【奥美濃】原谷から鏡山…花房山を正面に見る沢を登って

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兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

【奥美濃】原谷から鏡山…花房山を正面に見る沢を登って

投稿記事 by 兔夢 »

2016年6月12日(日)曇り 
奥美濃 揖斐川水系 原谷~鏡山 単独
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KIMG0746.jpg (55.35 KiB) 閲覧された回数 1201 回
原谷駐車地7:05ー標高525m出合8:25ー鏡山山頂10:30ー
1040mジャンクション10:50ー20m大滝12:00ー駐車地13:15

 がおろさんの取材山行に同行させていただいた時、花房山登山道の崩壊地から原谷が見えた。思わず「あ!」と叫んでしまった。原谷にあった徳山ダム関連の施設が撤去されて更地になっている。

 原谷を初めて遡行したのは9年前。沢を始めてそう年月の経ってない頃だ。三角点はないけど、地形図、その他地図に山名が載っているこの山が気になった。「鏡山」という名も意味ありげでぜひ登りたいと思った。登るなら沢だ、と思い選んだのが原谷だった。というか徳山ダム建設中で原谷以外にいける沢がなかった。
 原谷に関する情報はほとんどなかった。ここを通る林道を使ってミノマタに登ったという大垣山協の記録を知っているくらいだった。どんな谷なのだろう、未知の谷への期待が膨らんだ。
 無事に登り終えた沢への印象は良かった。標高500m辺りから直登可能な小滝が連続して現われウキウキと遡行した。15m、20m規模の大滝もあり興奮した。
 印象の良さに翌年も原谷を訪れた。この時はそばつるとともにミノマタを目指した。前年巻いた15m、20mの滝も直登して満足感はより増した。何度でも訪れたい沢だと思った。
 しかし、その後、下流部に徳山ダム関連の施設(変電所のように見えた)が作られた。この為入渓するのが憚られ足が遠のいた。だがこの沢の事は何時も気になっていた。
 
 施設がなくなったとなれば入渓を躊躇う理由はない。11日(土)の午後に時間ができたのでさっそく現地の確認に出掛けた。施設跡までは『池太沢夜叉隧道』の北口脇の林道を通って容易に行けた。
 以前は先に続く林道も車で入る事ができたが年月を経て廃道化が進んでいて乗り入れる事ができなくなっていた。施設跡の広場に車を停め少し歩いてみた。道は左岸に渡る橋の手前で大きく抜けておりそこからは川原を歩く事となった。
 かつての入渓地までの距離が気になっていたが歩いてみた感じだとそれほど時間はかかりそうにない。そうとなれば行く気に火がつく。さっそく翌日訪れる事にした。
 
