【台高】南大台滝巡り 岩井谷大滝、八町滝(撤退)、小木森谷奥の大滝
Posted: 2017年5月24日(水) 19:11
海山町から大台ケ原方面へはまるで人の侵入を拒むように切り立った断崖絶壁がそそりたち、谷には100mクラスの大滝がひしめく。しかし、この壁を越えるとその上は平坦な台地が広がる。「南大台」は一般に大台ケ原から尾鷲道が通る山域を指すが、私がいう山域は堂倉山から嘉茂助谷の頭に至る山域であり、大台ケ原からは南東にあたる。この山域を取りあえず南大台に入れたが、正式な呼称があれば教えていただきたい。この山域の盟主である嘉茂助谷の頭にちなんで「嘉茂助台地」というのもいいかもしれない。
この山域は私が好む場所である。第一、人に会うことがない。この山域の真ん中にある桃源郷にテントを張り、のんびり過ごすとともに、やり残しているいくつかの課題をクリアしようと思い出かけた。まさかその桃源郷であの女性に会うことになろうとは、想像さえしていなかった。
【 日 付 】2017年5月20(土)〜22日(月)
【 山 域 】台高 南大台
【メンバー】単独
【 天 候 】3日間とも晴れ
【 ルート 】
20日(1日目) 花抜峠登山口 7:47 --- 9:08 花抜峠 --- 10:47 苔の辻 --- 11:04 ca1300m 11:27 --- 12:33 岩井谷 --- 13:48 ca1300m --- 14:38 ca1210m鞍部(桃源郷)テン泊地
21日(2日目) テン泊地 7:24 --- 8:27 岩井谷(河原小屋付近?)--- 8:57 岩井谷大滝下 --- 9:43 岩井谷大滝源頭 --- 10:40 細いゴルジュ内のCS滝(遡行打ち切り)--- 11:40 ca1260m稜線 --- 11:53 テン泊地
22日(3日目) テン泊地 7:05 --- 8:14 苔の辻 --- 8:53 P1153 --- 八町滝への下降路探索 --- 10:11 P1153 10:32 --- 11:26 小木森谷奥の大滝(30m滝)源頭 11:55 --- 12:33 花抜峠登山口
(1日目)
海山インターで高速を降り、大台林道を登って行く。山シーズンが始まり、この林道も多少整備されたようだ。花抜峠登山口で装備を整え、土倉古道を歩き始める。不必要な装備はなるべく切り捨て軽量化に努めたのだが、食べ物と飲み物だけは切り捨ての対象外なので,食べきれないほどの食料とアルコールを担ぐ。さらに、ロープとガチャの類を入れると装備の重量は19キロになった。腰にどしっとくる感覚は久しぶりだ。まあ、20キロを超えなかっただけましだろう。 1時間とちょっとで花抜峠着.今日は気温が上がる予想で,標高1000mのこの峠でも暑いくらいだ.ちょっと休憩した後,土倉古道を外れ,稜線沿いに登っていく.土倉古道といい,この稜線といい,緩斜面なので重荷を背負った自分にとってはありがたい.たまに斜面が急になると途端に速度が落ちてしまう.今年はシロヤシオはハズレだそうだが,シャクナゲは当たり年のようで,あちこちで綺麗な花が見られる.ちょうどシャクナゲの満開にぶつかったようだ.これで少しは疲れも和らぎそうだ. 嘉茂助谷の頭への分岐に着くも,当然,回避.重い荷物を背負ってそんなところに登りたくない.山腹道を辿り,苔辻着.相変わらずコケでふわふわしている.水場さえあればここでのんびりテン泊というのもいいだろうなあ.苔辻も素通りし,南西にある標高1300m付近の平坦地にザックを下ろす.ここは樹木が生えていない平坦地で,嘉茂助谷の頭が綺麗に見える場所だ.ザックをデポし,ハーネスとロープを持って今日のミッション遂行だ. 明日,できれば岩井谷大滝を巻き登り,その上流部を探索したいと思っているのだ.岩井谷大滝から上流へは行ったことがないので,行き詰まった時のエズケープルートの探索をしようというわけだ.標高1300mから奥坊主方面へ斜面をゆるゆると下り,途中,奥坊主へのルートを左に分けて大滝の源頭に直に降りている尾根を下る.下るにつれて斜面はだんだんと急になってくる.単独なので少し弱気になり,ダメなら途中で引き返そうと思うが,なんとか降りられそうな斜面が続いている.そのうち水音が聞こえてくる. 目的の大滝の源頭よりは少し上流に降りたようだが,なんとか岩井谷に下りることができた.これで明日行き詰まってもエスケープルートは確保できた.上流側には10mクラスの滝が見え,下流にも滝がありそうだ.谷の探索は明日することにして,今日のミッションはこれで達成した.あとはまた標高差400mの斜面を登り返すだけだ.
ザックのデポ地に戻り,再び重いザックを担いでテン泊地に向かって歩き始める.あとは大したアップダウンがないので気が楽だ.それでも30分ほどと読んでいたルートを1時間かかってしまった.
予定より少し早い3時前にテン泊予定地(桃源郷)着.去年の11月末以来なので,半年ぶりだ.相変わらず稜線直下に水が湧き出ていて,いつ来ても心が落ち着く場所だ.ここを最初に見つけたのは4年前だった.本当は違う場所にテントを張る予定だったのだが,この場所に心が惹きつけられてしまい,まだお昼過ぎだったのにここにテントを張ってしまった.それ以来何度通ったことだろう.最初にテントを張った夕方には大きなイノシシが水を飲みに来てくれたっけ.あれ以来あのイノシシにお目にかかったことがない. いつもの場所にテントを張り,いつもの場所で焚き火をして,担ぎ上げたワインをちびちび飲みながら一人焼肉パーティーだ.ワインがなくなったらブランデーもたっぷりあるし.3時頃から焚き火を始め,夜8時まで続ける.いつの間にか酔っ払ってしまい,そのままテントに入って寝てしまった.上空を通る旅客機の音がちょっとうるさかったが,それほど気にもならずいつものように熟睡できた.
