【奥越】経ヶ岳-福井県内最高峰に登る(杓子尾根ルート)

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kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
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【奥越】経ヶ岳-福井県内最高峰に登る(杓子尾根ルート)

投稿記事 by kitayama-walk »

【日 付】 2014年3月29日(土)
【天 候】 曇り後晴れ
【山 域】 奥越
【メンバー】クロオ、kitayama-walk

【コース】 8:05奥越高原青少年自然の家(駐車地)-8:25三角山-8:40林道登山口(展望所)8:50-10:15▲保月山10:25-11:30杓子岳-11:50中岳-12:05切窓-12:45▲経ヶ岳14:10-14:30切窓-15:00中岳-15:15杓子岳-15:55P1215-16:40林道出合-17:05林道登山口(展望所)-17:20三角山-17:40奥越高原青少年自然の家(駐車地)
GPS軌跡図
GPS軌跡図
 3月も下旬になると雪が少なくなり、今年は特に寡雪ということもあって、雪を求めて奥美濃から福井の山に行こうと考えた。週末の天気予報も次第によくなり、嶺北の方が晴れ予報になっていた。福井の山といえば、今年のスノー衆パート3(2/22)で縫ヶ原山に登っているが、このとき見た雪をかぶった荒島岳と経ヶ岳の印象的であったことから、どちらに登ろうか思案した。百名山の荒島岳(1523.5m)には無雪期にはもちろん、残雪期(2009/3/1)にも登っている。これに対し、三百名山の経ヶ岳(1625.2m)には無雪期に2度登ったことはあるが、積雪期には未踏であることから、今回は経ヶ岳に登ろうと決めた。早速クロオさんに声を掛けたところ、3/29は空いているということだったので、一緒に登ることにした。この3月は4週連続でクロオさんと二人山行となった。

 経ヶ岳は、県境の山を除くと、福井県内最高峰であり、三角点のある南峰と吊り尾根で結ばれる北峰(1609m)からなる双耳峰である。登山ルートは、「福井の雪山」「福井の雪山Ⅱ」でいくつか紹介されているが、最もポピュラーな杓子尾根コースで登ることにした。このルートなら無雪期に歩いていることもあっておおよその感じがわかる。しかし、案内によると、保月山から杓子岳に至る間がヤセ尾根の難所であるとされている。下山は、杓子岳から南尾根を下り、P1215を経て林道に降り立つルートを考えた。

 待ち合わせは、スノー衆パート3のときと同じ大野のVIOに午前7時だ。予定より早く6:20頃に到着すると、すでにクロオさんが待っていた。空を見上げると、荒島岳の上空は晴れているが、これから登る経ヶ岳は雲が多い。予報では午前は晴れるが、午後から雲が広がり夜には雨になるという。予報より早く天気が下ってきているのでテンションが上がらない。かといって、すでに雨が降っているわけじゃないので登らないというわけにもいかない。取りあえず行けるところまで行こうということで六呂師法恩寺林道を進むと途中にゲートがあってこれ以上進めない。P665地点あたりだ。ゲート前には多摩ナンバーの車が1台駐まっており、山スキーを担いだ単独行の男性が出発しようとしていた。ここから林道を歩いて登るが、経ヶ岳は初めてだという。私は、このゲート地点から林道登山口(展望台)まで歩くと1時間以上かかることは分かっていたので、林道を引き返して奥越高原青少年自然の家の奥にある登山道から登ることにした。途中で振り返ると次第に陽が当たってきて雲が切れて青空が多くなってきていて、荒島岳や銀杏峰、部子山などの姿がきれいだ。少しテンションが上がってきて、さあ登るぞという気持ちになった。

