【鈴鹿】上谷尻谷からクラシで靴馴らし
Posted: 2017年6月08日(木) 20:53
【日 付】2017年6月4日(日)
【山 域】鈴鹿中部 クラシ周辺
【天 候】晴れ
【コース】朝明6:42---7:38中峠---8:00大瀞---8:50お金明神---9:14コリカキ場---11:22上谷尻谷源頭12:22---12:45クラシ---
14:01クラシ谷--14:28-鈴鹿の上高地---14:58根ノ平峠---15:38朝明
4年半履いた無雪期用の登山靴がボロボロになってしまった。水溜りを歩いたら靴の中に水が浸入するありさまではどうしよ
うもない。4年半と言っても、1年の内7割以上は冬靴と沢靴なので、実際に履いた回数はそれほどでもない。
歩き方が悪いのか、はたまた歩く場所が悪いのか。ともあれ早速靴を買いに走った。
[attachment=7]DSC_3293_1_1.jpg[/attachment]
新調した靴の筆下ろしもしたいが、もう暑いだろうから沢へも行きたい。それを同時に満足させる折衷案として選んだのは
上谷尻谷。神崎川上流の一支流であり、鈴鹿で最も奥深い場所でもある。
これまで何度も足を運んでおり、谷に入るまでは登山靴。渓流シューズに履き替えてクラシへ詰め上がり、クラシ谷を下って
から再び登山靴に替えようという算段である。
早朝、車の影も少ない朝明を中峠へ向う。3週間前のやぶオフで帰路に使った道だ。根ノ平峠も羽鳥峰峠も谷が荒れて風情を
失っている中、この中峠は峠越えの道らしさを保っている。
梅雨前の渇水期のせいか曙滝は迫力がなかったが、終盤を迎えた新緑は美しく、中峠から下水晶谷の下りも気持ち良く歩くこ
とができる。
[attachment=6]IMG_1387_1.JPG[/attachment]
やぶオフの時には靴を脱いで渡った大瀞の神崎川本流渡渉点も今日は水量少なく、飛び石で楽に渡ることができた。
ここからは一旦下流方向に向かい、お金谷からお金明神を目指す。お金明神は何度も見ているので別に寄る必要もないのだが、
名所でスタンプを押すような感覚なのだろうか、ついつい寄りたくなってしまうのだ。
[attachment=0]IMG_1400_1.JPG[/attachment]
お金峠から駈け下りれば上谷尻谷の広大な河岸台地に到着。ちょうど北谷尻谷との二俣のコリカキ場と呼ばれる場所だ。
前夜から泊まっているらしいテントが2張あった。のんびりテン泊するには絶好の場所である。
本当ならコリカキ場で靴を履き替えて歩いているはずだったが、予想に反して寒いぐらいの涼しさだ。とても水に入る気がせず、
水量も少ないので登山靴のままで行ける所まで行くことにした。
この下流の下谷尻谷は多くの滝を掛け、ゴルジュもあって変化に富んでいる。翻って上流の上谷尻谷には1mクラスの落差す
らない。両岸には二次林の台地が続き、いかにも鈴鹿らしい風情のあふれる場所だ。
かつてこの一帯には大規模な鉱山があり、トロッコのレールの残骸や置き去られた生活物資などが散見される。しかし以前よ
り少なくなったような気がするのは気のせいかルート取りのせいか。
そう言えば奥谷尻谷の避難小屋が見当たらなかった。あんな立派な小屋を見落とすはずはないのだが。
[attachment=5]IMG_1432_1.JPG[/attachment]
初めて小滝が目に入ったと思うと、谷は左折してこれまでの平流はなんだったと思わせるような大滝がいきなり目に飛び込ん
できた。何度も見ている光景だから驚くことはないが、この突然の変化はいつ見ても新鮮だ。なかなか美しい滝なのだが水量が
少ないのが残念。念の為にチェーンスパイクを履いて、いつも通り左手からの巻きに取りかかる。
この巻きは傾斜が強く高度感がある。しかもホールドになる立ち木の間隔がやや広いので、慎重な行動が必要だ。
巻き上がった大滝の落ち口からは再び平凡な谷となるが、傾斜の強まりが流れにやや勢いをもたらしている。
枝谷を2本見送って、最後の二俣。ここはいつも左を取る。今日も少し上の落ち着ける場所でランチにするつもりだった。
しかし毎回見送っている右俣が気になる。8mぐらいの滝が門番のように控えているが、あれを越えれば左俣と同じような穏や
かな源頭になるのだろうか。今日は右俣を行ってみよう。
