【湖北】リハビリのブナ回廊 谷山から安蔵山
Posted: 2011年6月06日(月) 23:12
【日 付】2011年6月5日(日)
【山 域】湖北 安蔵山周辺
【天 候】晴れのち曇り
【コース】田戸6:47---7:45奥川並8:05---9:41谷山10:09---11:02ブナ森広場12:36---13:12安蔵山13:24
---14:31尾羽梨14:47---15:11鷲見---15:45田戸
仕事中、突然腰の痛みに襲われた。先週の水曜のことだ。その日は歩くのもままならない状態だった。
そのさなかに沢のお誘いを頂いたがそれどころではない。とりあえず医者へ行って痛み止めと湿布薬をもらっ
た。後は様子を見ながら養生するだけだ。
そして土曜日。痛みはほとんど治まった。これなら軽いハイキングでリハビリできそうだ。もう一日休んで日
曜に出かけるとするか。
リハビリハイクに向かったのは湖北の安蔵山。まだ歩いていない谷山938.7mと安蔵山を結ぶ尾根歩きが
目的だ。この尾根にはいいブナ林があるらしい。以前から気になっていたところである。
菅並から県道を田戸まで進む。奥川並への林道に掛かる橋はワイヤーゲートで施錠され、車で入ることはで
きない。ここから奥川並まで1時間ほどの林道歩き。ちょうどいいウォーミングアップだろう。
奥川並川の美しい流れを見下ろしながら、腰に負担の掛からないペースで歩く。いつもなら大股で進む平地歩
きも今日は小さい歩幅でちょこまかと歩く。道端にはタニウツギやシャガの花が満開で目を楽しませてくれる。
安蔵山の登山口には新しい余呉トレイルクラブの標識があってわかりやすい。安蔵山の南尾根末端には3つ
の階段(はしご?)があるのだが、一番奥の階段が最も整備されたルートだ。
下山して来る予定の階段を見送って奥川並へ向かう。
[attachment=4]RIMG0006_1.JPG[/attachment]
奥川並の集落跡から谷山の南尾根に取り付いた。なぜか入口には標識がなく、少し上がった八幡神社跡に
登山口の標識が設置されていた。
昭和15年と記された八幡神社の石碑の裏面には、日支事変にこの集落から出征した記念に建てられたことを
示す記述があった。冬は雪に閉ざされて外界と隔絶されてしまうこの集落にも赤紙は届けられたのだ。
かつては冬に病人が出ても町へ運ぶ手段も無く、戸板に乗せて雪道を人力で運ぶ途中で息を引き取ると、雪
融けまでその場に安置するしかなかったという。旧余呉町の集落の中で最も早く廃村になったのが奥川並な
のだ。
尾根の末端から急登が始まる。元々杣道があるので踏み跡はしっかりしているが、さすがにリハビリにはき
つい。とにかくゆっくり登ることだけを考えて一歩ずつ足を出した。
よく手入れされた現役の植林はすぐに終わり、いい感じの二次林に変わった。若狭や湖北でよく見られる掘り
込まれた道型が現われる。こういう道型は楽なように蛇行して付けられているのが常だが、ここの道はまっすぐ
登っているのでしんどいのだ。
傾斜が緩みかけると待望のブナ林の登場である。706m標高点の手前から美しいブナ林が続く。そこそこ太い
木もあって楽しいところだ。樹林が切れた右手の高みに見えるのは左千方のあたりか。
[attachment=3]RIMG0026_1.JPG[/attachment]
地形図上の平坦部の後半は、地形図とはイメージの違うやせた尾根になっている。こういうところは例外なく日
当たりが良くヤブが顔を出している。
谷山手前の急斜面から再びブナ林となり、太いブナが次々に視界に入ってきて元気付けられる。
谷山頂上は少々ヤブっぽく、積雪期のようなすっきりしたブナ林の佇まいは望めない。
