【飛騨】 塩蔵谷から鎌ヶ峰(2121m)
Posted: 2011年8月22日(月) 20:50
またまた古いレポですが、まだ化石化していないことを祈って・・・
【日 時】 平成23年7月18日(月)
【地 図】 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 6.02660386
【同行者】 博士・教授
【天 候】 晴れ
【ルート】 本谷橋P(7:03)~入渓地点(7:51)~1530m二俣(8:23)~廃林道(9:22)~稜線(11:34)~鎌ヶ峰(11:52/12:12)~稜線下降点(12:34)~廃林道(14:07)~1530m二俣(15:00)~本谷橋P(16:19)
<平成13年春~残雪の鎌ヶ峰>
平成13年5月。私は野麦峠で初老の男に出会った。その男は鳥取からの一人旅であった。定年を迎え、車で寝泊まりする単独行は十日目だと言う。車で走る峠道は怖くて足がすくんだとのこと。実際はどこにでもありそうな山道なのに。ところが、彼にとっては相当な冒険行だったわけだ。
彼は久しぶりに人に会った、と喜びながら私たちのテントにやってきた。明日は乗鞍で、それから上高地へ・・・と夢を語ったが、彼はなんと、上高地がマイカー規制していることすら知らなかった。
話を聞いて合点がいく。何十年も脇目もふらず仕事一筋だった男が初めて「世界」に飛び出したのだ。いろいろ考えさせられた。いつしか私は、男の顔に自画像を貼りつけていた。
底冷えの夜。気温は氷点下。テント内部の露が氷結した。
翌朝は鎌ヶ峰を目指した。午前8時20分、我々は残雪を踏んで鎌ヶ峰の山頂に立った。
三角点が雪の端に顔を出していた。爽やかな風。乗鞍と穂高を見ながらの登高は快適だった。シラビソの樹間を通して恵那山、御岳、中ア、八ヶ岳、北ア、乗鞍、白山のジャイアントがのぞいている。これだから、山はやめられない。
<平成23年夏~再び鎌ヶ峰へ>
深い緑を縫って林道が伸びる。ウシクビ林道を右に分けると一気に高度が上がる。林道は一旦、塩蔵谷から離れたものの、再び沢沿いの道となった。
塩蔵(△1958.5)へ這い上がる枝沢を分岐させるポイントを狙って入渓。悲しいかな、予想を裏切らず、沢はなかなかまとまってこない。それは1670mで林道が横切るからだ。しばらくは忍の一字だろう。
そうは言っても豊かな植生には心洗われる。大きなブナやトチ、サワグルミを見上げながらの豊かな沢歩き。
遡行に困難はない。黒い滝が現れ、すぐに1530mの1:1となる。ここを左に。見上げれば頭上に林道の護岸が覗く。
やがて林道が横切る。何とまぁ、水流は太いパイプを通される屈辱に甘んじている。我々はパイプをくぐって上流側から林道に上がってみた。林道は密叢になっていて、少なくとも今シーズンは山仕事に入った形跡はなかった。
ここを過ぎると、沢は俄然、自然に回帰する。ミソサザイやコマドリが山深さに彩りを添える。日本庭園的な苔の滝があったり、赤ナメが続いたりする。小滝が続いて楽しい。左に支流を何本も分けながら鎌ヶ峰のふところに飛び込んでいく。
水流が細くなり、一旦伏流になった。程なくして水流が復活するが、ついには完全に水音を失う。岩溝は深いヤブの中に続く細いゴーロの帯となって我々を高みに導く。やがて地図とコンパスと首っ引きの場面になる。
予定では鎌ヶ峰北の2050m最低鞍部を目標にしていたが、値踏みしながら歩いてみると2070mのたわみに向かった方が有利そう。
小さな岩登りを交え、とうとうヤブに突っ込んだ。いよいよフィニッシュだと自らを奮い立たせるが、これが長い長い。バリバリ・ガシガシ・ズルッ!ってな感じをひたすら繰り返していく。
半ば気が遠くなりそうになった頃、ようやく稜線にたどり着くが、思いっきり道なし。山頂へヒーコラよじ登って万歳だ。
わざわざ野麦峠に一台デポしたものの、協議の末、あっさり路線変更。漕げば漕ぐほどヤブに精力を吸い取られそう。下山は往路を忠実に辿った。
駐車地から野麦峠へと車を回収にまわる。途端、情け無用の大雨。博士に株分けしてもらった車外の鈴虫があわや水没するところだった。危ない、危ない。涼しげな鳴き声を披露してくれるのはいつだろう。今から夏の終わりが待ち遠しい。