 奥越高原青少年自然の家は福井県が運営している施設で、この日も大型観光バスが1台駐車場に駐まっていて、子どもたちが宿泊していた。この駐車場に電話ボックスを利用した登山届ボックスが設置してあったので、車を駐めさせてもらうことにした(実は少し奥に駐める場所があった)。登山口はここから300m先にありますとアナウンスがあったので身支度を整えて出発することにした(8:05)。アスファルトの舗装道を少し進むと、前方に保月山から杓子岳に至る尾根と杓子岳の南尾根(下山に使おうと考えている)が見える。まだ空が青い分、気持ちが明るい。すぐに「三角山・経ヶ岳登山口」と書かれた表示板があった(8:10)。保月山2時間、杓子岳3時間、経ヶ岳5時間とある。むろん、これは無雪期のコースタイムだから、果たして午後1時まで経ヶ岳山頂に到達できるかどうか不安になったが、午後1時になったら、そこでランチタイム1時間とって引き返すことにした。

 登山口からは登山道が山腹を登っていた。そう急登ではないが、15分ほどで尾根に出た(8:25)。三角山(P799)から少し登った地点である。尾根は緩やかに登っており標高800mを超えると少し雪が出てきた。左手に荒島岳(1523.5m)と小荒島岳(1186m)を見ながら歩くと間もなく林道に出た(8:40)。ここが無雪期の登山口で標柱もある。林道を右に50mほど行くと展望台と駐車地がある。無雪期にはこの駐車場に車を置いて登山することになる。展望台からは荒島岳、小荒島岳、能郷白山、姥ヶ岳、部子山、銀杏峰などの山々が見える。すると、先ほどゲートで出会った単独行の山スキーの男性がやってきた。やはりゲートからここまでの林道歩きに1時間以上かかったようである。
林道展望台から荒島岳を望む
林道展望台から荒島岳を望む
 山スキーの男性が先行し、その後を追うようにして私たちも登山口から登り始めたが、すぐに雪があったのでスノーシューに履き替えた。少し植林の中を登ると植林から抜け出すが、急登になり雪が少なくなり、登山道の階段などもあったことからスノーシューを外すことにした。やがてまた雪が出てきてつながるとスノーシューを履き直すことにした。やはりスノーシューを履いた方が歩きやすい。しばらくはブナの自然林の中を緩やかに登って行く。天気はまだ青空が多く、荒島岳、銀杏峰や部子山などの景色も次第によくなってくる。先行する山スキーの男性はかなり健脚のようでなかなか追いつけないが、ようやく保月山に到着した(10:15)。保月山までほぼ2時間、コースタイムどおりだ。ここで最初の小休止を入れることにする。

