【大峰】奥駈道北部を周回縦走;クロモジ尾の逆襲

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skywalk
記事: 522
登録日時: 2011年3月07日(月) 21:33

【大峰】奥駈道北部を周回縦走;クロモジ尾の逆襲

投稿記事 by skywalk »

【 日 付 】2015年10月12日~10月13日
【 山 域 】 大峰
【メンバー】単独
【 天 候 】薄曇り
【 ルート 】熊渡7:25>カナビキ道>天川川合道>明星ヶ岳>弥山11:49>奥駈道>行者還小屋15:00
      二日目小屋出発6:20>大普賢>山上ヶ岳>稲村ヶ岳>クロモジ尾>白倉谷林道>309号線駐車地16:00

 今から7年か8年前、大峰北部を周回縦走する計画を立て実行したことがあった。
 周回起点は天川村の御手洗渓谷付近にし、309号線を歩いて弥山川出合いから林道に入りカナビキ谷登山道で弥山に登り奥駈道で行者還小屋まで行って宿泊した。翌日は大普賢と山上ヶ岳を越えて稲村ヶ岳に登りバリルートのクロモジ尾を使って白倉谷に下り起点に戻る計画であった。
 二日目の稲村ヶ岳までは予定通り進んで時間的にも余裕があった。問題はクロモジ尾だった。それまで一度も使ったことがないルートを下ったのは多少無理があった。地図と磁石を頼りに1200m付近までは何とか下ったもののそこから伐採地の中を真西に下ってしまいススキの原に隠れたイバラと格闘してブランド物の夏パンツを引き裂いてしまった。
 
