【越美国境】幽玄のブナ林から三周ヶ岳、夜叉ヶ池へ
Posted: 2017年4月03日(月) 22:54
【日 付】2017年4月1日(土)
【山 域】越美国境 三周ヶ岳周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】広野ダム6:55---岩谷キャンプ場7:40---11:15 P1144m---12:20三周ヶ岳13:35---13:55 P1252m---14:35夜叉ヶ池---
16:05林道終点---17:15広野ダム
10時頃、遅くとも昼までには晴れ間が出て来るだろうと予想していた。夜半の雨も上がり、それを信じて広野ダムへ向かう。
ダムには先客が1台だけ。それも渓流釣りだ。
岩谷林道は完璧に除雪されているが、入口のチェーンゲートには鍵が掛かって車で入ることはできない。
雪解け水の流れる岩谷の流れを眺めながら岩谷キャンプ場へ。そこから越美国境のP1144mへの尾根に取付いた。
最初はヤブの露出した急斜面を4輪駆動で這い上がる。尾根芯に達すると、食害除けテープを巻いた植林となり、どこからか杣道が上
がって来ていた。しばらく杣道を辿って楽をしていると、650mあたりでやっと雪が繋がってスノーシューを装着。
昨日の雨で雪はボソボソだが、スノーシューを履けば10~15センチの沈み込みで済む。
実はこの尾根を歩くのはもう3度目なのだが、あまり印象に残っていなかった。国境稜線への最短ルートのつもりで選んだが、これほ
どいいブナ林があったとは思わなかった。これまで何を見ていたのだろう。
[attachment=7]IMG_0049_1_1.JPG[/attachment][attachment=6]IMG_0083_1.JPG[/attachment]
傾斜の緩む標高880mあたりからの尾根とブナ林の広がりは素晴らしい。800mから上は雨の後雪に変わったようで、ササの上に新雪
が乗っている。そしてまったく予期していなかったものが森を包んでいた。
霧氷である。4月に入って霧氷を見られるとは思わなかった。まわりはガスに覆われて、まさに幽玄の世界。ガスの中からブナの巨木
が浮かび上がり、その枝先を霧氷が飾っている。
これで晴れていれば最高だったのだが、そこまで言うのは贅沢というものだろう。
[attachment=5]IMG_0103_1.JPG[/attachment][attachment=4]IMG_0140_1.JPG[/attachment]
雪庇の残るヤセ尾根を急登すればP1144m。本当なら三周ヶ岳が目の前にドーンと現れるはずだが山頂はまだガスの中。その代わり
というわけではないが、美濃俣丸方面はガスが切れてなんとか山頂まで見えている。
ノートレースの国境稜線を進む。1000mを超えてからは完全に新雪で、まっさらな雪面に自分の足跡を刻むのは無上の喜びだ。
三周ヶ岳は国境稜線から出べそのように岐阜県側に出っ張ったピークだ。そのジャンクションに立ったが、もう昼だというのに山頂
は見えない。こりゃ今日もダメなのだろうか。
[attachment=3]IMG_0166_1_1.JPG[/attachment]
巨大な雪堤と雪庇の張り出した雪尾根を山頂に向かう。4度目の積雪期の山頂に着いた頃から少しずつ視界が開け始めた。晴れ間は
なく高曇りという感じだが、笹ヶ峰や不動山、高丸、上谷山といった主だった山々は見える。これなら良しとするか。
ピッケルで雪を削ってランチ場を設営。4度目にしてこの絶頂でメシを食うのは初めてである。
[attachment=2]パノラマ10_1_1.jpg[/attachment]
天気は上向き方向とは言いながら、スカッと晴れ上がる様子もないので切り上げて夜叉ヶ池方面へ向かう。
この稜線は実にダイナミックだ。ほとんどフラットな部分がないような雪のうねりが目を惹く。一見どこを歩いたらいいのかと思うよ
うなところでも、必ず弱点はある。2度ばかり雪壁を滑り降りる場面があったり、岩壁の巻きがあったりして退屈しないルートである。
夜叉壁は雪が着かず黒々と岩肌を晒している。眼下の池ノ又谷への落ち込みも美しい。
[attachment=1]IMG_0250_1_1.JPG[/attachment]
夜叉ヶ池へは尾根を外してブナ林の裏ルートから到達。雪が積もっているとただの雪原でふーんという感じだ。雪が消えて氷が融け
かけた頃が一番いいかもしれない。
このあたりまで来てやっと日が差し始めた。ちょっと遅いぞ。慌てて日焼け止めクリームを塗ったがもう手遅れである。家に帰った
ら顔が痛かった。
[attachment=0]IMG_0275_1.JPG[/attachment]
ここから林道終点の登山口までは夏道は使えない。谷へ下りるまでの尾根はいいが、谷筋は至る所にデブリが出てまともに歩ける状
態ではないのだ。かなりの急斜面をトラバースして登山口から夜叉ヶ丸へのダイレクト尾根へ出た。この尾根が積雪期の定番コースで
ある。ここを歩くのはもう10回ではきかない。勝手知ったるこの尾根は仕事が速く、1時間もあれば鳥居の立つ登山口へ下り立つこと
ができる。途中で眺めた上谷山や三国岳、そして三周ヶ岳にも日が当たっていた。
明日登れば最高だったんだろうな。しかしその代わりに予想もしていなかった霧氷を見られたんだから良しとするか。
下山後に訪れた花はす温泉はなんと休業だった。