 日曜日、どんよりとした空だが昼間は何とか持ちそうだ。見れば山々の山頂部はガスがかかっている。しかし、鏡山は元々展望がないからあまり気にならない。
 廃道化した林道を歩いて抜けた地点で否応無しに入渓。ここのところの小雨のため流れはかなり細い。はてさてこの先の渓相はどうだろう。
 右岸に渡る橋を潜ってしばらく歩くとゴルジュになっていい淵を持った滝が現われた。青々とした淵は泳いでもいいくらいだった。水量はなくともそこそこの見栄えだ。
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 その後、幾つか小滝が現われた。中にはシャワーで行くのが楽しそうな滝もあったが今日は遠慮しておこう。林道から見下ろしていただけのこの辺りもいい渓相が続いていたのだ。
 一旦沢が広がりゴーロが続くようになる。その中に架かっていた右岸に渡る橋は完全に流されていた。以前はこの奥辺りから入渓した。その先、やや荒れ気味の中を歩いていくとやがて両岸が迫り沢が細くなる。そこから再び滝が現われ始める。水量は少ないが見劣りはしない。青々とした淵も健在だ。
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 奥に5mほどの滝が見えたところで本流を離れる。本当はここから20m大滝までの渓相がいいのだが今回はここから枝沢に入るルートを辿ってみたい。上部でかなり等高線の混んでいる沢だ。どんな姿を見せてくれるのだろう。
 出合は「本当にこの沢で大丈夫か」と思わせるようなチョロチョロの流れ。しかし草薮の中に足を踏み込むと目を見張るような連瀑。4m、3m。直登できそうな雰囲気だったがホールドが細かく結局巻いた。
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 上には20mほどの大滝。水流のない右側を登っていった。水量があればかなりの迫力の滝だろう。その他にも幾つか小滝があり予想外の展開だった。
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 沢が落ち着き斜度が緩くなると薮沢っぽくなった。でもそれほど濃くはなく遡行に障害はない。やがてガレが続くようになる。このまま稜線まで続くといいのだがそう楽させてはもらえなかった。
 等高線の混んだところで黒い岩盤が現われた。水流はほとんどない。微妙なバランスで何とか登っていく。振り返れば正面に頭をガスに隠した花房山が見えた。
 斜度が緩くなりもうすぐ稜線、といったところで左手に涸れた滑滝がかかっていた。苔むして上にはツツジが咲いていい感じだ。誘われるようにそちらに登っていく。
 斜度のきつい下部だけ巻いて後は滑滝を直で登っていった。乾いた岩肌に小さなホールドを拾っての登攀はもうクライミングだ。左右に草むらや樹木があり高度感がないので助かる。
 このまま進むとひょっとして、と思っていたらやっぱり崩壊地に出た。でもその分山頂に近くなった。崩壊地だけに見晴らしはいい。小津三山の好展望地と言えそうだ。ただ今回は三山とも山頂をガスに隠していて残念。
 崩壊地から尾根筋に出ると灌木薮漕ぎ。薄い獣道に導かれて高度を上げる。上部では笹薮になったがきつくはない。平坦になったブナ混じりの樹林をしばらく行くとわずかな切り開きがあった。そこに鏡山の山名板がかかる。
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 前に来た時には切り開きも山名板も印もなかった。きっとないだろうと予想して自作の山名板を持ってきてつけた。しかしそれは今回見当たらなかった。年を経て自然に返ったのだろうか、僕がつけた唯一の山名板だったのだが…。
 落ち着きの悪い山頂を後にして西側へ移動。いい感じのブナ林が続く。下には薄い笹が広がる。その中に明瞭な踏み跡が続いている。上谷山からこちらに訪れる人の多さを感じさせる。
 ブナ林に見とれるうちにジャンクションに出てしまった。この辺りも腰を落ち着けそうなところがないのでそのまま休憩もとらずに下降を始めた。
 笹薮を漕いで目的の沢へ向かう。やがて沢筋に出てしばらくは順調な下降。しかし地形図では緩やかに見える沢筋だったが少し下ると結構きつい。
5~8mほどの黒肌の滑滝もいくつか現われた。左岸がうまく巻けたのでロープを使う事はなかったが。
 沢が落ち着き標高750mに至ると記憶に残る滝が現われた。水が噴き出すような感じの滝だったが今回は大人しい。
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 その後、雰囲気のある沢筋が少し続いた後に現われたのは20m大滝。2度目にこの沢をそばつると遡行した時にフリーで登った。まだ沢を初めてそれほど年月の経ってない頃の事だから大した滝じゃなかったのだろうと思っていた。が、今回見てビックリ!本当にこんなところをフリーで登ったのか…我ながら信じがたい。見たのは巻きの途中で横からだったのでそう見えたのかもしれないがそれにしても…。その時は水量も多かったはずだ。下で見ていたそばつるはさぞかし冷や冷やしていた事だろう。その後、彼が話した言葉を人伝に聞いた。
「あの人は何時か死ぬ…」そうかもしれない…
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KIMG0827.jpg (60.44 KiB) 閲覧された回数 1201 回
最後に編集したユーザー 兔夢 [ 2016年6月17日(金) 00:28 ], 累計 1 回
keikoku
記事: 108
登録日時: 2012年1月17日(火) 03:28
お住まい: 愛知県半田市

Re: 【奥美濃】原谷から鏡山…花房山を正面に見る沢を登って

投稿記事 by keikoku »

  兎夢さん、こんにちは。

 またまた、沢登り「冒険記」面白く読ませて頂きました。とにかく、沢を自分の好きなように歩いてしまう兎夢さんが、すばらしく羨ましいですね。沢を知り尽くしてこそできるものでしょう。次々に現れる滝にワクワクする兎夢さんがよく分かります。私だとすぐに「また出た」となってしまうことでしょう。まあ、技術の無い私は、力任せに尾根をやぶ漕ぎしていくしかないのでしょう。
 