今回はその仇を討つべく再挑戦である。
 10月12日(月)朝4時に起床するつもりが3時半に目が覚めた。夜討ち朝駆けが仇討の鉄則であるから早いに越したことはない。準備を整えて4時に鈴鹿の自宅を出発した。
 深夜の名阪国道を走っていると関の加太付近で国道の脇にシカが突っ立って100kmh近くで走り去る車を見送っている。国道を横断しようというのだろうか。あんなのに飛び出されたらたまったものではない。針インターまでは順調に来られたが、その先が長い。榛原を抜け大宇陀を抜け三茶屋交差点を右折して吉野町に入る。下市町から309号線に入ると道路は狭隘区間が増える。
 天川村の川合を過ぎ弥山川出合いの熊渡に来てみると路肩は登山者の車で一杯だった。仕方なく少し引き返して路肩の広いところに車を止め支度を整えて出発した。7時25分、熊渡を通過して弥山川林道を進む。
 入り口付近に双門峡の略図看板が出ていて林道終点からはカナビキ谷道の破線も書かれていた。カナビキ谷道は地形図にも出ていないバリルートだが、近年利用者も多いのだろう。林道の終点近くまで歩いていくと双門峡への降り口があるが、そこは見送って終点からカナビキ谷道に入る。双門峡は面白いところだが、アップダウンが激しく時間と体力を奪われるので余分に一日かかってしまう。カナビキ谷道は前半が綺麗な植林帯のそま道を登っていくので短時間で高度を稼げる。高度差にして300mほど登ると植林帯の斜面が終わり自然林の尾根に出た。ルート上に標識はないもののテープ類がやたらに多い。これだけ多ければ下りでも迷う心配はないだろう。
 ルート上で目を引くヤマタノオロチのような大木は今年も健在だった。
 9時9分、尾根道も300mほど登ったところで川合道に出合った。以前は川合道の標識にマジックで熊渡方面と添え書きされているだけだったが、今は「金引橋→」の立派な標識が立っていた。
 川合道はブナが主体で紅葉は少ないが、時期的には紅葉もいい出来具合だ。紅葉を巡る旅も10月中旬の体育の日には大峰を訪れるのがマイルールだ。
DSCN3942.JPG
 狼平へ下る手前で明星ヶ岳の分岐に入ってみた。明星>弥山間は1時間ほどのコースタイムになっているが、その程度なら行者還小屋に着く時間は大丈夫だろう。
奥駈道の稜線に八経ヶ岳と明星ヶ岳が見えてきた。
奥駈道の手前から紅葉が増えてきた。
明星ヶ岳山頂はルートから少し外れているが、山頂に出てみた。11時9分、誰もいない山頂から隣の八経ヶ岳が手に取るようだ。
DSCN3950.JPG
11時27分、八経ヶ岳に着いてみると弥山から往復する登山者でごった返していた。近畿最高峰の謳い文句は人を引き付けるのだろう。
紅葉を鑑賞しながら一下りし弥山へと登り返す。体育の日には、やはり大峰の紅葉がドンピシャだね。
11時49分、登山者で賑わう弥山小屋に着いた。
昼食はやっぱりコンビニ弁当。他の登山者のようにバーナーを焚いてまったりしている心の余裕はない。
弥山の頂上は平で鳥居と社が立っている。古き日本の伝統に従って仇討の成就を大神に祈った。これで99%成功間違いなしだ。
小屋の東の国見八方覗きから大普賢を望む。これから向かう行者還岳は釣鐘のような盛り上がりを見せていた。
弥山からの下りはよく整備されていてどんどん下っていける。山頂には皇太子殿下登頂記念碑も立っていたしそれに合わせて整備されたのかな。
シラビソやトウヒの多い弥山の斜面も紅葉が彩りを添えていた。
一下りすると行者還トンネルへ下るところまで平坦なルートが続く。
平坦な休憩地で振り返ると弥山と八経ヶ岳は、もう遠くなっていた。
13時37分、一般に良く使われる行者還トンネルへの降り口を通過。
ここを過ぎると地を這う笹の稜線が続き奥駈道の中でも一番雰囲気の良い一帯が広がる。紅葉も見頃だし言うことなしだ。
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 トンネル分岐を過ぎると登山者は減るが小屋まで10人ばかり出合ったのは意外だった。途中で休んでいた男性二人組は私と同じ行者還小屋に泊まるらしい。
大したアップダウンもなく綺麗な稜線を進み小屋を目指す。
前方に行者還岳が立ちはだかるように見えてきた。
 15時前、程なく小屋に着いた。がっしりしたログハウスは営業小屋にも無いような造りだ。中では単独男性がシュラフの中で横になっていた。私は空いていた小部屋の方に陣取ったが、小便くさい匂いが気になった。トイレは外から出入りするようになっていて居室とは完全に分離されているので誰かが土間で用を足したのかと疑いたくなる。
DSCN3971.JPG
DSCN3971.JPG (57.3 KiB) 閲覧された回数 1771 回
 途中追い越した二人組と単独男性がもう一人遅れて着きいずれも大部屋に入ったので小部屋は貸切。二人組を案内して水場へ行ってみると水は涸れていた。まとまった雨は降っていないし10月に入ると涸れていると思った方が無難だろう。
 夕食は自作のアルコールバーナーでラーメンを作っておにぎりと一緒に食べた。バーナーは針金ハンガーで作った五徳と合わせても100gちょっと。宿泊装備と言っても1㎏ちょっとのシュラフだけなので日帰り装備と大して変わらない重さだ。
 私は夕食前に山口から来たという男性と暫くおしゃべりをしていたが、二人組は夕食を終えると大しておしゃべりもせず寝入ってしまった。寡黙な私もびっくりするほどストイックな人たちだ。不眠症の私も静かな同泊者と、この間の山行でAさんに分けていただいた薬の効き目もあってか3時間ほど眠れたようだ。明日はいよいよ敵を討つ番だ。上手くいくかな。(二日目に続く)

