【芦生】小野子東谷から小野子西谷へ
Posted: 2011年7月05日(火) 22:15
【日 付】2011年7月3日(日)
【山 域】芦生
【天 候】曇りのち晴れ一時雨
【コース】須後6:50---7:45小野子谷二俣---9:53 P910m---10:26ブナノキ峠11:27---
12:17小野子西谷二俣12:36---13:58須後
芦生の研究林入口の駐車場には先客が1台だけ。3人パーティーが出発しようとするところだった。
手早く準備を済ませて先発、入林届を書く。芦生も地蔵峠から入山禁止になってからすっかり疎遠になってし
まった。
今日は昨年歩いた小野子東谷からブナノキ峠へ上がり、小野子西谷を下りてみよう。せっかく沢で涼しくなっ
ても帰りの尾根歩きで汗だくになったのではもったいない。西谷は悪場もなく下降には持ってこいの沢である。
心配していた天気も薄曇りといった感じで、かえって涼しくていい。
キャンプ場から小野子谷川に入り、東谷と西谷の二俣まではまったくの平流歩きだ。
東谷へ入ってもしばらくは小滝が散見される程度。劇的なことは何も起こらない。両岸に点在するトチの大木
が目を楽しませてくれる。
去年より流倒木が多く、荒れた印象がするのは気のせいだろうか。芦生の沢ならでは美しさは減殺されてい
るようだ。
チョックストンというにはあまりに空間を占拠し過ぎている大岩が頭上を塞ぐ小滝を過ぎると、やっと滝らしい
滝の登場だ。優雅に流れ落ちる20m滝。美しい滝だ。ここは左のガレたルンゼからトラバースラインをうまく見
つければ、ドンピシャで落口に立つことができる。
足元はあまりいいとは言えないので、沢慣れない人なら恐いかもしれない。
[attachment=4]P1100694_2_1.JPG[/attachment]
大滝の上からやっと本格的な沢登りが始まる。とは言っても10mまでの斜滝やナメ滝ばかり。ホールドも十
分で楽しみながら越えて行くことができる。
ほとんど巻くこともなく進めば、左から遥か向うまで滝が続いているのが見える左俣に出合う。
右を取れば東谷最大の核心部、15m、6m、10mと続く連瀑帯の登場だ。門番のような3m滝を這い上がって
滝身に近付く。下部は倒木が累々と折り重なってせっかくの景観を壊しているのが残念だ。流倒木を伝って中
段まで上り、様子を窺うが登れそうもない。
あっさりあきらめて左から巻き始めたが、これがまたよろしくない嫌らしい巻きで手こずった。最後はまたズル
ズルのトラバースで落口の上に出た。そこから立ち木を伝って着地。
思ったより悪い巻きだった。
すぐ上の小滝を直登すれば核心部最後の10m滝が黒い岩壁から流れ落ちている。左端のラインが行けそう
な気もするが、上部はかなり立っているし様子もわからない。無理は禁物と、右から簡単に巻き上がってゴル
ジュは終了。滝の上はこれまでと打って変わって穏やかな平流が続いていた。
[attachment=3]P1100717_1.JPG[/attachment]
すぐ上の二俣は、去年は右へ抜けて左岸の尾根を下山した。今回は左を選択して、P901m北東のCa910mピ
ークを目指す。
杉やブナ、トチの混じった芦生らしい植生の源流帯だがあまりスッキリ感はない。源頭はほとんど勾配のない
緩やかな谷が尾根へと導いてくれた。
杉の大木(と言っても芦生では大した大きさではないが)が並ぶ尾根をCa910mピークから北へ下りればすぐ
に林道と出合う。少し林道を歩いてふた手に分かれる林道の真ん中から再び尾根に取り付いた。可もなく不可
もないといった風情の尾根歩き。小さいアップダウンもあり、少々飽きてきたところでブナノキ峠939.1mの三角
点に到着した。
峠と言ってもここはいわゆる峠ではなく山頂である。京都北山には天狗峠、三国峠等、山頂に「峠」の名前を冠
されている場所が多い。こういう名称は他の山域ではあまり見かけないものだろう。
[attachment=2]P1100747_1.JPG[/attachment]
やたら虫が飛び回って落ち着けないが、蚊取り線香に点火するとスーッと潮が引くように虫の姿が消えた。
この季節はこれを忘れるとえらい目に遭うのだ。
風がもう少し通ってくれれば言うこと無しなのだが、ずぶ濡れのシャツのまま休んでいたらいい具合に冷えてき
た。