三角点に腰を降ろして休む。ここにも新しい道標があり、「左千方」「安蔵山」にルートが拓かれたことを示してい
る。このマニアックな山域にルートを拓いている余呉トレイルクラブに敬意を表そう。
昼メシにはまだ早いので、安蔵山への稜線を辿っていい場所を探すことにした。
[attachment=2]RIMG0054_1.JPG[/attachment]
出だしは踏み跡もはっきりしない潅木のヤブだったが、100mほど進むと明瞭な道に変わった。尾根筋には境
界標識らしい番号入りの白杭が続いていて、かつては道があったことがわかる。
余呉トレイルクラブによってつい最近整備されたこのルートは、人によれば道とは言えない程度の切り開き方が
好ましい。これはこのグループの方針のようで、高島トレイルのように「遊歩道」にしてしまわないところがいい。
とは言うものの、この程度の開き方だと少し人が通らなければすぐに自然に還ってしまいそうだ。
しばらく下って平坦な部分まで来ると、見事なブナ林が続いた。3mクラスの大木もあたり前のように点在する。
この先に余呉トレイルクラブが名付けた「ブナ森広場」というのがあるらしいから、そこまで進んでみよう。
しかしこの尾根のブナ林は見事なものだ。大黒山北東尾根、上谷山南西尾根、横山岳北尾根、下谷山周辺等
と並んで、湖北でも屈指の森に違いない。リハビリしに来た甲斐があったというものである。
[attachment=0]パノラマ1_1_1.JPG[/attachment]
それに比べて「ブナ森広場」の標識のあるCa800m台地の西端は、それまでの豊かなブナ林と比べるとやや
平凡な場所だった。決して悪くはないのだが、それまでが良過ぎたのである。
林床にヤブのないところでシートを広げる。考えてみれば今年初めての雪のない山だ。これまた今年初めて保
冷対策をして持参したビールをあおる。汗だくでずぶ濡れになったシャツを着替えるとサッパリ。
食後は久しぶりに昼寝を楽しんだ。
大した登りもなく安蔵山に着いた。ここも谷山同様、三角点の回りが小さく切り開かれた山頂で、あまり落ち着
ける雰囲気ではない。積雪期のブナの大木が点々と立つ雪原とあまりに違うイメージにとまどってしまった。
予定ではここから南へ伸びる尾根を辿って、冒頭の階段に下り立つつもりだった。
だがまだ時間も早い。ここは懸案だった尾羽梨への北西尾根を歩いてみるか。尾羽梨から田戸まで1時間ばか
りの車道歩きが難点だが、足を前に出していればいずれ着くだろう。
何年か前に拓かれたこのルートもまたブナの尾根である。時折ミズナラの大木が現われるのがこの尾根の特
徴だ。
[attachment=1]RIMG0116_1_1.JPG[/attachment]
余呉トレイルには入っていない(安蔵山頂の標識には「尾羽梨」の表示がない)この尾根も道は比較的しっかりと
付けらている。ここにも境界杭が続いていたので、元々道があったのだろう。
標高が下がってくるとブナから雑木にバトンタッチだ。下部では予想外の急傾斜のやせ尾根にやや手こずらされ
た。赤テープに従ってヤブを突っ切って尾羽梨川の橋の袂に着地。やれやれである。
自転車をデポしておけばよかったなあ。でも腰に悪いか。いや、どうせ腰に良くなさそうなことをやってるんだから
五十歩百歩かもしれない。
菅並のトンネル入口に、「路面崩壊のため尾羽梨方面通行止め」という表示があったので、車が通ることもなく静
かなものだろう。と思っていたら、針川の方から1台の車が走ってきた。
「私を田戸へ連れて行って~」と喉まで出かかったがやめた。普段歩くことのない高時川沿いの道を歩くのも悪く
ないだろう。車に乗っていては気付かない風景が見られるはずだ。負け惜しみではなく。
しかし、田戸への道はやっぱり長かった。また腰痛がぶり返してしまったようだ。
