[鈴鹿]裏口から巡る綿向山

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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

[鈴鹿]裏口から巡る綿向山

投稿記事 by 山日和 »

【日 付】2014年12月14日(日)
【山 域】鈴鹿 綿向山
【天 候】曇り
【コース】熊野神社7:00---8:17水無山南峰8:36---9:14綿向山(北峰往復)9:45---10:00 P992m10:12---10:42塩の道峠
---11:14 P811m---12:00熊野神社

 午後から所用があるのと、少しでも天気のマシな場所ということで選んだのは綿向山。今日はメジャー登山口ではなく初見の
裏口から侵入させてもらおう。
日野町の熊野神社がスタート地点。ここには「綿向山」の標識は何もない。熊野の滝への案内標識があるが、この滝は8月の大
雨で岩壁が崩落して姿がすっかり変わってしまったらしい。
社務所が朝早くから賑やかだなと思ったら、衆院選の投票所になっていた。前日に期日前投票を済ませたが、結果的には死に
票になってしまった。日本はどこへ向かうのだろう。

[attachment=7]DSCF1722_3_1.JPG[/attachment]
 マシな天気で選んだはずの山だったが空の色はどんよりと重い。しかし降られることはなさそうだ。文三ハゲへの林道をしばら
く歩いてカーブの曲がり鼻から尾根に取り付いた。植林帯の急登が続くが踏み跡は明瞭。ただひたすら上を目指せばいいだけ
だ。傾斜が緩むと自然林に変わり、防火線のような幅の広い切り分け道が一直線に続く。
 風があり立ち止まると寒いので水無山南峰までノンストップで歩いた。このところ週末になると強い寒気が入って寒い。ゆうべ
も氷点下まで下がっていた。
この登りの途中と山頂には下り方向に向かって「この先道はまったくありません。引き返して下さい」という看板がある。そこから
登って来た私の立場はどうなるのだろう。危険なところはまったく無く、水無山北尾根コースのトラバース道よりもよほど安全な登
山コースと言えるだろう。

[attachment=6]DSCF1725_1.JPG[/attachment]
 南峰の山頂を出る時に単独者がやってきた。軽く挨拶をして北峰へ向かう。
水無山北峰から綿向山頂までは今年の2月に歩いている。しかし同じ山とは思えないぐらい目の前の景色は違う。2月は青空の
下、たっぷりの積雪と一面の霧氷に覆われた雪山らしさを満喫できた。今はうっすら積もった雪と葉を落として丸裸になった木々
が鉛色の空の下にくすんで寒々しい風景である。
 最低鞍部の先に大きなブナがあった。かなりのものだが、残念ながら裏側へ回ると半分空洞化している。生きていれば文句無
しに鈴鹿ナンバーワンのブナだろう。

[attachment=5]DSCF1758_1_1.JPG[/attachment]
 いつも大勢の人で賑わう山頂に人影はなかった。まだ少し時間が早過ぎるのかもしれない。
鈴鹿の県境稜線を眺めれば、ひと目でそれとわかる鎌ヶ岳の鋭峰がそこだけ日が差して神々しいばかりに輝いていた。
時間があるので北峰まで散歩してみよう。山頂までの道のりではほとんど霧氷らしいものはなかったが、風の吹き方が違うのか、
ここからの尾根は霧氷のプロムナード。曇り空のせいでグレーに沈んでいるのは残念だが、これだけの霧氷を見られただけでも
良しとしよう。

[attachment=4]DSCF1787_1_1.JPG[/attachment][attachment=3]DSCF1791_1_1.JPG[/attachment]
 北峰からは尾根がグッと高度を下げて草原が続き、その先にイハイガ岳の特徴ある姿が頭をもたげている。その向こうには雨
乞、イブネ、さらに御在所、釈迦の稜線が伸びやかな風景を展開していた。
山頂へ戻ると2人パーティーがいた。本日会ったのは合計3人のみ。短時間で登れる綿向山はこれからが賑わう時間帯なのだろ
うか。鎌から続く県境稜線の向こうには伊勢湾が光っている。