 10月13日(火)小屋の外が白み始めたが、困ったことがあった。前日ヘッドランプを使おうとしたら突然ランプが切れてしまったのだ。悪いことは重なるものでランプ替わり使おうとした携帯も電池切れを知らせる警告音とともにダウン。5時半を過ぎても小屋の中は暗く準備ができない。何とか回りが見えるようになったら、シュラフを丸めアルコールバーナーでラーメンの残り半分を作ってパン、ソーセージで朝食を取った。
二人組は6時前に出発したし、山口のオジサンも続いて出て行った。朝食を済ませたら急いで荷物をまとめて出発した。少し出遅れて6時20分になっていた。
水場の奥の木梯子から急斜面の登りで朝一番の体にはちょっとつらい。行者還岳のピークはルートから少し外れているしガスで展望も悪いのでパスして先へ進む。
朝霧に包まれた森は幻想的だが、いつ晴れるのだろう。
七曜岳(1584m)に着いた頃にはガスは晴れてきたが、大普賢、小普賢はシルエットが見える程度だ。
七つ池は深い窪地だが、水は溜まっていない。
その先の森はまるで苔寺みたいだ。
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国見岳(1655m)の山頂もルートから外れているので、ここもパスだ。
笹の縦走路を先へ進もう。
水太覗まで来ると大普賢もいよいよ近づいてきた。和佐又山から登ってくると梯子だらけのルートだが、稜線から登る場合は普通に登っていけばよい。
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覗から見下ろす斜面は朝日を受けていれば紅葉が綺麗だろうに。
8時36分、大普賢頂上(1780m)に着いた。今日一番の登りをこなしてしまうと残りの山上ヶ岳と稲村ヶ岳の登りは割合楽だ。
 大普賢を下ったところに経箱石の標識があったので寄ってみた。以前に見たことがあるのかどうか記憶が定かではない。固定ロープを伝って崖の下に降りてみるとツルっとした岸壁に経典を収める四角い穴が穿たれていた。現物を見ると見たことがあるような気もするし、単なるデジャブかもしれない。
阿弥陀ヶ森から先は女人結界で区切られているので♂専用コースとなる。
♂専用だからって特段険しくなるわけではなく、むしろ落ち着いた古道の趣すらある。
小笹の宿の水場は涸れる心配はなさそうだ。避難小屋はトタン葺の小さなものだが、中は割合清潔だし大人4人位なら泊まれる大きさだ。
その先平坦な縦走路を進み地蔵岳を巻いて一登りし11時17分、山上ヶ岳(1719m)に着いた。
お花畑と言われる笹原にはリンドウのツボミが残っている程度だ。
ここから眺める紅葉は最高でジャストタイミングだった。これから向かう稲村ヶ岳と大日山のトンガリピークもはっきりしてきた。
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レンゲ辻への降り口もすばらしい紅葉に彩られていた。
日本岩辺りの紅葉も丁度いい具合だ。岩の上でパンを食べて昼食にした。
山上ヶ岳の西の急斜面は鉄梯子をいくつか下ればよい。梯子の脇にはリンドウの群落があったが、花を開いているものは無かった。
稲村小屋まで念仏山とP1642mはいずれも山腹を巻いていくので縦走路は平坦で歩きやすい。一時間とかからずに稲村小屋に着いた。
 トンガリピークの大日山が目の前に迫るが、ルートは裏側のコルから戻るようにして登る。コルにザックを置いて空荷で急斜面を登った。頂上は小さな祠が建てられているだけで取り留めのない場所だ。下山に使うクロモジ尾を目で追って確認した。下の方の伐採地も確認できた。
ザックは置いたままにして女人大峰と称される稲村ヶ岳(1726m)に登った。13時14分、頂上の展望台から自分が歩いてきた山々を振り返る。さぁ後は下山あるのみ。いよいよ敵を討つ番だ。
 クロモジ尾は小屋の手前の丘から始まる。尾根を外れて小屋へ下るところから笹原に薄い踏み後が続いている。下り始めると尾根はだんだんヤブっぽくなりシャクナゲが尾根心を塞ぐところを巻いたりもする。1544mから下って行くと尾根が不鮮明になり迷ったが、右の方にテープが巻いてあったのでそちらへ進むと北の方へ振られて不安になる。地形図でも多少北へ振っているだが、現地ではそれ以上に北へ向かっていた。
 尾根に入る前に山ナビのスイッチを入れたのだが、ピコピコと電池切れのメッセージが出る。充電してきたばかりなのにどうなってるんだ。スイッチを長押しして電源を切ろうとすると画面が点いたり切れたりしてオフにできなくなった。まずいなぁ、仇を討つどころか返り討ちに会いそうだ。
 1400m付近で伐採地に出るはずだからそのあたりまで下って駄目だったらやり直すか考えよう。1400m付近に小さなコブがあって先が見通せなかったが、高度計が1430mまで下がったところで突然目の前が開け伐採地に出た。ここで伐採地の端を歩いて左の尾根に渡る。第一チェックポイントは通過できた。
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DSCN4008.JPG (45.26 KiB) 閲覧された回数 1684 回
 伐採地の境に張られた鹿避け網の外側に沿って尾根を下って行く。次のチェックポイントは1200m付近。7年前にはここから尾根を西北西に下ってひどい目にあった。1200m付近で赤テープがあったので二重なった鹿避け網のさらに外側を下った。
 次のチェックポイントは1000m付近。そこで左の斜面を下ると白倉谷林道のヘアピンカーブに下りられるはずだった。そこでちょっと見込み違いがあった。1000mを切っても尾根心が歩きやすいので最後のほうで左に下ろうと思っていたら900m付近で林道が見えてきた。林道の標高を800m付近と勝手に考えていたが、地形図のヘアピンカーブのところにはご丁寧にも871mと出ているではないか。もちろん虫眼鏡を使わなければ見えるはずはないけど等高線の数を数えれば分かりそうなものだ。
 登り返してやり直すのも面倒なので林道へ降りる崖のような斜面に下降点を探して何とか林道に降り立った。林道に降りてみると何とその崖の下に古い赤テープが巻いてあった。ヘアピンのところに木階段が作られる以前はここから尾根に取りついていたようだ。見込みとは違ったが、これも正解の内に入りそうだから仇討は成功ということにしておこう。
 事前のネット情報では白倉谷林道は崩壊ヵ所があって通行止めされているということだったが、既に大きな崩壊ヵ所の工事は終わり通行止めも解除されていた。こんなことなら帰り用のMTBをデポしておけば良かった。林道をダラダラ下って309号線の駐車地に戻ると16時だった。久しぶりの長丁場に胸のカラータイマーがピコピコと点滅を始めた。宇宙へ帰ってエネルギーを充電してこなくっちゃ。(シュワッチ)
最後に編集したユーザー skywalk [ 2015年10月23日(金) 09:57 ], 累計 1 回
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【大峰】奥駈道北部を周回縦走;クロモジ尾の逆襲

