【加越】残雪の大日山から越前甲へ
Posted: 2018年5月02日(水) 23:29
【日 付】2018年4月29日(日)
【山 域】加越国境 大日山・越前甲
【天 候】晴れ
【コース】平谷橋7:02---10:23大日山10:44---11:43 Ca1320mピーク13:00---13:21越前甲13:38---14:12大日峠
---15:06国道416号---15:25駐車地
加賀の大日山にはこれまでそれぞれ違うルートで3回登っている。今回もまた新保からの新しいルートだ。
工事中の国道416号がどこまで入れるか不安があったが、登山口の平谷橋まで問題なく入ることができた。
ほとんど雪はないだろうという予測とは裏腹に、道の両側にはまだ背丈ほどの雪の壁が残っていたのには驚いた。
今回は花を愛でながら無雪期の登山道をのんびり歩くはずだったのである。
平谷橋を挟んで手前にはカタクリ小屋へ上がるコース、向こう側には大日山手前の鞍部へ出る「自然観察コー
ス」がある。尾根通しの自然観察コースを選んで歩き出すが、いきなりの雪上歩行だ。今年は雪解けが早いとい
うが、日当たりの悪い谷間や杉林ではまだまだ雪が残っている。
しばらく上がって自然林になると雪が消え、明瞭な登山道が現れた。道端にはイワウチワが満開だ。
起きた時には気温が2度しかなく、ずいぶん寒く感じたものだが太陽が当たりだすとたちまち暑くてたまらな
くなる。
このコースはその名の通り豊かな樹林に包まれたいい道が続いている。
右から一面雪に覆われた浅い谷が上がってきた。あまりに雰囲気がいいので尾根道を外して谷を上がる。
やはり雪の上はいい。このあたりは左からの谷と合わせて茫洋とした地形が広がって、尾根と谷が判然としな
い。
登山道はこの辺から右へトラバースしているはずだが、テープの類が一切ないので、雪が積もっていると道は
まったくわからない。大日山へダイレクトに延びる尾根を上がるとするか。
だんだん傾斜が強くなってきた。今日はアイゼンは持って来ず、足元はチェースパイクだ。ズルズル行って
しまうことはないものの、しっかりキックしないと雪面にきっちりツメが食い込まない。片手のストックをピッ
ケルに持ち替えて慎重に高度を上げた。このまま山頂に立てればなかなか素晴らしいルートだろう。
しかし世の中そう甘くはない。山頂まで標高差200mぐらいのところでヤブが登場した。あまり歩かれている様
子もなく、密度は結構濃いめである。とにかく漕ぐしかないのでひたすら上を目指すと広い雪原に飛び出した。
おおっ、これで山頂まで快適な雪原歩きか、というわけもなく再びのヤブへ突入。
傾斜がなくなったので山頂台地の一角に出たのだろうということはわかった。こんな快晴の日だから登山者の声
が聞こえてきてもよさそうなものだが。
やがてヤブ越しに山頂標識の裏側が見えた。無事大日山に到着だ。予定より時間が掛かったものの、その分充
実感は大きい。山頂にはまったく雪は無く、カタクリの花がそこここに咲いている。
白山方面の展望は雄大で、北の奈良岳、大笠山あたりから南の別山、三ノ峰まで連綿と続く山稜は圧倒的だ。
ただ、さしもの白山もかなり黒いところが目立つようになってきた。大汝山などはもう真っ黒だ。
誰もいないというのは予想外だったがまだ10時を過ぎたところだ。時間的にはまだこれからということだろう。
その予測通り、単独者が鈴ヶ岳方面から上がってきたのを皮切りに、次々と登山者が到着した。それを潮どきに
越前甲へ向けて出発。その稜線はかろうじて雪が繋がっているように見える。
実際に歩いてみると、夏道3割雪道7割というところだろうか。カタクリやイワウチワの花を楽しめるのは雪が消
えた恩恵だ。
越前甲手前の展望ピークでランチとしよう。山頂まで行ってもいいのだが、ここの方が静かでいいし、横には
いいブナ林もある。越前甲方面からはひとりの登山者もやって来ないし、自分の後から来る人もいない。まった
く静かなものである。1ヵ月前なら周りの山々も真っ白な衣装をまとって美しい姿を見せていただろうが、今は
元の地味な姿に戻り始めている。
食後の思い足を引きずりながら20分ほどで越前甲に着いた。こちらも人の気配はなく、雪の上に足跡もなかっ
た。ここから見る大日山は立派で、大した距離を歩いたわけでもないが感慨深い。
ここから大日峠へ下りは急坂が連続する。登りに取れば苦しいところだろう。ほとんど雪の消えた登山道を最
低鞍部まで下り、横倉からの道を見送って県境の尾根を直進する。
送電鉄塔まではやや踏み跡が薄いが、鉄塔からの巡視路は登山道レベルのよく整備された道だった。
国道416号はほぼ完成しているようで、斜面を切り刻んでウネウネと走っている。1年の内の半分は通れないと思
うのだが、何か利便性が向上することがあるのだろうか。
巡視路ではイワウチワ、タムシバ、キクザキイチゲ、バイカオウレン、ショウジョウバカマなどの花が目を楽
しませてくれた。さほど急なところもない、いい道である。苦労することもなく国道に着地。雪の壁の間を歩く