[attachment=2]DSCF1801_1_1.JPG[/attachment]
 下山は南尾根を辿る。ここを歩くのは10数年振り。山頂下のブナの木平はそこそこのブナが並ぶいい場所だが風があって休む
気にならない。ビールもカップ麺もコーヒーもしるこもお預けで一気に下ってしまおう。とは言え少々腹が減ったので、P992mで小
休止してパンを齧る。ここで尾根は二つに分かれる。左は白倉谷方面への尾根で2度ばかり歩いたことがある。右は奥草山への
尾根。こちらは途中から大菊ヶ谷へ一度下りたことがあったがまったく記憶から消えている。

[attachment=1]DSCF1812_1_1.JPG[/attachment]
 P992mからの下りは東側に地形図でも顕著な崩壊地があり、尾根芯はガケの縁に沿って続いている。落ちたくないので内側の
潅木帯を縫って下降。正面には気持ちよく奥草山と政子方面の展望が開けている。
尾根上はやがて植林が勝つようになり、面白みが欠けてきた。
 Ca690mの鞍部は塩の道峠と呼ばれているらしいが、峠の風情はまったく無い植林の平地だ。西に道らしきものがあるようだが、
落忍さんはここを下りて苦戦したらしい。まだ時間があるのでもう少し足を延ばしてみよう。

 この尾根は意外にアップダウンがあり結構疲れる。地図上の標高差以上の登りがあるように感じた。
次のCa750mピークから2つピークを越えると岩混じりのヤセ尾根となり、退屈しのぎにはちょうどいい。ヤセ尾根の真ん中に大き
な木があったりして視覚的にも面白いところだ。そこからP811mは近い。
 ここまで来れば奥草山は目の前。ついでに片付けてしまいたいところだが時間が無い。
踵を返して少し戻ったところから北西の尾根に入る。右の谷側には用を為さなくなったシカ除けネットが続いていた。
転げるような急傾斜が落ち着くとゆったりした植林帯に入る。ここの植林は手入れが行き届いており明るい。尾根芯は林道かと
思わせるような幅の広い道が付けられていた。

[attachment=0]DSCF1829_1.JPG[/attachment]
 地形図にある破線路はこのあたりから西の尾根に伸びているが、それを辿ると遠回りである。道なりに進むと自然に北西の尾
根に乗り、最後まで整備された杣道を歩くことができた。上流に熊野の滝がある谷へ下り立った。すぐそこに林道が来ている。
谷を渡る橋の上から見上げる尾根筋はブナの木平からP992mあたりだろうか。
天然記念物の「熊野のヒダリマキガヤ」など見つつ熊野神社に戻って来た時、ちょうど12時のサイレンが響き渡った。

                                   山日和
添付ファイル
DSCF1829_1.JPG
DSCF1812_1_1.JPG
DSCF1801_1_1.JPG
DSCF1791_1_1.JPG
DSCF1787_1_1.JPG
DSCF1758_1_1.JPG
DSCF1725_1.JPG
DSCF1722_3_1.JPG
落第忍者
記事: 1229
登録日時: 2011年2月20日(日) 15:31
お住まい: 三重県伊賀市
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Re: [鈴鹿]裏口から巡る綿向山

投稿記事 by 落第忍者 »

山日和さん、こんばんは。

鈴鹿モルゲンロートクラブの『この先行き止まり』標識は水無山の(北)西尾根にもありますね。
水無山北尾根の一般コースの山腹道は雪が被ると只の斜面と化して危険なので、冬は推奨できないとの注意書きがありますが、それなら(北)西尾根を一般道にすればいいのにという話は以前にもしたような気がします。
南(西)尾根も然りと言ったところでしょうか。
沢山の人や団体が関わる山ですからそんなに簡単にはいかないのかもしれませんが・・・
完璧に整備された表参道が有り難いことは言うまでもありませんけど、冬はどうしても登山者が集中してしまいますから。
素晴らしい山であることに異論はありませんので何度でも訪れたいのに、渋滞するほど人が多いのも考えてしまいます。