林道がすぐそばを通っていることもあり、さほどいいムードの山頂ではない。しかしとりあえずは未踏のピークで
ある。山頂にはこだわらないと標榜しながらも、やっぱりついつい山頂に立ちたくなってしまうのは貧乏性なのか。
雲が広がってきた。予報だと3時頃から雨模様だ。
山頂北の鞍部で再び林道に出て下降点を探るが、気持ち良く下りられそうな場所がない。先週同様、ガラガラ
の急斜面を谷底へ駈け下った。
細い水流を辿ればやがて小滝やナメ滝が連続して現われた。しかし傾斜が緩かったり階段状になっていたり
で、ほぼ流芯を進むことができる。暑い時にはぴったりの下山コースだ。
それでもなかなか「芦生らしさ」が出て来ないなあと思っていると、Ca590mの二俣手前で大きな炭焼窯跡と
トチの木、続く二俣では広い台地に大カツラとトチの並木が出迎えてくれた。「This is 芦生」という風景である。
最初はこちらを下りようと思っていた右俣も実に魅力的な表情を見せている。
[attachment=1]P1100770_1.JPG[/attachment]
ここからしばらくは芦生らしさが凝縮された平流が続いた。このまま東谷出合まで楽勝かと思ったが、そう甘
くはなかった。ひとしきり平流が続くと、急に両岸が迫りゴルジュの様相を呈してきた。
広い河原は消え、ルートは水流際の狭い範囲しか選べない。小さい滝の下には必ず深そうな淵が控えていた。
上からだと深さを推し量るのも難しい。爪先立って足探りで水面下のホールドを探す。2ヶ所ほど、なんとか股
下まで浸かって通過することができた。
[attachment=0]P1100790_1.JPG[/attachment]
木の葉を叩く音が鳴りだした。ついに来たか。急に雨が降り出した。それもいきなり本降りの様相だ。
樹林の下なので雨具を着ることもなく進むと、予想外にいつしか雨は上がっていた。
入渓点のキャンプ場まで来ると日まで差し始めた。拍子抜けだが、車に着いた時に雨降りだといろいろ面倒だ。
しかし腹が減った。行動食もほとんど食べていないし、昼飯もとろろそばだけだ。
帰路、珍しく風呂に入る前に観光客で賑わう茅葺きの里でそばを食べた。こういうのもたまにはいいものだ。
山日和
【山 域】芦生
【天 候】曇りのち晴れ一時雨
【コース】須後6:50---7:45小野子谷二俣---9:53 P910m---10:26ブナノキ峠11:27---
12:17小野子西谷二俣12:36---13:58須後
芦生の研究林入口の駐車場には先客が1台だけ。3人パーティーが出発しようとするところだった。
手早く準備を済ませて先発、入林届を書く。芦生も地蔵峠から入山禁止になってからすっかり疎遠になってし
まった。
今日は昨年歩いた小野子東谷からブナノキ峠へ上がり、小野子西谷を下りてみよう。せっかく沢で涼しくなっ
ても帰りの尾根歩きで汗だくになったのではもったいない。西谷は悪場もなく下降には持ってこいの沢である。
心配していた天気も薄曇りといった感じで、かえって涼しくていい。
キャンプ場から小野子谷川に入り、東谷と西谷の二俣まではまったくの平流歩きだ。
東谷へ入ってもしばらくは小滝が散見される程度。劇的なことは何も起こらない。両岸に点在するトチの大木
が目を楽しませてくれる。
去年より流倒木が多く、荒れた印象がするのは気のせいだろうか。芦生の沢ならでは美しさは減殺されてい
るようだ。
チョックストンというにはあまりに空間を占拠し過ぎている大岩が頭上を塞ぐ小滝を過ぎると、やっと滝らしい
滝の登場だ。優雅に流れ落ちる20m滝。美しい滝だ。ここは左のガレたルンゼからトラバースラインをうまく見
つければ、ドンピシャで落口に立つことができる。
足元はあまりいいとは言えないので、沢慣れない人なら恐いかもしれない。
[attachment=4]P1100694_2_1.JPG[/attachment]
大滝の上からやっと本格的な沢登りが始まる。とは言っても10mまでの斜滝やナメ滝ばかり。ホールドも十
分で楽しみながら越えて行くことができる。
ほとんど巻くこともなく進めば、左から遥か向うまで滝が続いているのが見える左俣に出合う。
右を取れば東谷最大の核心部、15m、6m、10mと続く連瀑帯の登場だ。門番のような3m滝を這い上がって
滝身に近付く。下部は倒木が累々と折り重なってせっかくの景観を壊しているのが残念だ。流倒木を伝って中