[attachment=4]IMG_1449_1.JPG[/attachment]
この滝は傾斜が緩いので簡単に直登できそうだが、今さら渓流シューズに履き替えるのも面倒だ。登山靴のまま滑るのをビ
ビりながら登るのも面白くない。右手の小尾根から巻き上がろう。この巻きも結構傾斜が強く、半モンキークライムで高度を
上げる。
落ち口のレベルを少し超えたところまで上って驚いた。滝の上にも滝が続き、2段で15mほどあるだろうか。側壁は立ってゴル
ジュの様相である。登らなくてよかったかもしれない。
かなりの高さまで追い上げられたところで斜面をトラバースして流れに復帰した。もう正真正銘の源流だ。
こんなところにまである炭焼窯跡でザックを降ろす。今日は風が強く、山上ではとても寛げない。山上台地はもう目の上に見え
ている。あたりにはブナ林が広がり、実にいいところだ。
イブネ・クラシ・銚子のトライアングルは最近よく歩かれるようになったが、上谷尻谷の源頭部を知る人は多くはないだろう。
先週に引き続いて今日もとろろ蕎麦。少し寒くて、温かいものすればよかったと悔やむ。
渓流シューズの代わりにガスストーブを持って来ればよかった。
[attachment=3]IMG_1457_1.JPG[/attachment][attachment=2]IMG_1468_1.JPG[/attachment]
焼け焦げたようなコケ原が広がる山上台地。空気が澄んで痛快な展望が広がるが風が強い。
そそくさとクラシ山頂に向かい、北東の900mピークに続く尾根から下山することにした。
この尾根は下りに取ると少々わかりにくい。軌道修正しながら下るとヤセ尾根あり、直進できず急斜面をトラバースする場面あ
りと変化に富んで楽しい。左上に見えるのはクラジャンあたりか。900mピークの前後にはブナもあり、ヤブがないのでいいバリ
ルートだろう。
[attachment=1]DSC_3294_1.jpg[/attachment]
最後は神崎川本流出合にほど近いクラシ谷に着地、鈴鹿の上高地に立ち寄る。
3週間前の賑わいもずいぶん遠い記憶のように思える静寂の二次林をそぞろ歩いた。
誰もいない大カツラの広場はいつもと違う場所に見えた。
山日和
【山 域】鈴鹿中部 クラシ周辺
【天 候】晴れ
【コース】朝明6:42---7:38中峠---8:00大瀞---8:50お金明神---9:14コリカキ場---11:22上谷尻谷源頭12:22---12:45クラシ---
14:01クラシ谷--14:28-鈴鹿の上高地---14:58根ノ平峠---15:38朝明
4年半履いた無雪期用の登山靴がボロボロになってしまった。水溜りを歩いたら靴の中に水が浸入するありさまではどうしよ
うもない。4年半と言っても、1年の内7割以上は冬靴と沢靴なので、実際に履いた回数はそれほどでもない。
歩き方が悪いのか、はたまた歩く場所が悪いのか。ともあれ早速靴を買いに走った。
[attachment=7]DSC_3293_1_1.jpg[/attachment]
新調した靴の筆下ろしもしたいが、もう暑いだろうから沢へも行きたい。それを同時に満足させる折衷案として選んだのは
上谷尻谷。神崎川上流の一支流であり、鈴鹿で最も奥深い場所でもある。
これまで何度も足を運んでおり、谷に入るまでは登山靴。渓流シューズに履き替えてクラシへ詰め上がり、クラシ谷を下って
から再び登山靴に替えようという算段である。
早朝、車の影も少ない朝明を中峠へ向う。3週間前のやぶオフで帰路に使った道だ。根ノ平峠も羽鳥峰峠も谷が荒れて風情を
失っている中、この中峠は峠越えの道らしさを保っている。
梅雨前の渇水期のせいか曙滝は迫力がなかったが、終盤を迎えた新緑は美しく、中峠から下水晶谷の下りも気持ち良く歩くこ
とができる。
[attachment=6]IMG_1387_1.JPG[/attachment]
やぶオフの時には靴を脱いで渡った大瀞の神崎川本流渡渉点も今日は水量少なく、飛び石で楽に渡ることができた。
ここからは一旦下流方向に向かい、お金谷からお金明神を目指す。お金明神は何度も見ているので別に寄る必要もないのだが、
名所でスタンプを押すような感覚なのだろうか、ついつい寄りたくなってしまうのだ。
[attachment=0]IMG_1400_1.JPG[/attachment]
