【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

山行記、山の思い出、限定
フォーラムルール
新規トピックは文頭に以下のテンプレートをなるべく使ってください。
【 日 付 】
【 山 域 】 
【メンバー】
【 天 候 】
【 ルート 】
※ユーザーでなくても返信が可能です。ユーザー名に名前を入れて返信してください。
返信する
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2019年8月18日(日)
【山 域】台高北部 国見山周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】sato、山日和
【コース】菅谷川駐車地8:05---8:40万才橋---10:20ワサビ谷出合---11:10奥山谷出合---12:35源流ランチ場14:15
     ---14:50国見山---15:15水無山--16:15-二俣---17:15万才橋--17:45駐車地

 数日前から国交省の河川情報サイトで水位を確認していた。今回の台風で台高にはかなりの雨が降ったようで、
増水が恐い。降り終わりから2日間の好天で水は引いただろうか。
 木屋谷川の林道は木クズや小さい落石が目立ったものの、ところどころで掃除しながら問題なく菅谷川の駐車
地まで入ることができた。さらに前進できないこともなさそうだが、自重して林道を歩く。
しかし林道から見下ろす本流ゴルジュは恐ろしいぐらい増水して、激流が轟音を立てている。流れに入れば粉微
塵になりそうな勢いである。ホントに遡行できるのか。

P8180023_1.JPG
P8180030_1.JPG
 いつものごとく、万才橋から入渓する。木屋谷川本流を歩くのは何度目だろう。数えればもう両手の指では足
りないことは間違いない。癒しの渓相と適度な滝を配して気楽に歩けるお気に入りの谷なのだ。
しかし今日はいつもと様相が違う。これまで訪れた中でも最高の水量だ。水流通しに滝を突破することなどとて
も叶わず、巻くために右へ左へ渡渉するのも速い流れに抗いながらで一筋縄ではいかない。
下界では今日も35度を超える猛暑日。積極的に水に入って涼むつもりが、これだけ水量が多いと水温も低く、水
際を歩いているだけでも寒いぐらいである。深い谷間に差し込むわずかな日差しが恋しくなってしまう。

P8180044_1.JPG
 ワサビ谷出合まで通常の倍ぐらいの時間をかけて到着。左に深く刻まれて分岐するワサビ谷は、急激に左折し
て大滝をかけるのだが、普段は出合からは見えない。ところが今日はなんと落口から躍り上がった水流の頭が見
えているではないか。これは凄い。
 ここまで右岸から流れ込む小谷にも見慣れない滝がかかっていた。下山時に右岸をトラバースする山道を歩く
のだが、渡渉が必要になるかもしれない。

P8180087_1.JPG
 ここからは谷幅が狭まってゴルジュ状の場面が増えてくる。
そして本流最大の大滝(と言っても12mしかないが)とご対面である。いつもは「もう大滝まで来たな」としか感
じないのだが、本日の大滝は凄い迫力だ。普段なら左岸の独自ルートから巻き上がるのだが、今日は左岸へ渡る
のも苦労しそうだ。初めてトラロープの張られた右岸の巻き道を使った。

P8180088_1_1.JPG
 

 落口の上は快適なナメ滝が続くのだが、今日はとんでもない奔流が荒れ狂ったように走っている。
そしてゴルジュ出口のチョックストン滝。両岸が極端に迫ったここは、滝までのアプローチが背丈を越えそうな
深さになっていたので、滝に取り付くこともできず右岸の斜面を上がって登山道に出た。
 すぐに奥山谷出合の二俣に到着。ここで再び谷へ下りて右俣の本流を眺めると、3mほどの小滝に続く、いつも
なら流れの中をヒタヒタと歩くナメ滝がとんでもない激流になっている。
腰まで浸かって3m滝の左を上がって、ナメ滝は流れに足を踏み入れることすらできず巻いた。こんなことは初め
てだ。

