【比良】比良岳西尾根から音羽池へ
Posted: 2017年5月30日(火) 21:27
【日 付】2017年5月27日(土)
【山 域】比良山地 比良岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】坊村6:25---7:05牛コバ---8:35比良岳西尾根取付---9:20比良岳---10:10ジャガ谷出合---11:10長池---11:17音羽池12:10---13:15坊村
先週、突如襲われた腰の痛みも治まった。軽めのコースで様子を見てみようと向かったのは比良。
かつては沢登り以外で訪れることのなかった比良の山だが、3年ほど前からすこしずつ見直し始めている。
早朝の坊村はまだ登山者の影も少ない。明王谷林道のゲート前では沢支度の2人パーティーが出発するところだった。
今日は遠回りの林道をまじめに歩いて終点の牛コバに到着。白滝谷沿いの登山道に入る。白滝谷は何度も遡行しているが、登山道を歩
くのはいつ以来だろう。美しい新緑のトンネルの下、花崗岩の岩肌を流れる水の躍動に心惹かれる。もうそろそろ沢に切り替える頃だ
が、今日はちょっと気温が低く肌寒いぐらいだ。
[attachment=5]IMG_1278_1.JPG[/attachment][attachment=6]IMG_1294_1_1.JPG[/attachment]
流れの中にヘルメット姿の登山者が見えた。さっきの2人組だ。竿を振りながらのんびり釣り上がっているようだ。登山道を辿る分
には釣りの邪魔をすることもない。
白髭淵を過ぎて谷が核心部を迎えるところで道は右岸の支流へ入る。白滝から始まるゴルジュとフィナーレの夫婦滝までの核心部は
登山道からは見ることができない。
支流の出合から本流の方を見ると黒い影が動いている。すわっ、クマの登場かと思ったが、2人組の登山者がこちらの方へやってきた。
渓流シューズを履いているところをみると沢登りらしいが、支流の登山道へ進んで行った。白滝を登れずに引き返してきたのか。
[attachment=4]IMG_1322_1.JPG[/attachment]
夫婦滝の落ち口まで進んでから少し戻って比良岳西尾根に乗った。この尾根はヤブもなく、明瞭な踏み跡が比良岳西峰まで導いてく
れる。この2月に森山岳に登った時、比良岳から西峰へ続く吊尾根の佇まいが魅力的に映った。そして実際に歩いてみると、自分の想
像通りの美しいブナ林が広がる山稜だった。特に南側の白滝谷上流側の斜面が実に素晴らしい。これは当たりだった。
[attachment=3]IMG_1325_1.JPG[/attachment]
比良岳の山頂は縦走路から外れており展望もなく、比良山地を代表するような名前の割には地味な頂上である。たいていのガイドに
はそう書いてあるが、私に取ってはブナ林に包まれた静かなこの山頂は、比良山系の名だたる山々より好ましいものだ。
今日はここまで花にはあまり縁がなかったが、縦走路では一ヶ所だけイワカガミが満開の群落があった。
木戸峠のお地蔵さんに挨拶をして汁谷方面に進むと途端に喧騒に包まれた。と言っても人がうじゃうじゃいるわけではなく、びわこバ
レイのスピーカーから大音量で歌謡曲が流れているのだ。スキーシーズンならまだしも、それ以外のシーズンに山を訪れる人が喜ぶと
思っているのだろうか。ロープウェイで上がってくる観光客と言えども、せっかく自然の中に来たのだから下界でも聞ける音楽より鳥
の声や風の音を聞く方がいいと思うのだが。
[attachment=2]IMG_1347_1.JPG[/attachment]
それはともかく、汁谷に入ると目の覚めるようなクリンソウの出迎えを受けた。3年前に来た時は2本だけ咲いていたのを見ただけだ