投稿記事 by バーチャリ »

skywalkさん 今晩は


 二日目の稲村ヶ岳までは予定通り進んで時間的にも余裕があった。問題はクロモジ尾だった。それまで一度も使ったことがないルートを下ったのは多少無理があった。地図と磁石を頼りに1200m付近までは何とか下ったもののそこから伐採地の中を真西に下ってしまいススキの原に隠れたイバラと格闘してブランド物の夏パンツを引き裂いてしまった。
 
やっちゃいましたか もったいないですね。
私はバラにやられますが


 10月12日(月)朝4時に起床するつもりが3時半に目が覚めた。夜討ち朝駆けが仇討の鉄則であるから早いに越したことはない。準備を整えて4時に鈴鹿の自宅を出発した。
 深夜の名阪国道を走っていると関の加太付近で国道の脇にシカが突っ立って100kmh近くで走り去る車を見送っている。国道を横断しようというのだろうか。あんなのに飛び出されたらたまったものでは


主人は夜 釣に行く途中鹿が体当たりして自損事故でえらい目にあいましたよ


一下りすると行者還トンネルへ下るところまで平坦なルートが続く。


だいぶ前の話ですが
行者還トンネルから一度 入ってますが


13時37分、一般に良く使われる行者還トンネルへの降り口を通過。
ここを過ぎると地を這う笹の稜線が続き奥駈道の中でも一番雰囲気の良い一帯が広がる。紅葉も見頃だし言うことなしだ。


