【飛越国境】 残雪期の水無山

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おど+
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登録日時: 2014年1月05日(日) 15:55
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【飛越国境】 残雪期の水無山

投稿記事 by おど+ »

 「水無山」というと、鈴鹿や台高などにも同名の山はありますが、今回向かうのは飛騨でも比較的奥地となる富山との県境にある山です。 去年、富山県の「金剛堂山(こんごうどうざん)」と「白木峰(しらきみね)」に登った時に、白山の手前に真っ白な「水無山」見えていましたが、以前からこの時期に登って見たいと思っていました。

【 日 付 】 2015年3月27日(金)
【 山 域 】 両白山地(飛越国境)
【メンバー】 2名
【 天 候 】 終日無風快晴
【 ルート 】
時刻(差) 標高 距離 場所
06:15 495m 0.0Km 上ヶ島駐車地 出発
06:20 (00:05) 517m 0.3Km 尾根取付
07:45 (01:25) 1073m 2.3Km 1073mピーク
09:00 (01:15) 1263m 4.2Km 1263mピーク
10:00 (01:00) 1448m 5.3Km 1459mピーク付近
10:30 (00:30) 1505.7m 6.0Km 水無山 昼食休憩
11:35 (01:05) 1505.7m 6.1Km 水無山 出発
12:15 (00:40) 1250m 7.8Km 1263mビーク付近
12:50 (00:35) 1040m 9.6Km 1073mビーク付近
13:20 (00:30) 517m 11.5Km 尾根末端 待機
13:40 (00:20) 495m 11.9Km 上ヶ島駐車地 到着
【 距離 】  11.9Km
【 累積標高 】+1183m -1183m
【 時間 】  7時間25分

Picasa(写真) : https://picasaweb.google.com/1058822305 ... directlink

ルートラボ : http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/wat ... 26661659be

 スノー衆前からの風邪が花粉症と合わさって中々治りません…。 とは言え、微熱も無くなり症状は軽微となってきたので、以前から計画していた飛越国境の「水無山(みずなしやま)」へ休みを取って向かうことにしました。
 今回も高山に前泊して出発することにしますが、一年ぶりに同行者が山スキーで行けることになったので、翌朝5時に一緒に出発しました。

 まだこの時期は冬季通行止めが多いので、県道90号線(卯の花街道)を走り479号線を経由して国道471・360号線を走り天生方面へと向かいました。 小鳥川沿いに奥へ進むと、10分ほどで登山口となる上ケ島に到着しました。
 路肩は高い雪で覆われていますが、所々に駐車可能地があるので、そこに駐車して出発の準備をして行きます。

 準備が出来た所で、千島集落へと向かう坂を登っていきます。

 奥に進むと、雪に覆われた右上に向かう坂道があるので、ここから尾根の末端へと向かいます。 しかし、意外な事に前日と思われるスノーシューの跡が付いていました。 自分もここでスノーシューを履きます。

 締まった雪道を登って行くと、予定している尾根の末端が見えてきました。 スノーシューの跡もここから登っており、その跡を辿りながら登ります。 ここから792mピークまでは急登が続き、いきなり疲れさせてくれます。 スノーシュー跡は迷うこと無く尾根沿いに続いています。 下山時の状態からは、前日の午後に付いた後で間違いはなさそうです。 この時期のしかも平日に、水無山方面に向かう方がいてビックリです。(人の事は言えませんが…)

 同行者のスキーは登りは難儀しますし、久しぶりの長距離?となるので、自分が先行して歩いていきます。 朝から雲ひとつ無い快晴となり、稜線から陽が出てからは強い日差しが差し込んできました。 幸い?な事に、当分の間は日陰の多い杉林などの植林帯を通って行きました。

 標高が上がると、小鳥川の対岸に高登山(たかとうやま)が見えてきました。  一旦植林帯を抜けると、雪深い平坦地となります。 しかし、スノーシュー跡のお陰で、適度に踏み固めらた道を登ることが出来ます。 陽射しの強い疎林帯は短く、1073mピークからはまた植林となりました。

 その先も登りは続きますが、急斜面と言うわけではありません。 しかし、この尾根は登り返しが多く、南方向から向かうと無駄が少なく楽できそうです。 1173m手前まで登ると、後方に遠く乗鞍岳などの景色も見え始めていました。 ここには斜面を巻くように林道らしき道跡も見られます。

 1173mピークは南から巻いて奥へと向かいます。 ここを過ぎると、それまで見えていなかった県境方面の山並みが見えてきます。

水無山方面が見えてくる
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 展望の良いこの辺りで、前日のスノーシュー跡が休憩した形跡を残して引き返していました。 正直、ここまでこのスノーシュー跡がなければ、3日前に降った雪が柔らかく沈み込みも大きい(10~20cm)ので、もっと時間と体力が消費されていたでしょう。
 ここからは地図通りの平坦な尾根が続きますが、思ったよりも上下動が多くなりました。

