入りのランチ場だ。いつも山頂ではなく、庄部谷を見下ろす斜面に陣取っ
て昼のひと時を楽しんでいる。しかし今日は少し風が冷たい。庄部谷の方へ20mほど下るとまったく風がな
くなった。目の前には少し色付き始めた木々が谷を覆っている。ちょっと早めのランチタイムとしよう。
今日は所用があるので早く下山しないといけないのだ。
下山は北西の尾根を選んだ。この尾根は庄部谷と荒谷を分ける尾根である。北尾根と比べると下生えが少
なくスギの木もないので、美しいブナ林を楽しめる尾根だ。
右手の荒谷源頭部にトチの巨木があった。幹周はおそらく6mはあるだろう。かなり大きい。
湯ノ花谷左岸尾根の主には及ばないものの、この山域では屈指の巨樹に違いないだろう。ブナも3mクラス
が普通に立っている。
転げるような急斜面を下って鉄塔に出た。当然ながら展望が開けて、美浜の海がチラッと見えた。
東には雲谷山麓の岸集落の大規模な棚田が見えるが、区画整備された宅地のように長方形の連続で、あま
り美しいとは感じなかった。直線的なものより微妙な曲線を描くものの方が美的感覚を刺激されるようだ。
植林帯に入れば後は楽勝で林道に着地・・・のはずだった。最後まで直進すればよかったものを、途中
で出てきた明瞭な杣道に惹かれて右へ進路を取ると、結局ガケの上に出て四苦八苦。辛うじて潅木を頼り
の危うい着地となってしまった。
なんとか下り切って林道へ。駐車地に向かって歩くと、ソフトランディングできる斜面がいくらでもあ
った。初志貫徹してあのまま尾根芯を下れば楽勝だったのだ。策に溺れるとロクなことはないのである。
山日和
【山 域】若狭 庄部谷山周辺
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】横谷川林道駐車地7:35---8:15滝谷出合---10:30庄部谷山北尾根---11:00庄部谷山12:30---13:20鉄塔
---14:05駐車地
以前から気になっていた、横谷川支流の滝谷。イチョウの大木の立つ巡視路の吊り橋を過ぎて、左岸から
最初に出合う谷である。対岸の巡視路から眺めた時、出合にかかる大きな滝の様子から、どんな谷なのだろ
うといつも思っていた。源頭は庄部谷山北尾根の途中で流程は短く、普通ならあまり食指の動かない谷だろ
う。耳川流域の谷もそろそろ落穂拾いの領域に入ってきたということか。
雨でやや水量の多い横谷川本流を渡渉して滝谷出合に立つ。対岸から見ると厳しそうに見えた15mほどの
滝は、いざ間近に来てみると階段状で簡単に登ることができた。大高巻きも予想していただけに、幸先のい
いスタートである。
その後もポツポツと小滝が出てきて、退屈しのぎにはちょうどいい。もう大したものはあるまいと思って
いたら、突然2段15mの滝が登場して驚かされた。完全に立っているので直登は不可能だ。
右手前から急斜面を回り込むように巻いたが、落ち口へのトラバースがかなり渋い。チェーンスパイクを装
着して慎重に進む。ホールドが少なく高度感があるので緊張させられた。
水流の中に板切れが落ちている。これが次々と現れたので、いったい何なのだろうと思っていたら、やが
て右岸の斜面に土の流れ止めと思しき構造物が見えた。左岸側にはプラ階段が見える。
どうやら巡視路を確保するために流れ止めを作ったようだが、ど真ん中が崩れ落ちていた。さっきの板切れ
はこの残骸だったのだ。自然の力は人間の考えが及ばないほど威力があるということだろう。
いよいよ源流部に近づくと、両岸斜面を飾るトチの太さが変わってきた。かなりの巨木が目立ち、それに
吸い寄せられるように斜面を行ったり来たり。その中に1本だけカツラの巨木もあったりして、見応えのある
森を形作っていた。
源頭の一滴を確かめて尾根に乗る。庄部谷山北方のCa650m地点だ。尾根上では今度はブナの歓迎を受けた。
ただこのあたりはスギ混じりの森なのでスッキリ感が少し足りない。ブナそのものは3mクラスの巨木も多く、
それぞれの木は見応え十分だ。
山頂直下の庄部谷源頭がお気に入りのランチ場だ。いつも山頂ではなく、庄部谷を見下ろす斜面に陣取っ
て昼のひと時を楽しんでいる。しかし今日は少し風が冷たい。庄部谷の方へ20mほど下るとまったく風がな
くなった。目の前には少し色付き始めた木々が谷を覆っている。ちょっと早めのランチタイムとしよう。
今日は所用があるので早く下山しないといけないのだ。
下山は北西の尾根を選んだ。この尾根は庄部谷と荒谷を分ける尾根である。北尾根と比べると下生えが少
なくスギの木もないので、美しいブナ林を楽しめる尾根だ。
右手の荒谷源頭部にトチの巨木があった。幹周はおそらく6mはあるだろう。かなり大きい。
湯ノ花谷左岸尾根の主には及ばないものの、この山域では屈指の巨樹に違いないだろう。ブナも3mクラス
が普通に立っている。
転げるような急斜面を下って鉄塔に出た。当然ながら展望が開けて、美浜の海がチラッと見えた。
東には雲谷山麓の岸集落の大規模な棚田が見えるが、区画整備された宅地のように長方形の連続で、あま
り美しいとは感じなかった。直線的なものより微妙な曲線を描くものの方が美的感覚を刺激されるようだ。
植林帯に入れば後は楽勝で林道に着地・・・のはずだった。最後まで直進すればよかったものを、途中
で出てきた明瞭な杣道に惹かれて右へ進路を取ると、結局ガケの上に出て四苦八苦。辛うじて潅木を頼り
の危うい着地となってしまった。
なんとか下り切って林道へ。駐車地に向かって歩くと、ソフトランディングできる斜面がいくらでもあ
った。初志貫徹してあのまま尾根芯を下れば楽勝だったのだ。策に溺れるとロクなことはないのである。
山日和