【四国】いろいろあるよ、剣山への旅
Posted: 2017年10月13日(金) 16:42
【日 付】 2017/10/10(火)
【山域山名】 四国山地/ 剣山、次郎笈 (徳島県三好市、那賀町)
【地形図】(1/25000)剣山
【メンバー】 単独
【天 候】 晴れ
【ルート】 見ノ越6:40---西島駅7:45/7:55---大劔神社8:15/8:20---二度見展望所8:40/8:50
---次郎笈9:45/10:00---剣山11:40/12:50---西島駅13:15/13:20---見ノ越14:30
[attachment=6]s-R0028825.jpg[/attachment]
今年の5月、四国の国道439号線(ヨサク酷道と言われている)を走りに行ったとき、
剣山の登山口である見ノ越を通ったのだが、
「へえー、剣山はここから登るのか。涼しくなったら登ってみようかな。」と思ったのを、
実行に移してみた。
実は、四国の山に登るのは今回が初めてだ。
四国には、瀬戸大橋や明石海峡大橋が架かる前には行ったことがなかったし、
橋が架かってからもあまり馴染みがなくて、
現役時代に職場の旅行で金毘羅さんしか行ったことがなかったので、
四国はずいぶん遠く感じていたが、
リタイアしてから念願の室戸岬や足摺岬などに行ったりしたので、
四国にも行き慣れてきたせいか、徳島県は案外近い。
【旅の第一日目(10/9)】
物見遊山を兼ねて前乗り日程で大阪を発ち、昼間に走って行く。
なにせ初めて行く観光地ばっかりなので、気分は非常に新鮮だ。
天気も快晴で申し分ないのだが、
季節的にも、もう涼しくて気持ちのよい秋晴れの日を期待していたのに、
夏のような強い陽射しが照り付け、30度にもなろうかという暑い日になったのは誤算。
汗だくになりながら阿波の土柱や脇町の「うだつのあがる町並み」を見て、
クルマは、増水時には川の流れに沈むという脇町潜水橋を通り、いざ登山口の見ノ越へと進む。
貞光から見ノ越へ続く国道438号は、
祝日の夕方だったので、下山してくる人の対向車がけっこう続いて、
kandoさんの言われるように、狭い道での離合に気を使う道だった。
【旅の第二日目(10/10)】
さあ、山登りの日です。
標高1400m、登山口の見ノ越、午前6時の気温は10度。
なんか、今日も暑くなるらしいけど、朝はひんやりとして快適だ。
無料の立体駐車場に止めて支度をする。
すでに3台止まっているが、昨日もあったので、
泊りで三嶺方面へ縦走しているのかもしれない。
用意している最中に1台(一人)来ただけで、他の登山者は誰もみかけない。
剣山はリフトもあって観光地みたいなものだし、
ここだけ登りに来る百名山ハンターだったら、遅い時間の出勤でも間に合うので、
朝早くから来る人は少ないのかもしれない。
なにより、平日だからかな。
よく整備された登山道を登って、リフト終点の西島駅へ向かう。
気分よくテレンテレンと登っていると、いきなりえらい早い年配者に追い抜かされた。
駐車場にあとから入ってきた人だ。
それからすぐにまた、元気な3人の妙齢ご婦人パーティに追い越される。
なんなんだ、ワシが遅すぎるんかい(実はその通りなんだが……)と思ったが、
人はそれきりでパッタリと途絶えた。
西島駅の手前で山頂方面の展望が開けた。
山腹が、部分的にではあるが素晴らしい紅葉に色づいている。
ご婦人3人組が出発した西島駅の前のベンチで一息入れた。
ここからは、トラバース道を通って先に次郎笈へ登る予定だが、
トラバース道は途中が崩落しているため、ここからは通行止めということなので、
一旦、大劔神社まで登って迂回し、次郎笈へのトラバース道に入った。
[attachment=7]s-R0028873.jpg[/attachment]
トラバース道を進み小尾根の鼻先を回り込むと、展望が開けた場所に出た。
「二度見展望所」の標識とベンチがある。