山日和
【山 域】湖北 安蔵山周辺
【天 候】晴れのち曇り
【コース】田戸6:47---7:45奥川並8:05---9:41谷山10:09---11:02ブナ森広場12:36---13:12安蔵山13:24
---14:31尾羽梨14:47---15:11鷲見---15:45田戸
仕事中、突然腰の痛みに襲われた。先週の水曜のことだ。その日は歩くのもままならない状態だった。
そのさなかに沢のお誘いを頂いたがそれどころではない。とりあえず医者へ行って痛み止めと湿布薬をもらっ
た。後は様子を見ながら養生するだけだ。
そして土曜日。痛みはほとんど治まった。これなら軽いハイキングでリハビリできそうだ。もう一日休んで日
曜に出かけるとするか。
リハビリハイクに向かったのは湖北の安蔵山。まだ歩いていない谷山938.7mと安蔵山を結ぶ尾根歩きが
目的だ。この尾根にはいいブナ林があるらしい。以前から気になっていたところである。
菅並から県道を田戸まで進む。奥川並への林道に掛かる橋はワイヤーゲートで施錠され、車で入ることはで
きない。ここから奥川並まで1時間ほどの林道歩き。ちょうどいいウォーミングアップだろう。
奥川並川の美しい流れを見下ろしながら、腰に負担の掛からないペースで歩く。いつもなら大股で進む平地歩
きも今日は小さい歩幅でちょこまかと歩く。道端にはタニウツギやシャガの花が満開で目を楽しませてくれる。
安蔵山の登山口には新しい余呉トレイルクラブの標識があってわかりやすい。安蔵山の南尾根末端には3つ
の階段(はしご?)があるのだが、一番奥の階段が最も整備されたルートだ。
下山して来る予定の階段を見送って奥川並へ向かう。
[attachment=4]RIMG0006_1.JPG[/attachment]
奥川並の集落跡から谷山の南尾根に取り付いた。なぜか入口には標識がなく、少し上がった八幡神社跡に
登山口の標識が設置されていた。
昭和15年と記された八幡神社の石碑の裏面には、日支事変にこの集落から出征した記念に建てられたことを
示す記述があった。冬は雪に閉ざされて外界と隔絶されてしまうこの集落にも赤紙は届けられたのだ。
かつては冬に病人が出ても町へ運ぶ手段も無く、戸板に乗せて雪道を人力で運ぶ途中で息を引き取ると、雪
融けまでその場に安置するしかなかったという。旧余呉町の集落の中で最も早く廃村になったのが奥川並な
のだ。
尾根の末端から急登が始まる。元々杣道があるので踏み跡はしっかりしているが、さすがにリハビリにはき
つい。とにかくゆっくり登ることだけを考えて一歩ずつ足を出した。
よく手入れされた現役の植林はすぐに終わり、いい感じの二次林に変わった。若狭や湖北でよく見られる掘り
込まれた道型が現われる。こういう道型は楽なように蛇行して付けられているのが常だが、ここの道はまっすぐ
登っているのでしんどいのだ。
傾斜が緩みかけると待望のブナ林の登場である。706m標高点の手前から美しいブナ林が続く。そこそこ太い
木もあって楽しいところだ。樹林が切れた右手の高みに見えるのは左千方のあたりか。
[attachment=3]RIMG0026_1.JPG[/attachment]
地形図上の平坦部の後半は、地形図とはイメージの違うやせた尾根になっている。こういうところは例外なく日
当たりが良くヤブが顔を出している。
谷山手前の急斜面から再びブナ林となり、太いブナが次々に視界に入ってきて元気付けられる。
谷山頂上は少々ヤブっぽく、積雪期のようなすっきりしたブナ林の佇まいは望めない。
三角点に腰を降ろして休む。ここにも新しい道標があり、「左千方」「安蔵山」にルートが拓かれたことを示してい
る。このマニアックな山域にルートを拓いている余呉トレイルクラブに敬意を表そう。
