【中欧】ブダペストのテーブルランドを歩く—神様がくれた贈り物—

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シュークリーム
記事: 2060
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

【中欧】ブダペストのテーブルランドを歩く—神様がくれた贈り物—

投稿記事 by シュークリーム »

2月14,15日の天気予報はピーカンの山日和.気温も7,8度まで上がるんだとか.ハンガリーで2月といえばまだまだ冬の真只中なのにこの天気とは.きっとハンガリーの神様の贈り物だろう.ブダペストで過ごす週末もこの日を入れてあと2回のみ.こんないい天候の時に時間の許す限りハンガリーの山を歩き回りたい.ということで,今回は二日連続の山行になった.

【 日 付 】2015年2月14日(土)
【 山 域 】ブダペスト近郊(ヴィシェグラード山地)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】 アパート 6:55 --- (ヘーヴ) --- 7:50 ポマーツ Pomaz --- 10:10 P556 (Nagy-Csikovar) --- 11:00 駐車場 --- 12:50 昼食 13:10 --- 13:40 Pilisszentkereszt村 14:12 --- (バス) --- 14:35 ポマーツ Pomaz 14:40 --- (ヘーヴ) --- 15:30 アパート

天気予報通り二日間とも雲ひとつないピーカンとなった.土曜日は全行程の半分以上が林道歩きとなる.朝のうちは土が凍っていて大丈夫だったが,気温が上がるに連れて泥道になり,靴が泥だらけになる.

土曜日の終着点のPilisszentkereszt村に着くと目の前にこれまで歩いてきた山とは明らかに高い山がどっしりとそびえていた.山の上からたくさんのパラグライダーが飛んでいる.上の方はパラグライダー場になっているようだ.後で調べてみるとピリス山地の最高峰ピリス山 (756m) であることがわかった.地図を見ると周囲が切り立っていて,うえが台地状になっている.これは行ってみないといけないだろうと,翌日のコースがほぼ決定した.
ピリス山 756m
ピリス山 756m
【 日 付 】2015年2月15日(日)
【 山 域 】ブダペスト近郊(ピリス山地・ヴィシェグラード山地)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】 アパート 7:00 --- (ヘーヴ) ---7:50 ポマーツ Pomaz 7:55 --- (バス) --- 8:15 Pilisszentkereszt村--- 10:00 P756 Pilis山 10:20 --- 11:35 駐車場--- 12:55 Dobogo-ko 13:25 --- 14:30 Pilisszentkereszt村 15:12 --- (バス) --- 15:35 ポマーツPomaz 15:40 --- (ヘーヴ) --- 16:30 アパート
P1090537.jpg
昨日と同じ時刻のヘーヴに乗りPomazに7時50分着.バスの出発時刻まで6分ほどあるので駅前のパン屋で昼食用のパンを買い,まだ2分あるので余裕だと思ってバスに向かったら,時刻前なのにバスが出て行ってしまった.このバス,1時間に1本しかないので途方に暮れていると,その姿を見つけたのかバスが止まった.走っていって乗せてもらった.いかにもハンガリー人らしい親切なバスの運転手さんだった.それにしても出発時刻前なのにお客がもう来ないと思って出発したのだろうか.日本ではあり得ないことだが,日本の常識は世界の非常識なので,深く考えてもしょうがない.

昨日の終点で,今日の出発点になるPilisszentkereszt村は山間部の静かな村.この村には13世紀にあった大きな修道院の遺跡があるようで,歩いているとあちこちに宗教的なモニュメントがある.
路傍のモニュメント
路傍のモニュメント
ピリス山に向かう.この山,上のテーブルランドに乗るまでは結構な傾斜だが,山腹から一定勾配になるように杣道が作られている.台高に行くと廃道化した杣道がよくあるが,ハンガリーではまだこのような杣道が現役で使われているのだ.

ゆるゆる歩いていると後から来た単独の男性に追いつかれる.英語が堪能な人なので話をしながら一緒に歩いていく.月に3,4回ほど山に登りに来るのだという.40代だろうか.歩くスピードが違うので,頂上で会うことを約して別れる.台地状になっているだけあって途中からの景色は素晴らしい.ただ遠くがかすんで見えているのが残念だが.

頂上には展望台と軍事基地跡があった.これはロシアの秘密軍事基地だったのだそうで,その大砲はブダペストに向けられていたのだという.つまりいざという時にブダペストを攻撃するための秘密基地だったのだ.ハンガリーの暗い歴史を象徴するような施設だった.
ピリス山頂上の展望台と軍事基地跡
ピリス山頂上の展望台と軍事基地跡
山頂を辞し,次の目的地Dobogo-koに向かう.途中,車道に出る.ここはピリス山に最も近い登山口になっているようで駐車場は車でいっぱいだ.道理で途中でよく人に会うと思った.道はDobogo-koに向かう車がひっきりなしに走っている.

駐車場から1時間ほどでDobogo-ko着.ここはブダペストから日帰りで来ることができる標高約700mのリゾート地なのだそうだ.ハンガリーで一番古いスキー場があるらしい.ドナウ川を見下ろす展望台があり,行楽客でいっぱいだ.
展望台
展望台
ドナウ川
ドナウ川
ホテルが何件かあり,ホテルの前の広場には大きな鍋に数種類のスープが湯気を立てている.ちょうどお昼時でスープが美味しそうなので,食べてみることにする.スープの前で列につくが,どこかで食券を買ってくるらしい.ホテルの喫茶店に行って聞いてみる.でもハンガリー語がわからないので思いのほか苦労する羽目になる.
やり取りはこんな感じ
ホテル前の広場
ホテル前の広場
私「外のスープのチケットはここで買えるんですか?」
店員「そうですよ.なんのスープにしますか」
私「えっ(絶句).私,スープの種類わからないんですけど」
店員「・・・の入ったのは?」
私「・・・?(店員の言葉をそのまま繰り返したつもり)」
店員「・・・じゃないんですけど.(困った顔をしている)」
私「????」
店員「(私の顔を見て)魚のスープなんかどうですか」
私「じゃあ,それにします」

言葉がわからない国なので,食券一つ買うのに結構苦労する.でも,スープは美味しかった.大きいサイズを頼んだらそれだけでお腹がいっぱいになった.
魚のスープ
魚のスープ
ここからバスに乗って帰ってもいいのだが,まだ時間も早いのでPilisszentkereszt村まで歩いて戻ることにする.二日間ともいい天気で,楽しい山歩きだった.
アパートに帰って,いつものように汗を流しにキラーイ温泉に行ったのは言うまでもない.
                         @シュークリーム@
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