【奥美濃】奥美濃入門沢、2題 その1
Posted: 2017年5月25日(木) 22:59
春日の尾西谷(おさいたに)と揖斐高原の貝月谷。
行き慣れた沢でしたが初夏の陽気のもと、楽しい遡渓ができました。
入門沢といっても単独での入渓はお避け下さい(「あんたが言うな!」って突っ込まれそう)。
2017年5月20日(土)晴れ
奥美濃 揖斐川町春日 粕川支流尾西谷(おさいたに) 単独
尾西白山神社8:25ー堰堤8:35ー二俣9:10ー
登山道11:05ー国見岳アンテナ塔跡11:15~12:30ー
尾西谷右岸尾根ー白山神社13:50
天気もいいし時間もあるしどこか近場で沢しよう。
で、久し振りに揖斐春日の尾西谷へ出掛けた。
下山は登山道にしようと思い車は白山神社留め。
尾西谷へ入る林道を歩いて終点からは左岸を進んで堰堤を越えていく。
しばらくは左岸の植林の中に続く杣道を辿る。
はじめて訪れた時はこの辺りも沢を歩いたものだ。
沢が細くなったところで入渓。
すぐにいい感じの滑が迎えてくれる。
幾つか小滝を越えると4mの滝らしい滝が現われる。
左の細い流れのところがクライミングの難度は高い。
だけど今日はあまりにも水流がみすぼらしい。
それに比べて右側は期待以上の水量。
取り付くとあっという間に全身水浸し! 620mの二俣は気をつけないと右に誘われるところだ。
ここに、目印があった。
できれば目印は残してほしくないなあ、
と思いつつそのままにして左に入った。
すぐに樹木が被る4mの滝。
流れの右を微妙に登った。
前はもう少し楽だったような…
すぐにいい感じの滑が現われる。
それが見える限り続いている。
最初にこれを見た時は文字通り目を見張った。
表に主張しないその控えめな美しさがここへ何度も足を運ばせた。 滑の中にボリューム感のある滝がアクセントを付ける。 滑は途切れる事なく続く。
濡れないつもりだったのに誘われてついつい流芯へ。 餅を積み重ねたような滝が現れようやく滑の連続は終わる。
滑劇場の次は巨岩が大きな岩屋を作る。
その中を越えていくのももう何度目だろう。
まだ現れる小滝は楽しく越えていく。
癒しとちょっとした水遊びがこの沢の魅力。
末広がりのスラブ滝が現われる。
誰が言ったか「天空の滝」
何時もは左手を草を掴みながら登っているが
今日は右側のクラックに手をかけて登った。
ジリジリとだが登る事ができた。
何時もながら岩肌はヌメヌメしている。 最後の滝らしい滝は4mの垂瀑。
これまでは登っていたはずだが今回はどうも登れず。
左から巻いていった。
最後の二俣を右に詰めていくと水流が途切れザレた沢筋となる。
その先は灌木の急斜面。
木々を引っ掴みながらよじ登っていく。
最後にわずかな笹を越えればよく踏まれた登山道。
靴を履き替え一登りで国見岳のKDDIアンテナ塔跡に到着。
ここからの眺めが好きだ。
春日美束を囲んだ山並みがなだらかに広がり高原にいる気分に。
遠くには残雪の能郷白山が薄らと見えた。 休憩をしているとハイカーが幾人も通っていった。
ここでこんなに人を見かけるのは初めてだった。
中にはどこから登ったのかと聞いてくる方も。
なんだか説明しながら照れくさかった。
翌日の事(乗鞍スキー)も考えて登山道からあっさり下山しようと
思っていたが休憩しているうちに考えが変わった。
尾西谷の右岸側尾根が妙に気をひいた。
すーっと延びていて気持ちよく下れそうだ。
で、そちらに向かった。
尾根への取付きは若干分かりにくい。
それに薮もそれなりにきつい。
しかし、これを越えて尾根筋に出ると意外と歩きやすかった。
実は最初に尾西谷を登ったとき上部を少しだけ歩いた。
その時の印象が比較的良かった。
それより下も歩きやすかった。
ただ尾根の分岐には注意を要した。
慎重にGPSで確認して進んだ。
途中、岩場もあった。
花崗岩と思いきやどうも石灰岩のようだ。
カレンフェルトも見られた。
ひょっとしたら尾西谷のヌメヌメは
これら石灰岩のせいかもしれない。
尾根筋は特に目を引くところはない。
しかし新緑の森を進むのは楽しい。
シロモジが繁っていたので秋には黄色いトンネルになるかも。
660m辺りの細く延びる尾根は感じのいい森。
初夏の木漏れ日の中を通り過ぎる。 下部は立派な植林帯。
その中の杣道らしき踏み跡を辿る。
堰堤の右岸に出て林道終点へ。
堰堤にできた池はまるで小さな大正池のようだった。