 ここから上流はほとんど滝もない癒しの渓相が続く。水量も大支流の奥山谷を分けてかなり落ち着いてきたよ
うだが、まだまだ勢いがある。
右岸から鉄砲谷が入る。ここは出合から快適に直登できる4段の25m滝があるのだが、今日は段が消えるほど豪快
な滝になっており、とても登れる状態ではない。

P8180122_1.JPG
 国見山への直登沢を分けるといよいよ源流の装いを見せ始める。と同時に倒木が目立ち始め、荒れた谷は癒し
の雰囲気を減じているのが残念だ。
冷たかった水も生温かさを感じるようになり、今度は暑くなってきた。

 左から小谷の入るいつものランチ場で店開き。トチに抱えられた大岩の前の小台地が定位置だ。この小谷はい
つも水が流れていないのだが、今日は真横で水が汲めるので手っ取り早い。ミズナラ主体の森に包まれたここは
実にいいところである。

P8180160_1.JPG
 ランチ場横の小尾根を上がって台高主脈の県境稜線へ。さっきまではほとんど気にならなかった小さな虫がワ
ンワンとたかって、鬱陶しいことこの上ない。
 国見山頂を通過して水無山から北東尾根に入る。山頂直下は尾根の形のない急斜面だ。しばらく我慢して下る
と傾斜も緩み、はっきりとした尾根に乗る。この尾根はブナ、ミズナラ、ヒメシャラの素晴らしい樹林が広がる
お気に入りの尾根なのだが、やはり倒木が目立って痛々しい。大きなブナが根こそぎ倒れて無残な姿を晒してい
るのを見ると悲しい気持ちになってしまう。

P8180185_1.JPG
 奥山谷と木屋谷川の二俣へ下り立つ。登山靴に履き替えているが、委細構わず水に入って渡渉。登山道へ這い
上がればあとは気楽な道歩き、のはずだったがどうも様子がおかしい。こんなに木屋谷川の流れが近くに見える
はずはない。どこかで道を外してしまったようだ。数えきれないほど歩いているのに情けない限りである。
斜面の上に道があるのはわかっているので遮二無二登るとすぐに登山道が現れた。

 ワサビ谷も靴のまま水に浸かって渡渉。一度入ってしまえばヤケクソである。ワサビ谷上流の連瀑も見事な眺
めを見せている。
 豪快に水を落とすワサビ谷大滝を横目で見ながらトラバース。ここから3度小谷を渡ることになるのだが、本流
遡行時に滝になっていた谷ではまっすぐに渡れず、一度流れの中を上がってから対岸をクライムダウン。
登山道とは言いながら楽をさせてくれない。
 完全に崩れ落ちて骨だけになった木橋が現れると万才橋は近い。
通い慣れたいつもの木屋谷川とは違う顔を見せてくれた一日も、もうすぐ終わる。

               山日和
グー(伊勢山上住人)
記事: 2223
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:10
連絡する:

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by グー(伊勢山上住人) »

いつもの時の大滝。
いつもの時の大滝。


山日和さん、satoさん、ようこそ台高へ。

台高は遠いので運転に自信がないようです。

satoさん、自分で運転をしなくっても山日和さんをドシドシこき使ってお越しください。

増水が恐い。降り終わりから2日間の好天で水は引いただろうか。

台風後1週間は雨無しでないと木梶ゴルジュの突破は無理でしょうね。

さらに前進できないこともなさそうだが、自重して林道を歩く。

正解ですね。チェーンより奥に入っても神経をすり減らすだけです。

癒しの渓相と適度な滝を配して気楽に歩けるお気に入りの谷なのだ。

お褒めの言葉、ありがとうございます。

本日の大滝は凄い迫力だ。

いつもは細い右岸側の滝水が太い流れになって落ちていますね。

トチに抱えられた大岩の前の小台地が定位置だ。

グーの意識に無いトチと大岩です。地元グーとしては確認しておかなくては。

ミズナラ主体の森に包まれたここは実にいいところである。

satoさんも気に入っていただけたでしょうか?

