【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

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山日和
記事: 3586
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2016年4月9日(土)
【山 域】飛騨 庄川右岸山地
【天 候】晴れ
【コース】木谷7:20---8:05野々俣谷右岸尾根取付---9:35 P1369m 9:55---11:15 1721.6m三角点---12:00 P1734m 13:15
     ---14:25 P1735m---15:30尾根分岐---16:20白弓スキー場---16:35駐車地

 地形図を眺めていると、気になってしょうがない場所が次々と出て来る。岐阜県白川村の庄川右岸の稜線もそのひとつ。猿ヶ馬場山
から南へ続く稜線は、ゆったりとした起伏とたっぷりとした幅の尾根が続く。そしてその山々にはまったく名前がない。その山上には
どんな光景が広がっているのか。ずっと思い続けて、2年前にやっとその一端を垣間見ることができた。
主稜線へ続く、野々俣谷を挟んで両岸に伸びる尾根もまたゆったりと高度を上げている。2年前はその左岸の尾根から主稜線に到達した。
見事なブナ林が延々と続く素晴らしい尾根で、時ならぬ新雪と満開の霧氷に目を奪われた。稜線のピークに到達したところで力尽きて、
稜線歩きは叶わなかったのが心残りだった。
 そして今回は、前回下りるつもりだった右岸尾根から稜線を目指す。出発したのが7時半と遅くなってしまい。その時点で御前岳へ足
を延ばす気はなくなってしまった。

[attachment=7]DSCF5799_1_1.JPG[/attachment]
 45分ほどの林道歩きの末、野々俣谷右岸尾根に取り付く。林道脇には立派なトチの木や、眼下を流れる谷、庄川対岸の山々の眺め等々、
目を楽しませてくれるものが色々あって退屈はしない。
 取付き点には朽ち果てたゲートの残骸が転がっていた。簡単に乗った尾根上には営林署の境界見出標が続き、明瞭な踏み跡があった。
踏み跡と言うよりこれはもう道と言っていいだろう。林道が延びている割には一部の植林を除いて自然林が続くのはうれしい誤算である。
 まったくヤブ漕ぎ無しで1369m標高点に到達して、やっと雪が繋がり始めた。今日はスノーシューではなくワカンを持って来たが、ま
だ履くほどでもない。エネルギーロス回避のためにチェーンスパイクを履いて、野々俣谷左岸尾根に勝るとも劣らないブナ林を行く。

[attachment=6]DSCF5829_1.JPG[/attachment][attachment=5]DSCF5868_1.JPG[/attachment]
 実は地図を車の中に置き忘れてきた。GPSがあるので困りはしないが、ポイント間の距離感が掴みにくい。
1721.6mの三角点「名古谷」から主稜線の1734mピークまでほとんど標高差はないが意外に長く感じた。このあたりまで来ると雪の量も
増え、緩んだ雪に足を取られる場面が多くなってきた。さっさとワカンを履けば良かったのだが、面倒くさくて稜線の1734mピークまで
我慢の歩行が続いた。

[attachment=4]パノラマ6_1_1.jpg[/attachment]
 点名「名古谷」先のヤセ尾根を通過すると、1734mピーク手前の広大な雪の台地に行き着いた。
地形図通りの伸びやかな地形だが、鬱蒼とした森を予想していたのに対して目の前に広がるのは疎林の雪原だ。
ここまで来ると御前岳はすぐそばに見えるのだが、ショートカットルートを行くためには200m下って300m登り返さないといけない。
時間がないことを理由にあっさりあきらめよう。実際はここまでで結構ダメージが蓄積していたのだ。
 このあたりの山頂はオオシラビソの森で覆われていることが多く、展望を得られないことがしばしばである。しかし1734mピークは
予想に反してブナとダケカンバの疎林の明るい山頂だった。少し西寄りの斜面に下りると真っ白な白山東面と三方崩山がよく見える。
迷うことなくランチタイムとする。
今日は極上の天気で気温も高く、暑いぐらいだ。半袖Tシャツに着替える。雪中回転急速冷蔵法で飲み頃に冷えたビールが美味い。

