【伊吹山地/猫ヶ洞】スノー衆2018PART3「雪の江美国境にネコの穴を探す」
Posted: 2018年2月20日(火) 19:12
【山域】伊吹山地/猫ヶ洞(ねこがぼら)
【ルート】R303八草トンネル東出口~土蔵岳南西尾根~土蔵岳~猫ヶ洞~県境尾根~ランチ場~jctピーク~土倉林道二股~金居原デポ地点
【天候】曇り時々青空、微風ところにより強風
【同行者】山日和(CL)、ひいちゃん、グー(伊勢山上住人)、kasaya、バーチャリ,BAKU、クロオ,kitayama-walk、シュークリム、わしたか、おど、副館長、ちーたろー、Kando1945、中野、みるく、biwaco(計17名。参加予定のokuは体調不良で欠席。敬称略)
すっかり日が落ちた集合地点。「お疲れさまでした~!」のあいさつで無事終了した…はずのスノー衆part3だったのに、思いもよらぬ矢が飛んできた。
「あ、今回のレポ坦は?」の問いかけに、間髪いれずリーダーの口をついたのは「biwacoさん」!
「あ、あ、あれ、あの、それ…」二の句が継げぬとはこのことか、これまでなんとかピンチを逃れてきた悪運もこの場で尽き果てるとは…。
しかし、大義なき抵抗は悪あがきに過ぎず…か、と観念し、潔く上意に従うことで自分を納得させるbiwa爺でありました。
集合場所は木之本IC近くのスーパー駐車場に未明の6時。もちろん店のお客様などいるわけもなく、暗闇の中、怪しい車が次々にやってきて整列する様は何とも異様な光景だったろう。(などと、見ていたように書いているが、じつは私とKさんが10分遅れで到着して全員集結だったようだ)
とにかく今回は員数が多い! 過去28回のスノー衆の中でダントツの最多となる17名。野球なら9人、サッカーでも11人、それどころか15人のラグビーまで突破する大所帯なのだ。草津白根のように山の神を怒らせないよう、静かにお訪ねしないといけない。
明るくなってきた空は雲の動きが早い。北方は黒い雲に覆われたままだが、南の空は青さが増してくる。期待と不安を胸に、7台の車に分乗し登山口へ移動。うち2台は下山予定地近くにデポし、八草トンネルを抜けたスペースに駐車する。
準備していると坂内側から単独者が登ってきた。ありゃ、女性だ! どうやら金糞岳の北尾根に入るようだ。たった一人で…! お許しさえ出ればこちらのメンバーを数人分けてあげたいくらい。(ひとりでは金糞までは無理やろな…)、とか思いながら旧道の登山口へ。
私事ながら、土蔵、猫ヶ洞、大ダワのエリアは初めてなのだ。国道に近いため比較的入りやすそうだが、他人の山レポを見ながら「近いうちに…」と地形図をコピーしておきながらズルズルと今になってしまっている。なので今回の企画には即エントリーさせてもらった。
今回のメンバーはユニークなお方が多い。というより、「スノー衆」には「ヘンな人」が参加要件になっているんでは?と思うくらいだけど。
Cさんは土蔵岳を「ドグラダケ」と読むとマジで思ってたという。なんだか毒キノコでも生えそうな感じだが、昭和中期まで銅鉱山(水俣病で有名なあの会社の前身が経営)で栄えた山なので、それもありなん?と思ってしまう。この方、三重嶽を「ミエゴク」と読んではばからない天然の達人である。お会いすると、想定通りのキュートな方だったが、なぜか「急登」には四苦八苦されていた。
主要地点での記念撮影はH氏の担当…といつの間にか決まってしまったようだ。少し前までG氏とK氏を含め3者による撮影会が定番だったのに、カメラ倒壊、撮影者転倒事件が連続し、おのずと収斂されたのかもしれない。このH氏は某政令市の幹部である。しかし、その気さくさ、誠実さが滲む人となりに「官僚臭」はみじんも感じない。職場でも若い部下に親しまれておいでのようだが、さもありなん、手元の「防寒手ムレス」がピッタリお似合いである。
「エライさん」といえば、いつも往き帰りの車に同乗させてもらってる弁護士のKさんも、新年度から重責に就かれる。「もう山には行けないですね」とヒヤかすと、「手はいろいろありますから…」と意味深なことをおっしゃる。さすが百戦錬磨は山歩きだけではなさそうだ。
と、こんなことばかり書いていたら、いつまでたっても山に登れない。一人ひとりが魅力あるキャラを備えておられ、それに触れられることも「スノー衆」の魅力なんだろう。
7:40