 国見山頂を通過して水無山から北東尾根に入る。

ポリシーにのっとり、ちゃんと山頂を踏むのですね。
satoさん、山頂下の国見公園のトラバースもいい所ですよ。

登山道へ這い上がればあとは気楽な道歩き、のはずだったがどうも様子がおかしい。

グーも大滝に落ちていく尾根までトラバースしたことがあります。

通い慣れたいつもの木屋谷川とは違う顔を見せてくれた一日も、もうすぐ終わる。

satoさん、「いつもの」木屋谷の時にぜひ遊びに来てください。


               グー(伊勢山上住人)
アバター
柳川洞吹
記事: 681
登録日時: 2011年2月22日(火) 22:07
お住まい: クルマの中(簡易旅館仕様車)

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by 柳川洞吹 »

山日和さん こんばんは

  木屋谷川の林道は木クズや小さい落石が目立ったものの、
  ところどころで掃除しながら問題なく菅谷川の駐車地まで入ることができた。
  さらに前進できないこともなさそうだが、自重して林道を歩く。


林道は、菅谷川の広場から先は通せんぼされてるって聞いたけど、
ちゃんと走れるかどうかは別にして、バリケードとかしてなくて車が進入できるんですか?

  いつものごとく、万才橋から入渓する。
  木屋谷川本流を歩くのは何度目だろう。
  数えればもう両手の指では足りないことは間違いない。
  癒しの渓相と適度な滝を配して気楽に歩けるお気に入りの谷なのだ。


ワシも一時期よく通ってましたが、ちょうど両手の指くらいかな。

  しかし今日はいつもと様相が違う。これまで訪れた中でも最高の水量だ。
  水流通しに滝を突破することなどとても叶わず、
  巻くために右へ左へ渡渉するのも速い流れに抗いながらで一筋縄ではいかない。


すごい水量だったんですね。
まあ一晩で平年の1ヵ月分くらい降ったみたいだから、そうなるか。

  ワサビ谷出合まで通常の倍ぐらいの時間をかけて到着。
  左に深く刻まれて分岐するワサビ谷は、急激に左折して大滝をかけるのだが、
  普段は出合からは見えない。
  ところが今日はなんと落口から躍り上がった水流の頭が見えているではないか。
  これは凄い。


この状態は想像するしかないけど、すごいですね。

  そして本流最大の大滝(と言っても12mしかないが)とご対面である。
  いつもは「もう大滝まで来たな」としか感じないのだが、本日の大滝は凄い迫力だ。
  普段なら左岸の独自ルートから巻き上がるのだが、今日は左岸へ渡るのも苦労しそうだ。
  初めてトラロープの張られた右岸の巻き道を使った。


ここはワシもずっと左岸ルートを常用でした。
初めて行ったときのルートが、そのまま常用になりますね。

  落口の上は快適なナメ滝が続くのだが、
  今日はとんでもない奔流が荒れ狂ったように走っている。
  そしてゴルジュ出口のチョックストン滝。
  両岸が極端に迫ったここは、
  滝までのアプローチが背丈を越えそうな深さになっていたので、
  滝に取り付くこともできず右岸の斜面を上がって登山道に出た。
  すぐに奥山谷出合の二俣に到着。
  いつもなら流れの中をヒタヒタと歩くナメ滝がとんでもない激流になっている。
  腰まで浸かって3m滝の左を上がって、
  ナメ滝は流れに足を踏み入れることすらできず巻いた。
  こんなことは初めてだ。


これも想像するしかないけど、まあ「すごい」としか言いようがないですね。

  右岸から鉄砲谷が入る。
  ここは出合から快適に直登できる4段の25m滝があるのだが、
  今日は段が消えるほど豪快な滝になっており、とても登れる状態ではない。


何度も言うけど、
すごい……

  国見山への直登沢を分けるといよいよ源流の装いを見せ始める。
  と同時に倒木が目立ち始め、荒れた谷は癒しの雰囲気を減じているのが残念だ。
  冷たかった水も生温かさを感じるようになり、今度は暑くなってきた。