今までもときおり上部がチラチラと見えていた次郎笈が、正面にデーンとそびえている。
いい景色だ。
そこから少し進むと、主稜線の道に出た。
振り返る剣山から向かう次郎笈まで無木立の稜線を一望できるが、誰も歩いていない。
これまで日陰斜面だったところから、木立のない縦走路に出て、急に暑くなってきた。
最低鞍部を過ぎ、次郎笈の登りに入る。
次郎笈のトラバース道分岐を過ぎたところで、上から一人降りてきた。
朝一番で抜かれた人だった。
見た感じは70歳くらいかな。
ちょっと立ち話になる。
あれからさっさと剣山に登って、縦走路を次郎笈へ登り、その帰りとのこと。
しかも剣山の登りは最短コースではなく、刀掛けの松から行場経由の道だという。
この歳で、どんだけ早いんじゃい、この人。
[attachment=5]s-R0028897.jpg[/attachment]
しばらくして登り着いたピークで、縦走路から左に100mほど入ると次郎笈の頂上だ。
誰もいない。
行く手には三嶺へと続く長い山稜が魅力的にうねり、
振り返れば雄大な吊り尾根の対極に剣山がどっしりと聳えている。
見渡す限り、縦走路にも誰もいない。
すばらしい景色を独り占めだ。
山頂広場の端に四等三角点があったが、
標石の頭に、三角点の十文字が刻まれた金属プレートが埋め込まれていた。
このタイプの三角点標を見るのは初めてだ。
しかし、ここから三嶺まではずいぶん距離があると思うが、
kandoさん、暑い夏に日差しを遮る木立の1本もないこの山稜を、
よく歩いていったものだと感心した。
[attachment=4]s-R0028901.jpg[/attachment]
このあとは引き返して剣山に登るのだが、同じ道を戻るのはやめて、
次郎笈から縦走路を丸石側に下って、次郎笈のトラバース道で剣山の鞍部に戻る。
途中に水場があつた。
[attachment=3]s-R0028912.jpg[/attachment]
剣山への登りは、背中に太陽を背負ってジリジリと焼かれ、汗がダラダラと流れる。
そろそろいい時間になってきたのか、剣山から登山者が縦走路をつぎつぎと降りてくる。
今から次郎笈に向かう人あり、トラバース道に入って下山する人あり。
あちこちから人がウヨウヨと湧いてくるようで、早朝のあの静寂がウソのようだ。
[attachment=2]s-R0028921.jpg[/attachment]
暑くて、スポーツドリンクを飲みながら、休み休み登り着いた剣山……。
長い斜面を登り切ると、急に木の階段が出てきたと思ったら、そのあとは長い木道が続き、
山頂一帯は全く地面には降りられない。
植生回復のための措置ということだけど、
そのかわり、太い木を使ったベンチはたくさんあるのでゆっくり休めるし、
びわ湖テラスも顔負けの、高度感満点の広い木製デッキテラスも2ヵ所ある。
しかし、今日は平日なのにけっこうな人出で、
これだったら土日はどんなことになるんだと考えると、恐るべし日本百名山。
それだけ人が登ったら、植生もダメージ受けるわな。
[attachment=1]s-R0028922.jpg[/attachment]
木道横のしっかりした木製ベンチにすわって昼食にする。
隣のベンチにすわって食事をしていた壮年男性が、
行き交う人に挨拶したり、いろいろ説明したりしているので、聞くともなしに聞いていると、
山頂の木道リニューアル工事を請け負っている会社のエライさんのようで、
いろいろな話が出てくる。
「この春から3シーズンかけて、順番に木道を取り替えて新しくする工事をしている。」
「東祖谷に住んでいるが、工事が始まってからは毎日ここに登ってきている。」
「ヘリで麓から材木を運んでいるが、山頂では着陸せずホバリングのまま荷物だけおろす。」
「木材は1本20kgから34kgあって、一回に150kgほどになるようにしてヘリで吊り上げる。」