段まで上り、様子を窺うが登れそうもない。
あっさりあきらめて左から巻き始めたが、これがまたよろしくない嫌らしい巻きで手こずった。最後はまたズル
ズルのトラバースで落口の上に出た。そこから立ち木を伝って着地。
思ったより悪い巻きだった。
すぐ上の小滝を直登すれば核心部最後の10m滝が黒い岩壁から流れ落ちている。左端のラインが行けそう
な気もするが、上部はかなり立っているし様子もわからない。無理は禁物と、右から簡単に巻き上がってゴル
ジュは終了。滝の上はこれまでと打って変わって穏やかな平流が続いていた。
[attachment=3]P1100717_1.JPG[/attachment]
すぐ上の二俣は、去年は右へ抜けて左岸の尾根を下山した。今回は左を選択して、P901m北東のCa910mピ
ークを目指す。
杉やブナ、トチの混じった芦生らしい植生の源流帯だがあまりスッキリ感はない。源頭はほとんど勾配のない
緩やかな谷が尾根へと導いてくれた。
杉の大木(と言っても芦生では大した大きさではないが)が並ぶ尾根をCa910mピークから北へ下りればすぐ
に林道と出合う。少し林道を歩いてふた手に分かれる林道の真ん中から再び尾根に取り付いた。可もなく不可
もないといった風情の尾根歩き。小さいアップダウンもあり、少々飽きてきたところでブナノキ峠939.1mの三角
点に到着した。
峠と言ってもここはいわゆる峠ではなく山頂である。京都北山には天狗峠、三国峠等、山頂に「峠」の名前を冠
されている場所が多い。こういう名称は他の山域ではあまり見かけないものだろう。
[attachment=2]P1100747_1.JPG[/attachment]
やたら虫が飛び回って落ち着けないが、蚊取り線香に点火するとスーッと潮が引くように虫の姿が消えた。
この季節はこれを忘れるとえらい目に遭うのだ。
風がもう少し通ってくれれば言うこと無しなのだが、ずぶ濡れのシャツのまま休んでいたらいい具合に冷えてき
た。
林道がすぐそばを通っていることもあり、さほどいいムードの山頂ではない。しかしとりあえずは未踏のピークで
ある。山頂にはこだわらないと標榜しながらも、やっぱりついつい山頂に立ちたくなってしまうのは貧乏性なのか。
雲が広がってきた。予報だと3時頃から雨模様だ。
山頂北の鞍部で再び林道に出て下降点を探るが、気持ち良く下りられそうな場所がない。先週同様、ガラガラ
の急斜面を谷底へ駈け下った。
細い水流を辿ればやがて小滝やナメ滝が連続して現われた。しかし傾斜が緩かったり階段状になっていたり
で、ほぼ流芯を進むことができる。暑い時にはぴったりの下山コースだ。
それでもなかなか「芦生らしさ」が出て来ないなあと思っていると、Ca590mの二俣手前で大きな炭焼窯跡と
トチの木、続く二俣では広い台地に大カツラとトチの並木が出迎えてくれた。「This is 芦生」という風景である。
最初はこちらを下りようと思っていた右俣も実に魅力的な表情を見せている。
[attachment=1]P1100770_1.JPG[/attachment]
ここからしばらくは芦生らしさが凝縮された平流が続いた。このまま東谷出合まで楽勝かと思ったが、そう甘
くはなかった。ひとしきり平流が続くと、急に両岸が迫りゴルジュの様相を呈してきた。
広い河原は消え、ルートは水流際の狭い範囲しか選べない。小さい滝の下には必ず深そうな淵が控えていた。
上からだと深さを推し量るのも難しい。爪先立って足探りで水面下のホールドを探す。2ヶ所ほど、なんとか股
下まで浸かって通過することができた。
[attachment=0]P1100790_1.JPG[/attachment]
木の葉を叩く音が鳴りだした。ついに来たか。急に雨が降り出した。それもいきなり本降りの様相だ。
樹林の下なので雨具を着ることもなく進むと、予想外にいつしか雨は上がっていた。
入渓点のキャンプ場まで来ると日まで差し始めた。拍子抜けだが、車に着いた時に雨降りだといろいろ面倒だ。
しかし腹が減った。行動食もほとんど食べていないし、昼飯もとろろそばだけだ。
帰路、珍しく風呂に入る前に観光客で賑わう茅葺きの里でそばを食べた。こういうのもたまにはいいものだ。
山日和
【コース】須後6:50---7:45小野子谷二俣---9:53 P910m---10:26ブナノキ峠11:27---