【鈴鹿】御池岳 丸裸の池めぐり
Posted: 2014年10月28日(火) 23:26
【日 付】2014年10月25日(土)
【山 域】鈴鹿北部 御池岳
【天 候】晴れ
【メンバー】ひいちゃん、山日和
【コース】鞍掛橋8:08---9:21稜線---10:25鈴北岳---11:37丸山—12:14-南峰13:33---13:54東のボタンブチ---
14:34ボタンブチ---14:55丸山---15:45鈴北岳---16:18鞍掛峠---16:55鞍掛橋
鞍掛橋から御池に向かうのは10数年振りだ。通行止めになっている国道306号も来月からは開通するらしい。今日
は静かな御池を楽しむ最後のチャンスだろうか。
林道を見て度肝を抜かれた。斜面の崩落跡に土嚢のようなものがうず高く積み上げられて行く手を塞いでいる。近
寄ってみるとハシゴがあり、土嚢の山の左手に踏み跡ができていた。いきなりルート変更かと思ったが、ホッと胸をな
で下ろす。
[attachment=7]DSCF1078_1_1.JPG[/attachment]
山を越えるとさほど荒れているところもなく、林道終点の堰堤にぶち当たった。行き過ぎである。少し手前の尾根に
取り付いて送電鉄塔経由で県境稜線に出る予定だ。
末端の急坂を上がると右手からいい道が上がって来ていた。どうやら手前の谷から入るのが「正規の」道らしい。
思い出してみると、13年前の3月にこの尾根を下りてきて、谷へ下り立ったところでコーヒーを淹れた記憶がある。
道は非常に歩きやすいが、まったくの植林の中で面白くもなんともない。上方に自然林が見えて期待しても、そこま
で上がってみるとやはり尾根芯は植林が続いている。
鉄塔を過ぎたところで左の山腹へ道が分岐している。これは鞍掛峠への道だろう。尾根を直登してやっと自然林に入
れば県境稜線に飛び出す。
[attachment=6]DSCF1106_1.JPG[/attachment]
天気予報では日本中晴れのはずだが、やたら雲が多くすっきりしない。しかし鈴北岳へ向かって登って行く内に徐々
に青空の占める割合が大きくなってきた。西斜面を巻き気味に進んで再び尾根に乗ると大きく展望が開けた。
日陰になって沈んでいるが、タテ谷方面の紅葉が美しい。東を見やると御嶽が相変わらず白い噴煙を上げている。
考えてみると、この尾根を雪の無い時に歩くのは初めてだ。なるほど、こんないい登山道が付いていたのか。自分
が登山を始めた頃の地図やガイドブックでは、峠から鈴北岳までは猛烈なヤブでまともに歩くことはできなかった。
[attachment=5]DSCF1128-1_1_1.jpg[/attachment]
鈴北岳に着いた。北には霊仙と伊吹、能郷白山、そしてまだ全然白くない白山が並ぶ。御嶽の右には中アと恵那
山。左には乗鞍と穂高連峰。今日は空気が澄み切っているようだ。
登って来た尾根を振り返るとツアーなのか大勢の登山者が連なって歩いている。あれに巻きこまれてはかなわない
のでそそくさと山頂を後にした。
さて、ここからはどこを歩くも自由だ。池巡りのスタートは元池から。このあたりの地面を覆う苔はしっとりとして美し
く輝いている。鮮やかな緑色の苔の間に突き出すカレンフェルトの白さが眩しい。苔の間を割って辿り着いた元池は
水量も少なくやや風情には欠ける。
地図も見ずに適当に歩いて名前のわからない水溜りのような池に出た。右寄りに山腹を上がって行くと次の池。
これはウリハダカエデの池か。これまで意識して池探しをしたことがなかったので、幸助の池や風池、奥の池のよう
にハッキリした場所にある池以外は記憶が曖昧だ。もっとも昔と違ってササをかき分けて探さなくても池は目に飛び
込んでくる。先人の池探しの楽しみはもう味わうことができない。