極端から極端へ振れますね。

  ランチ場横の小尾根を上がって台高主脈の県境稜線へ。
  さっきまではほとんど気にならなかった小さな虫がワンワンとたかって、
  鬱陶しいことこの上ない。


これはやっぱり夏の山やな。

  国見山頂を通過して水無山から北東尾根に入る。山頂直下は尾根の形のない急斜面だ。
  しばらく我慢して下ると傾斜も緩み、はっきりとした尾根に乗る。
  この尾根はブナ、ミズナラ、ヒメシャラの素晴らしい樹林が広がるお気に入りの尾根なのだが、
  やはり倒木が目立って痛々しい。
  大きなブナが根こそぎ倒れて無残な姿を晒しているのを見ると悲しい気持ちになってしまう。


この尾根は登りと下りと両方向で通ったことがありますが、
上部がえらいしんどくて、二度と登りに使いたくないと思いました。
写真では、無残にも大きいブナが倒れてますねえ。

  奥山谷と木屋谷川の二俣へ下り立つ。
  登山道へ這い上がればあとは気楽な道歩き、のはずだったがどうも様子がおかしい。
  こんなに木屋谷川の流れが近くに見えるはずはない。
  どこかで道を外してしまったようだ。
  数えきれないほど歩いているのに情けない限りである。
  斜面の上に道があるのはわかっているので遮二無二登るとすぐに登山道が現れた。


場所によって、道がはっきりしてない感じでしたからね。

  完全に崩れ落ちて骨だけになった木橋が現れると万才橋は近い。
  通い慣れたいつもの木屋谷川とは違う顔を見せてくれた一日も、もうすぐ終わる。


えらい景色を見てきましたね。
satoさんもびっくり? それとも平然と?
satoさんには、今度は平水時に普段の「癒しの木屋谷川」を味わっていただきたいですね。
お疲れさまでした。

よい山旅を!
                 洞吹(どうすい)
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by 山日和 »

グーさん、どうもです。

>台高は遠いので運転に自信がないようです。

satoさん、自分で運転をしなくっても山日和さんをドシドシこき使ってお越しください。

どっひゃー(;'∀')

台風後1週間は雨無しでないと木梶ゴルジュの突破は無理でしょうね。

私はそんな恐ろしいとこへは行きません。
P8180068_1.JPG
正解ですね。チェーンより奥に入っても神経をすり減らすだけです。

ところが歩いてるとそれまでより路面が良かったりして。 :mrgreen:

>癒しの渓相と適度な滝を配して気楽に歩けるお気に入りの谷なのだ。

お褒めの言葉、ありがとうございます。

いや、別にグーさんを褒めてるわけでは・・・

>本日の大滝は凄い迫力だ。

いつもは細い右岸側の滝水が太い流れになって落ちていますね。

この日の大滝は見応えがありました。
P8180082_1_1.JPG
グーの意識に無いトチと大岩です。地元グーとしては確認しておかなくては。

ここ、見逃しますか?ここでランチタイムにするのは4回目ぐらいかな。

>ミズナラ主体の森に包まれたここは実にいいところである。

satoさんも気に入っていただけたでしょうか?

大層お喜びでした。ただ、虫(ブヨ?)がsatoさんだけにまとわりついて悲鳴を上げてましたが。 :lol:

>国見山頂を通過して水無山から北東尾根に入る。

ポリシーにのっとり、ちゃんと山頂を踏むのですね。
satoさん、山頂下の国見公園のトラバースもいい所ですよ。

これはどっちでもよかったんですけどね。ボンサイ平からご神木経由で鉄砲谷へ下りて、北東尾根に乗り直すプランも考えてました。
P8180179_1.JPG
グーも大滝に落ちていく尾根までトラバースしたことがあります。

それはわざとですよね? :mrgreen:

>通い慣れたいつもの木屋谷川とは違う顔を見せてくれた一日も、もうすぐ終わる。

satoさん、「いつもの」木屋谷の時にぜひ遊びに来てください。

私のレポへのコメントに見えなくなってきた・・・ :D

                山日和
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by 山日和 »

洞吹さん、どうもです。

林道は、菅谷川の広場から先は通せんぼされてるって聞いたけど、
ちゃんと走れるかどうかは別にして、バリケードとかしてなくて車が進入できるんですか?