昼メシにはまだ早いので、安蔵山への稜線を辿っていい場所を探すことにした。
[attachment=2]RIMG0054_1.JPG[/attachment]
出だしは踏み跡もはっきりしない潅木のヤブだったが、100mほど進むと明瞭な道に変わった。尾根筋には境
界標識らしい番号入りの白杭が続いていて、かつては道があったことがわかる。
余呉トレイルクラブによってつい最近整備されたこのルートは、人によれば道とは言えない程度の切り開き方が
好ましい。これはこのグループの方針のようで、高島トレイルのように「遊歩道」にしてしまわないところがいい。
とは言うものの、この程度の開き方だと少し人が通らなければすぐに自然に還ってしまいそうだ。
しばらく下って平坦な部分まで来ると、見事なブナ林が続いた。3mクラスの大木もあたり前のように点在する。
この先に余呉トレイルクラブが名付けた「ブナ森広場」というのがあるらしいから、そこまで進んでみよう。
しかしこの尾根のブナ林は見事なものだ。大黒山北東尾根、上谷山南西尾根、横山岳北尾根、下谷山周辺等
と並んで、湖北でも屈指の森に違いない。リハビリしに来た甲斐があったというものである。
[attachment=0]パノラマ1_1_1.JPG[/attachment]
それに比べて「ブナ森広場」の標識のあるCa800m台地の西端は、それまでの豊かなブナ林と比べるとやや
平凡な場所だった。決して悪くはないのだが、それまでが良過ぎたのである。
林床にヤブのないところでシートを広げる。考えてみれば今年初めての雪のない山だ。これまた今年初めて保
冷対策をして持参したビールをあおる。汗だくでずぶ濡れになったシャツを着替えるとサッパリ。
食後は久しぶりに昼寝を楽しんだ。
大した登りもなく安蔵山に着いた。ここも谷山同様、三角点の回りが小さく切り開かれた山頂で、あまり落ち着
ける雰囲気ではない。積雪期のブナの大木が点々と立つ雪原とあまりに違うイメージにとまどってしまった。
予定ではここから南へ伸びる尾根を辿って、冒頭の階段に下り立つつもりだった。
だがまだ時間も早い。ここは懸案だった尾羽梨への北西尾根を歩いてみるか。尾羽梨から田戸まで1時間ばか
りの車道歩きが難点だが、足を前に出していればいずれ着くだろう。
何年か前に拓かれたこのルートもまたブナの尾根である。時折ミズナラの大木が現われるのがこの尾根の特
徴だ。
[attachment=1]RIMG0116_1_1.JPG[/attachment]
余呉トレイルには入っていない(安蔵山頂の標識には「尾羽梨」の表示がない)この尾根も道は比較的しっかりと
付けらている。ここにも境界杭が続いていたので、元々道があったのだろう。
標高が下がってくるとブナから雑木にバトンタッチだ。下部では予想外の急傾斜のやせ尾根にやや手こずらされ
た。赤テープに従ってヤブを突っ切って尾羽梨川の橋の袂に着地。やれやれである。
自転車をデポしておけばよかったなあ。でも腰に悪いか。いや、どうせ腰に良くなさそうなことをやってるんだから
五十歩百歩かもしれない。
菅並のトンネル入口に、「路面崩壊のため尾羽梨方面通行止め」という表示があったので、車が通ることもなく静
かなものだろう。と思っていたら、針川の方から1台の車が走ってきた。
「私を田戸へ連れて行って~」と喉まで出かかったがやめた。普段歩くことのない高時川沿いの道を歩くのも悪く
ないだろう。車に乗っていては気付かない風景が見られるはずだ。負け惜しみではなく。
しかし、田戸への道はやっぱり長かった。また腰痛がぶり返してしまったようだ。
山日和
仕事中、突然腰の痛みに襲われた。先週の水曜のことだ。その日は歩くのもままならない状態だった。