【石鎚山系(四国山地)】気持ちのいいスカイラインと美味しい鍋に思わずムヒョー
Posted: 2018年11月09日(金) 19:52
10月末にポツンとできた3連休。・・・どうしよう、高い山は雪降ってるし、テントかついで縦走もなぁ・・・。そんなとき、石鎚に新しい避難小屋ができたことをネットサーフィンで知った。これでしょう。避難小屋を繋ぐ縦走しましょ。
【日付】2018年10月31日~11月2日(水~金)
【山域】四国山地(石鎚山系)
【メンバー】あめちゃん(単独)
【天候】曇り最後快晴(高気圧圏内)
【ルート】1日目:保井野駐車場(12:00)~水呑場(14:40)~愛大堂ヶ森避難小屋(16:10)
2日目:小屋発(6:10)~二ノ森(8:30)~一般道と合流(10:15)~土小屋(12:10)~伊吹山(14:05)~子持権現山(下)
(15:35)~瓶ヶ森駐車場(16:00)~瓶ヶ森避難小屋(16:30)
3日目:小屋(9:10)~台ヶ森鞍部(10:00)~東之川(11:20)
登山口の保井野まではバス1日5便。しかしここは親のありがたいご加護で送ってもらう。レポまだあげてませんが、去年同じルートを歩いている(前回は1泊2日)。ここからは約1000m上がると『愛大(向こうで愛大といえば愛媛大学です、愛知大学ではありません)堂ヶ森避難小屋』がある。ここは私のおススメ避難小屋のTOP5には入る、気持ちのいい場所だ。
都合のいい記憶力のおかげでここの苦しさを忘れていた。まあ、時間が経てばじき稜線だけどそこまでがナカナカ苦しい。稜線に出る手前に最後の水場。一応小屋横にも水はあるのだが、前回(GWころ)チョロチョロだった。さすがにここで汲んどかないとまずいよなと近づく。あれっ?あんなに勢いよく流れてた小滝に水が無い、無い。岩は濡れてるけど・・・ヨクヨク見ると、ポタッ、ポタッ。汲まないわけにはいかないでしょう。水筒の口を岩に押し付けること20分くらい。1ℓ1ℓ、計2ℓを確保。さあ最後のヒト登り。ちなみに天気は、高気圧に覆われて晴れる予定だけど今はまだ西高東低の冬型、ガスってきた。ガスガスの中少々心細くなりつつ登る。暑いんだけどなんか寒い。背中(腰)のところがスース―する。あれっ?シャツがめくれて背中が見えてるのかなぁ?まあ、気にせず前進。激登りでフト見えた股の間。そこから水がポタポタ垂れてるのが見える。『ギャー、さっき汲んだ水がザックの中で漏れてる!』背中下半分が濡れてる、そりゃ冷たいはずだ!何のための20分!フト頭の中に昔冬の石鎚で見た、背中がバリバリに凍った人を思い出す(その人はサーモスの口が開いてて漏れてそれが凍ってた)。ちなみに漏れた水筒(1ℓ)は1個だけでそれは100均ショップで購入。みんなに薦めていましたが前言撤回(破れたわけではなく、ふたがキチンと閉まってなかった)。悶々としたまま稜線着。私の心を写すようなガスガス・・・。しばらくの尾根歩きで小屋なんだけど、視界効かず堂ヶ森頂上近くで尾根を外れるルートが正解なのに一瞬見失う。それからもうすぐ、というところで足元に細~い、細~い流れが。水だ!半分以上空っぽになった100均水筒に満たす。ここからは水筒手持ちで小屋着。念のため水場(隣)を覗き込むと、細いながらもしっかり流れてた。『・・・俺は何をやってたんだろう・・・』
小屋の中で着替え。上着は水を吸ってどうしようもなく干す(乾かなかったけど)、下着は着乾しで(たださすがファ○ントラック、不快感無く乾きました)。
もう外の風景はあきらめる。さあ、楽しい小屋のひと時だ。新しくて、こじんまりとしていて、テーブルもあって、毛布もたくさん(今回助かりました)。トイレはバイオ。日本シリーズ聞いてる間にオヤスミ。