熊野滝への道は途中で橋が落ちているとともに、滝壺も崩れた岩で埋まっていました。
此処には橋が架かっていたのでしょう。
此処には橋が架かっていたのでしょう。
埋もれた滝壺
埋もれた滝壺
但し、途中まではかなり整備されたいい道でしたので、今後修復予定があるのかもしれません。
崩れる前の姿を知りませんので見てみたい気持ちはありますが、どうなることでしょう。

綿向山界隈には鈴鹿でも有数の大きなブナが7本あるそうですが、私が確認しているのは金明ブナくらいです。
山日和さんが見られたものは、水無の翁なのかもしれません。

南尾根から熊野に降りる尾根には立派な道があるのですね。
塩の道峠からですと少し近いだけで、雪の時期に安全に歩くには広い尾根が良さそうです。

綿向生森のHPに面白いページがあるのを見付けましたので貼っておきます。
URLを見ると『watamukisan』になってたりします。

http://www.rmc.ne.jp/watamukisan/watamei2.html
落第忍者
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山日和
記事: 3585
登録日時: 2011年2月20日(日) 10:12
お住まい: 大阪府箕面市

Re: [鈴鹿]裏口から巡る綿向山

投稿記事 by 山日和 »

落忍さん、どうもです。

鹿モルゲンロートクラブの『この先行き止まり』標識は水無山の(北)西尾根にもありますね。
水無山北尾根の一般コースの山腹道は雪が被ると只の斜面と化して危険なので、冬は推奨できないとの注意書きがありますが、それなら(北)西尾根を一般道にすればいいのにという話は以前にもしたような気がします。
南(西)尾根も然りと言ったところでしょうか。
沢山の人や団体が関わる山ですからそんなに簡単にはいかないのかもしれませんが・・・


道を変更するのはいろんな事が絡んでいるのでなかなか難しいんでしょうね。自治体が主体となってやるならいんでしょうけど。看板変えるだけでも大変だし。
水無山コースで言えば、トラバースルートと文三ハゲから金明水経由の巻き道は、どう考えても尾根通しの方が安全ですよね。
熊野からの水無山南尾根は登山道にしてもいいんじゃないかと思います。

[attachment=0]DSCF1724_1.JPG[/attachment]
完璧に整備された表参道が有り難いことは言うまでもありませんけど、冬はどうしても登山者が集中してしまいますから。
素晴らしい山であることに異論はありませんので何度でも訪れたいのに、渋滞するほど人が多いのも考えてしまいます。


まあ、冬の金剛山よりはマシですが・・・ :mrgreen:

熊野滝への道は途中で橋が落ちているとともに、滝壺も崩れた岩で埋まっていました。

この姿は別のサイトで見ました。左側にできた滝はそれなりの姿をしているようですね。

綿向山界隈には鈴鹿でも有数の大きなブナが7本あるそうですが、私が確認しているのは金明ブナくらいです。
山日和さんが見られたものは、水無の翁なのかもしれません。


そうですね。ハリマオさんのサイトでもダントツの鈴鹿ナンバーワンの太さです。残念ながらほとんど死んでいますが。

[attachment=2]DSCF1739_1_1.JPG[/attachment][attachment=1]DSCF1740_1_1.JPG[/attachment]
南尾根から熊野に降りる尾根には立派な道があるのですね。
塩の道峠からですと少し近いだけで、雪の時期に安全に歩くには広い尾根が良さそうです。


地形図に破線路があったので目星を付けていたのですが、思ったよりいい道がありました。

綿向生森のHPに面白いページがあるのを見付けましたので貼っておきます。
URLを見ると『watamukisan』になってたりします。


正しくは「わたむきさん」なんですね。 ;)

                 山日和
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