「徳島県から工事を2000万で請け負っているが、ヘリのチャーターに1000万かかるので、
残りの1000万が材料費と手間賃だ。」
「材木にボルトを通す穴を業者に開けてもらうのに、穴ひとつ100円かかる。」
「木材は全部杉の木だ。」
「忙しいときは昼食を10分くらいで食べて、すぐ仕事をしないと予定に間に合わない。」
「晴れていると、ここから伯耆の大山が見える。今日はもやがかかっていてダメだけど。」
「山頂のライブカメラは、今は落雷で壊れて動いていない。
県の担当者の話しでは新しく取り替えると1000万くらいするらしい。
もともとライブカメラを避雷針の塔に設置するほうがおかしい。」
などなど、面白い話し、参考になりました。
[attachment=0]s-R0028926.jpg[/attachment]
ここからは、余裕があれば一の森に登って巻き道で下りる案も考えていたが、
ちょっと時間がかかりそうなので、今日はこれでおしまいにする。
下山してからの予定もあるしね。
山頂の木道をぐるっと回って、きれいなバイオトイレにも入って、下山にかかった。
刀掛けの松から西島駅へと、メインルートになっている道を下る。
すると、まだまだ登ってくる、登ってくる。
ご近所のおじさん、おばさん風の人たちはもちろん、
3歳くらいの女の子も「パーパ」って言いながらお父さんに続いてしっかり登ってくる。
中国人も中国語でしゃべりながら登ってくる。
どこの国の人かわからない外人も、わけのわからん言葉でしゃべりながら登ってくる。
長い付けまつげに濃い目のお化粧のお姉ちゃんたちも、ショルダーバッグを肩に掛けて登ってくる。
思わず見てたら、にらまれた。
老若男女、和洋を問わず、西洋東洋も問わず、格好も問わず登ってくる。
リフトの西島駅ではスカート姿のご婦人も。
さすがにそこから上には登らないようだけど。
恐るべし日本百名山。
西島駅の下の分岐点に、「見ノ越へ(遊歩道)」の道標があったので、
少し回り道になるが、帰りはそっちを通ってみる。
とたんに誰もいない静寂の世界。
途中に、「祖谷(いや)川源流の谷」の碑が立っている沢があり、
冷たい水がパイプから勢いよく流れ出していた。
しっとりとした豊かな森の中をゆったりと下っていく、なんだかホッとするような道でした。
登山道と合流して、リフトの下を横切る土管をくぐると、すぐ見ノ越に着く。
さて、山登りはこれでおしまいなんですが、しかし、この旅はまだ終わらないのです。
話しは、「どうでもええ話し」に変わって、さらに続きます。
見ノ越から下界へは、国道438号で木屋平を経由し、国道492号で穴吹へ出る。
温泉は阿波市土成の天然温泉「御所の郷」へ。
そこで入浴と夕食を済ませたら、さらに夜道を上勝町へと向かう。
【旅の第三日目(10/11)】
待ちに待った「剣山スーパー林道」を走る日。
実はこれがこの旅のメインだったりしてね。
昔から一度走ってみたかったんです。
上勝町のスーパー林道起点を6:10出発、
工事通行止めの剣山トンネルの手前、次郎笈の登山口になつている山の家「奥槍戸」に10:15着。
スーパー林道走行区間72km、うちダート区間54km。
フラットダートはあまりなくて、角の立った浮き砂利区間が多い印象。
さすがに平日だけあって、対向車は2台のみで、それも地元の仕事の軽トラとワンボックスでした。
ここでちょっと張り切り過ぎたのが原因で、
リエゾン区間の槍戸川沿いの林道で、10:45予期せぬ右後輪のタイヤバーストが発生。
バシュッーという音とともに、タイヤはあっと言う間にペッチャンコ。
あ~あ。
このため、そのあと予定していた林道3本はキャンセルし、やむなくここで終了。
予定より早めの帰還となりました。
帰ってからタイヤ屋で確認したら、タイヤの踏面が5cmほど裂けてた。
今年3月に新品タイヤ4本買ったばかりなのに、
それから7ヵ月間でダメにしたタイヤ、これで2本目じゃ。トホホ(泣)