 ただ、尾根歩きだけで辿り着きたいピークや稜線に行けるわけではないので、低レベルの谷歩きを手ほどきして貰いたいものです。
 鈴鹿のササがすっかり枯れてしまって、その上鹿さんのためにちっとも再生しないようで、しばらくは快適原っぱ状態が続くことでしょう。それはそれで散歩気分の山歩きはできますが、ちょっと面白くないのです。それもあり、私ももう少し奥美濃辺りへお邪魔させて頂こうかと思っていますので、どうかよろしくお願いします。

 ところで兎夢さんにお願いなんですが、できましたらGPSのトラックデータを貼り付けて置いて頂けると助かります。いつも地図を見ながら読ませてもらうのですが、どうも最終自信がありません。よろしければ、お願いしたいです。

 暑いシーズンを迎えます。また、お遊び程度の沢歩きに出掛けられるときは、よかったら声を掛けて下さい。よろしくおねがいします。 
   
     BARA
最後に編集したユーザー keikoku [ 2016年6月17日(金) 11:42 ], 累計 1 回
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】原谷から鏡山…花房山を正面に見る沢を登って

投稿記事 by 兔夢 »

BARAさん、こんばんは。
[attachment=0]1606kagamiyama-sawa.gif[/attachment]
最初の隧道は「境の尾一里岩隧道」ではなく、「池太沢夜叉隧道」ではなかったでしょうか。


その通り!何を見間違えてたんだか…訂正します。

とにかく、沢を自分の好きなように歩いてしまう兎夢さんが、すばらしく羨ましいですね。沢を知り尽くしてこそできるものでしょう。


沢を知り尽くしてるのならいいですが、大きな滝と大きな渕、強い流れが現われるとひよひよと逃げてるばかりでとても「好きなように歩いてしまう」様な状態じゃないです。次々に現われる滝にはワクワクしますけど登れるわけじゃないです。

低レベルの谷歩きを手ほどきして貰いたいものです。


僕の歩いてるところの多くはそんなに「レベル」が高いわけじゃないので歩けますよ。単独では難しいかもしれないけど。

私ももう少し奥美濃辺りへお邪魔させて頂こうかと思っていますので、どうかよろしくお願いします。


それは頼もしい。さしあたりどの辺りへ行きたいと思ってられるのですか?



添付ファイル
1606kagamiyama-sawa.gif
keikoku
記事: 108
登録日時: 2012年1月17日(火) 03:28
お住まい: 愛知県半田市

Re: 【奥美濃】原谷から鏡山…花房山を正面に見る沢を登って

投稿記事 by keikoku »

  兎夢 さん、お早う御座います。

 昨日は、夜叉ヶ池から三国岳、左千方へ行って来ました。ヤブ漕ぎは、三国岳から先と思っていたのですが、夜叉が丸(標高点1206m)から先はほとんど廃道状態で、想定以上に長いヤブ漕ぎとなってしまいました。その上に昨日の暑さで、本当にへたばりました。
さしあたりどの辺りへ行きたいと思ってられるのですか?
 今は、奥美濃のたくさんの山頂、小ピーク、稜線、尾根筋を辿ってみたいと思っていますが、どうしても沢コースでしか辿れない山頂、小ピークは、是非とも兎夢さんに相談させてもらいたい、できれば同行してもらいたいと思っています。どうかよろしくお願いします。
 
 またそれとは別に、手頃な沢に導き頂ければ嬉しいです。

 いよいよ暑さ満開です。兎夢さんの季節ですね。

                      BARA
兔夢
記事: 624
登録日時: 2011年2月24日(木) 23:12

Re: 【奥美濃】原谷から鏡山…花房山を正面に見る沢を登って

投稿記事 by 兔夢 »

BARAさん、こんばんは。
 昨日は、夜叉ヶ池から三国岳、左千方へ行って来ました。ヤブ漕ぎは、三国岳から先と思っていたのですが、夜叉が丸(標高点1206m)から先はほとんど廃道状態で、想定以上に長いヤブ漕ぎとなってしまいました。その上に昨日の暑さで、本当にへたばりました。


よく行かれましたね。ここをピストンとは頭が下がります。
僕も無雪期に左千方に一度、三国岳に三度行ってますが三国岳の一度を除き登りは沢からでした。

どうしても沢コースでしか辿れない山頂、小ピークは、是非とも兎夢さんに相談させてもらいたい、できれば同行してもらいたいと思っています。どうかよろしくお願いします。


さしあたり、どうしても沢コースでしか辿り着けないところが思い浮かびません。笹ケ峰くらいかな。

            兔夢
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