【奥美濃】三角点「村平」旧徳山村のブナ林を行く
Posted: 2019年10月15日(火) 23:58
【日 付】2019年10月13日(日)
【山 域】奥美濃 徳山ダム周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】本郷望郷広場8:20---8:55 669m電波塔---9:45三角点村平10:00---12:00 Ca850m引き返し点---
12:20ランチ場14:20---15:30村平---16:50駐車地
徳山ダムの左岸の標高900mにも満たない山々から続く尾根。その尾根たちは磯倉、能郷白山へと収斂して
行くのだが、尾根の末端近くにある山は名前もなく、まったく興味の対象外だった。
昨春、そのひとつである三角点「鳥木谷」に登って、自分の固定観念の間違いに気付かされた。
「植林」と「ヤブ」というふたつのキーワードがこの近辺の山々を決定すると思い込んでいたのだ。
正確には3年前に無雪期の若丸山へ行った時、その道中の前半にヤブ無しの見事なブナ林を味わったことがき
っかけとなった。実際に歩いてみると、ほとんどヤブは無く、比較的明瞭な踏み跡がブナ林の中を伸びる尾
根だったのだ。
今回選んだのは三角点「村平(むらへい)」。白谷と漆谷に挟まれた881.2mの三角点である。
ダム湖畔を走る国道477号の本郷カンタク隧道を出たところで左折すると、本郷望郷広場がある。
ここはダムの湖底に沈んだ徳山村の中心地である本郷集落を見下ろす場所だ。公園には本郷集落の地図と、
かつて住んでいた全世帯の住人の名前を刻んだ碑が建てられている。集落の中心だった白山神社の跡も移設
されていた。今では広大な湖水の下に多くの人々の暮らしがあったことを想像することもできない。
ダム湖の対岸には徳山の歴史と文化を後世に伝える場所として建てられた徳山会館が見える。
神社の左手に長いアルミ梯子があり、そこから尾根に取り付いた。669m標高点に電波塔があり、その保全
のためのしっかりとした道が付けられている。
今日の揖斐川町の天気予報は終日晴れのはずだが、空はどんよりと曇っており、台風19号の余波で風が強い。
そのおかげで汗っかきの自分もあまり汗をかかずに歩くことができるのだが。
電波塔の先で植林の大倒木地帯が現われたが、迂回する踏み跡があった。最近の倒木ではないようだ。
ずっと踏み跡が続いているところを見ると、昔からの杣道なのかもしれない。
鳥木谷と同様、まったくヤブを漕ぐ必要もなく、快適な尾根歩きである。
やがて完全に植林が切れ、ブナ主体の自然林が尾根を覆うようになった。基本的には二次林のようだが、かな
りの太さのブナも散見される。木の間越しの展望は、見慣れない角度からでなかなか同定ができない。
名前を知っている山ばかりのはずなのだが。
三角点「村平」は期待に反して平凡な山頂だった。ここで尾根は北東に角度を変える。ここからの下りはヤ
セ尾根にちょっとした岩場が出てきたりして、長閑な尾根歩きにアクセントを添えていた。
鞍部のあたりはブナ林本来のササの林床が元気だった。ここはちょっとした二重山稜風になっていて、そこ
そこのブナが並ぶいいところだ。但し、腰を降ろす場所がないのが玉にキズである。
尾根上にはシデの大木もあり、雑木も目立つ。いわゆる極相林ではなく、やや雑然とした印象を受ける。
それでもヤブ漕ぎの必要もなく自然林の中を気持ちよく歩けるのだから、文句の付けようがない。
当初の計画ではここから一旦漆谷へ下って、漆谷北又を遡行して鳥木谷へ上がるはずだった。
朝の出発が遅れたせいもあり、予定遂行には時間が足りない。計画を断念して、もう少しこの尾根を探ってみ
よう。
809m標高点の先に小広いランチ適地があったが、時間はまだ早い。次のC860mピークとその北に続く尾根が
魅力的に見えた。あそこまで行った方が気分良くメシを食えるかもしれない。
しかし期待し過ぎると裏切られるのは世の習い。林相は悪くはないが、少しヤブっぽく、期待通りとは行かな
かった。
Ca860mの先のコルにシデの巨木があった。どうなってできたのか、幹にボコボコと穴が開いている変わった
木だった。この木を見られたのが収穫だということにしておこう。
先ほどの小広いコバまで戻ってブナの根方でランチタイム。やっとのことで予報通りの青空が広がってきた。
のんびりとランチを楽しもう。あとは元来た道を戻るだけだ。
いつもは避けてしまう同じコースの往復も、行きとは違う光の当たり方で森の表情が変わって面白い。
朝方は曇り空でやや暗かったのでなおさらだ。
