【京都北山】ヒノコ小屋の集いと皆子山
Posted: 2019年10月01日(火) 21:47
【日 付】2019年9月28日(土)~29日(日)
【山 域】京都北山 皆子山周辺
【天 候】晴れのち曇りのち雨
【メンバー】草川啓三氏、横田和雄氏、sato、山日和 (懇親会のみ西原氏参加)
【コース】ヒノコ小屋8:35---10:10南西尾根P889m---P926m---11:25皆子山12:20---府県境南尾根---13:25皆子谷出合
---14:15ヒノコ小屋
「山登りはこんなにも面白い」の出版から1年が経った。1周年を記念してというわけではないが、久しぶりに著
者が一同に会するともいいだろうと、草川啓三氏の音頭で集まることになった。
場所は京都北山のヒノコ小屋。安曇川源流の百井川べりに建つ、北山クラブ所有の山小屋である。
どこから来ても山深い感の強いここは、携帯も繋がらない場所だ。
今回は残念ながら壇上氏が所用のため欠席。草川氏をはじめ、横田和男氏、satoこと中西さとこさん、私と、北山
クラブの代表である西原氏の5人で宴を催すことになった。
この小屋は非公開の山小屋なので、西原氏のご厚意により一夜の宿としてお借りできることになったのである。
ヒノコ小屋は丸太作りの非常に雰囲気のある小屋だ。まわりが植林オンリーなのがちょっと残念ではあるが、大
き過ぎず小さ過ぎずのちょうどいいサイズで、電気も引かれている。
紅一点の中西さん以外はみなさん私の1世代上の先輩だ。山の話題はもちろん、本の話、北山クラブの創設者である
金久昌業氏の話、政治の話等々、酒を飲み鍋をつついているうちに、いつしか日付が変わろうとしていた。
所用で先に帰られる西原氏を見送って、残りの4人で皆子山を目指す。
この山は京都府の最高峰(と言っても971mしかないが)である。前に訪れたのは15年ほど前、その前は30年以上前だ
ろうか。山の中身についてはまったく記憶がない。京都北山全般に言えるのであるが、どうも植林のイメージが強く
て、近年は足が向かなかったのだ。
当時は北側のツボクリ谷と南側の皆子谷と寺谷という沢沿いのルートしかなかった。それから尾根にルートが拓かれ、
今日辿るのはその中でも比較的新しい南西尾根だ。
尾根の末端から植林の道に取り付く。実に緩やかで歩きやすい道だ。昨日までは夜から朝にかけて雨の予報だった
が、来てみないとわからないもので、頭上には秋らしい雲を浮かべた青空が広がっている。
よく手入れされた植林の中を登って行くと、意外な早さで植林から自然林に切り替わった。
雑木林の尾根は下生えも少なく、自分の想像とは全く違う北山の姿を見せてくれた。
ただ、ブナの姿はまったく見ることができない。その代わりというわけではないが、クリの木が非常に多い。
但し、クリの実はあまり見ることができなかった。トチの実は今年不作らしいが、クリもそうなのだろうか。
889mのピークに着くと皆子山の山頂部が見えた。多少のアップダウンがあるとは言え、ここと山頂の標高差はわ
ずか80mほどしかない。
ゆったりとした尾根を進む。草川氏が「スノーシューもいいですよ」と言うのが理解できるいい尾根だ。
登りらしい登りもないうちに山頂に到着。それなりに人気の山のはずだが、誰にも会わなかった。
正面には武奈ヶ岳の姿を望むことができる。以前は樹林の中で、展望は皆無だったような気がするのだが。
雨模様で涼しいだろうとカップ麺を用意してきたのだが、日なたは暑い。こんなことなら冷たい麺にすればよかっ
た。珍しくビールを持って来なかったのも失敗だった。
下山は京都と滋賀の府県境ラインが引かれた南尾根を選んだ。これなら最後に皆子谷へ下りれば林道歩きで楽勝
だと思われた。
この南尾根は可もなく不可もないといった印象だ。最後は強烈な急斜面を皆子谷へ急降下。
こんな場面でもみなさん平然と下るところがさすが百戦錬磨のメンバーである。
対岸の林道に乗って鼻歌気分で歩き出したが、ここからが本日の核心部だった。途中から伐採した木が道に倒れ
かかり、前進が困難になった。そこで左手の安曇川本流への踏み跡を辿るとそこでストップ。対岸に道らしきもの
があるように見えたので、これは渡渉した方が早いとザブザブと水の中を歩いた。
ところが道と見えたのは錯覚だった。植林なので歩けることは歩ける。もう少しというところで崖状に阻まれ、ま
たもや渡渉する羽目になってしまった。対岸には地形図にもあるため池が見えている。
渡り終えたところで雨が降り始めた。やれやれだが、山の中で降られなかっただけマシというものだ。
今度は車の走れるまともな道をヒノコ小屋へ。小屋の手前から雨が一段と激しくなってきた。
