【台高】 圧倒的なゴルジュの谷 野江股谷

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シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

【台高】 圧倒的なゴルジュの谷 野江股谷

投稿記事 by シュークリーム »

前回,野江股谷に行った記録を見ると2016年4月2日になっている。たろーさんとmichiさんの3人で行ったのだが,途中,冷たい雨が降り始め,山菜闇天会場に午後3時までに着かないといけないという制約もあり,途中の崩壊地でエスケープしたのだった。蓮周辺の主だった谷はほぼ歩いたのだが,野江股谷だけ中途半端な状態だったのでいつかは行かねばと思っていた。

8月24日から2週間ほどイランに出張で,帰国後数日置いて中国に2週間出張する予定なのだ。海外出張前に単独で沢などに行って,万が一事故でもあると多くの人たちに迷惑がかかることになるので,沢行きを躊躇していた。しかし,この日を逃すとあと2ヶ月ほどは山に行けないので,どこか簡単な癒し渓に行くことにしようか。絵馬小屋谷を五所ヶ滝を見学して引き返す。ヌタハラ谷。木屋谷川の前回の続き・・・など色々考えて,結局,野江股谷に行くことにした。野江股谷って,ぜんぜん癒し渓じゃないんだけど・・・「まあ,危ないことをしなければ大丈夫だよ」という悪魔のささやきに乗っかって行くことにする。考えていることと,実際にやっていることが違うというのが昔からの私流なのである。

【 日 付 】2019年8月21日(水)
【 山 域 】台高 櫛田川水系 蓮川
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 絵馬小屋林道終点 7:31 --- 7:51不動滝 --- 8:46 鶴小屋滝 --- 8:59 杣道交差 --- 9:53 崩壊地 10:28 --- 11:03 co 810m分岐(左俣へ)--- 11:38 CS12m滝(左俣へ)--- 12:06 昼食 12:44 --- 12:58 ナンノキ平 --- 14:24駐車地

先日の雨で絵馬小屋林道がどうなっているのか心配だったのだが,何事もなく林道終点まで来ることができた。水量はやや多めだが,遡行に支障になるほどではない。ロープを使わなければ登れないような滝が出てきたら,回避するという硬い決断の元,基本的にロープは使わないことにするが,何が出てくるかわからないので,ロープやカムなど一通りの装備は持っていく。最近の単独行では,ハーネスもカムもないお気楽沢行だったのだが。

大岩が積み重なる沢をしばらく歩いて行くと右に屈曲したゴルジュの奥に不動滝15m。この滝は泳がないと見ることができない。単独でこんな深い淵を泳ぐのは怖いので即却下。右岸の岩を上ってみると不動滝の一部が見えた。その上流にはイガミ滝12mが見えている。
不動滝とイガミ滝
不動滝とイガミ滝
前回はここからロープを出して危険なトラバースをしたのだが,今日はそんな危険なことはしない。岩から降りて下流に少し戻り,ゴルジュの切れ目から上に登っていく。沢屋の巻道になっているのだろう,人が歩いた痕跡がある。岩嵓に上に上に追い上げられて行くと杣道に出た。絵馬小屋林道から滝見尾根に上がっている登山道だろう。

杣道に導かれ,イガミ滝の落ち口を過ぎたあたりで,谷に戻ることにする。谷の上6mほどがハングした壁になっているので,懸垂で降りることにする。斜め懸垂になっていたらしく,ハングの部分にでてフリーになった途端にロープが横に振られた。「いけない!壁に激突する!!」と覚悟したが,幸い背中のザックがクッションになって何事もなかった。「やれやれ,気をつけないと!」。
イガミ滝落ち口
イガミ滝落ち口
これですっかり弱気になる。なにせ降りたところがハングした岩壁の底である。登り返すことはできないし,この先に登ることができない滝が出てきたら万事休すである。万が一の時のために右岸の杣道へのエスケープルートを確認しながら進んでいくが,幸いなことに登れない滝は出てこなかった。