翌日、行程は長い。珍しく暗いうちから起きるが、ガスガス。う~ん、どうしよう、一瞬ここで2泊でもいいかなとよぎるが、ガスが薄くなる。行くぞ。多少遅れたが出発。
本来なら鞍瀬の頭が眼前にドドォ~ンなのだが今日は見えない。ただ歩くにつれガスが飛んで風景も見えてくる。
おお、緑と白のコントラスト、思いもかけない霧氷ができてる。 ササヤブがひどいことを想定してカッパ上下着てますが、ササの露?もみんな凍ってます(二ノ森からは激ササでビチャビチャになりましたが)。愛媛で2番目に高い『二ノ森』着。石鎚の展望スゲーと思ってたら、石鎚頂上だけ瀬戸内からの雲がかかり始めた。ありゃありゃ・・・このガスが晴れることは無かった・・・。 どうしよう。今回の目的は避難小屋を繋ぐ旅だけど、私の一番好きな『石鎚東稜』を歩くことも大目的なんだけど・・・。あれだけガスっては頂上も、ましてや東稜も楽しくはないだろうなぁ、朝も遅かったし。予定変更、東稜はパス。次待ってろよ、俺の山。 いわゆる一般登山道に合流するとドッと人が増えてきた。平日でこれ、土日は・・・。すんなりガスガスの天狗岳もパスし、ちょっと下って一路土小屋を目指す。東稜の北面をトラバースするように道は続く。結局この道から上部はずっとガスで、パスして正解だったかな。一瞬だけ見えた東稜にはまだ霧氷が光っていた。 土小屋に着く。いきなり下界に放り出されたような感じで善男善女がざわめいている。スルーしていわゆるUFOライン(瓶ヶ森林道)の横(上部)に残されたイニシエの登山道を歩く。雰囲気はバツグンにいい。
今まで車ですぐ横(チョイ下)を走っていただけだが、風景が違う・・・ただときどきのバイクの音はそれらを台無しにするけど。鞍部に来るたび車道と交錯するけれど、いいルート取りで導いてくれる。瓶ヶ森駐車場へ。そこそこ車が止まっていて、中には観光バスも。三脚で構えてるとこみると石鎚の夕焼け目的か。そんな人を尻目に小屋を目指す。途中で追いついた人は頂上から夕陽を狙うらしい。瓶壺という、源流にある甌穴で水を調達。目的の瓶ヶ森避難小屋へ。おおっ、さすが新築キレイだし、バイオトイレ。扉を勢いよく開ける。疲労と達成感で無防備で中に入った。中には先客がいた!心の準備ができてなかった。先方は2人すでにお店を広げていた。しばし沈黙。永遠に続くかと思う沈黙、心の探り合い。なんか話さないと。
あめ『今日はどちらから来られました?』
先方『えっ、今治から・・・えっ、そういうことじゃなくて?』
あめ『いえっ、そういうことも含めてです。ちなみに私も今治出身です』
あめ『とりあえず、私は上(屋根裏)に行きますね』
先方『夕飯は?』
あめ『ご飯を炊きます』
先方『なら一緒に宴会しましょ、上の準備ができたら降りてきて』
あめ『?』
とにかく、宴会しょやあ、宴会しょやあで進んでいく。 ここはお言葉に甘えて食器と焼酎を準備する
『ハイ、お箸これ』
嘘みたいな鍋パーティーが始まる。聞けば駐車場に車を停めて宴会をするべくやってきたそうだ。ジモティの詳しい情報を懐かしい今治方言で楽しく聞きながらおなか一杯に。
『おもちもあるよ。もう一人来る気がして、ちゃんと3個』
『コーヒー飲む?』キチンとドリップ
なんか二人の家に遊びにきたみたいな感じ。こんな経験は初めてでした。
『きょうは堂ヶ森避難小屋から来ました』
『ナカナカ距離あるけどよく来たね』
確かに。この時期、東稜も欲張っていたら闇下必至だったな、無理しなくてよかった。
翌日、念願の赤く染まる石鎚を見て下山。 ロープウェイ乗り場近く の西之川(バス終点)へ行くのだが、モーニングコーヒーをいただきながら、東之川経由がいいよと薦められる。確かに気持ちのいい尾根中心のイニシエの道だった。いまや無人の東之川集落へ一気に1000mダウン。最後、川向うの車道に出るべく古い橋を渡ろうとしたら、その橋の先に父親の車が通りかかる。なんというタイミング、ありがとうございます。
