【台高】加茂助谷の頭 堂倉谷源流周回
Posted: 2017年6月12日(月) 22:31
やぶオフの翌週に行くはずだった加茂助谷の頭。週中の突然の腰痛で中止を余儀なくされてしまった。
行っていればあきんちょさんに会っていたかもしれない。(会っても顔知らないけど)
【日 付】2017年6月10日(土)
【山 域】台高 大台ヶ原山周辺
【天 候】晴れ
【コース】大台ヶ原駐車場6:25---7:40堂倉山---8:30地池高8:45---11:05加茂助谷の頭12:25---13:40堂倉谷の橋---15:10テンネンコウシ高
---16:40日出ヶ岳---17:20駐車場
日付が変わった深夜の大台ヶ原駐車場。空にはストロベリームーンと呼ばれる満月が煌々と輝いている。そのおかげで満天を彩って
いるはずの星たちは輝きを失っていた。月が明るいのも善し悪しである。
ここを訪れるのは10年振り。夜中なら家から2時間15分ほどで来ることができる。前回は西大台の登山規制が始まる直前だった。
大台辻から西谷上半部を遡行して日出ヶ岳へ。一旦駐車場へ戻ってから靴を履き替えて、西大台の周遊を楽しむ八の字周回コースだった。
尾鷲辻への遊歩道では数人と出会ったが、すべてカメラマンだった。何を狙っているのだろうか。
尾鷲道の分岐である尾鷲辻には東屋があるという記憶はあった。こちらを歩くのは20年振りだ。当然尾鷲道への標識があるものだと思っ
ていたが、それらしきものが見当たらない。一度通り過ぎてから戻って良く見ると、ロープが張られた脇に細い踏み跡があり、50mほど
進んだところで「尾鷲道」の標識が建てられていた。
環境省の公式の案内看板には尾鷲道の表記がない。台高山脈の古典的な登山道である尾鷲道を歩かせたくないということだろうか。
[attachment=7]IMG_1527_1.JPG[/attachment]
尾鷲道へ踏み出すと、これまでの整備され過ぎた遊歩道と明らかに空気感が違う。原生の森の中に続くほど良く踏まれた登山道の佇ま
いは実に好ましい。広葉樹と針葉樹の混生した原生林は大峰・台高の特徴的な林相だ。もう遅いかと思われたシロヤシオの花もちらほら
咲いている。
縦走路を離れて堂倉山頂に立った。20年ほど前に堂倉谷遡行した時、源流で巻き過ぎてここへ出てしまい、暗闇の中を駐車場へ向かっ
たことを思い出す。
この山頂は出発地点の駐車場より100m低い。今日の目的地である加茂助谷の頭の標高はさらに低く、登山というより下山している感覚だ。
このコースの最大の難関は、加茂助谷の頭から300m下った堂倉谷から日出ヶ岳までの約700mの登りだと踏んでいた。
下山ではなく登山で山行が終わる。普通の登山道なので、足を動かしていさえすれば着くというのが救いである。
[attachment=6]IMG_1575_1.JPG[/attachment]
堂倉山から樹林の中を下って行く。1398.7mの地池高へ登り返すと伐採跡が目立ち始めた。
南斜面には獣除けネットが張られており、一ヶ所設けられたゲートを開けて通過する。
鞍部には巨大な切株が点々と残されており、古びたワイヤーが巻き付けられていた。このあたりは伐採した木材搬出の拠点となってい
たようだ。
[attachment=5]IMG_1574_1.JPG[/attachment]
ここで加茂助谷の頭が初めて姿を現わした。まだまだ遠くに見えるが、そこに至る稜線はなだらかでアップダウンもない。2時間もあれ
ば着けるだろう。
堂倉山までの深い森とは違い、一度伐採を受けたであろう二次林が続く。倒木が多く、良く見極めなければ通せんぼされたり、跨い
だりくぐったりの余計な労力を使わされる羽目になってしまう。また尾根は屈曲が多いので、支尾根に入り込まないよう注意が必要だ。
左側は堂倉谷の林道があるので尾根の半分は植林が迫っている。
[attachment=4]パノラマ1_1_1.jpg[/attachment]
山頂手前で右側が開けて海が見えた。若狭の山に通っていると日本海が見えるのがあたり前になっているのだが、今見えているのは
太平洋。複雑に入り組んだ尾鷲の海岸線は美しい。
加茂助谷の頭の山頂は展望皆無だが、樹林が鬱蒼としているわけでもなく落ち着きのある山頂だった。ここまで9割以上日陰を歩いて来