しばらく行くと鶴小屋滝8m。トイ状になった岩壁を水が螺旋状に落ちている。絵馬小屋谷の五所ヶ滝のミニチュア版みたいなもんである・・・と書いては鶴小屋滝に失礼かもしれない。これはこれで立派な造形の滝である。
鶴小屋滝
鶴小屋滝
鶴小屋滝を左岸から巻くとすぐに鶴小屋滝のミニチュア版のような滝。この滝はまだ螺旋状にはなっていない。5m滝を越えると右岸から杣道が横切っている。横切った先の左岸側にはトラロープ。そのうち,この杣道がどうつながっているのか歩いてみたいものだ。
崩壊地手前の美しい10m滝
崩壊地手前の美しい10m滝
さらにいくつか滝を越えていくと美しい10m滝。この滝は右岸の斜面を巻くが,滑りやすくていやらしかった。今回の遡行で一番怖かったかもしれない。この10m滝を越えると崩壊地。左岸の斜面が大きくえぐれ,谷が土砂で埋め尽くされている。過去の記録を見るとこの下に幾つかの美しい滝があったらしいが,すべて埋まってしまっている。これだけ大量の土砂に埋められては将来もとどおりになることはないだろう。ゴルジュの谷なので日はほとんど当たらないが,この崩壊地だけは日当たりがよく,日焼けしてしまいそう。
崩壊地
崩壊地
崩壊地が終わるとまたゴルジュが始まるが,滝自体は大人しくなる。ゴルジュ内の2m滝の前には泳がなければならない淵があると沢ナビに書いてあるが,埋まってしまったらしく泳がなけらばならない淵はなかった。
崩壊地上流のゴルジュ
崩壊地上流のゴルジュ
co810m付近の二股を左俣に入る。ゴルジュ内の6m滝は左岸巻き。さらにco1010m付近の二股で左俣からCS12m滝が落ちるが,ここは一旦本谷を少し登り,岩壁が切れたあたりで折り返すと簡単に巻くことができた。

この後は谷はすっかり大人しくなり,幾つかの小滝を快適に登り,上にナンノキ平の稜線が見えるあたりで昼食にする。海外出張を目前に控えて,登り始めはナーバスになってしまったが,何事もなくここまで上がってくることができて幸いだった。目の前には,大岩の上に薄く積もった土に根を張った根性ブナが見えている。
根性ブナ
根性ブナ
コンビニおにぎりだけの簡単な昼食を終え,ナンノキ平の大ミズナラにご挨拶。主幹は折れてしまっているが,側枝はまだ元気で葉を茂らせている。その後は歩き慣れた登山道を絵馬小屋林道終点まで降りる。高度が低くなるにつれて暑くなり,絵馬小屋谷出会いで全身を流れにつけてクールダウンする。
ナンノキ平のミズナラ大木
ナンノキ平のミズナラ大木
歩き始めはかなりナーバスになっていた沢登りだったが,無事に登りきることができて達成感十分である。いい1日を過ごすことができて満足満足。翌日は珍しく太ももに筋肉痛がおきた。
                         @シュークリーム@
グー(伊勢山上住人)
記事: 2223
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:10
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Re: 【台高】 圧倒的なゴルジュの谷 野江股谷

投稿記事 by グー(伊勢山上住人) »

アケボノツツジの岩から見下ろす野江股谷。
アケボノツツジの岩から見下ろす野江股谷。


シューさん、こんばんは。

8月24日から2週間ほどイランに出張で,帰国後数日置いて中国に2週間出張する予定なのだ。

明後日からですか。退役してからも声がかかるって嬉しいことですね。
シューさんが闇鍋に参加できないことは聞いていましたが、他の人も海外出張なんだろうか?

考えていることと,実際にやっていることが違うというのが昔からの私流なのである。

「グーさんは言ってることと、やってることとが違う」とよく指摘されます。
二重人格ではないつもりでいるのですが。

ロープを使わなければ登れないような滝が出てきたら,回避するという硬い決断の元,

自分で自分を制御するにも硬い決断を要するのですね。
その点、グーなんて気楽なものです。決断なんてしなくても即回避ですから。

ハングの部分にでてフリーになった途端にロープが横に振られた。

懸垂下降好きのシューさんでも、まだこんなことがあるの?
経験を数多く積んでいるのだから、始めから分かると思うのだけど。

いい1日を過ごすことができて満足満足。翌日は珍しく太ももに筋肉痛がおきた。

シューさんが筋肉痛になる渓だったら、グーは挑戦しない方が良さそうです。

帰国して山再開は紅葉真っ盛りの頃ですかね。お気をつけて行ってらっしゃい。


                グー(伊勢山上住人)
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わりばし
記事: 1753
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】 圧倒的なゴルジュの谷 野江股谷

