【鈴鹿】梅雨の晴れ間のカズラ谷
Posted: 2011年6月26日(日) 21:56
【日 付】2011年6月25日(土)
【山 域】鈴鹿 雲母峰周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】兎夢さん、とっちゃん、山日和
【コース】カズラ谷出合8:05---11:45白ハゲ13:15---14:15雲母峰14:30---16:20駐車地
早い時間にもかかわらず、カズラ谷出合の駐車スペースにはすでに4台の車が止まっていた。
一番奥の車からひとり出発しようとする人影が見えた。見覚えのある車だ。
「兎夢さんや!!」とっちゃんが叫ぶ。ジャリガ谷かカズラ谷へ入るつもりで来たが、ジャリガ谷へ向かうところだ
ったと言う。ここで会うのも何かの縁だ。一緒にカズラ谷へ行こうと誘う。
たまたま会った人と同行することは好まないのだが、兎夢さんなら話は別だ。沢でもパーティーを組んでいる
し、ヤブコギ初期からの付き合いだ。
「ないーっ」とっちゃんが悲壮な叫びを上げた。用意したはずのギア一式がないらしい。
沢靴とヘルメットを忘れなかったのが救いだ。兎夢さんの好意でハーネス他一式を借りてなんとか出発。
毎度のことながら世話の焼ける人である。
なんとか雨が降らなければいいと思っていた天気は、思いのほか青空が広がっている。
しかしながら、最近どうも沢へモチベーションが上がらず、まともに登れるかどうか心配だ。
最初の堰堤で登山道と別れて入渓。ソールを張り替えたばかりの沢靴を流れに浸すと、ひんやりとした感覚
がジワーッと足を包んで気持ちがいい。
ここのところ6月としては異常なほどの暑さが続いていた。こんな時期に太陽に焼かれながら尾根歩きなんて
と思いながらも、どうしても沢へ行きたいという気持ちにならなかったのはなぜだろう。
以前なら5月の連休が終われば沢モードになりかかっていたのだが、最近は雪追っかけが長引いているせい
かもしれない。最近はめっきり暑さに弱くなってしまった。やっぱり雪渓の上は涼しいのだ。
二つ目の堰堤を越えるといきなりゴルジュに突入する。4~5mの小滝やナメ滝ばかりですべて快適に直登。
足運びがつい慎重になるのは久し振りのせいだけではなさそうだ。しかし少しずつ感覚を取り戻し始めたのが
わかる。
[attachment=3]P1100541_2_1.JPG[/attachment]
10m滝も気持ち良く階段状を直登。谷は連続して左岸から支流を入れる。
西尾本では「砂坂谷」と「白ハゲ谷」(いずれも仮称)とあり、岳峠から雲母峰への尾根から流れる谷である。
左の本流を取り、2段8mを直登すると10m滝が立ちはだかった。左手のラインが微妙な感じで、上部の岩の上
が見えず詰まる可能性もある。その時は左へトラバースして逃げられないこともなさそうなので、取り付いてみ
ることにした。トラバースラインまで上がるとホールドはないこともなく、件の岩の上はまったく問題なかった。
なんとか上がってロープを出す。その上にもゴルジュの中に掛かる10m滝が続き、流芯を快適にシャワーで上
がる。下の10m滝を巻くとこの滝もまとめて巻いてしまうようでいかにももったいない。
[attachment=2]P1100558_1_1.JPG[/attachment]
[attachment=0]P1100567_1_1.JPG[/attachment]
5mと10mクラス2本を越えるとS字型に屈曲した12mのナメ滝。岩盤に穿たれた溝を水流が迸る。
兎夢さんトップで取り付くが、中段の屈曲点で苦労しているようだ。追い付いてみるとツルツルのスラブでホー
ルドが乏しい。なんとか這い上がって、さあ続こうと試みるがなかなか上がれない。上からロープを降ろしても
