先週7/16(三連休の中日)、山日和さんたちご一行が甲森谷のワンダーランドを経由して、芦谷山→庄部谷山と周回した。前日7/15、私は計国さんと別山に登ったので、そのとき計国さんから翌日やぶこぎのメンバーでワンダーランドに行くと聞いた。当日は私は所用があったので参加できなかったが、後日山日和さんの山レポ・ワンダー5(W5)を見て、また訪問したくなった。ちょうどbiwa爺も再訪したいというので、7/23でお誘いをかけるとちょうど開いているということで、二人で出かけることにした。
待ち合わせは、7時に武奈ヶ岳の登山口になっている坊村にした。高速を使って行くこともできるが、京都やbiwa爺の近江八幡からだと、R367→R303→R27を使って行っても時間的にはさして変わらない。ならば高速料金のかからない下道で行こうということになった。私は、自宅を出発してしばらくしてから財布を忘れたことに気づき、取りに戻った。これで30分ばかり遅刻する羽目となる。坊村に到着すると、biwa爺はおどさんと一緒にいた。こんなところでおどさんにばったり遭遇するとは?と思って尋ねると、今日は白滝山を経由して、蓬莱山→ホッケ山→権現山と歩いて、平バス停からバスで戻るという。おどさんにしてはショートコースではないかというと、今日は午後から雨という予報なので早めに下山することのできるコースにしたとか。因みに、おどさんの足元はヤマビルファイターがたんまりと振りかけられていた。
おどさんと談笑しているうちに、さらに15分ほど時間を食い、biwa爺を私の車に乗せて出発した。R27に入る手前で新しいローソンのコンビニができていたので、そこで買い出しをして先を進む。今日の天気予報は午前は曇りで午後は雨が降るという。まあ、沢だから雨に降られてもいいやと思っていたものの、朝から晴れていて天気がいい。今日一日予報が外れてくれることを祈りながら車を進めた。もう何度も通っている道、勝手知ったる道なのでスイスイと進む。田代のところで左手に入り、そのまま林道に入り、いつも駐車する導水施設のところまで車を入れることができた。車は他にはない。まあ、こんな暑い日にこんなところに来る好き者もいないだろう。予定よりも1時間ほど遅れて到着し、支度をしていると、突然赤色の三菱がやってきた。何と!シュークリさんだ。何でこんなところにはるばるとシュークリさんが来るん?と尋ねると、やぶこぎのメンバーがよく訪ねているワンダーランドを訪問してみようということだった。fbでは1週間前の山日和さんご一行の山行がアップされていたが、この時点ではシュークリさんはfbはやっていなかった。どうして聞きつけてきたのか不思議だった。この日、シュークリさんの予定は、甲森谷から二俣経由で森水屋谷を遡行し、芦谷山南峰に登り、白谷を下るということだった。我々の予定を告げると、途中までは同じであることから、ご一緒しましょうということになった。
- GPS軌跡図
> 駐車地に着いたのは9時前だった。関電取水施設前の駐車スペースに1台の車が止まっている。よく見るとkitayama-walkさんだった。すぐ横にbiwacoさんもいる。ビワ・キタコンビの山行に当たったようだ。kitayama-walkさんとは昨年12月に台高尾鷲道のマブシ嶺でもばったりした。どうも、マニアックなところでばったりする運命のようだ。もっとも、マニアックなところしか歩いていないので、それ以外のところで出会いようがないのだが。
ごもっともである。類は友を呼ぶということである。マニアックはマニアックを呼ぶ。マニアックが歩けばマニアックにぶち当たるということだ。biwa-kitaコンビも、それなりにマニアック。私はちょっとだけだが、biwa爺のマニアックはそんじゃそこらのもんではないことは、やぶこぎメンバーには公知の事実であろう。
> 目的地が同じようなので、にわかチームを組むことにする。私はこの山域は初めてなので、この山域に詳しいkitayama-walkさんがいると心強い。大堰堤まで林道を歩き、堰堤から入渓する。今日は暑くなりそうだ。早く水に浸からないと干上がってしまいそう。