洞吹(どうすい)
【山域山名】 四国山地/ 剣山、次郎笈 (徳島県三好市、那賀町)
【地形図】(1/25000)剣山
【メンバー】 単独
【天 候】 晴れ
【ルート】 見ノ越6:40---西島駅7:45/7:55---大劔神社8:15/8:20---二度見展望所8:40/8:50
---次郎笈9:45/10:00---剣山11:40/12:50---西島駅13:15/13:20---見ノ越14:30
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今年の5月、四国の国道439号線(ヨサク酷道と言われている)を走りに行ったとき、
剣山の登山口である見ノ越を通ったのだが、
「へえー、剣山はここから登るのか。涼しくなったら登ってみようかな。」と思ったのを、
実行に移してみた。
実は、四国の山に登るのは今回が初めてだ。
四国には、瀬戸大橋や明石海峡大橋が架かる前には行ったことがなかったし、
橋が架かってからもあまり馴染みがなくて、
現役時代に職場の旅行で金毘羅さんしか行ったことがなかったので、
四国はずいぶん遠く感じていたが、
リタイアしてから念願の室戸岬や足摺岬などに行ったりしたので、
四国にも行き慣れてきたせいか、徳島県は案外近い。
【旅の第一日目(10/9)】
物見遊山を兼ねて前乗り日程で大阪を発ち、昼間に走って行く。
なにせ初めて行く観光地ばっかりなので、気分は非常に新鮮だ。
天気も快晴で申し分ないのだが、
季節的にも、もう涼しくて気持ちのよい秋晴れの日を期待していたのに、
夏のような強い陽射しが照り付け、30度にもなろうかという暑い日になったのは誤算。
汗だくになりながら阿波の土柱や脇町の「うだつのあがる町並み」を見て、
クルマは、増水時には川の流れに沈むという脇町潜水橋を通り、いざ登山口の見ノ越へと進む。
貞光から見ノ越へ続く国道438号は、
祝日の夕方だったので、下山してくる人の対向車がけっこう続いて、
kandoさんの言われるように、狭い道での離合に気を使う道だった。
【旅の第二日目(10/10)】
さあ、山登りの日です。
標高1400m、登山口の見ノ越、午前6時の気温は10度。
なんか、今日も暑くなるらしいけど、朝はひんやりとして快適だ。
無料の立体駐車場に止めて支度をする。
すでに3台止まっているが、昨日もあったので、
泊りで三嶺方面へ縦走しているのかもしれない。
用意している最中に1台(一人)来ただけで、他の登山者は誰もみかけない。
剣山はリフトもあって観光地みたいなものだし、
ここだけ登りに来る百名山ハンターだったら、遅い時間の出勤でも間に合うので、
朝早くから来る人は少ないのかもしれない。
なにより、平日だからかな。
よく整備された登山道を登って、リフト終点の西島駅へ向かう。
気分よくテレンテレンと登っていると、いきなりえらい早い年配者に追い抜かされた。
駐車場にあとから入ってきた人だ。
それからすぐにまた、元気な3人の妙齢ご婦人パーティに追い越される。
なんなんだ、ワシが遅すぎるんかい(実はその通りなんだが……)と思ったが、
人はそれきりでパッタリと途絶えた。
西島駅の手前で山頂方面の展望が開けた。
山腹が、部分的にではあるが素晴らしい紅葉に色づいている。
ご婦人3人組が出発した西島駅の前のベンチで一息入れた。
ここからは、トラバース道を通って先に次郎笈へ登る予定だが、
トラバース道は途中が崩落しているため、ここからは通行止めということなので、
一旦、大劔神社まで登って迂回し、次郎笈へのトラバース道に入った。
[attachment=7]s-R0028873.jpg[/attachment]
トラバース道を進み小尾根の鼻先を回り込むと、展望が開けた場所に出た。
「二度見展望所」の標識とベンチがある。
今までもときおり上部がチラチラと見えていた次郎笈が、正面にデーンとそびえている。