ったが、今日はゲップが出るくらい咲いている。
群生地ではなぜかここまで見ることのなかったシャクナゲまで咲いていた。それも白花だ。
ジャガ谷の出合から左岸の尾根に取り付いた。ちょっとしたヤブを抜けるとずいぶんしっかりした踏み跡が現われた。どうやらもう
少し先で取り付いた方がよかったようだ。
気持ちのいい樹林帯を上がって行くとやがて巡視路に出合う。この巡視路を歩くのが今日の最大の目的だったのだ。
[attachment=1]IMG_1367_1.JPG[/attachment]
白滝山から蓬莱山へ続く尾根の東山腹には送電鉄塔の巡視路が続いている。いくつもの谷を越え尾根を越えするアップダウンの多い
道だが、美しい樹林の中を歩くいい巡視路である。
それにしてもこのあたりの地形の複雑さはどうだろう。2月に来た時はヤブは雪で覆われて、木々も葉を落としていたのにどっちを向
いて歩いているのかわからなくなってしまった。新緑の今はなおさらだ。
浅い谷と緩やかな尾根が絡み合うように入り組んだこの山稜は実に奥が深い。理解するためには何度も足を運ぶ必要がありそうだ。
[attachment=0]パノラマ1_1.jpg[/attachment]
長池の東端に向かうつもりが西端に出てきてしまった。鉄塔が西端にあるのだから、巡視路を辿っていれば当然の帰結なのだが。
長池も水があるのは半分ぐらいで少々貧相だった。スギヤ池もあまり見栄えがせず、他にも池とも水溜りともつかないような池が点在
するのだが、いいところには違いないものの決め手に欠ける。結局音羽池までランチを我慢することになった。
この池の佇まいは素晴らしく、腰を落ち着けてランチタイムを楽しむには申し分のない場所である。欲を言えばもう少しブナがあれ
ばというところか。ここは雪の時期よりも無雪期の方が美しい。
今日も時間の縛りがあるので白滝山には寄らず、明王谷左岸尾根をダイレクトに下りる。予定通り1時間ほどでゲートに到着。
腰痛明けとしては、まずまずのいい山だったと言えるだろう。
山日和
【山 域】比良山地 比良岳周辺
【天 候】晴れ
【コース】坊村6:25---7:05牛コバ---8:35比良岳西尾根取付---9:20比良岳---10:10ジャガ谷出合---11:10長池---11:17音羽池12:10---13:15坊村
先週、突如襲われた腰の痛みも治まった。軽めのコースで様子を見てみようと向かったのは比良。
かつては沢登り以外で訪れることのなかった比良の山だが、3年ほど前からすこしずつ見直し始めている。
早朝の坊村はまだ登山者の影も少ない。明王谷林道のゲート前では沢支度の2人パーティーが出発するところだった。
今日は遠回りの林道をまじめに歩いて終点の牛コバに到着。白滝谷沿いの登山道に入る。白滝谷は何度も遡行しているが、登山道を歩
くのはいつ以来だろう。美しい新緑のトンネルの下、花崗岩の岩肌を流れる水の躍動に心惹かれる。もうそろそろ沢に切り替える頃だ
が、今日はちょっと気温が低く肌寒いぐらいだ。
[attachment=5]IMG_1278_1.JPG[/attachment][attachment=6]IMG_1294_1_1.JPG[/attachment]
流れの中にヘルメット姿の登山者が見えた。さっきの2人組だ。竿を振りながらのんびり釣り上がっているようだ。登山道を辿る分
には釣りの邪魔をすることもない。
白髭淵を過ぎて谷が核心部を迎えるところで道は右岸の支流へ入る。白滝から始まるゴルジュとフィナーレの夫婦滝までの核心部は
登山道からは見ることができない。
支流の出合から本流の方を見ると黒い影が動いている。すわっ、クマの登場かと思ったが、2人組の登山者がこちらの方へやってきた。
渓流シューズを履いているところをみると沢登りらしいが、支流の登山道へ進んで行った。白滝を登れずに引き返してきたのか。