この山域は私が好む場所である。第一、人に会うことがない。この山域の真ん中にある桃源郷にテントを張り、のんびり過ごすとともに、やり残しているいくつかの課題をクリアしようと思い出かけた。まさかその桃源郷であの女性に会うことになろうとは、想像さえしていなかった。
【 日 付 】2017年5月20(土)〜22日(月)
【 山 域 】台高 南大台
【メンバー】単独
【 天 候 】3日間とも晴れ
【 ルート 】
20日(1日目) 花抜峠登山口 7:47 --- 9:08 花抜峠 --- 10:47 苔の辻 --- 11:04 ca1300m 11:27 --- 12:33 岩井谷 --- 13:48 ca1300m --- 14:38 ca1210m鞍部(桃源郷)テン泊地
21日(2日目) テン泊地 7:24 --- 8:27 岩井谷(河原小屋付近?)--- 8:57 岩井谷大滝下 --- 9:43 岩井谷大滝源頭 --- 10:40 細いゴルジュ内のCS滝(遡行打ち切り)--- 11:40 ca1260m稜線 --- 11:53 テン泊地
22日(3日目) テン泊地 7:05 --- 8:14 苔の辻 --- 8:53 P1153 --- 八町滝への下降路探索 --- 10:11 P1153 10:32 --- 11:26 小木森谷奥の大滝(30m滝)源頭 11:55 --- 12:33 花抜峠登山口
(1日目)
海山インターで高速を降り、大台林道を登って行く。山シーズンが始まり、この林道も多少整備されたようだ。花抜峠登山口で装備を整え、土倉古道を歩き始める。不必要な装備はなるべく切り捨て軽量化に努めたのだが、食べ物と飲み物だけは切り捨ての対象外なので,食べきれないほどの食料とアルコールを担ぐ。さらに、ロープとガチャの類を入れると装備の重量は19キロになった。腰にどしっとくる感覚は久しぶりだ。まあ、20キロを超えなかっただけましだろう。 1時間とちょっとで花抜峠着.今日は気温が上がる予想で,標高1000mのこの峠でも暑いくらいだ.ちょっと休憩した後,土倉古道を外れ,稜線沿いに登っていく.土倉古道といい,この稜線といい,緩斜面なので重荷を背負った自分にとってはありがたい.たまに斜面が急になると途端に速度が落ちてしまう.今年はシロヤシオはハズレだそうだが,シャクナゲは当たり年のようで,あちこちで綺麗な花が見られる.ちょうどシャクナゲの満開にぶつかったようだ.これで少しは疲れも和らぎそうだ. 嘉茂助谷の頭への分岐に着くも,当然,回避.重い荷物を背負ってそんなところに登りたくない.山腹道を辿り,苔辻着.相変わらずコケでふわふわしている.水場さえあればここでのんびりテン泊というのもいいだろうなあ.苔辻も素通りし,南西にある標高1300m付近の平坦地にザックを下ろす.ここは樹木が生えていない平坦地で,嘉茂助谷の頭が綺麗に見える場所だ.ザックをデポし,ハーネスとロープを持って今日のミッション遂行だ. 明日,できれば岩井谷大滝を巻き登り,その上流部を探索したいと思っているのだ.岩井谷大滝から上流へは行ったことがないので,行き詰まった時のエズケープルートの探索をしようというわけだ.標高1300mから奥坊主方面へ斜面をゆるゆると下り,途中,奥坊主へのルートを左に分けて大滝の源頭に直に降りている尾根を下る.下るにつれて斜面はだんだんと急になってくる.単独なので少し弱気になり,ダメなら途中で引き返そうと思うが,なんとか降りられそうな斜面が続いている.そのうち水音が聞こえてくる. 目的の大滝の源頭よりは少し上流に降りたようだが,なんとか岩井谷に下りることができた.これで明日行き詰まってもエスケープルートは確保できた.上流側には10mクラスの滝が見え,下流にも滝がありそうだ.谷の探索は明日することにして,今日のミッションはこれで達成した.あとはまた標高差400mの斜面を登り返すだけだ.
ザックのデポ地に戻り,再び重いザックを担いでテン泊地に向かって歩き始める.あとは大したアップダウンがないので気が楽だ.それでも30分ほどと読んでいたルートを1時間かかってしまった.
予定より少し早い3時前にテン泊予定地(桃源郷)着.去年の11月末以来なので,半年ぶりだ.相変わらず稜線直下に水が湧き出ていて,いつ来ても心が落ち着く場所だ.ここを最初に見つけたのは4年前だった.本当は違う場所にテントを張る予定だったのだが,この場所に心が惹きつけられてしまい,まだお昼過ぎだったのにここにテントを張ってしまった.それ以来何度通ったことだろう.最初にテントを張った夕方には大きなイノシシが水を飲みに来てくれたっけ.あれ以来あのイノシシにお目にかかったことがない. いつもの場所にテントを張り,いつもの場所で焚き火をして,担ぎ上げたワインをちびちび飲みながら一人焼肉パーティーだ.ワインがなくなったらブランデーもたっぷりあるし.3時頃から焚き火を始め,夜8時まで続ける.いつの間にか酔っ払ってしまい,そのままテントに入って寝てしまった.上空を通る旅客機の音がちょっとうるさかったが,それほど気にもならずいつものように熟睡できた.