らってやっと通過。ここがカズラ谷一番の核心部かもしれない。
[attachment=1]P1100579_1_1.JPG[/attachment]
水量がだいぶ乏しくなったせいもあり、滝場は連続するもややスッキリしない渓相となった。
急に谷が開けたと思ったら三俣だった。右から直角に入る谷は垂直の滝を落としている。左はほぼ枯れ谷。
進路は真ん中の谷である。この谷も少し進んだところで90度右折して、かなり高い滝を掛けていた。カズラ谷
最大の15m滝だ。(20mと言う人もいるが、ロープの繰り出し量から見ても15mがせいぜいだろう)
滝の飛沫を浴びて右岸から取り付く。しっかりしたホールドが豊富にあるが、かなり壁が立っており高度感もあ
るので緊張を強いられる場面だ。途中で左岸へ移りカンテを登る。ここはもう少し滝身に寄っても行けそうだが、
落ちるわけにいかないので安全策を取る。
ロープをセットしている間に兎夢さんが上がってきた。続いてとっちゃんも合流。面白さではこの滝がカズラ谷
で一番だろう。
大滝の上流にもまだまだ滝は続いた。谷の傾斜の強さが稜線が近いことを感じさせる。
「どこでメシにする?」そろそろ思案する時間だ。涼しい谷の中でランチという手もあったが、兎夢さんが「白ハ
ゲはどうです、眺めもいいし。」と言うのでそこに決定。私もとっちゃんも行ったことがないのだ。
炭焼窯跡のある感じのいいコバがあった。こんな源流域まで炭焼窯跡が見られるのは鈴鹿ならではだろう。
4mほどの樋状の立った滝はあっさりあきらめたが、兎夢さんは粘りに粘って見事に直登。
彼の登りは華麗とは言えないが、力づくでどこでも抜けてしまうので感心してしまう。
いよいよ滝もなくなり源流の趣きとなった。谷は一面に落ち葉を敷き詰めた斜面に変わる。
見た目には美しいが、あまりの急傾斜に全員悲鳴を上げながらの急登である。
青息吐息で白ハゲの少し西側の稜線へ詰め上がった。昨日までの天気予報はどこへやら。頭の上は完全な
青空、ランチ場で日陰を探すのに苦労するほどだ。
あまりに日当たりのいい白ハゲで唯一、日陰でかつ風通しのいい場所を見つけて腰を据えた。
吹き抜ける涼風が心地よい。とっちゃんのザックから出てきた半冷凍のパイナップルが美味しかった。
帰路は雲母峰を経由して、ウソ谷の右俣であるキララ谷を選んだ。西尾本によれば、ウソ谷はヒルが大量発
生する谷で、6月から9月までは入らない方がいいらしい。しかしこの晴天なら少しはマシかもしれない。
行ってみましょう、ヒルの巣窟へ。
初めて歩く雲母峰への縦走路はほとんど尾根芯を歩かず右か左を巻きながら進む。ずっと日陰なので直射
日光を浴びないで済むのはありがたいが、暑い。
たっぷり汗をかいて雲母峰に到着。展望皆無の平凡な山頂である。
登山道を少し東へ下りたところからキララ谷へ飛び込む。いい感じの源流を想像していたのだが、荒れた急
斜面が続いて期待外れだった。途中からそこはかとなく踏み跡が現われた。この谷も炭焼の谷だったようで、
薄いながらも踏み跡が残っていた。
水が出てきてからもほとんど変化のない谷が続く。このまま終わりかと思ったところで、前方の両岸が迫りゴ
ルジュの気配がした。小規模ながら連瀑があり、一箇所は懸垂を強いられた。最後の滝は左岸から簡単に巻
き下って五郎谷の出合。ここまで数匹のヒルがお出ましになっていたが被害はなし。
植林が現われて杣道を下れば宮妻キャンプ場のすぐ下に出た。いきなりムッとする暑さ。やっぱり下界は暑
いことを再認識させられる。
駐車地へ戻って着替えている間に数匹のヒルを発見。手袋の中からも現われて、こいつにはしっかり血を吸
われていた。
想定外の出会いと天気に恵まれた、いい沢始めの一日だった。
山日和