いい景色だ。
そこから少し進むと、主稜線の道に出た。
振り返る剣山から向かう次郎笈まで無木立の稜線を一望できるが、誰も歩いていない。
これまで日陰斜面だったところから、木立のない縦走路に出て、急に暑くなってきた。
最低鞍部を過ぎ、次郎笈の登りに入る。
次郎笈のトラバース道分岐を過ぎたところで、上から一人降りてきた。
朝一番で抜かれた人だった。
見た感じは70歳くらいかな。
ちょっと立ち話になる。
あれからさっさと剣山に登って、縦走路を次郎笈へ登り、その帰りとのこと。
しかも剣山の登りは最短コースではなく、刀掛けの松から行場経由の道だという。
この歳で、どんだけ早いんじゃい、この人。
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しばらくして登り着いたピークで、縦走路から左に100mほど入ると次郎笈の頂上だ。
誰もいない。
行く手には三嶺へと続く長い山稜が魅力的にうねり、
振り返れば雄大な吊り尾根の対極に剣山がどっしりと聳えている。
見渡す限り、縦走路にも誰もいない。
すばらしい景色を独り占めだ。
山頂広場の端に四等三角点があったが、
標石の頭に、三角点の十文字が刻まれた金属プレートが埋め込まれていた。
このタイプの三角点標を見るのは初めてだ。
しかし、ここから三嶺まではずいぶん距離があると思うが、
kandoさん、暑い夏に日差しを遮る木立の1本もないこの山稜を、
よく歩いていったものだと感心した。
[attachment=4]s-R0028901.jpg[/attachment]
このあとは引き返して剣山に登るのだが、同じ道を戻るのはやめて、
次郎笈から縦走路を丸石側に下って、次郎笈のトラバース道で剣山の鞍部に戻る。
途中に水場があつた。
[attachment=3]s-R0028912.jpg[/attachment]
剣山への登りは、背中に太陽を背負ってジリジリと焼かれ、汗がダラダラと流れる。
そろそろいい時間になってきたのか、剣山から登山者が縦走路をつぎつぎと降りてくる。
今から次郎笈に向かう人あり、トラバース道に入って下山する人あり。
あちこちから人がウヨウヨと湧いてくるようで、早朝のあの静寂がウソのようだ。
[attachment=2]s-R0028921.jpg[/attachment]
暑くて、スポーツドリンクを飲みながら、休み休み登り着いた剣山……。
長い斜面を登り切ると、急に木の階段が出てきたと思ったら、そのあとは長い木道が続き、
山頂一帯は全く地面には降りられない。
植生回復のための措置ということだけど、
そのかわり、太い木を使ったベンチはたくさんあるのでゆっくり休めるし、
びわ湖テラスも顔負けの、高度感満点の広い木製デッキテラスも2ヵ所ある。
しかし、今日は平日なのにけっこうな人出で、
これだったら土日はどんなことになるんだと考えると、恐るべし日本百名山。
それだけ人が登ったら、植生もダメージ受けるわな。
[attachment=1]s-R0028922.jpg[/attachment]
木道横のしっかりした木製ベンチにすわって昼食にする。
隣のベンチにすわって食事をしていた壮年男性が、
行き交う人に挨拶したり、いろいろ説明したりしているので、聞くともなしに聞いていると、
山頂の木道リニューアル工事を請け負っている会社のエライさんのようで、
いろいろな話が出てくる。
「この春から3シーズンかけて、順番に木道を取り替えて新しくする工事をしている。」
「東祖谷に住んでいるが、工事が始まってからは毎日ここに登ってきている。」
「ヘリで麓から材木を運んでいるが、山頂では着陸せずホバリングのまま荷物だけおろす。」
「木材は1本20kgから34kgあって、一回に150kgほどになるようにしてヘリで吊り上げる。」
「徳島県から工事を2000万で請け負っているが、ヘリのチャーターに1000万かかるので、