さぁ、充実した3日間を終えて新幹線に乗る準備だ。
あめちゃん
【日付】2018年10月31日~11月2日(水~金)
【山域】四国山地(石鎚山系)
【メンバー】あめちゃん(単独)
【天候】曇り最後快晴(高気圧圏内)
【ルート】1日目:保井野駐車場(12:00)~水呑場(14:40)~愛大堂ヶ森避難小屋(16:10)
2日目:小屋発(6:10)~二ノ森(8:30)~一般道と合流(10:15)~土小屋(12:10)~伊吹山(14:05)~子持権現山(下)
(15:35)~瓶ヶ森駐車場(16:00)~瓶ヶ森避難小屋(16:30)
3日目:小屋(9:10)~台ヶ森鞍部(10:00)~東之川(11:20)
登山口の保井野まではバス1日5便。しかしここは親のありがたいご加護で送ってもらう。レポまだあげてませんが、去年同じルートを歩いている(前回は1泊2日)。ここからは約1000m上がると『愛大(向こうで愛大といえば愛媛大学です、愛知大学ではありません)堂ヶ森避難小屋』がある。ここは私のおススメ避難小屋のTOP5には入る、気持ちのいい場所だ。
都合のいい記憶力のおかげでここの苦しさを忘れていた。まあ、時間が経てばじき稜線だけどそこまでがナカナカ苦しい。稜線に出る手前に最後の水場。一応小屋横にも水はあるのだが、前回(GWころ)チョロチョロだった。さすがにここで汲んどかないとまずいよなと近づく。あれっ?あんなに勢いよく流れてた小滝に水が無い、無い。岩は濡れてるけど・・・ヨクヨク見ると、ポタッ、ポタッ。汲まないわけにはいかないでしょう。水筒の口を岩に押し付けること20分くらい。1ℓ1ℓ、計2ℓを確保。さあ最後のヒト登り。ちなみに天気は、高気圧に覆われて晴れる予定だけど今はまだ西高東低の冬型、ガスってきた。ガスガスの中少々心細くなりつつ登る。暑いんだけどなんか寒い。背中(腰)のところがスース―する。あれっ?シャツがめくれて背中が見えてるのかなぁ?まあ、気にせず前進。激登りでフト見えた股の間。そこから水がポタポタ垂れてるのが見える。『ギャー、さっき汲んだ水がザックの中で漏れてる!』背中下半分が濡れてる、そりゃ冷たいはずだ!何のための20分!フト頭の中に昔冬の石鎚で見た、背中がバリバリに凍った人を思い出す(その人はサーモスの口が開いてて漏れてそれが凍ってた)。ちなみに漏れた水筒(1ℓ)は1個だけでそれは100均ショップで購入。みんなに薦めていましたが前言撤回(破れたわけではなく、ふたがキチンと閉まってなかった)。悶々としたまま稜線着。私の心を写すようなガスガス・・・。しばらくの尾根歩きで小屋なんだけど、視界効かず堂ヶ森頂上近くで尾根を外れるルートが正解なのに一瞬見失う。それからもうすぐ、というところで足元に細~い、細~い流れが。水だ!半分以上空っぽになった100均水筒に満たす。ここからは水筒手持ちで小屋着。念のため水場(隣)を覗き込むと、細いながらもしっかり流れてた。『・・・俺は何をやってたんだろう・・・』
小屋の中で着替え。上着は水を吸ってどうしようもなく干す(乾かなかったけど)、下着は着乾しで(たださすがファ○ントラック、不快感無く乾きました)。
もう外の風景はあきらめる。さあ、楽しい小屋のひと時だ。新しくて、こじんまりとしていて、テーブルもあって、毛布もたくさん(今回助かりました)。トイレはバイオ。日本シリーズ聞いてる間にオヤスミ。
翌日、行程は長い。珍しく暗いうちから起きるが、ガスガス。う~ん、どうしよう、一瞬ここで2泊でもいいかなとよぎるが、ガスが薄くなる。行くぞ。多少遅れたが出発。
