【比良・沢登り】比良の谷初見参 奧ノ深谷と山行隊と愉快な仲間たち
Posted: 2017年8月07日(月) 15:23
山行隊は滋賀県近江八幡市を本拠にする山岳会である。なんと我らがびわ爺を中心に結成された(らしい)。びわ爺の性格をそのまま反映したようなゆる〜い山岳会である。と言ってもびわ爺は最高顧問格のようで、実際には亀仙人さんがお世話をしている。このようなゆる〜い山岳会を無事故で運営するのはとても大変だと思う。そんな大変なお世話をしている亀仙人さんはすごい人である。私などとてもできない。爪の垢を煎じて飲みたいくらいである。
今回、びわ爺と亀仙人さんにお願いして、山行隊の人たちと一緒に比良の沢に連れて行ってもらうことになった。さてどうなることやら。
【 日 付 】2017年8月5日(土)
【 山 域 】比良 安曇川水系明王谷 奧ノ深谷
【メンバー】亀仙人、ぶっち、嵩ちゃん、あっくん(以上、山行隊メンバー)、シュークリーム
【 天 候 】曇りのち晴れ
【 ルート 】 駐車地 8:40 --- 9:26 入渓口 --- 11:16 4段40m大滝 --- 14:14 最後の8m滝 --- 14:47 登山道 --- 15:31 林道--- 16時頃 駐車地
朝8時に坊村の駐車場に着くと小雨が降っている。天気予報では降らないはずなんだけど。まあ、すぐにやむだろう。すぐ後ろから亀仙人さんの車も入ってきた。今日は口ノ深谷へ行く予定だったのだが、沢初心者がいるということで奥ノ深谷に変更になった。私はどこの谷も初めてなので、どこでも文句はない。
ぶっちの車に同乗して林道の車止め前まで行くと、嵩ちゃんとあっくんが待っていた。あっくんは沢初心者。嵩ちゃんとも会うのは初めて。すらりとした長身の嵩ちゃんはいかにもリーチが長そうで、どんな高いところにあるホールドにも届きそう。短身でリーチが短い私には憧れの体形である。しっかりとした沢登り技術も持っている人だということがあとでわかった。
亀仙人さんとぶっちとは2年前に沢初心者トレーニングで渋川へ一緒に行ったのが最初である。短い谷とはいえ、沢初心者ばかりを連れて3級の沢へ突っ込み、なんとか無事故で登り切ったものの今から思うと薄氷に乗る思いであった。山日和さんに心配をおかけして、その後この沢初心者トレーニングは消滅した。亀仙人さんとぶっちはそれをきっかけに沢の面白さに目覚めたようで、それ以来私のことを沢師匠と言ってくださっている。
林道を30分ほど歩き入渓。まずは大釜を持った7m滝である。さすがに比良の沢の中でももっとも人気の奧ノ深谷、先行グループが滝の右を登っている。嵩ちゃんが「巻きますか?登りますか?」と聞いて来る。先行者が登っているのを見てこのまま巻くことはあり得ない。当然登ります。 釜を泳いで取付き、嵩ちゃんにビレイしてもらって登り、皆を引き上げる。初心者のあっくんは大丈夫かなと心配したが、若いだけあってちゃんとついてきた。これで沢の楽しさにのめり込むか、あるいはもうこりごりと思うかどっちかだろう。ぶっちは足を置いた岩が崩れて落ちるが、上からビレイしているので大丈夫。下で見ていたギャラリーから「落ちた!」と声が上がったらしい。嵩ちゃんと亀仙人さんは流石の安定した登りであった。
お次は深い岩溝の間の奥の4m滝。嵩ちゃんに巻き上がってもらい、上からロープを降ろしてもらう。私と亀仙人さんがチャレンジし、ぶっちとあっくんはパス。年寄りだけチャレンジして、若者がパスするなんてねえ。若者はなってないなあ。ステミングで登り、最後はシャワークライミング。ああ、楽しかった。 大岩のかかる2段8m滝。上段は嵩ちゃんが流れの右をフリーで登り、皆を引き上げてくれた。 4段40mの滝は左岸をフリーで登るが、亀仙人さんだけは流芯を登ってきた。流石チャレンジャー。ここで、「お昼にしましょう」という神の声。ちょうどお腹がすいてきたところなので、グッドタイミング。見晴らしのいい岩の上でお昼休憩。比良の谷を少し見下していたのだが、なんのなんの、しっかり楽しませてくれる素晴らしい谷だ。これだったら何度きても楽しいし、人気があるのもよくわかる。
その上の10m滝。嵩ちゃんがフリーで登っていくが途中で行き詰っている。亀仙人さんにビレイをお願いして、滝右の灌木を支点にして巻き上がり、皆を引き上げる。あとで追いついてきたカップルはそのまま真っ直ぐに登ってきた。嵩ちゃんが行き詰ったあたりに残置の支点があったようだ。それが分かっていればこんなに苦労しなかったものを。まあ初めて行く時はそんなもんだろう。 その上の大釜を持った美しい8m滝だけは右岸を巻き登る。急傾斜だが、木の根がたくさんあってそんなに厳しい巻きではない。一体にこの谷の巻道には人が歩いた跡がたくさんあって、ルートどりも難しくはない。 ゴルジュ内の12m斜滝。ここは私がフリーで登り、ロープを固定して皆さんにはプルージックで登ってきてもらう。 最後の大釜を持った7m美滝。嵩ちゃんがトップ。中間に残置支点があり、登ってみると見た目ほど難しい滝ではなかった。7m滝の後は美しいなめ床を持った流れの中を登っていくと登山道が横切り、ここで遡行を打ち切った。 急遽予定変更で登ることになった奥ノ深谷。なんの下調べもしてこなかったが、素晴らしい谷だった。何度も書くようだが、この谷の人気が高いのも宜なるかなといったところである。ガイドブックによるとこの谷は十九ノ滝と呼ばれる美瀑と淵を連続させているということだが、その通りで滝と淵が連続して飽きることがない。しかもそのほとんどが直登できるとあっては、滝登り屋にとっては楽しくてしょうがないだろう。今回は初見参にもかかわらず一つの滝を除いて全て直登させてもらい、遊び倒したという満足感がある。初心者のあっくんも満足してくれたかな?もうこんな怖いことはこりごりと言わなければいいけど。
山行隊の楽しい仲間と一緒にワイワイと遡行した楽しい沢登りだった。こんな沢登りだったら何度行ってもいいねえ。亀仙人さん、またよろしくお願いします。
ちなみに、この沢行の記録は山行隊のブログhttp://yamaikitai.exblog.jp/28028518/にも載っているので、時間のある人は寄っててね。最後に、写真を何枚か無断で拝借しましたんで、事後報告とお礼までm(__)m