さて、国道を少し下った旧道との合流点付近から斜面に取り付き土蔵岳南東尾根をめざす。心配していた新雪は少なく下の雪も固まっていて歩きやすい。 と思っていたのは最後尾を死守していた私だから言えることかもしれない。急斜面の雪を踏み固めながらの先頭はだれやろ? 寡黙で口より足が先に出るおどさんを筆頭に、クロオさん、kitayamaさん、わしたかさん、副館長さんらがラッセルチームとなって牽引してくれてるはず。なんせ17人の大パーティーなのだ。パシュートのようにいつか先頭が回ってくるかもと思ってはいたのだが、結局ラッセルの機会には恵まれなかったことが心残りではある(^_-)
標高点885mからは傾斜も緩み、前方に姿を見せた土蔵岳や、その右奥の蕎麦粒山、谷を挟んだ対岸の涌谷山、さらに南方には金糞岳の雄姿を眺める余裕も出てきた。空は相変わらずキマグレ状態で、場所によって強い北西風が吹きつける。 10:20
稜線を登りきると土蔵岳。・885から約1時間。東に長い平らな山頂。端っこまで行って、蕎麦粒山などをカメラに収める。 ここから北西の尾根をいったん下り、登り返す。
11:30
猫ヶ洞の山頂はなんでもないところだった。遠慮がちに木の枝にぶら下がる青いkitayamaプレートを見遣ってから北東に進む。今日の主要目的地である展望地からは北側の眺望が抜群。三周ヶ岳から高丸(黒壁)~烏帽子岳の稜線、蕎麦粒山~黒津~天狗山などのラインナップにタメ息が止まらない。 しばしの眺望タイムのあと、ランチ場に向かう。引き返して猫ヶ洞山頂から県境尾根を西へ。まだかまだかと下り続け、このまま下ってしまうのか?と思いだしたころ、ブナに囲まれた窪地のようなエリアにやってきた。地形図で県境線が逆S字に曲がっている辺り。風もない、日差しにも恵まれ、想定外のランチ日和。スタート時には、これだけの大所帯でどこまで行けるのか読めなかったが、案ずるより行うが易し! ここまでは順調な進行だろう。
12:25
いつものようにスノスコ隊がランチテーブル工事。「テーブルに雪を載せたらあかんで~!」とグーさんが叫ぶ。なんでも「鏡面仕上げ」にできなくなるかららしい。誰も聞いてないようなフリをしながら、それでもテーブル上は新雪のままだ。みんなやさしいね(^_-) きょうはファイアーマンのW氏がいないので火炎放射器の炎弾の心配はない。そういえば予報より晴れ間が多いのも、「雨男」W氏抜きのせいでは?と誰かが呟いていた。
火炎の代わりに次々と回ってきたのはチョコや生ハムなどの差し入れ物資。定番の「ブラックサンダ―」はなぜか3度も通過し、後半の行動食にとポケットにストックする。そして本命はMさん手作りのチョコレートタルト(でよかった?)。ここはけっして避難所ではないのだが、有りがたい心づくしの支援に感謝、感謝。
13:35
さて、ここからがリーダー推奨の秘蔵エリアらしい。標高点903mから少し下り、co1000mのJCT台地まで登り返す。(その鞍部に広葉樹記号がありますが、けっして私の○○記念碑ではありませんので、念のため(^_-))
このJCT台地を北西に進めば神又峰~左千方~三国岳へと続く。さっそく「来週にも神又峰へ」とオネダリしているお方もおられたようだが、この場にいるだけでそんな気持ちにもなってくる。
14:45
しかし、長居はできない。今回はアトラクションはないのかな?との声も聞かれたが、じつはこれからが核心部だったのかも知れない。 横山岳を近くに眺めながら南に延びる尾根を下る。土倉谷林道の最奥二股に降り立つのだ。標高差350m。最後の150mは特に急な崖下り。ほとんどがMSRのシュー。平地や登りにはめっぽう強いのだが、使い慣れていないと急下降は難儀する。スキーならどんな長尺でもこなせるNさんは、今日はなんと30インチのMSRアッセント。
ヤブも出てきた後半、見かねたリーダーから壺足OKのサインが出てシュー隊と壺足隊に分かれる。待ってました!とシューを脱いだのはいいのだが、踏み跡を歩こうとするとズボッ! 抜こうとすると反対の足がズボッ! それでもシュー隊の後ろからソロリソロリとついて行けばなんとか下れそうだ。
16:50
最後の急斜面は無理やり、強引なシリセードを繰り返し、辺りに闇が迫る二股へ降り立つ。もう一度シューを履き直し、雪明かりを頼りに、長い長い林道を1時間。もうイヤ…と思ったころ左手に見え始めた国道の高架に力づけられて、なんとかデポ地点に到着。
土倉林道では鉱山跡の異景を畏敬の念をこめて見物。あとで資料を見たら、明治から昭和の高度成長期まで続いた銅山で、地元・金居原の貴重な雇用の場だったという。関心ある方、雪が融けたら一度訪ねてみるのも一趣あるかも。
さて、3月にもPart4が…? というウワサが流れていた。次はいずこで…。それまでせいぜい徳を積み、好天、微風の雪原で再会を喜び合いたいものである。
謝謝、再見! See you again~(^^♪
(※トップの集合写真は副館長さん提供)
~biwaco