[attachment=4]DSCF1168_1.JPG[/attachment]
天気がいいと最高峰である丸山が常に視界に入っているので地図を見なくてもおおよその位置はわかる。丸山山
頂を回避するつもりだったが、ついつい出てしまった。数人がお食事中。すぐに山頂を辞して風池へ向かう。谷間の
奥には天狗堂の鋭峰が印象的だ。
今日はあんぱんがないのであんドーナツをお供えして杣人さんを偲んだ。天狗の鼻からボタンブチを見ると、ちょうど
昼時とあって人が鈴なりだ。
ボタンブチは寄らずに奥の平に上がる。視界を遮るものは何もなく、1241m標高点まで一直線。20年足らず前にはと
てもできなかった芸当だ。
[attachment=3]DSCF1183_1.JPG[/attachment]
ランチは一番のお気に入りの場所、南峰で摂るとしよう。
テーブルランドの東半分を見下ろすこの場所は、御池で一番好きな場所である。藤原から続く鈴鹿中部の山々がテ
ーブルランドの奥に広がる。朝の曇り空が何かの間違いのように、暖かいと言うよりむしろ暑いぐらいの日差しだ。
解凍時間の案分を間違えてまだシャーベット状のビールを飲む。それでもぬるいよりははるかにマシである。
トレラン風の登山者がやってきて「滋賀県側からですか」と聞いてきた。こちらが聞きもしないのに「藤原から縦走して
来ました」と言って去って行った。何が言いたかったのか。
[attachment=2]DSCF1200_1.JPG[/attachment]
腹もふくれて体が重くなったが、とりあえず東のボタンブチまで行ってみよう。東池を経由して、「茶色のドリーネ」を
横目で見ながら奥の池を回り込み、東のボタンブチに立つ。足元から土倉谷、真ノ谷が落ち込んで藤原と天狗岩が
間近に迫るここは、本家ボタンブチに負けず劣らずいいところだ。頭陀ヶ平から真ノ谷へ落ちる急斜面がほど良く色付
いて美しい。
帰路は西側へ回ってマユミ池、ボタン岩、幸助の池、そして誰もいなくなったボタンブチでひと休み。
こちらもゴロ谷側斜面とT字尾根の紅黄葉が見頃だ。
この時間になっても単独者が続けて2人やってきた。大きな荷物を見ればテン泊のようだ。きっといい朝を迎えられ
るだろう。うらやましい限りである。
[attachment=1]DSCF1217_1.JPG[/attachment]
寄るつもりもないのに本日2回目の丸山。ここから登山道を真ノ谷へ下りて鈴北へ戻るとしよう。テーブルランドでは
ほとんど終わっていた紅葉もこの谷あいではいい色付きを見せている。
背丈以上に彫り込まれた谷底は歩くのが困難で、左右の台地を進む。鈴北に3時半と見ていたが、だいぶ時間が押
してきた。暗い谷底を離れて明るい県境稜線に逃げることにする。
P1146のあたりで尾根に上がって鈴北岳へ戻ったのは予定より15分遅れだった。明るい内に下山できるのは間違い
ないが、ちょっとペースを上げてみよう。
[attachment=0]DSCF1259-1_1.jpg[/attachment]
当初は御池谷を下るつもりだったが、谷筋は荒れてそうで時間が読めない。往路を戻ることにした。
小走りで駈け進んで行く内に、あるはずのない鉄塔に出くわした。勢い余って登りの尾根の分岐を通り過ぎてしまった
のだ。戻るのも面倒なので鞍掛峠まで下りてからトラバース道を行こう。飛ばしたおかげで鈴北から30分で峠に着い
てしまった。もう急ぐ必要はない。
元の尾根に合流して尾根末端は谷へ道を辿り、鞍掛橋へ戻ったのは鈴北を出発して1時間チョイ後だった。足に不
安があると言うひいちゃんだったがなかなかどうして。このペースで下れれば大したものだ。
しかしこのコースの往復なら鞍掛トンネル西口まで車で行った方がはるかに効率がいい。元々は御池谷を下るため