 極力高低差の少ないコースを目視で確認しながら前進しますが、基本的に南沿いに通り抜けるのが正解のようです。 その南方面には、以前残雪期に登った「御前岳(ごぜんだけ)」や「籾糠山(もみぬかやま)」それに「猿ヶ馬場山(さるがばんばやま)」などが見えてきました。

 ここまで来ると植林は少なくなり、この山域の見どころの一つとなる、ブナ林やカラ松などが多くなってきました。

立派なブナが多くなる
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 右に谷を見ながら、その先の斜面を登っていきます。 しかし、ここも本来は登る必要は無く、南斜面をトラバースするのが正解でした。 その先にまた林道らしき道が走っていますが、どこに向かっているのでしょうか?

 真っ白な雪面と抜けるような青空で、久しぶりに気持ちのよい歩きとなります。 しかし、地図で事前にわかっていますが、現地で見ても次第に複雑な地形となって行きました。 小さな谷が縦横に走っているので、前方の起伏を確認しながら歩くことになります。

 1263mピークへの登りは急斜面となりますが、ここも南斜面から巻けば楽できたようです。 急斜面の途中からは、後方に遠くの山々が見えてきて足が鈍ります。 1263mピークに登りつめると、その奥に県境稜線がはっきりと見えてきました。

 1278.7m三角点を通り過ぎた所で、予定通り南尾根を辿り回り込み気味に南尾根から登ることにします。 その南尾根からは、下小鳥ダムなどがよく見えていました。 右に登る斜面が緩くなってきた所で取り付きますが、ここで熊と思われる足あとが縦横に歩いていて緊張させられます。 この辺りは飛騨でも有数の熊の生息地なので、今回は鈴を鳴らしながら歩いていますが安心は出来ません…。 動物の徘徊した跡を通り抜け、県境へと斜面を登ります。

 次第に雪が多いためか木々が少なくなり、展望も開けてきます。

気持ちのよいブナの疎林
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 気が付くと、それまで手前の稜線に遮られ見られなかった白山も、姿を見せ始めています。  雪は更に深くなり、緩い場所では沈み込み量が多くなります。 幸い南斜面の陽当りの良い所は、融けて再凍結したところを選んで歩くことで、ほとんど沈み込むことはありません。

 前方に1459mピークが見えてきますが、思ったよりも高低差がありそうです・・・。

1459m手前からのパノラマ
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 1459mピークへは直登せずに、谷間状の部分を左から登ります。 程なく県境沿いの1459mピーク横に到着しました。 ここまで登ると、初めて水無山や富山県側の様子が見られます。

 ここから尾根はくの字に曲がっているので、右手の稜線像に遠回りして向かって行きました。  ここまで稜線より下で風が弱いのか、雪庇などは見かけませんでした。 しかし、ここからは遮る物の無い為、雪庇が見られ出します。

 ここまで来れば水無山まではすぐでした。

どこにでも歩いていける
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 しかし、山頂に2つに分岐している南尾根の左側は、5m以上の雪庇で取り付けそうもありません。 また、山頂も10mほどの雪庇が南側に迫り出しており、みきおねの上部がどうなっているか下からは確認出来ません。
 左の雪庇は途中で途切れているようなので、そちらへ向かって右尾根をトラバース気味に登って行きました。

 思った通り、左の雪庇は途中で途切れていました。 雪に埋もれた沢を渡り、折り返すように左尾根に取付きます。 後は山頂まで最後の急斜面を登るだけとなりました。

 山頂への斜面を登っていきますが、すでに展望が広っており目を離せません…。

 そして出発から4時間15分で山頂に到着しました。

 ここまで何とか来ましたが、1263mピーク付近から病後の疲れからか息切れがして本調子ではありませんでした。 この天気でなければ途中で諦めていたかも知れませんが、当初計画の周回は出来そうもありませんし、山スキーの同行者とは相当下で別行動となっています。

 最悪でも山頂までは5時間で到着予定だったので、まだ時間に余裕はあります。 同行者が来るか分かりませんが、ここで写真撮影や昼食を摂り(撮り)ながら待つことにします。 幸い天気は崩れそうもありませんし、風もほとんど無く、この時期としては異常な暑さでした。(日陰で13℃、陽当りで22℃…)

 山頂からの景色は素晴らしく、近くの白山などは兎も角、この日は遠く中央アルプスや南アルプスも一つ一つの山名が分かるほど、はっきりと望むことが出来ました。

水無山からのパノラマ(北アルプス・乗鞍岳・御嶽山・白山など)
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 満足するまで存分に撮影と展望を楽しんだ所で、同行者の姿も見えてこないので下山を開始します。 下山途中に、山頂の樹木に邪魔されて見えづらい白山北方稜線と、近くの「三ヶ辻山(みつがつじやま)」や「人形山(にんぎょうやま)」を北斜面に回りこみ見ていきます。