れたので、下界では真夏日らしい今日も涼しく快適だ。
大台ヶ原に近い堂倉山では通じなかった電波が何故かここでは通じている。昼メシがてらスマホで遊んでいると1時間20分も経ってしま
った。
[attachment=3]IMG_1639_1_1.JPG[/attachment]
山頂から北へ下った鞍部から西への尾根を辿り、沖見峠からの破線を歩いてみよう。ヤブもなく歩きやすい尾根だったが、ちょっと
外してしまい余計なトラバースや岩場の巻き下りを強いられた。突然立派な道に飛び出し、等高線のラインに沿った水平道を進む。
しかしこれは地形図の道ではない。どこまで続くのか興味もあったが、適当なところで真下に見えた林道へ下る。
日陰の少ない林道は暑く、さすがに夏日だと思わせられた。
[attachment=2]IMG_1703_1.JPG[/attachment]
堂倉谷にかかる橋まで来た。下に見える渕はエメラルドグリーン。こういうのを見ると、そろそろ沢に切り替えたくなってくる
素直に行くならこのまま林道を辿って大杉谷からの登山道へ出るところだが、それでは芸がないし遠回りだ。橋の袂から尾根に取付き、
1431mのテンネンコウシ高へダイレクトに上がってみよう。あまり面白いとは言えない尾根だが、山頂手前には岩場が出てきたりして、
ちょっとした気分転換になった。しかし傾斜が強いのでもう青息吐息である。
[attachment=1]IMG_1732_1.JPG[/attachment]
テンネンコウシ高からわずかで飛び出した登山道はまるで高速道路のようだ。後は迷う心配もなく、ひたすら足を動かすだけだ。
シャクナゲ平を過ぎると予想外の満開のシロヤシオが出迎えてくれた。シャクナゲはもう咲き残りがチラホラ程度で、遠くから眺める
にはいいが近くて見るとほとんど枯れかけで美しくない。
[attachment=0]IMG_1753_1.JPG[/attachment]
この時間の日出ヶ岳にはさすがにもう誰もいない。360度の展望を独り占めできるが、風がやたら強く落ち着くことはできなかった。
700mを登り切ったらも今度は正真正銘の下山である。駐車場はもう目と鼻の先だ。
山日和
行っていればあきんちょさんに会っていたかもしれない。(会っても顔知らないけど)
【日 付】2017年6月10日(土)
【山 域】台高 大台ヶ原山周辺
【天 候】晴れ
【コース】大台ヶ原駐車場6:25---7:40堂倉山---8:30地池高8:45---11:05加茂助谷の頭12:25---13:40堂倉谷の橋---15:10テンネンコウシ高
---16:40日出ヶ岳---17:20駐車場
日付が変わった深夜の大台ヶ原駐車場。空にはストロベリームーンと呼ばれる満月が煌々と輝いている。そのおかげで満天を彩って
いるはずの星たちは輝きを失っていた。月が明るいのも善し悪しである。
ここを訪れるのは10年振り。夜中なら家から2時間15分ほどで来ることができる。前回は西大台の登山規制が始まる直前だった。
大台辻から西谷上半部を遡行して日出ヶ岳へ。一旦駐車場へ戻ってから靴を履き替えて、西大台の周遊を楽しむ八の字周回コースだった。
尾鷲辻への遊歩道では数人と出会ったが、すべてカメラマンだった。何を狙っているのだろうか。
尾鷲道の分岐である尾鷲辻には東屋があるという記憶はあった。こちらを歩くのは20年振りだ。当然尾鷲道への標識があるものだと思っ
ていたが、それらしきものが見当たらない。一度通り過ぎてから戻って良く見ると、ロープが張られた脇に細い踏み跡があり、50mほど
進んだところで「尾鷲道」の標識が建てられていた。
環境省の公式の案内看板には尾鷲道の表記がない。台高山脈の古典的な登山道である尾鷲道を歩かせたくないということだろうか。
[attachment=7]IMG_1527_1.JPG[/attachment]
尾鷲道へ踏み出すと、これまでの整備され過ぎた遊歩道と明らかに空気感が違う。原生の森の中に続くほど良く踏まれた登山道の佇ま
いは実に好ましい。広葉樹と針葉樹の混生した原生林は大峰・台高の特徴的な林相だ。もう遅いかと思われたシロヤシオの花もちらほら
咲いている。