ふ~さん
【日 時】 平成23年7月18日(月)
【地 図】 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 6.02660386
【同行者】 博士・教授
【天 候】 晴れ
【ルート】 本谷橋P(7:03)~入渓地点(7:51)~1530m二俣(8:23)~廃林道(9:22)~稜線(11:34)~鎌ヶ峰(11:52/12:12)~稜線下降点(12:34)~廃林道(14:07)~1530m二俣(15:00)~本谷橋P(16:19)
<平成13年春~残雪の鎌ヶ峰>
平成13年5月。私は野麦峠で初老の男に出会った。その男は鳥取からの一人旅であった。定年を迎え、車で寝泊まりする単独行は十日目だと言う。車で走る峠道は怖くて足がすくんだとのこと。実際はどこにでもありそうな山道なのに。ところが、彼にとっては相当な冒険行だったわけだ。
彼は久しぶりに人に会った、と喜びながら私たちのテントにやってきた。明日は乗鞍で、それから上高地へ・・・と夢を語ったが、彼はなんと、上高地がマイカー規制していることすら知らなかった。
話を聞いて合点がいく。何十年も脇目もふらず仕事一筋だった男が初めて「世界」に飛び出したのだ。いろいろ考えさせられた。いつしか私は、男の顔に自画像を貼りつけていた。
底冷えの夜。気温は氷点下。テント内部の露が氷結した。
翌朝は鎌ヶ峰を目指した。午前8時20分、我々は残雪を踏んで鎌ヶ峰の山頂に立った。
三角点が雪の端に顔を出していた。爽やかな風。乗鞍と穂高を見ながらの登高は快適だった。シラビソの樹間を通して恵那山、御岳、中ア、八ヶ岳、北ア、乗鞍、白山のジャイアントがのぞいている。これだから、山はやめられない。
<平成23年夏~再び鎌ヶ峰へ>
深い緑を縫って林道が伸びる。ウシクビ林道を右に分けると一気に高度が上がる。林道は一旦、塩蔵谷から離れたものの、再び沢沿いの道となった。
塩蔵(△1958.5)へ這い上がる枝沢を分岐させるポイントを狙って入渓。悲しいかな、予想を裏切らず、沢はなかなかまとまってこない。それは1670mで林道が横切るからだ。しばらくは忍の一字だろう。
そうは言っても豊かな植生には心洗われる。大きなブナやトチ、サワグルミを見上げながらの豊かな沢歩き。
遡行に困難はない。黒い滝が現れ、すぐに1530mの1:1となる。ここを左に。見上げれば頭上に林道の護岸が覗く。
やがて林道が横切る。何とまぁ、水流は太いパイプを通される屈辱に甘んじている。我々はパイプをくぐって上流側から林道に上がってみた。林道は密叢になっていて、少なくとも今シーズンは山仕事に入った形跡はなかった。
ここを過ぎると、沢は俄然、自然に回帰する。ミソサザイやコマドリが山深さに彩りを添える。日本庭園的な苔の滝があったり、赤ナメが続いたりする。小滝が続いて楽しい。左に支流を何本も分けながら鎌ヶ峰のふところに飛び込んでいく。
水流が細くなり、一旦伏流になった。程なくして水流が復活するが、ついには完全に水音を失う。岩溝は深いヤブの中に続く細いゴーロの帯となって我々を高みに導く。やがて地図とコンパスと首っ引きの場面になる。
予定では鎌ヶ峰北の2050m最低鞍部を目標にしていたが、値踏みしながら歩いてみると2070mのたわみに向かった方が有利そう。
小さな岩登りを交え、とうとうヤブに突っ込んだ。いよいよフィニッシュだと自らを奮い立たせるが、これが長い長い。バリバリ・ガシガシ・ズルッ!ってな感じをひたすら繰り返していく。
半ば気が遠くなりそうになった頃、ようやく稜線にたどり着くが、思いっきり道なし。山頂へヒーコラよじ登って万歳だ。
わざわざ野麦峠に一台デポしたものの、協議の末、あっさり路線変更。漕げば漕ぐほどヤブに精力を吸い取られそう。下山は往路を忠実に辿った。
駐車地から野麦峠へと車を回収にまわる。途端、情け無用の大雨。博士に株分けしてもらった車外の鈴虫があわや水没するところだった。危ない、危ない。涼しげな鳴き声を披露してくれるのはいつだろう。今から夏の終わりが待ち遠しい。
ふ~さん