本来なら鞍瀬の頭が眼前にドドォ~ンなのだが今日は見えない。ただ歩くにつれガスが飛んで風景も見えてくる。
おお、緑と白のコントラスト、思いもかけない霧氷ができてる。 ササヤブがひどいことを想定してカッパ上下着てますが、ササの露?もみんな凍ってます(二ノ森からは激ササでビチャビチャになりましたが)。愛媛で2番目に高い『二ノ森』着。石鎚の展望スゲーと思ってたら、石鎚頂上だけ瀬戸内からの雲がかかり始めた。ありゃありゃ・・・このガスが晴れることは無かった・・・。 どうしよう。今回の目的は避難小屋を繋ぐ旅だけど、私の一番好きな『石鎚東稜』を歩くことも大目的なんだけど・・・。あれだけガスっては頂上も、ましてや東稜も楽しくはないだろうなぁ、朝も遅かったし。予定変更、東稜はパス。次待ってろよ、俺の山。 いわゆる一般登山道に合流するとドッと人が増えてきた。平日でこれ、土日は・・・。すんなりガスガスの天狗岳もパスし、ちょっと下って一路土小屋を目指す。東稜の北面をトラバースするように道は続く。結局この道から上部はずっとガスで、パスして正解だったかな。一瞬だけ見えた東稜にはまだ霧氷が光っていた。 土小屋に着く。いきなり下界に放り出されたような感じで善男善女がざわめいている。スルーしていわゆるUFOライン(瓶ヶ森林道)の横(上部)に残されたイニシエの登山道を歩く。雰囲気はバツグンにいい。
今まで車ですぐ横(チョイ下)を走っていただけだが、風景が違う・・・ただときどきのバイクの音はそれらを台無しにするけど。鞍部に来るたび車道と交錯するけれど、いいルート取りで導いてくれる。瓶ヶ森駐車場へ。そこそこ車が止まっていて、中には観光バスも。三脚で構えてるとこみると石鎚の夕焼け目的か。そんな人を尻目に小屋を目指す。途中で追いついた人は頂上から夕陽を狙うらしい。瓶壺という、源流にある甌穴で水を調達。目的の瓶ヶ森避難小屋へ。おおっ、さすが新築キレイだし、バイオトイレ。扉を勢いよく開ける。疲労と達成感で無防備で中に入った。中には先客がいた!心の準備ができてなかった。先方は2人すでにお店を広げていた。しばし沈黙。永遠に続くかと思う沈黙、心の探り合い。なんか話さないと。
あめ『今日はどちらから来られました?』
先方『えっ、今治から・・・えっ、そういうことじゃなくて?』
あめ『いえっ、そういうことも含めてです。ちなみに私も今治出身です』
あめ『とりあえず、私は上(屋根裏)に行きますね』
先方『夕飯は?』
あめ『ご飯を炊きます』
先方『なら一緒に宴会しましょ、上の準備ができたら降りてきて』
あめ『?』
とにかく、宴会しょやあ、宴会しょやあで進んでいく。 ここはお言葉に甘えて食器と焼酎を準備する
『ハイ、お箸これ』
嘘みたいな鍋パーティーが始まる。聞けば駐車場に車を停めて宴会をするべくやってきたそうだ。ジモティの詳しい情報を懐かしい今治方言で楽しく聞きながらおなか一杯に。
『おもちもあるよ。もう一人来る気がして、ちゃんと3個』
『コーヒー飲む?』キチンとドリップ
なんか二人の家に遊びにきたみたいな感じ。こんな経験は初めてでした。
『きょうは堂ヶ森避難小屋から来ました』
『ナカナカ距離あるけどよく来たね』
確かに。この時期、東稜も欲張っていたら闇下必至だったな、無理しなくてよかった。
翌日、念願の赤く染まる石鎚を見て下山。 ロープウェイ乗り場近く の西之川(バス終点)へ行くのだが、モーニングコーヒーをいただきながら、東之川経由がいいよと薦められる。確かに気持ちのいい尾根中心のイニシエの道だった。いまや無人の東之川集落へ一気に1000mダウン。最後、川向うの車道に出るべく古い橋を渡ろうとしたら、その橋の先に父親の車が通りかかる。なんというタイミング、ありがとうございます。
さぁ、充実した3日間を終えて新幹線に乗る準備だ。
あめちゃん