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、シュークリムさん。

杣道に導かれ,イガミ滝の落ち口を過ぎたあたりで,谷に戻ることにする。谷の上6mほどがハングした壁になっているので,懸垂で降りることにする。斜め懸垂になっていたらしく,ハングの部分にでてフリーになった途端にロープが横に振られた。「いけない!壁に激突する!!」と覚悟したが,幸い背中のザックがクッションになって何事もなかった。「やれやれ,気をつけないと!」。

ケガをしなくてよかったです。
懸垂で振られるのはありますからねえ・・


しばらく行くと鶴小屋滝8m。トイ状になった岩壁を水が螺旋状に落ちている。絵馬小屋谷の五所ヶ滝のミニチュア版みたいなもんである・・・と書いては鶴小屋滝に失礼かもしれない。これはこれで立派な造形の滝である。

行ってみたいが・・
とりあえずは乾留関係を終えてからかな?


鶴小屋滝を左岸から巻くとすぐに鶴小屋滝のミニチュア版のような滝。この滝はまだ螺旋状にはなっていない。5m滝を越えると右岸から杣道が横切っている。横切った先の左岸側にはトラロープ。そのうち,この杣道がどうつながっているのか歩いてみたいものだ。

おもしろそうですが・・
道が生きているか?


この後は谷はすっかり大人しくなり,幾つかの小滝を快適に登り,上にナンノキ平の稜線が見えるあたりで昼食にする。海外出張を目前に控えて,登り始めはナーバスになってしまったが,何事もなくここまで上がってくることができて幸いだった。目の前には,大岩の上に薄く積もった土に根を張った根性ブナが見えている。

お疲れさまでした。
根性ブナのように地道に楽しんでいきましょう。


                       わりばし


シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】 圧倒的なゴルジュの谷 野江股谷

投稿記事 by シュークリーム »

不動滝
不動滝
グーさん、おはようございます。レスありがとうございます。

明後日からですか。退役してからも声がかかるって嬉しいことですね。

ありがたいことです。来て欲しいと声がかかるだけでありがたいですね。
2週間断酒です。肝臓にはいいかも。


シューさんが闇鍋に参加できないことは聞いていましたが、他の人も海外出張なんだろうか?

あのタイトルから考えて、あきんちょのみをご指名していると思ってるのかも。

「グーさんは言ってることと、やってることとが違う」とよく指摘されます。
二重人格ではないつもりでいるのですが。


グーさんが全ての女性に親切だということはよくわかります。
それじゃないって?


自分で自分を制御するにも硬い決断を要するのですね。
その点、グーなんて気楽なものです。決断なんてしなくても即回避ですから。


滝を見ると登りたくなってしまうんで(^^!)
昔はソロクライミングで登ったもんですけど、今はとても怖くてできません。


懸垂下降好きのシューさんでも、まだこんなことがあるの?
経験を数多く積んでいるのだから、始めから分かると思うのだけど。


油断していました。
本当に気をつけないといけませんね。


シューさんが筋肉痛になる渓だったら、グーは挑戦しない方が良さそうです。

絵馬小屋谷よりは短いんで大丈夫だと思いますけど。でも単独でいくのはやめましょうね。

帰国して山再開は紅葉真っ盛りの頃ですかね。お気をつけて行ってらっしゃい。

ありがとうございます。イランに行くのは初めてなんで楽しみです。


              
                         @シュークリーム@
シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】 圧倒的なゴルジュの谷 野江股谷

投稿記事 by シュークリーム »

鶴小屋滝近くの5m滝
鶴小屋滝近くの5m滝
わりばしさん、おはようございます。
レスありがとうございます。


ケガをしなくてよかったです。
懸垂で振られるのはありますからねえ・・


本当にね。油断していました。気をつけないと。
あんなところで行動不能になっても誰も見つけてくれないですからね。


行ってみたいが・・
とりあえずは乾留関係を終えてからかな?


わりばしさんは五所ヶ滝もまだ見ていないんじゃないかな?あれは一見の価値がありますから、ぜひどうぞ。

おもしろそうですが・・
道が生きているか?


山レコに最近歩いた記録がありました。まだ歩けるようですよ。

お疲れさまでした。
根性ブナのように地道に楽しんでいきましょう。


乾留工場の探索レポ、また楽しみにしていますね。
                         @シュークリーム@
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