穏やかな山並みが続く
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 昼になり予想通り雪が緩み始めています。 しかし、思ったより水分は含んでなくずり落ちていかないので、強気で降りていけました。(その変わりシリセードは無理です)

 往路に記憶しておいた、余計なピークや斜面の最短地点を降りて、効率よく下山していきます。

 1263mピークまで来ると、スキー跡が見られだし、その下で休憩した跡がありました。 同行者はここまでとして、下山を開始しているようです。 ここからはそのスキー跡を追って、最短距離を戻ることにします。

 山頂での長い休憩が功を奏したのか、帰路は快適に降りることが出来ました。 また、気持ちのよい天気が続き、精神的には気が楽でした。

 792mピークを通過して、最後の斜面を一気におりていきます。 最後の急斜面で、スキーを脱ぎワカンに履き替えている同行者と合流し、無事に車へと戻ることが出来ました。(同行者は、久しぶりの本格的な登山で途中で足が攣り、引き返してきたようです。)

 帰路、今回もゆっくりと温泉に浸って疲れを癒してから帰りました。

おど+
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
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Re: 【飛越国境】 残雪期の水無山

投稿記事 by 山日和 »

おどさん、こんばんは。
この水無山はずーっと前から青写真を描いていながら未だに果たせていない山なんです。
私の前にやぶこぎにレポが出るとは夢にも思いませんでした。(^_^;)

 去年、富山県の「金剛堂山(こんごうどうざん)」と「白木峰(しらきみね)」に登った時に、白山の手前に真っ白な「水無山」見えていましたが、以前からこの時期に登って見たいと思っていました。

私も金剛堂や籾糠から眺めて「良さそうやなあ」と思ってましたよ。
私はおどさんと同じ尾根を上がって、1本北の尾根を下りるプランを描いてました。最後は渡渉必至のようですが。 :mrgreen:

 しかし、山頂に2つに分岐している南尾根の左側は、5m以上の雪庇で取り付けそうもありません。 また、山頂も10mほどの雪庇が南側に迫り出しており、みきおねの上部がどうなっているか下からは確認出来ません。
 左の雪庇は途中で途切れているようなので、そちらへ向かって右尾根をトラバース気味に登って行きました。


なだらかそうな山ですが、雪庇ができてるんですね。地形が優しそうだから弱点はあるでしょうね。

 ここまで何とか来ましたが、1263mピーク付近から病後の疲れからか息切れがして本調子ではありませんでした。 この天気でなければ途中で諦めていたかも知れませんが、当初計画の周回は出来そうもありませんし、山スキーの同行者とは相当下で別行動となっています。

この辺がちょっと理解できないんですが、パーティーではないんですか?
各々が自由に行動する話し合いができてるんでしょうか?

                             山日和

三ヶ辻山からたぶん水無山方面(^^ゞ
三ヶ辻山からたぶん水無山方面(^^ゞ
おど+
記事: 241
登録日時: 2014年1月05日(日) 15:55
お住まい: 愛知県
連絡する:

Re: 【飛越国境】 残雪期の水無山

投稿記事 by おど+ »

山日和さん、こんにちは。

>この水無山はずーっと前から青写真を描いていながら未だに果たせていない山なんです。
>私の前にやぶこぎにレポが出るとは夢にも思いませんでした。(^_^;)

 自分の行く山域は、どうもマイナーな所が多いようで、ここでの反応はありませんね…。 :lol:

>私はおどさんと同じ尾根を上がって、1本北の尾根を下りるプランを描いてました。最後は渡渉必至のようですが。 :mrgreen:

 山日和さんの考えているコースが周回としては一般的でしょうか。 この尾根は計画の予備案として考えていました。 現地で見た限りでは、尾根の途中から南の尾根へ乗り換えは得策では無いようです。 下から見ると南斜面は急で、所々雪崩れそうな感じでした。 尾根の末端は、よく見えませんでしたが、雪で埋まって渡渉の必要が無さそうでしたが、今年は雪が多いからかも知れません。(谷からの水音は聞こえてきませんでした)

>この辺がちょっと理解できないんですが、パーティーではないんですか?
>各々が自由に行動する話し合いができてるんでしょうか?

 パーティーとは違います。 個別のペースで歩いて行きましたし、山スキーなので下りのペースも合いませんね。(携帯が繋がれば、個別行動でも安心出来ますが、今回は自分のドコモはほぼ全域で通話可能でしたが、auは全く通じませんでした…。)

おど+
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