残りの1000万が材料費と手間賃だ。」
「材木にボルトを通す穴を業者に開けてもらうのに、穴ひとつ100円かかる。」
「木材は全部杉の木だ。」
「忙しいときは昼食を10分くらいで食べて、すぐ仕事をしないと予定に間に合わない。」
「晴れていると、ここから伯耆の大山が見える。今日はもやがかかっていてダメだけど。」
「山頂のライブカメラは、今は落雷で壊れて動いていない。
県の担当者の話しでは新しく取り替えると1000万くらいするらしい。
もともとライブカメラを避雷針の塔に設置するほうがおかしい。」
などなど、面白い話し、参考になりました。
[attachment=0]s-R0028926.jpg[/attachment]
ここからは、余裕があれば一の森に登って巻き道で下りる案も考えていたが、
ちょっと時間がかかりそうなので、今日はこれでおしまいにする。
下山してからの予定もあるしね。
山頂の木道をぐるっと回って、きれいなバイオトイレにも入って、下山にかかった。
刀掛けの松から西島駅へと、メインルートになっている道を下る。
すると、まだまだ登ってくる、登ってくる。
ご近所のおじさん、おばさん風の人たちはもちろん、
3歳くらいの女の子も「パーパ」って言いながらお父さんに続いてしっかり登ってくる。
中国人も中国語でしゃべりながら登ってくる。
どこの国の人かわからない外人も、わけのわからん言葉でしゃべりながら登ってくる。
長い付けまつげに濃い目のお化粧のお姉ちゃんたちも、ショルダーバッグを肩に掛けて登ってくる。
思わず見てたら、にらまれた。
老若男女、和洋を問わず、西洋東洋も問わず、格好も問わず登ってくる。
リフトの西島駅ではスカート姿のご婦人も。
さすがにそこから上には登らないようだけど。
恐るべし日本百名山。
西島駅の下の分岐点に、「見ノ越へ(遊歩道)」の道標があったので、
少し回り道になるが、帰りはそっちを通ってみる。
とたんに誰もいない静寂の世界。
途中に、「祖谷(いや)川源流の谷」の碑が立っている沢があり、
冷たい水がパイプから勢いよく流れ出していた。
しっとりとした豊かな森の中をゆったりと下っていく、なんだかホッとするような道でした。
登山道と合流して、リフトの下を横切る土管をくぐると、すぐ見ノ越に着く。
さて、山登りはこれでおしまいなんですが、しかし、この旅はまだ終わらないのです。
話しは、「どうでもええ話し」に変わって、さらに続きます。
見ノ越から下界へは、国道438号で木屋平を経由し、国道492号で穴吹へ出る。
温泉は阿波市土成の天然温泉「御所の郷」へ。
そこで入浴と夕食を済ませたら、さらに夜道を上勝町へと向かう。
【旅の第三日目(10/11)】
待ちに待った「剣山スーパー林道」を走る日。
実はこれがこの旅のメインだったりしてね。
昔から一度走ってみたかったんです。
上勝町のスーパー林道起点を6:10出発、
工事通行止めの剣山トンネルの手前、次郎笈の登山口になつている山の家「奥槍戸」に10:15着。
スーパー林道走行区間72km、うちダート区間54km。
フラットダートはあまりなくて、角の立った浮き砂利区間が多い印象。
さすがに平日だけあって、対向車は2台のみで、それも地元の仕事の軽トラとワンボックスでした。
ここでちょっと張り切り過ぎたのが原因で、
リエゾン区間の槍戸川沿いの林道で、10:45予期せぬ右後輪のタイヤバーストが発生。
バシュッーという音とともに、タイヤはあっと言う間にペッチャンコ。
あ~あ。
このため、そのあと予定していた林道3本はキャンセルし、やむなくここで終了。
予定より早めの帰還となりました。
帰ってからタイヤ屋で確認したら、タイヤの踏面が5cmほど裂けてた。
今年3月に新品タイヤ4本買ったばかりなのに、
それから7ヵ月間でダメにしたタイヤ、これで2本目じゃ。トホホ(泣)
洞吹(どうすい)