http://youtu.be/r0cmshGRlv4
【山 域】鈴鹿 雲母峰周辺
【天 候】晴れ
【メンバー】兎夢さん、とっちゃん、山日和
【コース】カズラ谷出合8:05---11:45白ハゲ13:15---14:15雲母峰14:30---16:20駐車地
早い時間にもかかわらず、カズラ谷出合の駐車スペースにはすでに4台の車が止まっていた。
一番奥の車からひとり出発しようとする人影が見えた。見覚えのある車だ。
「兎夢さんや!!」とっちゃんが叫ぶ。ジャリガ谷かカズラ谷へ入るつもりで来たが、ジャリガ谷へ向かうところだ
ったと言う。ここで会うのも何かの縁だ。一緒にカズラ谷へ行こうと誘う。
たまたま会った人と同行することは好まないのだが、兎夢さんなら話は別だ。沢でもパーティーを組んでいる
し、ヤブコギ初期からの付き合いだ。
「ないーっ」とっちゃんが悲壮な叫びを上げた。用意したはずのギア一式がないらしい。
沢靴とヘルメットを忘れなかったのが救いだ。兎夢さんの好意でハーネス他一式を借りてなんとか出発。
毎度のことながら世話の焼ける人である。
なんとか雨が降らなければいいと思っていた天気は、思いのほか青空が広がっている。
しかしながら、最近どうも沢へモチベーションが上がらず、まともに登れるかどうか心配だ。
最初の堰堤で登山道と別れて入渓。ソールを張り替えたばかりの沢靴を流れに浸すと、ひんやりとした感覚
がジワーッと足を包んで気持ちがいい。
ここのところ6月としては異常なほどの暑さが続いていた。こんな時期に太陽に焼かれながら尾根歩きなんて
と思いながらも、どうしても沢へ行きたいという気持ちにならなかったのはなぜだろう。
以前なら5月の連休が終われば沢モードになりかかっていたのだが、最近は雪追っかけが長引いているせい
かもしれない。最近はめっきり暑さに弱くなってしまった。やっぱり雪渓の上は涼しいのだ。
二つ目の堰堤を越えるといきなりゴルジュに突入する。4~5mの小滝やナメ滝ばかりですべて快適に直登。
足運びがつい慎重になるのは久し振りのせいだけではなさそうだ。しかし少しずつ感覚を取り戻し始めたのが
わかる。
[attachment=3]P1100541_2_1.JPG[/attachment]
10m滝も気持ち良く階段状を直登。谷は連続して左岸から支流を入れる。
西尾本では「砂坂谷」と「白ハゲ谷」(いずれも仮称)とあり、岳峠から雲母峰への尾根から流れる谷である。
左の本流を取り、2段8mを直登すると10m滝が立ちはだかった。左手のラインが微妙な感じで、上部の岩の上
が見えず詰まる可能性もある。その時は左へトラバースして逃げられないこともなさそうなので、取り付いてみ
ることにした。トラバースラインまで上がるとホールドはないこともなく、件の岩の上はまったく問題なかった。
なんとか上がってロープを出す。その上にもゴルジュの中に掛かる10m滝が続き、流芯を快適にシャワーで上
がる。下の10m滝を巻くとこの滝もまとめて巻いてしまうようでいかにももったいない。
[attachment=2]P1100558_1_1.JPG[/attachment]
[attachment=0]P1100567_1_1.JPG[/attachment]
5mと10mクラス2本を越えるとS字型に屈曲した12mのナメ滝。岩盤に穿たれた溝を水流が迸る。
兎夢さんトップで取り付くが、中段の屈曲点で苦労しているようだ。追い付いてみるとツルツルのスラブでホー
ルドが乏しい。なんとか這い上がって、さあ続こうと試みるがなかなか上がれない。上からロープを降ろしても
らってやっと通過。ここがカズラ谷一番の核心部かもしれない。
[attachment=1]P1100579_1_1.JPG[/attachment]