お金峠から駈け下りれば上谷尻谷の広大な河岸台地に到着。ちょうど北谷尻谷との二俣のコリカキ場と呼ばれる場所だ。
前夜から泊まっているらしいテントが2張あった。のんびりテン泊するには絶好の場所である。
本当ならコリカキ場で靴を履き替えて歩いているはずだったが、予想に反して寒いぐらいの涼しさだ。とても水に入る気がせず、
水量も少ないので登山靴のままで行ける所まで行くことにした。
この下流の下谷尻谷は多くの滝を掛け、ゴルジュもあって変化に富んでいる。翻って上流の上谷尻谷には1mクラスの落差す
らない。両岸には二次林の台地が続き、いかにも鈴鹿らしい風情のあふれる場所だ。
かつてこの一帯には大規模な鉱山があり、トロッコのレールの残骸や置き去られた生活物資などが散見される。しかし以前よ
り少なくなったような気がするのは気のせいかルート取りのせいか。
そう言えば奥谷尻谷の避難小屋が見当たらなかった。あんな立派な小屋を見落とすはずはないのだが。
[attachment=5]IMG_1432_1.JPG[/attachment]
初めて小滝が目に入ったと思うと、谷は左折してこれまでの平流はなんだったと思わせるような大滝がいきなり目に飛び込ん
できた。何度も見ている光景だから驚くことはないが、この突然の変化はいつ見ても新鮮だ。なかなか美しい滝なのだが水量が
少ないのが残念。念の為にチェーンスパイクを履いて、いつも通り左手からの巻きに取りかかる。
この巻きは傾斜が強く高度感がある。しかもホールドになる立ち木の間隔がやや広いので、慎重な行動が必要だ。
巻き上がった大滝の落ち口からは再び平凡な谷となるが、傾斜の強まりが流れにやや勢いをもたらしている。
枝谷を2本見送って、最後の二俣。ここはいつも左を取る。今日も少し上の落ち着ける場所でランチにするつもりだった。
しかし毎回見送っている右俣が気になる。8mぐらいの滝が門番のように控えているが、あれを越えれば左俣と同じような穏や
かな源頭になるのだろうか。今日は右俣を行ってみよう。
[attachment=4]IMG_1449_1.JPG[/attachment]
この滝は傾斜が緩いので簡単に直登できそうだが、今さら渓流シューズに履き替えるのも面倒だ。登山靴のまま滑るのをビ
ビりながら登るのも面白くない。右手の小尾根から巻き上がろう。この巻きも結構傾斜が強く、半モンキークライムで高度を
上げる。
落ち口のレベルを少し超えたところまで上って驚いた。滝の上にも滝が続き、2段で15mほどあるだろうか。側壁は立ってゴル
ジュの様相である。登らなくてよかったかもしれない。
かなりの高さまで追い上げられたところで斜面をトラバースして流れに復帰した。もう正真正銘の源流だ。
こんなところにまである炭焼窯跡でザックを降ろす。今日は風が強く、山上ではとても寛げない。山上台地はもう目の上に見え
ている。あたりにはブナ林が広がり、実にいいところだ。
イブネ・クラシ・銚子のトライアングルは最近よく歩かれるようになったが、上谷尻谷の源頭部を知る人は多くはないだろう。
先週に引き続いて今日もとろろ蕎麦。少し寒くて、温かいものすればよかったと悔やむ。
渓流シューズの代わりにガスストーブを持って来ればよかった。
[attachment=3]IMG_1457_1.JPG[/attachment][attachment=2]IMG_1468_1.JPG[/attachment]
焼け焦げたようなコケ原が広がる山上台地。空気が澄んで痛快な展望が広がるが風が強い。
そそくさとクラシ山頂に向かい、北東の900mピークに続く尾根から下山することにした。
この尾根は下りに取ると少々わかりにくい。軌道修正しながら下るとヤセ尾根あり、直進できず急斜面をトラバースする場面あ
りと変化に富んで楽しい。左上に見えるのはクラジャンあたりか。900mピークの前後にはブナもあり、ヤブがないのでいいバリ
ルートだろう。
[attachment=1]DSC_3294_1.jpg[/attachment]
最後は神崎川本流出合にほど近いクラシ谷に着地、鈴鹿の上高地に立ち寄る。
3週間前の賑わいもずいぶん遠い記憶のように思える静寂の二次林をそぞろ歩いた。
誰もいない大カツラの広場はいつもと違う場所に見えた。
山日和