チェーンは張ってありますが、カギがないので外せば入れます。

ワシも一時期よく通ってましたが、ちょうど両手の指くらいかな。

おー、洞吹さんもそれぐらい通ってましたか。 :D

すごい水量だったんですね。
まあ一晩で平年の1ヵ月分くらい降ったみたいだから、そうなるか。

木屋谷の降水量計で、2日で600ミリですからね。凄いです。
P8180023_1.JPG
ここはワシもずっと左岸ルートを常用でした。
初めて行ったときのルートが、そのまま常用になりますね。

いつの間にか右岸にトラロープが張られて巻き道ができましたね。

これも想像するしかないけど、まあ「すごい」としか言いようがないですね。

何度も言うけど、
すごい……

この日はそのひと言で片付きます。 :lol:
P8180084_1.JPG
>冷たかった水も生温かさを感じるようになり、今度は暑くなってきた。

極端から極端へ振れますね。

最初は日なたが恋しいほど寒かったんですが・・・

>さっきまではほとんど気にならなかった小さな虫がワンワンとたかって、
鬱陶しいことこの上ない。

これはやっぱり夏の山やな。

この虫は過去最高でした。 :oops:
P8180156_1.JPG
この尾根は登りと下りと両方向で通ったことがありますが、
上部がえらいしんどくて、二度と登りに使いたくないと思いました。
写真では、無残にも大きいブナが倒れてますねえ。

しんどい区間は短いんですけどね。
尾根の真ん中だけでもこんな倒木が3本ありました。

場所によって、道がはっきりしてない感じでしたからね。

正規の登山道としてはどうなのというレベルですね。
P8180201_1.JPG
えらい景色を見てきましたね。
satoさんもびっくり? それとも平然と?
satoさんには、今度は平水時に普段の「癒しの木屋谷川」を味わっていただきたいですね。

びっくりはしてましたが、喜んでもおられました。 :mrgreen:

                 山日和
アバター
わりばし
記事: 1753
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、山日和さん。
青田の乾留ワールドへようこそ。


 木屋谷川の林道は木クズや小さい落石が目立ったものの、ところどころで掃除しながら問題なく菅谷川の駐車
地まで入ることができた。さらに前進できないこともなさそうだが、自重して林道を歩く。
しかし林道から見下ろす本流ゴルジュは恐ろしいぐらい増水して、激流が轟音を立てている。流れに入れば粉微
塵になりそうな勢いである。ホントに遡行できるのか。


菅谷川の駐車場で正解でしょう。
取水ダムの右岸に第1工場、千秋社事務所跡に第2工場です。


 いつものごとく、万才橋から入渓する。木屋谷川本流を歩くのは何度目だろう。数えればもう両手の指では足
りないことは間違いない。癒しの渓相と適度な滝を配して気楽に歩けるお気に入りの谷なのだ。
しかし今日はいつもと様相が違う。これまで訪れた中でも最高の水量だ。水流通しに滝を突破することなどとて
も叶わず、巻くために右へ左へ渡渉するのも速い流れに抗いながらで一筋縄ではいかない。
下界では今日も35度を超える猛暑日。積極的に水に入って涼むつもりが、これだけ水量が多いと水温も低く、水
際を歩いているだけでも寒いぐらいである。深い谷間に差し込むわずかな日差しが恋しくなってしまう。

また、なんでこんな日に行くのか? :mrgreen:
万歳橋が第3工場です。


 ワサビ谷出合まで通常の倍ぐらいの時間をかけて到着。左に深く刻まれて分岐するワサビ谷は、急激に左折し
て大滝をかけるのだが、普段は出合からは見えない。ところが今日はなんと落口から躍り上がった水流の頭が見
えているではないか。これは凄い。
 