縦走路を離れて堂倉山頂に立った。20年ほど前に堂倉谷遡行した時、源流で巻き過ぎてここへ出てしまい、暗闇の中を駐車場へ向かっ
たことを思い出す。
この山頂は出発地点の駐車場より100m低い。今日の目的地である加茂助谷の頭の標高はさらに低く、登山というより下山している感覚だ。
このコースの最大の難関は、加茂助谷の頭から300m下った堂倉谷から日出ヶ岳までの約700mの登りだと踏んでいた。
下山ではなく登山で山行が終わる。普通の登山道なので、足を動かしていさえすれば着くというのが救いである。
[attachment=6]IMG_1575_1.JPG[/attachment]
堂倉山から樹林の中を下って行く。1398.7mの地池高へ登り返すと伐採跡が目立ち始めた。
南斜面には獣除けネットが張られており、一ヶ所設けられたゲートを開けて通過する。
鞍部には巨大な切株が点々と残されており、古びたワイヤーが巻き付けられていた。このあたりは伐採した木材搬出の拠点となってい
たようだ。
[attachment=5]IMG_1574_1.JPG[/attachment]
ここで加茂助谷の頭が初めて姿を現わした。まだまだ遠くに見えるが、そこに至る稜線はなだらかでアップダウンもない。2時間もあれ
ば着けるだろう。
堂倉山までの深い森とは違い、一度伐採を受けたであろう二次林が続く。倒木が多く、良く見極めなければ通せんぼされたり、跨い
だりくぐったりの余計な労力を使わされる羽目になってしまう。また尾根は屈曲が多いので、支尾根に入り込まないよう注意が必要だ。
左側は堂倉谷の林道があるので尾根の半分は植林が迫っている。
[attachment=4]パノラマ1_1_1.jpg[/attachment]
山頂手前で右側が開けて海が見えた。若狭の山に通っていると日本海が見えるのがあたり前になっているのだが、今見えているのは
太平洋。複雑に入り組んだ尾鷲の海岸線は美しい。
加茂助谷の頭の山頂は展望皆無だが、樹林が鬱蒼としているわけでもなく落ち着きのある山頂だった。ここまで9割以上日陰を歩いて来
れたので、下界では真夏日らしい今日も涼しく快適だ。
大台ヶ原に近い堂倉山では通じなかった電波が何故かここでは通じている。昼メシがてらスマホで遊んでいると1時間20分も経ってしま
った。
[attachment=3]IMG_1639_1_1.JPG[/attachment]
山頂から北へ下った鞍部から西への尾根を辿り、沖見峠からの破線を歩いてみよう。ヤブもなく歩きやすい尾根だったが、ちょっと
外してしまい余計なトラバースや岩場の巻き下りを強いられた。突然立派な道に飛び出し、等高線のラインに沿った水平道を進む。
しかしこれは地形図の道ではない。どこまで続くのか興味もあったが、適当なところで真下に見えた林道へ下る。
日陰の少ない林道は暑く、さすがに夏日だと思わせられた。
[attachment=2]IMG_1703_1.JPG[/attachment]
堂倉谷にかかる橋まで来た。下に見える渕はエメラルドグリーン。こういうのを見ると、そろそろ沢に切り替えたくなってくる
素直に行くならこのまま林道を辿って大杉谷からの登山道へ出るところだが、それでは芸がないし遠回りだ。橋の袂から尾根に取付き、
1431mのテンネンコウシ高へダイレクトに上がってみよう。あまり面白いとは言えない尾根だが、山頂手前には岩場が出てきたりして、
ちょっとした気分転換になった。しかし傾斜が強いのでもう青息吐息である。
[attachment=1]IMG_1732_1.JPG[/attachment]
テンネンコウシ高からわずかで飛び出した登山道はまるで高速道路のようだ。後は迷う心配もなく、ひたすら足を動かすだけだ。
シャクナゲ平を過ぎると予想外の満開のシロヤシオが出迎えてくれた。シャクナゲはもう咲き残りがチラホラ程度で、遠くから眺める
にはいいが近くて見るとほとんど枯れかけで美しくない。
[attachment=0]IMG_1753_1.JPG[/attachment]
この時間の日出ヶ岳にはさすがにもう誰もいない。360度の展望を独り占めできるが、風がやたら強く落ち着くことはできなかった。
700mを登り切ったらも今度は正真正銘の下山である。駐車場はもう目と鼻の先だ。
山日和