[attachment=4]IMG_1322_1.JPG[/attachment]
夫婦滝の落ち口まで進んでから少し戻って比良岳西尾根に乗った。この尾根はヤブもなく、明瞭な踏み跡が比良岳西峰まで導いてく
れる。この2月に森山岳に登った時、比良岳から西峰へ続く吊尾根の佇まいが魅力的に映った。そして実際に歩いてみると、自分の想
像通りの美しいブナ林が広がる山稜だった。特に南側の白滝谷上流側の斜面が実に素晴らしい。これは当たりだった。
[attachment=3]IMG_1325_1.JPG[/attachment]
比良岳の山頂は縦走路から外れており展望もなく、比良山地を代表するような名前の割には地味な頂上である。たいていのガイドに
はそう書いてあるが、私に取ってはブナ林に包まれた静かなこの山頂は、比良山系の名だたる山々より好ましいものだ。
今日はここまで花にはあまり縁がなかったが、縦走路では一ヶ所だけイワカガミが満開の群落があった。
木戸峠のお地蔵さんに挨拶をして汁谷方面に進むと途端に喧騒に包まれた。と言っても人がうじゃうじゃいるわけではなく、びわこバ
レイのスピーカーから大音量で歌謡曲が流れているのだ。スキーシーズンならまだしも、それ以外のシーズンに山を訪れる人が喜ぶと
思っているのだろうか。ロープウェイで上がってくる観光客と言えども、せっかく自然の中に来たのだから下界でも聞ける音楽より鳥
の声や風の音を聞く方がいいと思うのだが。
[attachment=2]IMG_1347_1.JPG[/attachment]
それはともかく、汁谷に入ると目の覚めるようなクリンソウの出迎えを受けた。3年前に来た時は2本だけ咲いていたのを見ただけだ
ったが、今日はゲップが出るくらい咲いている。
群生地ではなぜかここまで見ることのなかったシャクナゲまで咲いていた。それも白花だ。
ジャガ谷の出合から左岸の尾根に取り付いた。ちょっとしたヤブを抜けるとずいぶんしっかりした踏み跡が現われた。どうやらもう
少し先で取り付いた方がよかったようだ。
気持ちのいい樹林帯を上がって行くとやがて巡視路に出合う。この巡視路を歩くのが今日の最大の目的だったのだ。
[attachment=1]IMG_1367_1.JPG[/attachment]
白滝山から蓬莱山へ続く尾根の東山腹には送電鉄塔の巡視路が続いている。いくつもの谷を越え尾根を越えするアップダウンの多い
道だが、美しい樹林の中を歩くいい巡視路である。
それにしてもこのあたりの地形の複雑さはどうだろう。2月に来た時はヤブは雪で覆われて、木々も葉を落としていたのにどっちを向
いて歩いているのかわからなくなってしまった。新緑の今はなおさらだ。
浅い谷と緩やかな尾根が絡み合うように入り組んだこの山稜は実に奥が深い。理解するためには何度も足を運ぶ必要がありそうだ。
[attachment=0]パノラマ1_1.jpg[/attachment]
長池の東端に向かうつもりが西端に出てきてしまった。鉄塔が西端にあるのだから、巡視路を辿っていれば当然の帰結なのだが。
長池も水があるのは半分ぐらいで少々貧相だった。スギヤ池もあまり見栄えがせず、他にも池とも水溜りともつかないような池が点在
するのだが、いいところには違いないものの決め手に欠ける。結局音羽池までランチを我慢することになった。
この池の佇まいは素晴らしく、腰を落ち着けてランチタイムを楽しむには申し分のない場所である。欲を言えばもう少しブナがあれ
ばというところか。ここは雪の時期よりも無雪期の方が美しい。
今日も時間の縛りがあるので白滝山には寄らず、明王谷左岸尾根をダイレクトに下りる。予定通り1時間ほどでゲートに到着。
腰痛明けとしては、まずまずのいい山だったと言えるだろう。
山日和