[attachment=3]DSCF5911_1_1.JPG[/attachment][attachment=2]パノラマ1_1_1.jpg[/attachment]
 ここから前回到達点のCa1760mピークまでの稜線歩きが今回の大きな目的だった。展望は素晴らしく、御前岳から先月スノー衆で歩
いた栗ヶ岳、そして御嶽、乗鞍岳、北アルプスの山々が目の前に広がる。ワカンを履いて広々とした雪尾根を歩く喜びを噛みしめた。
もう今シーズンの雪山は終わりだと思っていたのだ。しかしスノーシューならもっと楽しかっただろうと思う。
体にスノーシューの歩き方が染み着いて、足を持ち上げねばならないワカンの歩き方がぎこちないのである。
次の1743mピークからは一転してオオシラビソの森が続いた。強い日差しにほてった体にはオオシラビソの木陰がうれしかったりする。

[attachment=1]DSCF5990_1_1.JPG[/attachment]
 思っていたよりも時間が押して来た。長い野々俣谷左岸尾根を末端まで辿るには時間が少ない。白弓スキー場の方へ下りよう。
左岸尾根もオオシラビソ帯を抜けた後は素晴らしいブナ林が待っている。特に1400m~1600mあたりの森は見事と言うしかない。
 雪が消え出した1424m標高点の先から前回も使った支尾根に入ったが、同じコースを歩くのも芸がない。ゲレンデトップに続く右の谷
を下りてみよう。水は流れておらず、ただ急なだけの谷だが仕事は速い。ようやくゲレンデトップというところでイバラ混じりのヤブの
トラップに捕まったのはご愛敬だ。
雪のないスキー場というのは草原なのかと思っていたが、石がゴロゴロして意外に歩きにくいものだ。
ヒザがガクガクになりながらスキー場のハウスに下り立った。もちろん営業は終了している。手の甲をみるとイバラで引っ搔かれたのか
血が滲んでいた。神社にあった「心洗」と書かれた大石から湧き出し?ているように見える水で手を洗わせてもらう。
後は久しぶりにお気に入りの「しらみずの湯」で汗を流そう。

                            山日和

DSCF6009_1.JPG
添付ファイル
DSCF5990_1_1.JPG
御前岳と栗ヶ岳の奥に北アルプス
御前岳と栗ヶ岳の奥に北アルプス
白山の眺めが素晴らしい
白山の眺めが素晴らしい
1734mピーク手前の台地
1734mピーク手前の台地
DSCF5868_1.JPG
歩きやすい尾根が続く
歩きやすい尾根が続く
林道からの妙法山と野谷荘司山
林道からの妙法山と野谷荘司山
おど+
記事: 241
登録日時: 2014年1月05日(日) 15:55
お住まい: 愛知県
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Re: 【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by おど+ »

山日和さん、こんばんは。

 今年の雪の量で、この時期にこのコースですか・・・。 前回のスノー衆の前に、林道終点のなお谷からP1370とP1835の尾根を経由して、御前岳へ行こうと計画していました。 その時は、今回の尾根下スキー場の尾根への下山か、猿ヶ馬場山から南のP1563を経由した下山を予定していましたが、ブナ林が素晴らしいとのことで、来年はスキー場までの周回を計画したいと思います。

 この辺りは山スキーの人ぐらいしか入らない所なので、山の情報が少ないですね。

 それにしても、長時間の山行お疲れ様でした。

おど+
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by バーチャリ »

山日和さん 今日は



【コース】木谷7:20---8:05野々俣谷右岸尾根取付---9:35 P1369m 9:55---11:15 1721.6m三角点---12:00 P1734m 13:15
     ---14:25 P1735m---15:30尾根分岐---16:20白弓スキー場---16:35駐車地


地形図を見てのレスです。


45分ほどの林道歩きの末、野々俣谷右岸尾根に取り付く。林道脇には立派なトチの木や、眼下を流れる谷、庄川対岸の山々の眺め等々、
目を楽しませてくれるものが色々あって退屈はしない。