どうも今年のこの温泉は相性が悪いようだ。
山日和
【山 域】越美国境 三周ヶ岳周辺
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】広野ダム6:55---岩谷キャンプ場7:40---11:15 P1144m---12:20三周ヶ岳13:35---13:55 P1252m---14:35夜叉ヶ池---
16:05林道終点---17:15広野ダム
10時頃、遅くとも昼までには晴れ間が出て来るだろうと予想していた。夜半の雨も上がり、それを信じて広野ダムへ向かう。
ダムには先客が1台だけ。それも渓流釣りだ。
岩谷林道は完璧に除雪されているが、入口のチェーンゲートには鍵が掛かって車で入ることはできない。
雪解け水の流れる岩谷の流れを眺めながら岩谷キャンプ場へ。そこから越美国境のP1144mへの尾根に取付いた。
最初はヤブの露出した急斜面を4輪駆動で這い上がる。尾根芯に達すると、食害除けテープを巻いた植林となり、どこからか杣道が上
がって来ていた。しばらく杣道を辿って楽をしていると、650mあたりでやっと雪が繋がってスノーシューを装着。
昨日の雨で雪はボソボソだが、スノーシューを履けば10~15センチの沈み込みで済む。
実はこの尾根を歩くのはもう3度目なのだが、あまり印象に残っていなかった。国境稜線への最短ルートのつもりで選んだが、これほ
どいいブナ林があったとは思わなかった。これまで何を見ていたのだろう。
[attachment=7]IMG_0049_1_1.JPG[/attachment][attachment=6]IMG_0083_1.JPG[/attachment]
傾斜の緩む標高880mあたりからの尾根とブナ林の広がりは素晴らしい。800mから上は雨の後雪に変わったようで、ササの上に新雪
が乗っている。そしてまったく予期していなかったものが森を包んでいた。
霧氷である。4月に入って霧氷を見られるとは思わなかった。まわりはガスに覆われて、まさに幽玄の世界。ガスの中からブナの巨木
が浮かび上がり、その枝先を霧氷が飾っている。
これで晴れていれば最高だったのだが、そこまで言うのは贅沢というものだろう。
[attachment=5]IMG_0103_1.JPG[/attachment][attachment=4]IMG_0140_1.JPG[/attachment]
雪庇の残るヤセ尾根を急登すればP1144m。本当なら三周ヶ岳が目の前にドーンと現れるはずだが山頂はまだガスの中。その代わり
というわけではないが、美濃俣丸方面はガスが切れてなんとか山頂まで見えている。
ノートレースの国境稜線を進む。1000mを超えてからは完全に新雪で、まっさらな雪面に自分の足跡を刻むのは無上の喜びだ。
三周ヶ岳は国境稜線から出べそのように岐阜県側に出っ張ったピークだ。そのジャンクションに立ったが、もう昼だというのに山頂
は見えない。こりゃ今日もダメなのだろうか。
[attachment=3]IMG_0166_1_1.JPG[/attachment]
巨大な雪堤と雪庇の張り出した雪尾根を山頂に向かう。4度目の積雪期の山頂に着いた頃から少しずつ視界が開け始めた。晴れ間は
なく高曇りという感じだが、笹ヶ峰や不動山、高丸、上谷山といった主だった山々は見える。これなら良しとするか。
ピッケルで雪を削ってランチ場を設営。4度目にしてこの絶頂でメシを食うのは初めてである。
[attachment=2]パノラマ10_1_1.jpg[/attachment]
天気は上向き方向とは言いながら、スカッと晴れ上がる様子もないので切り上げて夜叉ヶ池方面へ向かう。
この稜線は実にダイナミックだ。ほとんどフラットな部分がないような雪のうねりが目を惹く。一見どこを歩いたらいいのかと思うよ
うなところでも、必ず弱点はある。2度ばかり雪壁を滑り降りる場面があったり、岩壁の巻きがあったりして退屈しないルートである。
夜叉壁は雪が着かず黒々と岩肌を晒している。眼下の池ノ又谷への落ち込みも美しい。
[attachment=1]IMG_0250_1_1.JPG[/attachment]
夜叉ヶ池へは尾根を外してブナ林の裏ルートから到達。雪が積もっているとただの雪原でふーんという感じだ。雪が消えて氷が融け
かけた頃が一番いいかもしれない。
このあたりまで来てやっと日が差し始めた。ちょっと遅いぞ。慌てて日焼け止めクリームを塗ったがもう手遅れである。家に帰った
ら顔が痛かった。
[attachment=0]IMG_0275_1.JPG[/attachment]
ここから林道終点の登山口までは夏道は使えない。谷へ下りるまでの尾根はいいが、谷筋は至る所にデブリが出てまともに歩ける状
態ではないのだ。かなりの急斜面をトラバースして登山口から夜叉ヶ丸へのダイレクト尾根へ出た。この尾根が積雪期の定番コースで
ある。ここを歩くのはもう10回ではきかない。勝手知ったるこの尾根は仕事が速く、1時間もあれば鳥居の立つ登山口へ下り立つこと
ができる。途中で眺めた上谷山や三国岳、そして三周ヶ岳にも日が当たっていた。
明日登れば最高だったんだろうな。しかしその代わりに予想もしていなかった霧氷を見られたんだから良しとするか。
下山後に訪れた花はす温泉はなんと休業だった。
どうも今年のこの温泉は相性が悪いようだ。
山日和