ワサビ谷出合手前が第4工場。


 落口の上は快適なナメ滝が続くのだが、今日はとんでもない奔流が荒れ狂ったように走っている。
そしてゴルジュ出口のチョックストン滝。両岸が極端に迫ったここは、滝までのアプローチが背丈を越えそうな
深さになっていたので、滝に取り付くこともできず右岸の斜面を上がって登山道に出た。
 すぐに奥山谷出合の二俣に到着。ここで再び谷へ下りて右俣の本流を眺めると、3mほどの小滝に続く、いつも
なら流れの中をヒタヒタと歩くナメ滝がとんでもない激流になっている。


ここが第5工場。

 
 左から小谷の入るいつものランチ場で店開き。トチに抱えられた大岩の前の小台地が定位置だ。この小谷はい
つも水が流れていないのだが、今日は真横で水が汲めるので手っ取り早い。ミズナラ主体の森に包まれたここは
実にいいところである。


これからが季節です。 :D

 
 豪快に水を落とすワサビ谷大滝を横目で見ながらトラバース。ここから3度小谷を渡ることになるのだが、本流
遡行時に滝になっていた谷ではまっすぐに渡れず、一度流れの中を上がってから対岸をクライムダウン。
登山道とは言いながら楽をさせてくれない。
 完全に崩れ落ちて骨だけになった木橋が現れると万才橋は近い。
通い慣れたいつもの木屋谷川とは違う顔を見せてくれた一日も、もうすぐ終わる。


お疲れさまでした。
オジヤンに聞いたところ乾留会社から千秋社は山を買い受けたそうで
千秋社が使っていた現在の登山道も元々は乾留工場をつないだ道を受け継いだようです。

                   わりばし
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by 山日和 »

わりばしさん、どうもです。

青田の乾留ワールドへようこそ。

なんかよくわからんワールドですが :lol:

菅谷川の駐車場で正解でしょう。
取水ダムの右岸に第1工場、千秋社事務所跡に第2工場です。
万歳橋が第3工場です。
ワサビ谷出合手前が第4工場。
ここが第5工場。

いやー、沢の増水よりわりばしさんの解説の方が凄い!! :mrgreen:
P8180051_1.JPG
オジヤンに聞いたところ乾留会社から千秋社は山を買い受けたそうで
千秋社が使っていた現在の登山道も元々は乾留工場をつないだ道を受け継いだようです。

なるほど。
satoさんの実家は野田なので、千秋社と縁があったのかも。 :D

              山日和
sato
記事: 417
登録日時: 2019年2月13日(水) 12:55

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by sato »

山日和さま

こんばんは。
台高の山やまの素晴らしさはいろいろ耳にしていましたが、今、遊んでいる山域でも興味が尽きず、
何より大阪の町の運転が壁となり(長距離の運転は大丈夫?です)、自分から行こうという気持ちにはなりませんでした。
山日和さんから、木屋谷川遡行の愉しさをお聞きし、昔のレポも読ませていただき、私も美しい谷の風景に出会いたくなり、
この機会を逃してはならないと、怖い大阪の道路を運転する気になりました。

お盆の台風による川の増水が気になりましたが、二日経ったので大丈夫だろうと向かったのですね。
激しい波飛沫を上げ荒れ狂った流れを林道から見た時は唖然としました。
遡行地点から先は躍動感あふれる谷という印象でした。水が躍りまくっていましたね。
緑の木々も草も岩も水も、目に飛び込むものすべてが生き生きとして色鮮やかでした。
両斜面には普段は見ることのない滝が現れたりしていて豪快な風景も楽しめました。帰りの靴を濡らしての渡渉も楽しかったです。
お昼の休憩の、岩を抱えたトチの木広場は、私のイメージする台高の風景(植林や鬱蒼とした森)を覆す明るく平穏な素敵な場所でした。
稜線までの尾根や下った尾根は、表情豊かなブナやミズナラ、ヒメシャラが立ち並ぶ美しい尾根で近江や湖北の山とはまた違った趣きがありました。
台高の緑豊かな山を味わい、珠玉の谷に出会った充実した一日でした。
ありがとうございました。