タムシバ 山桜 カタクリ キクザキイチゲなどですか


 まったくヤブ漕ぎ無しで1369m標高点に到達して、やっと雪が繋がり始めた。今日はスノーシューではなくワカンを持って来たが、ま
だ履くほどでもない。エネルギーロス回避のためにチェーンスパイクを履いて、野々俣谷左岸尾根に勝るとも劣らないブナ林を行く。


山日和さんもワカン使う時あるの


今日は極上の天気で気温も高く、暑いぐらいだ。半袖Tシャツに着替える。雪中回転急速冷蔵法で飲み頃に冷えたビールが美味い。

静かな山頂で独り占めですか贅沢ですね
この日暑つかたですね、私達 落第忍者さんの追っかけをやってました。 

 ここから前回到達点のCa1760mピークまでの稜線歩きが今回の大きな目的だった。展望は素晴らしく、御前岳から先月スノー衆で歩
いた栗ヶ岳、そして御嶽、乗鞍岳、北アルプスの山々が目の前に広がる。ワカンを履いて広々とした雪尾根を歩く喜びを噛みしめた。
もう今シーズンの雪山は終わりだと思っていたのだ。しかしスノーシューならもっと楽しかっただろうと思う。


稜線漫歩でしょうかいいですね。


 思っていたよりも時間が押して来た。長い野々俣谷左岸尾根を末端まで辿るには時間が少ない。白弓スキー場の方へ下り
左岸尾根もオオシラビソ帯を抜けた後は素晴らしいブナ林が待っている。特に1400m~1600mあたりの森は見事と言うしかない。

 
地図を見ると結構広い尾根ですね


ヒザがガクガクになりながらスキー場のハウスに下り立った。もちろん営業は終了している。手の甲をみるとイバラで引っ搔かれたのか
血が滲んでいた。神社にあった「心洗」と書かれた大石から湧き出し?ているように見える水で手を洗わせてもらう。
後は久しぶりにお気に入りの「しらみずの湯」で汗を流そう。


リベンジ出来て良かったですね
お疲れさまでした。

 バーチャリ
アバター
山日和
記事: 3586
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by 山日和 »

おどさん、どうもです。

 今年の雪の量で、この時期にこのコースですか・・・。 

野々俣谷の両岸尾根のヤブが薄いのはわかってましたからね。稜線はヤフー積雪深で50~70と出てましたから、まあ歩くのに不自由は
ないだろうと判断しました。行ってみたら実際その通りの積雪でビックリでしたが。 :lol:

[attachment=1]DSCF5830_1_1.JPG[/attachment][attachment=0]DSCF5925_1.JPG[/attachment]
前回のスノー衆の前に、林道終点のなお谷からP1370とP1835の尾根を経由して、御前岳へ行こうと計画していました。 

林道歩きが長いですね。通常の積雪の年で時期が早いと。地獄の滑り台があちこちに出現するのではと思います。 :mrgreen:

その時は、今回の尾根下スキー場の尾根への下山か、猿ヶ馬場山から南のP1563を経由した下山を予定していましたが、

P1563ということは、元のなお谷へ戻るってことですかね。堰堤が連続しているから、工事用の道があるという読みでしょうか?

 この辺りは山スキーの人ぐらいしか入らない所なので、山の情報が少ないですね。

普通の人は名前のない山に登りませんからね。(^^ゞ

 それにしても、長時間の山行お疲れ様でした。

長いと言っても私の場合は休憩が長いんで・・・・ :mrgreen:

                     山日和
添付ファイル
1734m~1743m間の雪尾根
1734m~1743m間の雪尾根
結構歩きやすい尾根が続く
結構歩きやすい尾根が続く
アバター
山日和
記事: 3586
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by 山日和 »

バーチャリさん、どうもです。

タムシバ 山桜 カタクリ キクザキイチゲなどですか

いや、それが花はぜんぜんなかったんですよ。尾根に乗ってからもイワウチワがチョロチョロ程度でした。

[attachment=2]DSCF5822_1.JPG[/attachment]
山日和さんもワカン使う時あるの

今回はオールツボ足かもと思ってたので、スノーシューは担ぎませんでした。ワカンは保険のつもりで持って行きました。
実際雪が繋がったのは1400mラインより上です。

静かな山頂で独り占めですか贅沢ですね
この日暑つかたですね、私達 落第忍者さんの追っかけをやってました。 


白山の東面を眺めながら、至福の時間でした。 :lol:

稜線漫歩でしょうかいいですね。

ちょっと時間的に短かったのが残念ですけどね。

[attachment=1]DSCF5927_1.JPG[/attachment]
地図を見ると結構広い尾根ですね

ゆったりしたいい尾根ですよ。ブナも多いしバーチャリさん向きです。 :lol:

[attachment=0]DSCF5971_1.JPG[/attachment]
リベンジ出来て良かったですね
お疲れさまでした。


リベンジってこともないんだけど、ありがとうございます。 :D

                    山日和
添付ファイル
DSCF5971_1.JPG
DSCF5927_1.JPG
DSCF5822_1.JPG
Kasaya
記事: 927
登録日時: 2011年2月20日(日) 14:34

Re: 【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by Kasaya »

山日和さん こんばんは

ルートが単調なので地図で追ってみました。野の俣谷の尾根も結構長いですねえ。名もない尾根から名もないピークに上がり
また黙って帰ってくる。なんだかいいですねえ。全く自分だけのオリジナルなコース。あこがれますがやっぱりちょっと独りだと怖い。
今回は前回の逆コースなので下りの様子は分かっていたのでしょうが、山日和さんはピストンはあまりしないですよね。
私なら最初はどちらかから尾根まで上って引き返し、次回反対側から周回するかなあ。初見でやるのはやっぱり経験と技術が必要ですね。

もうちょっと雪が合ったらもっと面白かったでしょうか。でもありすぎると完遂も難しいし。
山は誰かが行ったのであれば、行ってみようという人は結構多いと思いますが、オリジナルなルートはなかなか難しいもの。

私も高望みせず近場でチョコチョコとやってみたい気分です。
kasaya
アバター
山日和
記事: 3586
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【飛騨】野々俣谷右岸尾根 ブナとダケカンバとオオシラビソの森

投稿記事 by 山日和 »

kasayaさん、どうもです。

ルートが単調なので地図で追ってみました。野の俣谷の尾根も結構長いですねえ。名もない尾根から名もないピークに上がり
また黙って帰ってくる。なんだかいいですねえ。


名前があったらもっと良かったかも。 :lol:

全く自分だけのオリジナルなコース。あこがれますがやっぱりちょっと独りだと怖い。
今回は前回の逆コースなので下りの様子は分かっていたのでしょうが、山日和さんはピストンはあまりしないですよね。
私なら最初はどちらかから尾根まで上って引き返し、次回反対側から周回するかなあ。初見でやるのはやっぱり経験と技術が必要ですね。


野々俣谷両岸の尾根はずっと前から着目してましたが、山スキーの記録がたまにある程度でした。特に右岸尾根は少ないです。
去年「ひとり山歩きクラブ」さんの記録が出て、雪が無くても歩ける確信を得たのでした。
ピストンは嫌いなんですよ。同じ道を引き返すのが嫌なんで・・・ :mrgreen:

[attachment=1]DSCF5879_1_1.JPG[/attachment]
もうちょっと雪が合ったらもっと面白かったでしょうか。でもありすぎると完遂も難しいし。
山は誰かが行ったのであれば、行ってみようという人は結構多いと思いますが、オリジナルなルートはなかなか難しいもの。


少なくとも1000mあたりから雪があればだいぶ違うと思います。2年前の左岸尾根は霧氷満開で最高と言える状態でした。
まったくオリジナルというわけでもないですが、両岸尾根を周回した記録はまだ見たことないですね。

私も高望みせず近場でチョコチョコとやってみたい気分です。

「ここは面白そうだ」と思える想像力が大事ですね。 :D

                      山日和
2年前の3月の左岸尾根
2年前の3月の左岸尾根
添付ファイル
DSCF5879_1_1.JPG
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