ブナの木の間から覗くダム湖は、夕刻の光に煌めいて輝いていた。この時間まで山中で遊んでいたご褒美だ。
山日和
【山 域】奥美濃 徳山ダム周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】本郷望郷広場8:20---8:55 669m電波塔---9:45三角点村平10:00---12:00 Ca850m引き返し点---
12:20ランチ場14:20---15:30村平---16:50駐車地
徳山ダムの左岸の標高900mにも満たない山々から続く尾根。その尾根たちは磯倉、能郷白山へと収斂して
行くのだが、尾根の末端近くにある山は名前もなく、まったく興味の対象外だった。
昨春、そのひとつである三角点「鳥木谷」に登って、自分の固定観念の間違いに気付かされた。
「植林」と「ヤブ」というふたつのキーワードがこの近辺の山々を決定すると思い込んでいたのだ。
正確には3年前に無雪期の若丸山へ行った時、その道中の前半にヤブ無しの見事なブナ林を味わったことがき
っかけとなった。実際に歩いてみると、ほとんどヤブは無く、比較的明瞭な踏み跡がブナ林の中を伸びる尾
根だったのだ。
今回選んだのは三角点「村平(むらへい)」。白谷と漆谷に挟まれた881.2mの三角点である。
ダム湖畔を走る国道477号の本郷カンタク隧道を出たところで左折すると、本郷望郷広場がある。
ここはダムの湖底に沈んだ徳山村の中心地である本郷集落を見下ろす場所だ。公園には本郷集落の地図と、
かつて住んでいた全世帯の住人の名前を刻んだ碑が建てられている。集落の中心だった白山神社の跡も移設
されていた。今では広大な湖水の下に多くの人々の暮らしがあったことを想像することもできない。
ダム湖の対岸には徳山の歴史と文化を後世に伝える場所として建てられた徳山会館が見える。
神社の左手に長いアルミ梯子があり、そこから尾根に取り付いた。669m標高点に電波塔があり、その保全
のためのしっかりとした道が付けられている。
今日の揖斐川町の天気予報は終日晴れのはずだが、空はどんよりと曇っており、台風19号の余波で風が強い。
そのおかげで汗っかきの自分もあまり汗をかかずに歩くことができるのだが。
電波塔の先で植林の大倒木地帯が現われたが、迂回する踏み跡があった。最近の倒木ではないようだ。
ずっと踏み跡が続いているところを見ると、昔からの杣道なのかもしれない。
鳥木谷と同様、まったくヤブを漕ぐ必要もなく、快適な尾根歩きである。
やがて完全に植林が切れ、ブナ主体の自然林が尾根を覆うようになった。基本的には二次林のようだが、かな
りの太さのブナも散見される。木の間越しの展望は、見慣れない角度からでなかなか同定ができない。
名前を知っている山ばかりのはずなのだが。
三角点「村平」は期待に反して平凡な山頂だった。ここで尾根は北東に角度を変える。ここからの下りはヤ
セ尾根にちょっとした岩場が出てきたりして、長閑な尾根歩きにアクセントを添えていた。
鞍部のあたりはブナ林本来のササの林床が元気だった。ここはちょっとした二重山稜風になっていて、そこ
そこのブナが並ぶいいところだ。但し、腰を降ろす場所がないのが玉にキズである。
尾根上にはシデの大木もあり、雑木も目立つ。いわゆる極相林ではなく、やや雑然とした印象を受ける。
それでもヤブ漕ぎの必要もなく自然林の中を気持ちよく歩けるのだから、文句の付けようがない。
当初の計画ではここから一旦漆谷へ下って、漆谷北又を遡行して鳥木谷へ上がるはずだった。
朝の出発が遅れたせいもあり、予定遂行には時間が足りない。計画を断念して、もう少しこの尾根を探ってみ
よう。
809m標高点の先に小広いランチ適地があったが、時間はまだ早い。次のC860mピークとその北に続く尾根が
魅力的に見えた。あそこまで行った方が気分良くメシを食えるかもしれない。
しかし期待し過ぎると裏切られるのは世の習い。林相は悪くはないが、少しヤブっぽく、期待通りとは行かな
かった。
Ca860mの先のコルにシデの巨木があった。どうなってできたのか、幹にボコボコと穴が開いている変わった
木だった。この木を見られたのが収穫だということにしておこう。
先ほどの小広いコバまで戻ってブナの根方でランチタイム。やっとのことで予報通りの青空が広がってきた。
のんびりとランチを楽しもう。あとは元来た道を戻るだけだ。
いつもは避けてしまう同じコースの往復も、行きとは違う光の当たり方で森の表情が変わって面白い。
朝方は曇り空でやや暗かったのでなおさらだ。
ブナの木の間から覗くダム湖は、夕刻の光に煌めいて輝いていた。この時間まで山中で遊んでいたご褒美だ。
山日和