私もここの雰囲気好きなです。

 15時前、程なく小屋に着いた。がっしりしたログハウスは営業小屋にも無いような造りだ。中では単独男性がシュラフの中で横になっていた。私は空いていた小部屋の方に陣取ったが、小便くさい匂いが気になった。トイレは外から出入りするようになっていて居室とは完全に分離されているので誰かが土間で用を足したのかと疑いたくなる。

北アルプスの小屋で同じような経験しましたがたまりませんよね

 夕食は自作のアルコールバーナーでラーメンを作っておにぎりと一緒に食べた。バーナーは針金ハンガーで作った五徳と合わせても100gちょっと。宿泊装備と言っても1㎏ちょっとのシュラフだけなので日帰り装備と大して変わらない重さだ。

1㎏ちょっとで済みましたか 

私は夕食前に山口から来たという男性と暫くおしゃべりをしていたが、二人組は夕食を終えると大しておしゃべりもせず寝入ってしまった。寡黙な私もびっくりするほどストイックな人たちだ。不眠症の私も静かな同泊者と、この間の山行でAさんに分けていただいた薬の効き目もあってか3時間ほど眠れたようだ。明日はいよいよ敵を討つ番だ。上手くいくかな。(二日目に続く)[/quote]

頑張って下さい

     バーチャリ
skywalk
記事: 522
登録日時: 2011年3月07日(月) 21:33

Re: 【大峰】奥駈道北部を周回縦走;クロモジ尾の逆襲

投稿記事 by skywalk »

バーチャリさん、おはようございます。
バーチャリ さんが書きました:やっちゃいましたか もったいないですね。私はバラにやられますが
ルートをミスってもやり直そうとしないズボラさがアダににりました。残りわずかと思って突っ切ったのがいけなかった。
主人は夜 釣に行く途中鹿が体当たりして自損事故でえらい目にあいましたよ
オーストラリアではカンガルーが車に飛び込んでくるそうですが、人口密度の高い日本も結構ワイルドですね。
だいぶ前の話ですが行者還トンネルから一度 入ってますが
カナビキ谷道も登りやすくていいですよ。最初の植林帯は山仕事に来たみたいで雰囲気ありませんが。
私もここの雰囲気好きなです。
雰囲気がいい割には人が少なくて今回は10人ほど出会いましたが、普段はもっと少ないです。
北アルプスの小屋で同じような経験しましたがたまりませんよね
積雪期にトイレの扉が開かなかったんですかね。
1㎏ちょっとで済みましたか 
日帰り装備プラス1kgという意味ですが、実際は水場が少なかったので水も余分に荷揚げしました。

二日目の完結編もできましたので追加編集しておきました。結果はどうだったのでしょう。
アバター
山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: 【大峰】奥駈道北部を周回縦走;クロモジ尾の逆襲

投稿記事 by 山日和 »

skywalkさん、こんばんは。

【 ルート 】熊渡7:25>カナビキ道>天川川合道>明星ヶ岳>弥山11:49>奥駈道>行者還小屋15:00
      二日目小屋出発6:20>大普賢>山上ヶ岳>稲村ヶ岳>クロモジ尾>白倉谷林道>309号線駐車地16:00


なかなかいい周回ルートですね。 :D

天川村の川合を過ぎ弥山川出合いの熊渡に来てみると路肩は登山者の車で一杯だった。

時期的に弥山川も一番狙い目なんでしょうねえ。

カナビキ谷道は前半が綺麗な植林帯のそま道を登っていくので短時間で高度を稼げる。

ここは冬しか歩いたことがありませんが、確かに高度を稼げて仕事は早いですね。

明星ヶ岳山頂はルートから少し外れているが、山頂に出てみた。11時9分、誰もいない山頂から隣の八経ヶ岳が手に取るようだ。

明星ヶ岳は人が少なくていいでしょう。

13時37分、一般に良く使われる行者還トンネルへの降り口を通過。
ここを過ぎると地を這う笹の稜線が続き奥駈道の中でも一番雰囲気の良い一帯が広がる。紅葉も見頃だし言うことなしだ。