水量がだいぶ乏しくなったせいもあり、滝場は連続するもややスッキリしない渓相となった。
急に谷が開けたと思ったら三俣だった。右から直角に入る谷は垂直の滝を落としている。左はほぼ枯れ谷。
進路は真ん中の谷である。この谷も少し進んだところで90度右折して、かなり高い滝を掛けていた。カズラ谷
最大の15m滝だ。(20mと言う人もいるが、ロープの繰り出し量から見ても15mがせいぜいだろう)
滝の飛沫を浴びて右岸から取り付く。しっかりしたホールドが豊富にあるが、かなり壁が立っており高度感もあ
るので緊張を強いられる場面だ。途中で左岸へ移りカンテを登る。ここはもう少し滝身に寄っても行けそうだが、
落ちるわけにいかないので安全策を取る。
ロープをセットしている間に兎夢さんが上がってきた。続いてとっちゃんも合流。面白さではこの滝がカズラ谷
で一番だろう。
大滝の上流にもまだまだ滝は続いた。谷の傾斜の強さが稜線が近いことを感じさせる。
「どこでメシにする?」そろそろ思案する時間だ。涼しい谷の中でランチという手もあったが、兎夢さんが「白ハ
ゲはどうです、眺めもいいし。」と言うのでそこに決定。私もとっちゃんも行ったことがないのだ。
炭焼窯跡のある感じのいいコバがあった。こんな源流域まで炭焼窯跡が見られるのは鈴鹿ならではだろう。
4mほどの樋状の立った滝はあっさりあきらめたが、兎夢さんは粘りに粘って見事に直登。
彼の登りは華麗とは言えないが、力づくでどこでも抜けてしまうので感心してしまう。
いよいよ滝もなくなり源流の趣きとなった。谷は一面に落ち葉を敷き詰めた斜面に変わる。
見た目には美しいが、あまりの急傾斜に全員悲鳴を上げながらの急登である。
青息吐息で白ハゲの少し西側の稜線へ詰め上がった。昨日までの天気予報はどこへやら。頭の上は完全な
青空、ランチ場で日陰を探すのに苦労するほどだ。
あまりに日当たりのいい白ハゲで唯一、日陰でかつ風通しのいい場所を見つけて腰を据えた。
吹き抜ける涼風が心地よい。とっちゃんのザックから出てきた半冷凍のパイナップルが美味しかった。
帰路は雲母峰を経由して、ウソ谷の右俣であるキララ谷を選んだ。西尾本によれば、ウソ谷はヒルが大量発
生する谷で、6月から9月までは入らない方がいいらしい。しかしこの晴天なら少しはマシかもしれない。
行ってみましょう、ヒルの巣窟へ。
初めて歩く雲母峰への縦走路はほとんど尾根芯を歩かず右か左を巻きながら進む。ずっと日陰なので直射
日光を浴びないで済むのはありがたいが、暑い。
たっぷり汗をかいて雲母峰に到着。展望皆無の平凡な山頂である。
登山道を少し東へ下りたところからキララ谷へ飛び込む。いい感じの源流を想像していたのだが、荒れた急
斜面が続いて期待外れだった。途中からそこはかとなく踏み跡が現われた。この谷も炭焼の谷だったようで、
薄いながらも踏み跡が残っていた。
水が出てきてからもほとんど変化のない谷が続く。このまま終わりかと思ったところで、前方の両岸が迫りゴ
ルジュの気配がした。小規模ながら連瀑があり、一箇所は懸垂を強いられた。最後の滝は左岸から簡単に巻
き下って五郎谷の出合。ここまで数匹のヒルがお出ましになっていたが被害はなし。
植林が現われて杣道を下れば宮妻キャンプ場のすぐ下に出た。いきなりムッとする暑さ。やっぱり下界は暑
いことを再認識させられる。
駐車地へ戻って着替えている間に数匹のヒルを発見。手袋の中からも現われて、こいつにはしっかり血を吸
われていた。
想定外の出会いと天気に恵まれた、いい沢始めの一日だった。
山日和
http://youtu.be/r0cmshGRlv4
早い時間にもかかわらず、カズラ谷出合の駐車スペースにはすでに4台の車が止まっていた。