急いで小屋へ逃げ込む。前夜に続いて小屋のありがたさを実感した2日間だった。
山日和
【山 域】京都北山 皆子山周辺
【天 候】晴れのち曇りのち雨
【メンバー】草川啓三氏、横田和雄氏、sato、山日和 (懇親会のみ西原氏参加)
【コース】ヒノコ小屋8:35---10:10南西尾根P889m---P926m---11:25皆子山12:20---府県境南尾根---13:25皆子谷出合
---14:15ヒノコ小屋
「山登りはこんなにも面白い」の出版から1年が経った。1周年を記念してというわけではないが、久しぶりに著
者が一同に会するともいいだろうと、草川啓三氏の音頭で集まることになった。
場所は京都北山のヒノコ小屋。安曇川源流の百井川べりに建つ、北山クラブ所有の山小屋である。
どこから来ても山深い感の強いここは、携帯も繋がらない場所だ。
今回は残念ながら壇上氏が所用のため欠席。草川氏をはじめ、横田和男氏、satoこと中西さとこさん、私と、北山
クラブの代表である西原氏の5人で宴を催すことになった。
この小屋は非公開の山小屋なので、西原氏のご厚意により一夜の宿としてお借りできることになったのである。
ヒノコ小屋は丸太作りの非常に雰囲気のある小屋だ。まわりが植林オンリーなのがちょっと残念ではあるが、大
き過ぎず小さ過ぎずのちょうどいいサイズで、電気も引かれている。
紅一点の中西さん以外はみなさん私の1世代上の先輩だ。山の話題はもちろん、本の話、北山クラブの創設者である
金久昌業氏の話、政治の話等々、酒を飲み鍋をつついているうちに、いつしか日付が変わろうとしていた。
所用で先に帰られる西原氏を見送って、残りの4人で皆子山を目指す。
この山は京都府の最高峰(と言っても971mしかないが)である。前に訪れたのは15年ほど前、その前は30年以上前だ
ろうか。山の中身についてはまったく記憶がない。京都北山全般に言えるのであるが、どうも植林のイメージが強く
て、近年は足が向かなかったのだ。
当時は北側のツボクリ谷と南側の皆子谷と寺谷という沢沿いのルートしかなかった。それから尾根にルートが拓かれ、
今日辿るのはその中でも比較的新しい南西尾根だ。
尾根の末端から植林の道に取り付く。実に緩やかで歩きやすい道だ。昨日までは夜から朝にかけて雨の予報だった
が、来てみないとわからないもので、頭上には秋らしい雲を浮かべた青空が広がっている。
よく手入れされた植林の中を登って行くと、意外な早さで植林から自然林に切り替わった。
雑木林の尾根は下生えも少なく、自分の想像とは全く違う北山の姿を見せてくれた。
ただ、ブナの姿はまったく見ることができない。その代わりというわけではないが、クリの木が非常に多い。
但し、クリの実はあまり見ることができなかった。トチの実は今年不作らしいが、クリもそうなのだろうか。
889mのピークに着くと皆子山の山頂部が見えた。多少のアップダウンがあるとは言え、ここと山頂の標高差はわ
ずか80mほどしかない。
ゆったりとした尾根を進む。草川氏が「スノーシューもいいですよ」と言うのが理解できるいい尾根だ。
登りらしい登りもないうちに山頂に到着。それなりに人気の山のはずだが、誰にも会わなかった。
正面には武奈ヶ岳の姿を望むことができる。以前は樹林の中で、展望は皆無だったような気がするのだが。
雨模様で涼しいだろうとカップ麺を用意してきたのだが、日なたは暑い。こんなことなら冷たい麺にすればよかっ
た。珍しくビールを持って来なかったのも失敗だった。
下山は京都と滋賀の府県境ラインが引かれた南尾根を選んだ。これなら最後に皆子谷へ下りれば林道歩きで楽勝
だと思われた。
この南尾根は可もなく不可もないといった印象だ。最後は強烈な急斜面を皆子谷へ急降下。
こんな場面でもみなさん平然と下るところがさすが百戦錬磨のメンバーである。
対岸の林道に乗って鼻歌気分で歩き出したが、ここからが本日の核心部だった。途中から伐採した木が道に倒れ
かかり、前進が困難になった。そこで左手の安曇川本流への踏み跡を辿るとそこでストップ。対岸に道らしきもの
があるように見えたので、これは渡渉した方が早いとザブザブと水の中を歩いた。
ところが道と見えたのは錯覚だった。植林なので歩けることは歩ける。もう少しというところで崖状に阻まれ、ま
たもや渡渉する羽目になってしまった。対岸には地形図にもあるため池が見えている。
渡り終えたところで雨が降り始めた。やれやれだが、山の中で降られなかっただけマシというものだ。
今度は車の走れるまともな道をヒノコ小屋へ。小屋の手前から雨が一段と激しくなってきた。
急いで小屋へ逃げ込む。前夜に続いて小屋のありがたさを実感した2日間だった。
山日和