ここも人が少なくていいですね。

15時前、程なく小屋に着いた。がっしりしたログハウスは営業小屋にも無いような造りだ。中では単独男性がシュラフの中で横になっていた。私は空いていた小部屋の方に陣取ったが、小便くさい匂いが気になった。トイレは外から出入りするようになっていて居室とは完全に分離されているので誰かが土間で用を足したのかと疑いたくなる。

そういう輩がいるんですねえ。せっかくきれいな小屋なのに腹立たしいことです。 :evil:

途中追い越した二人組と単独男性がもう一人遅れて着きいずれも大部屋に入ったので小部屋は貸切。二人組を案内して水場へ行ってみると水は涸れていた。まとまった雨は降っていないし10月に入ると涸れていると思った方が無難だろう。

9月にはチョロチョロながら流れていました。

 私は夕食前に山口から来たという男性と暫くおしゃべりをしていたが、二人組は夕食を終えると大しておしゃべりもせず寝入ってしまった。寡黙な私もびっくりするほどストイックな人たちだ。

ストイックというよりよほど疲れていたんでしょう。営業小屋でも夕方から寝てる人がいますよね。

 10月13日(火)小屋の外が白み始めたが、困ったことがあった。前日ヘッドランプを使おうとしたら突然ランプが切れてしまったのだ。悪いことは重なるものでランプ替わり使おうとした携帯も電池切れを知らせる警告音とともにダウン。5時半を過ぎても小屋の中は暗く準備ができない。

予備のヘッデンが要りますね。携帯も電池切れしたらただの箱なので、私はいつもチャージャーを持ち歩いています。

水場の奥の木梯子から急斜面の登りで朝一番の体にはちょっとつらい。行者還岳のピークはルートから少し外れているしガスで展望も悪いのでパスして先へ進む。
朝霧に包まれた森は幻想的だが、いつ晴れるのだろう。
七曜岳(1584m)に着いた頃にはガスは晴れてきたが、大普賢、小普賢はシルエットが見える程度だ。
七つ池は深い窪地だが、水は溜まっていない。
その先の森はまるで苔寺みたいだ。


ここは先月歩いたばかり。静かでいい尾根道が続きますね。

8時36分、大普賢頂上(1780m)に着いた。今日一番の登りをこなしてしまうと残りの山上ヶ岳と稲村ヶ岳の登りは割合楽だ。

順調に来ましたね。 :lol:

 小笹の宿の水場は涸れる心配はなさそうだ。避難小屋はトタン葺の小さなものだが、中は割合清潔だし大人4人位なら泊まれる大きさだ。

ここはいいテント場です。私の大好きな場所です。

ここから眺める紅葉は最高でジャストタイミングだった。これから向かう稲村ヶ岳と大日山のトンガリピークもはっきりしてきた。
レンゲ辻への降り口もすばらしい紅葉に彩られていた。


ここから眺める霧氷の森も素晴らしいものがありますね。

[attachment=0]P1110424_1.JPG[/attachment]
ザックは置いたままにして女人大峰と称される稲村ヶ岳(1726m)に登った。13時14分、頂上の展望台から自分が歩いてきた山々を振り返る。さぁ後は下山あるのみ。いよいよ敵を討つ番だ。

ここまで来ればひと安心。でも敵を討つってほどじゃ・・・ :mrgreen:

 1400m付近で伐採地に出るはずだからそのあたりまで下って駄目だったらやり直すか考えよう。1400m付近に小さなコブがあって先が見通せなかったが、高度計が1430mまで下がったところで突然目の前が開け伐採地に出た。ここで伐採地の端を歩いて左の尾根に渡る。第一チェックポイントは通過できた。

クロモジ尾は岩本谷やモジキ谷の下りで何度も使っていますが、仕事の早い下山路だと思いますね。
初めて行った時はその伐採地は鬱蒼とした林でした。
この伐採地の右端の尾根を進むといい植林道に出て林道終点付近に着地できます。だいぶ遠回りになりますが。