シュークリさんがこの山域が初めてというので、ちょっとばかりご案内することにした。私とて、山日和さんの足元に及ばないにしても、この4年ほどの間に10回以上訪ねている。かの草川啓三さんと出会ったもの、この甲森谷でのことだった。カーブミラーが2か所にあるので、かつては車は入れたと思われる林道をさくさく歩いて、大堰堤に到着した。確かに、今日は予報が外れて朝から太陽が照りつけるので暑い。早速、ここから入渓することにした。
> ここから甲森谷出合までは単なるゴーロ歩きかと思っていたら1〜2mほどの段差が出てきて、それなりに面白い。こういうところをボルダリングチックに越えて行くと、ロープもいらないし、それなりに遊ぶことができる。
大堰堤からは、関電の巡視路があり、これまで何度か巡視路を歩いたことがある。この巡視路は、激しく荒れていて、こんな巡視路を今でも歩いて作業をしているのだろうかと疑いたくなる。巡視路は、何度か渡渉することになるが、登山靴で歩ける。最初、横谷川の巡視路を辿り、甲森谷分岐を通過し、大カツラのあるジャッキ谷分岐まで歩いたことがある。今日は、時間短縮の意味合いもあり、横谷川の水線を辿ることにした。途中、2,3か所段差があるところがあって、ちょっとしたボルダリングを楽しむことができる。
- 横谷川遡行
- ちょっとしたボルダリング
> 大堰堤から1時間ほどで甲森谷出会い。目印なのか、大岩に根を張った大木がある。ケヤキのように見えるがどうなのだろうか。甲森谷に入ると癒しの溪だ。のんびり歩いて行くと60分ほどでトチとカツラのワンダーランドに到着。確かにカツラの大木や、トチノキ、サワグルミ、チドリノキなどの大木があり、めったに見られないような素晴らしいところだ。ちょうどリョウブの花盛りのようで、匂いを嗅いで見るとほのかないい香りがした。大カツラの下には立派な炭焼き窯跡があり、このあたりが住民の生活の場であったことがわかる。おそらく炭を焼きながらこの辺りで何日も泊りで生活していたのだろう。
甲森谷出合は、巡視路を歩いていると見落としてしまうことが多いかも知れない。巡視路は分岐と対岸を走っていて、樹木があるため、甲森谷分岐が見えないからだ。しかし、沢を遡上していると分岐を見落とすことはあるまい。甲森谷の入口は狭いが、樹木の根が張った大岩が目印になっている。甲森谷には、滝らしい滝がなく、まさに沢歩きといった感じの遡行が続く。相変わらず太陽が照っているので暑いが、谷は樹木の陰になっていて涼しい。最初に二俣は白谷との分岐点で、ここには窯跡がある。さらに進むと、ワンダーランドの入口がある。入口から間もなくのところにワンダーランド随一の大カツラがあり、その手前に大きな炭焼き窯跡がある。いつも、ここで写真を撮る撮影スポットである。時計を見ると11:40、もうお昼時だというので、biwa爺のリクエストにより、ここでランチタイムとなった。今日は冷やし醤油ラーメンにお稲荷さん3個のメニュー。もちろん、アワワは欠かせない、計国さんからのお中元の香るプレモルだ。ワンダーランドに乾杯!なのだ。シュークリさんが枯れ木を拾い集めてきた。焚き火をしようというのである。このクソ暑いのにと思いながら、沢での焚き火は沢泊まりで当たり前のことなのだ。そんなこんなで、ランチタイムは1時間20分ほどかけたのである。
- 甲森谷遡行図
- ワンダーランド随一の大カツラ
> 大カツラの下で昼食休憩後、二俣を目指して出発する。これまでほとんど滝らしい滝が出てこなかったので、せめて二俣にあるという5m滝くらいは登って帰りたい。滝は2条になっており、右側の流れに沿って登れそうだ。フリクションがいいのでフリーで簡単に登ることができた。一体にここら辺の谷はフリクションがいいので、気持ちよく遡行できる。