と天然のクーラーのような冷気がほてった体に心地よい。
山日和
【山 域】加越国境 大日山・越前甲
【天 候】晴れ
【コース】平谷橋7:02---10:23大日山10:44---11:43 Ca1320mピーク13:00---13:21越前甲13:38---14:12大日峠
---15:06国道416号---15:25駐車地
加賀の大日山にはこれまでそれぞれ違うルートで3回登っている。今回もまた新保からの新しいルートだ。
工事中の国道416号がどこまで入れるか不安があったが、登山口の平谷橋まで問題なく入ることができた。
ほとんど雪はないだろうという予測とは裏腹に、道の両側にはまだ背丈ほどの雪の壁が残っていたのには驚いた。
今回は花を愛でながら無雪期の登山道をのんびり歩くはずだったのである。
平谷橋を挟んで手前にはカタクリ小屋へ上がるコース、向こう側には大日山手前の鞍部へ出る「自然観察コー
ス」がある。尾根通しの自然観察コースを選んで歩き出すが、いきなりの雪上歩行だ。今年は雪解けが早いとい
うが、日当たりの悪い谷間や杉林ではまだまだ雪が残っている。
しばらく上がって自然林になると雪が消え、明瞭な登山道が現れた。道端にはイワウチワが満開だ。
起きた時には気温が2度しかなく、ずいぶん寒く感じたものだが太陽が当たりだすとたちまち暑くてたまらな
くなる。
このコースはその名の通り豊かな樹林に包まれたいい道が続いている。
右から一面雪に覆われた浅い谷が上がってきた。あまりに雰囲気がいいので尾根道を外して谷を上がる。
やはり雪の上はいい。このあたりは左からの谷と合わせて茫洋とした地形が広がって、尾根と谷が判然としな
い。
登山道はこの辺から右へトラバースしているはずだが、テープの類が一切ないので、雪が積もっていると道は
まったくわからない。大日山へダイレクトに延びる尾根を上がるとするか。
だんだん傾斜が強くなってきた。今日はアイゼンは持って来ず、足元はチェースパイクだ。ズルズル行って
しまうことはないものの、しっかりキックしないと雪面にきっちりツメが食い込まない。片手のストックをピッ
ケルに持ち替えて慎重に高度を上げた。このまま山頂に立てればなかなか素晴らしいルートだろう。
しかし世の中そう甘くはない。山頂まで標高差200mぐらいのところでヤブが登場した。あまり歩かれている様
子もなく、密度は結構濃いめである。とにかく漕ぐしかないのでひたすら上を目指すと広い雪原に飛び出した。
おおっ、これで山頂まで快適な雪原歩きか、というわけもなく再びのヤブへ突入。
傾斜がなくなったので山頂台地の一角に出たのだろうということはわかった。こんな快晴の日だから登山者の声
が聞こえてきてもよさそうなものだが。
やがてヤブ越しに山頂標識の裏側が見えた。無事大日山に到着だ。予定より時間が掛かったものの、その分充
実感は大きい。山頂にはまったく雪は無く、カタクリの花がそこここに咲いている。
白山方面の展望は雄大で、北の奈良岳、大笠山あたりから南の別山、三ノ峰まで連綿と続く山稜は圧倒的だ。
ただ、さしもの白山もかなり黒いところが目立つようになってきた。大汝山などはもう真っ黒だ。
誰もいないというのは予想外だったがまだ10時を過ぎたところだ。時間的にはまだこれからということだろう。
その予測通り、単独者が鈴ヶ岳方面から上がってきたのを皮切りに、次々と登山者が到着した。それを潮どきに
越前甲へ向けて出発。その稜線はかろうじて雪が繋がっているように見える。
実際に歩いてみると、夏道3割雪道7割というところだろうか。カタクリやイワウチワの花を楽しめるのは雪が消
えた恩恵だ。
越前甲手前の展望ピークでランチとしよう。山頂まで行ってもいいのだが、ここの方が静かでいいし、横には
いいブナ林もある。越前甲方面からはひとりの登山者もやって来ないし、自分の後から来る人もいない。まった
く静かなものである。1ヵ月前なら周りの山々も真っ白な衣装をまとって美しい姿を見せていただろうが、今は
元の地味な姿に戻り始めている。
食後の思い足を引きずりながら20分ほどで越前甲に着いた。こちらも人の気配はなく、雪の上に足跡もなかっ
た。ここから見る大日山は立派で、大した距離を歩いたわけでもないが感慨深い。
ここから大日峠へ下りは急坂が連続する。登りに取れば苦しいところだろう。ほとんど雪の消えた登山道を最
低鞍部まで下り、横倉からの道を見送って県境の尾根を直進する。
送電鉄塔まではやや踏み跡が薄いが、鉄塔からの巡視路は登山道レベルのよく整備された道だった。
国道416号はほぼ完成しているようで、斜面を切り刻んでウネウネと走っている。1年の内の半分は通れないと思
うのだが、何か利便性が向上することがあるのだろうか。
巡視路ではイワウチワ、タムシバ、キクザキイチゲ、バイカオウレン、ショウジョウバカマなどの花が目を楽
しませてくれた。さほど急なところもない、いい道である。苦労することもなく国道に着地。雪の壁の間を歩く
と天然のクーラーのような冷気がほてった体に心地よい。
山日和