伐採地の境に張られた鹿避け網の外側に沿って尾根を下って行く。次のチェックポイントは1200m付近。7年前にはここから尾根を西北西に下ってひどい目にあった。1200m付近で赤テープがあったので二重なった鹿避け網のさらに外側を下った。

私も鹿除けネットの際のイバラでいじめられたことがあります。(+_+)

登り返してやり直すのも面倒なので林道へ降りる崖のような斜面に下降点を探して何とか林道に降り立った。林道に降りてみると何とその崖の下に古い赤テープが巻いてあった。ヘアピンのところに木階段が作られる以前はここから尾根に取りついていたようだ。見込みとは違ったが、これも正解の内に入りそうだから仇討は成功ということにしておこう。

たいていは岩本谷の橋の袂あたりへ下り立ってましたね。それほどのところはなかったような気がするけど。

久しぶりの長丁場に胸のカラータイマーがピコピコと点滅を始めた。宇宙へ帰ってエネルギーを充電してこなくっちゃ。(シュワッチ)

お疲れさまでした。 :D

                                       山日和
添付ファイル
P1110424_1.JPG
skywalk
記事: 522
登録日時: 2011年3月07日(月) 21:33

Re: 【大峰】奥駈道北部を周回縦走;クロモジ尾の逆襲

投稿記事 by skywalk »

山日和さん、こんばんは。
山日和 さんが書きました:なかなかいい周回ルートですね
単独で縦走しようと起点に戻ることを考えないといけないので地図とにらめっこしながら色々頭を絞ります。
時期的に弥山川も一番狙い目なんでしょうねえ。
3連休の前半が天気に恵まれなかったので集中したこともあるのでしょう。
ここは冬しか歩いたことがありませんが、確かに高度を稼げて仕事は早いですね。
弥山に登る時はいつもここを使っています。
明星ヶ岳は人が少なくていいでしょう。
ほんの少ししか離れてないのに皆さん欲がありません。八経ヶ岳から釈迦ヶ岳に向かう人はほとんどいませんね。楊子の小屋から釈迦ヶ岳へピストンしたことがありますが、小屋もルートもいいところでした。
ここも人が少なくていいですね。
今回のルート中では一番好きなところです。
9月にはチョロチョロながら流れていました。
奥駈道は稜線上でも水場があって助かりますが、水量の少ないところはあまり期待できませんね。
ストイックというよりよほど疲れていたんでしょう。営業小屋でも夕方から寝てる人がいますよね。
いつでも眠れるという特技は羨ましい限りです。二人組はもう一泊して吉野に下り電車で大阪へ帰るようでした。70Lのザックは一杯詰まっていて重そうでした。 
予備のヘッデンが要りますね。携帯も電池切れしたらただの箱なので、私はいつもチャージャーを持ち歩いています。
ヘッデンは沢で何度も水没させて接触が悪く不安がありました。携帯があるからいいやと思っていたのですが。
ここは先月歩いたばかり。静かでいい尾根道が続きますね。
奥駈道ならではといったところでしょうか。
ここはいいテント場です。私の大好きな場所です。
テントを持っていかなくても小屋は大概空いていると思いますが、テントがお好きなんですね。
ここから眺める霧氷の森も素晴らしいものがありますね
真冬に登ったことはありませんが、初冬に登った時霧氷に出会ったことがあります。でも、これほど見事ではありませんでした。
クロモジ尾は岩本谷やモジキ谷の下りで何度も使っていますが、仕事の早い下山路だと思いますね。初めて行った時はその伐採地は鬱蒼とした林でした。この伐採地の右端の尾根を進むといい植林道に出て林道終点付近に着地できます。だいぶ遠回りになりますが。
山日和さんにとっては便利なところですか。私にとっては厄介なところです。前回は右端の尾根を少し進んで急斜面になったので引き返しました。まっすぐ行っちゃえば良かったかもです。
たいていは岩本谷の橋の袂あたりへ下り立ってましたね。それほどのところはなかったような気がするけど。
山日和さんにとってはどこでもそれほどでもないのでしょうね。私も精進すればよいのでしょうが、あいにくこういうところは好きじゃないし近づかない方が無難かな。
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