トチとカツラのワンダーランドは、この大カツラからは本番だ。たくさんのトチとカツラを見ながら、沢を遡行していく。マイナスイオンもふんだんに降り注いでくる。まさに癒やしの森だ。しかし、あっという間に最後のサルハシ谷との二俣に到着した。時刻はもう午後1時になっている。ここで芦谷山から庄部谷山を周回していたのでは時間が足りないし、暑くてしょうがないと思い、芦谷山はカットして、Ca860に登ることにしたが、その前に甲森谷唯一の滝といっていい大産石室の滝だけは登ることにした。大産岩室は大きな岩小屋である。ここが岩小屋でなく、岩室と名付けられて所以であろうか。この岩室と左に二段5mの滝があり、大産石室の滝と呼ばれている。三条に流れ落ちている滝の一番右側の流れをシュークリさんがトップで登り、継いでbiwa爺、最後に私が登った。
- 大産石室の滝
> 5m滝から左岸の尾根をCa860に向けて登るという。最初の計画では甲森谷の本谷を詰めて、甲森谷左俣の白谷を降る周回ルートを考えていたのだが、たまには稜線歩きもいいだろう。と言っても、こんな暑い日にカッパが稜線に上がるとお皿の水が干上がってしまいそう。標高400m差を登る。日頃谷中しか歩いていないので、標高差を登れるだろうかと思ったが、意外に簡単に登ることができた。
実は、大産石室の滝からCa860までの400mほどの登りが、この日最も堪えた。最初の150mほどが急登になっていて、沢靴のままではズルズルと滑る。沢から上がると暑さが襲ってきて、フーフーいいながら登る。やがて芦谷山が眺望できる展望地にやってくると、涼しい風が吹いてきて一息つくことができた。おかげで、この先の250mの登りは、一部ヤブっぽいところがあったが、ぐいぐいと登っていくことができた。
> この後は庄部谷山を経て、kitayama-walkさんの的確なルーファイで大堰堤にピンポイントで降りることができた。久々の稜線歩きで干上がったお皿を湿らせるために、大堰堤の上で水につかる。あ〜、気持ちええ〜。思いがけない出会いで、久しぶりにビワ・キタコンビと歩くことができました。今度は紅葉が綺麗な頃に沢泊に来ようかな。
Ca860で一休みして、私は汗まみれの服を着替え、沢靴も登山靴に履き替えた。庄部谷山までは勝手知ったる尾根道だ。ブナ林も気持ちがよく癒される。間もなく、見慣れた庄部谷山の山頂に到着した。3年前に取りつけた山名プレートは健在だった。一休みして、P772を経て下ることにした。過去2回歩いているラインを下る。見覚えのあるブナを確認しながら、下っていく。途中に送電線の鉄塔がある。斜面は急であるため、疲れた脚には堪える。何度は尻もちをつきながらも、どんとんと下っていくと、最後は林道終点の大堰堤のところに着地した。正確には、大堰堤から続く巡視路に立ち降りたのだった。少々遅れて下ってきたbiwa爺は、巡視路に気づかず、そのまま横谷川まで下ってしまったとか。まあ、暑さを癒すために川まで下って、ザッブンしてましたね。
- 庄部谷山山頂にて
- プカプカプカ
大堰堤に着いたのは午後4時半。最後の鉄塔からは、まだ青空が見えており、野坂岳、芦谷山、大御影山、雲谷山などの景色が見えた。今日一日予報がよい方向に外れてくれたことに感謝した。下山後は、シュークリさんと別れて、我々は汗を流しに、みかた温泉「きららの湯」に向かった。この日は男湯は縄文の湯(岩風呂)だった。ここはサウナと水風呂がある。サウナと水風呂を3往復して疲れを癒した。湯上がりに温泉の隣にある焼肉屋「吟ちゃん」を訪ねてみたが、最後の2席が空いているという。しかし、焼肉定食くらいなら、ノンアルでいけると思ったが、ガッツリ焼肉だというのでアワワがほしくなるに決まっている。なので、ここは次の機会と我慢した。帰りの道中でラーメンでも食べようかとR27を走ると、雨雲がやってきて土砂降りとなった。そんな中、国道沿いに中華料理店が目に止まった。本格中華を歌う「八宝園」であるが、あまり期待せずに入店し、酢豚定食(820円)と餃子(300円)を注文した。これが予想に外れてうまかっちゃんでした。もっとも、biwa爺の目はどこか違うところに向けられていたことが後日判明した(秘密です)。