の設定だったのだが、下から登ることにこだわったのだということにしておこう。
山日和
【山 域】鈴鹿北部 御池岳
【天 候】晴れ
【メンバー】ひいちゃん、山日和
【コース】鞍掛橋8:08---9:21稜線---10:25鈴北岳---11:37丸山—12:14-南峰13:33---13:54東のボタンブチ---
14:34ボタンブチ---14:55丸山---15:45鈴北岳---16:18鞍掛峠---16:55鞍掛橋
鞍掛橋から御池に向かうのは10数年振りだ。通行止めになっている国道306号も来月からは開通するらしい。今日
は静かな御池を楽しむ最後のチャンスだろうか。
林道を見て度肝を抜かれた。斜面の崩落跡に土嚢のようなものがうず高く積み上げられて行く手を塞いでいる。近
寄ってみるとハシゴがあり、土嚢の山の左手に踏み跡ができていた。いきなりルート変更かと思ったが、ホッと胸をな
で下ろす。
[attachment=7]DSCF1078_1_1.JPG[/attachment]
山を越えるとさほど荒れているところもなく、林道終点の堰堤にぶち当たった。行き過ぎである。少し手前の尾根に
取り付いて送電鉄塔経由で県境稜線に出る予定だ。
末端の急坂を上がると右手からいい道が上がって来ていた。どうやら手前の谷から入るのが「正規の」道らしい。
思い出してみると、13年前の3月にこの尾根を下りてきて、谷へ下り立ったところでコーヒーを淹れた記憶がある。
道は非常に歩きやすいが、まったくの植林の中で面白くもなんともない。上方に自然林が見えて期待しても、そこま
で上がってみるとやはり尾根芯は植林が続いている。
鉄塔を過ぎたところで左の山腹へ道が分岐している。これは鞍掛峠への道だろう。尾根を直登してやっと自然林に入
れば県境稜線に飛び出す。
[attachment=6]DSCF1106_1.JPG[/attachment]
天気予報では日本中晴れのはずだが、やたら雲が多くすっきりしない。しかし鈴北岳へ向かって登って行く内に徐々
に青空の占める割合が大きくなってきた。西斜面を巻き気味に進んで再び尾根に乗ると大きく展望が開けた。
日陰になって沈んでいるが、タテ谷方面の紅葉が美しい。東を見やると御嶽が相変わらず白い噴煙を上げている。
考えてみると、この尾根を雪の無い時に歩くのは初めてだ。なるほど、こんないい登山道が付いていたのか。自分
が登山を始めた頃の地図やガイドブックでは、峠から鈴北岳までは猛烈なヤブでまともに歩くことはできなかった。
[attachment=5]DSCF1128-1_1_1.jpg[/attachment]
鈴北岳に着いた。北には霊仙と伊吹、能郷白山、そしてまだ全然白くない白山が並ぶ。御嶽の右には中アと恵那
山。左には乗鞍と穂高連峰。今日は空気が澄み切っているようだ。
登って来た尾根を振り返るとツアーなのか大勢の登山者が連なって歩いている。あれに巻きこまれてはかなわない
のでそそくさと山頂を後にした。
さて、ここからはどこを歩くも自由だ。池巡りのスタートは元池から。このあたりの地面を覆う苔はしっとりとして美し
く輝いている。鮮やかな緑色の苔の間に突き出すカレンフェルトの白さが眩しい。苔の間を割って辿り着いた元池は
水量も少なくやや風情には欠ける。
地図も見ずに適当に歩いて名前のわからない水溜りのような池に出た。右寄りに山腹を上がって行くと次の池。
これはウリハダカエデの池か。これまで意識して池探しをしたことがなかったので、幸助の池や風池、奥の池のよう
にハッキリした場所にある池以外は記憶が曖昧だ。もっとも昔と違ってササをかき分けて探さなくても池は目に飛び
込んでくる。先人の池探しの楽しみはもう味わうことができない。
[attachment=4]DSCF1168_1.JPG[/attachment]