グーさま 

この山域はグーさんのお庭だとお聞きしていました。
グーさんとなずなさんにどこかでお会いするかなと期待していたのですが・・・。
通常の大滝の写真を見て、私の見た大滝と同じ滝とは思えませんでした。
山頂下の国見公園のトラバース?どこなのだろう。
木屋谷川の支流の谷や周辺の尾根も楽しそうですね。
頭に赤いバンダナを巻いたニコニコ顔のグーさんが歩いている姿を想像してしまいました。
洞吹さんも山日和さんも10回、それ以上、訪れているのですね。
私もすっかり魅了されました。
大阪を運転するのは慣れることは無いと思いますが、今度は「癒しの谷」を味わいに訪れたいです。
その時、ばったりお会いできるのを楽しみにしています。


わりばしさま

青田の乾留ワールド?第1工場、第2,3,4,5工場?興味をかきたてられます。
乾留という言葉の意味が分からず調べました。
木材を蒸し焼きにしてメタノールや濃酢酸をとる工場が木屋谷川沿いに存在していたのですね。
酢酸というとお酢しか浮かばなかったのですが、医薬品や染料の合成原料、工業的にも重要な合成原料として使われるのですね。
そのような歴史を知っていたら、目に映る風景も違って見えたのでしょうが、
何も知らずに歩き、後で知るというのも、自分の中の山の世界の広がりを感じワクワクした気持ちに包まれます。
ところで、千秋社は何故、乾留会社から山を買い取ったのでしょうか。

わりばしさんのコメントを拝見し,木屋谷川を再訪したい気持ちが強まりました。
次に実家に帰った時、千秋社の社屋周辺の散策に出かけようと思いました。

sato
アバター
山日和
記事: 3573
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【台高】増水の木屋谷川から水無山北東尾根

投稿記事 by 山日和 »

satoさん、どうもです。遠路はるばるお疲れさまでした。 :D

何より大阪の町の運転が壁となり(長距離の運転は大丈夫?です)、自分から行こうという気持ちにはなりませんでした。

別に大阪の町中を走るわけではありませんよ。 :mrgreen:

お盆の台風による川の増水が気になりましたが、二日経ったので大丈夫だろうと向かったのですね。

一応、水位計の数字をチェックしていたのですが・・・

激しい波飛沫を上げ荒れ狂った流れを林道から見た時は唖然としました。

これには驚きました。ホンマに入渓できるんかいなと。 :o
P8180056_1.JPG
遡行地点から先は躍動感あふれる谷という印象でした。水が躍りまくっていましたね。

初めて見る水量でしたよ。

両斜面には普段は見ることのない滝が現れたりしていて豪快な風景も楽しめました。帰りの靴を濡らしての渡渉も楽しかったです。

これも驚きでした。帰路の登山道が心配になりましたが。 :oops:
P8180151_1.JPG
お昼の休憩の、岩を抱えたトチの木広場は、私のイメージする台高の風景(植林や鬱蒼とした森)を覆す明るく平穏な素敵な場所でした。

実はこんな場所が多いんです。satoさんのイメージする風景はどちらかと言うと大峰ですね。
針葉樹林の鬱蒼とした森が多いです。植林は場所によりますね。
P8180167_1.JPG
稜線までの尾根や下った尾根は、表情豊かなブナやミズナラ、ヒメシャラが立ち並ぶ美しい尾根で近江や湖北の山とはまた違った趣きがありました。
台高の緑豊かな山を味わい、珠玉の谷に出会った充実した一日でした。
ありがとうございました。

それはよかった。また機会があれば行きましょう。 :D

                  山日和
返信する