天気がいいと最高峰である丸山が常に視界に入っているので地図を見なくてもおおよその位置はわかる。丸山山
頂を回避するつもりだったが、ついつい出てしまった。数人がお食事中。すぐに山頂を辞して風池へ向かう。谷間の
奥には天狗堂の鋭峰が印象的だ。
今日はあんぱんがないのであんドーナツをお供えして杣人さんを偲んだ。天狗の鼻からボタンブチを見ると、ちょうど
昼時とあって人が鈴なりだ。
ボタンブチは寄らずに奥の平に上がる。視界を遮るものは何もなく、1241m標高点まで一直線。20年足らず前にはと
てもできなかった芸当だ。
[attachment=3]DSCF1183_1.JPG[/attachment]
ランチは一番のお気に入りの場所、南峰で摂るとしよう。
テーブルランドの東半分を見下ろすこの場所は、御池で一番好きな場所である。藤原から続く鈴鹿中部の山々がテ
ーブルランドの奥に広がる。朝の曇り空が何かの間違いのように、暖かいと言うよりむしろ暑いぐらいの日差しだ。
解凍時間の案分を間違えてまだシャーベット状のビールを飲む。それでもぬるいよりははるかにマシである。
トレラン風の登山者がやってきて「滋賀県側からですか」と聞いてきた。こちらが聞きもしないのに「藤原から縦走して
来ました」と言って去って行った。何が言いたかったのか。
[attachment=2]DSCF1200_1.JPG[/attachment]
腹もふくれて体が重くなったが、とりあえず東のボタンブチまで行ってみよう。東池を経由して、「茶色のドリーネ」を
横目で見ながら奥の池を回り込み、東のボタンブチに立つ。足元から土倉谷、真ノ谷が落ち込んで藤原と天狗岩が
間近に迫るここは、本家ボタンブチに負けず劣らずいいところだ。頭陀ヶ平から真ノ谷へ落ちる急斜面がほど良く色付
いて美しい。
帰路は西側へ回ってマユミ池、ボタン岩、幸助の池、そして誰もいなくなったボタンブチでひと休み。
こちらもゴロ谷側斜面とT字尾根の紅黄葉が見頃だ。
この時間になっても単独者が続けて2人やってきた。大きな荷物を見ればテン泊のようだ。きっといい朝を迎えられ
るだろう。うらやましい限りである。
[attachment=1]DSCF1217_1.JPG[/attachment]
寄るつもりもないのに本日2回目の丸山。ここから登山道を真ノ谷へ下りて鈴北へ戻るとしよう。テーブルランドでは
ほとんど終わっていた紅葉もこの谷あいではいい色付きを見せている。
背丈以上に彫り込まれた谷底は歩くのが困難で、左右の台地を進む。鈴北に3時半と見ていたが、だいぶ時間が押
してきた。暗い谷底を離れて明るい県境稜線に逃げることにする。
P1146のあたりで尾根に上がって鈴北岳へ戻ったのは予定より15分遅れだった。明るい内に下山できるのは間違い
ないが、ちょっとペースを上げてみよう。
[attachment=0]DSCF1259-1_1.jpg[/attachment]
当初は御池谷を下るつもりだったが、谷筋は荒れてそうで時間が読めない。往路を戻ることにした。
小走りで駈け進んで行く内に、あるはずのない鉄塔に出くわした。勢い余って登りの尾根の分岐を通り過ぎてしまった
のだ。戻るのも面倒なので鞍掛峠まで下りてからトラバース道を行こう。飛ばしたおかげで鈴北から30分で峠に着い
てしまった。もう急ぐ必要はない。
元の尾根に合流して尾根末端は谷へ道を辿り、鞍掛橋へ戻ったのは鈴北を出発して1時間チョイ後だった。足に不
安があると言うひいちゃんだったがなかなかどうして。このペースで下れれば大したものだ。
しかしこのコースの往復なら鞍掛トンネル西口まで車で行った方がはるかに効率がいい。元々は御池谷を下るため
の設定だったのだが、下から登ることにこだわったのだということにしておこう。
山日和