 さて、保月山から先が今回のコースの難所と言われているヤセ尾根である(10:30)。前方を見ると雪を被ったヤセ尾根が杓子岳へと続いているのがわかる。しかも、一旦下ってから登り返しになっている。ここからはスノーシューを外して、やはりアイゼンを装着することにした。いつぞやの笈ヶ岳のときのような怖さはないが、やはりヤセ尾根なので転倒しないように慎重に足を運ぶ。やがて雪稜が行き詰まった。ここが夏道の岩峰であった。ここは右から巻いて乗り越すことになっていることは事前にわかっていた。覚えのあるハシゴが2つあった。このハシゴを越えると、今度はバーティカルな急斜面を登ることになる。無雪期にはロープがあるところだ。灌木が進路を遮り邪魔になるが、これをつかんでよじ登る。所々雪が穴を開けており、それに足を突っ込んで苦労するが、何とか雪稜の上に出た。すると前方には杓子岳に続く緩やかな尾根と左にはこんもりした中岳、その間には経ヶ岳が頭を出している。荒島岳方面や越前大日山方面はまだ晴れ空が広がっているが、これから向かう経ヶ岳の方向は雲が広がってきている感じでテンションも少し下がってきた。急がなくては白山の姿が見られないかも知れない。再びスノーシューに履き替えて尾根を歩き出すと先方に山スキーの男性の姿が見える。尾根は次第の広くなり、徐々に高度を上げていくと、杓子岳のたおやかな山頂に到達した(11:30)。杓子岳まで3時間少々。ほぼコースタイムどおりに進んでいる。この調子なら午後1時までに経ヶ岳山頂に登れそうだ。
ヤセ尾根を行くクロオさん
ヤセ尾根を行くクロオさん
 杓子岳からは、なだらかな雪稜が続く中岳とその左には目的の経ヶ岳(南峰)が大きく見える。さあ、ここからはスノーシューハイクだ。中岳への登りは一部ササが露出しているので左から巻いて上がっていく。よく見るとスキー板がデポしてある。山スキーの男性は今日はスキーは無理とあきらめて置いていったのだ。この中岳の右斜面には雪庇がなかったので、この斜面をショートカットして切窓に下ることもできそうだったが、尾根芯を進み、中岳山頂をちゃんと踏んでから最低鞍部である切窓に急降下だ(11:50)。スノーシューをアイゼンに替えてキックステップを踏みながら下っていき、切窓に降り立った(12:05)。ここから山頂までは230mほどの急登になる。すでに雪がなく登山道にササが出ている箇所がある。雪のない部分は歩きにくいので、できるだけ雪のある部分を踏んで登っていく。途中大きな落石が転がってきたが、少し離れたところだったので危険はなかった。上部に行くに連れて登山道の雪が少なくなりササが出ている。もう少し雪がついていたら楽であったのにと思いながらも足を運ぶと山頂に到達した(12:45)。結局、登山口から4時間35分かかり、コースタイムより25分早く山頂に着くことができた。
切窓からは法恩寺山方向が望める
切窓からは法恩寺山方向が望める
 山頂に着くと、山スキーの男性がいて、多摩ナンバーの車だけれど、今は大津市に住んでいるとか。山経験も豊富で北海道・東北の山々に登っていたそうだ。道理で体力があるはずだ。山頂には標柱が立っているが、山頂そのものは雪に覆われていて台地のようになっている。無雪期には標柱の周辺だけがササがないが、今は周囲にあるササも雪に覆い隠されている。少し北に行くと北峰が間近に見える。もちろん、すぐに目に入ってくるのは、白山の御前峰と剣ヶ峰、そして別山だ。北峰から尾根続きにあるのは赤兎山であり、その左手には大長山が控えている。さらに左を見ると、法恩寺山とスキージャム勝山のリフトがあり、その向こうには昨秋登った越前甲山(越前大日山)と加賀大日山が並んで見える。目を東に転ずれば、別山から三ノ峰、打波谷の頭、二ノ峰、一ノ峰、銚子ヶ峰と続き、さらに願教寺山、よも太郎山、日岸山、薙刀山、野伏ヶ岳、小白山、枇杷倉山などの石徹白の山々も見える。
経ヶ岳山頂にて
経ヶ岳山頂にて
白山方向の展望(経ヶ岳山頂から)
白山方向の展望(経ヶ岳山頂から)
 一通り写真撮影を終えた頃、山スキーの男性は往路をそのまま引き返すと下っていった。先ほどは雲が広がってきて、天気が下り坂になると思いきや、反対に雲が少なくなって青空が広がってきた。おまけに風もほとんどなく、山頂はむしろぽかぽか陽気だ。下山タイムを午後2時と決めてランチタイムにすることにした。いつも得正のカレーうどんでは飽きてしまうので、今日は「千とせの肉うどん」にした。お笑い芸人を育てた大阪ミナミの味という触れ込みだ。これに野菜、練り天、豚バラ肉を入れて煮込んだ。ビールもヱビスのロング缶と奮発した。ぐびぐびと喉が鳴るほどうまい!やはり晴れた山で飲むビールの味は格別である。おにぎり1個と肉うどんを平らげながらクロオさんを談笑しているとあっという間に時間が過ぎてしまい午後2時が近づいた。
本日のランチメニュー
本日のランチメニュー
 さて下山を開始する(14:10)。登ってきたササ道をアイゼンで下るが、歩きにくい。左下には池ノ大沢と呼ばれる平坦地があるが、もともと経ヶ岳は火山であり、池ノ大沢は火口原である。以前無雪期に唐谷川を遡ってここに登ってきたことがあったが、ブナ林が印象的であった。途中で雪面に移動して急斜面をキックステップで駆け下りるとあっという間に切窓に着いた(14:30)。ここでスノーシューに履き替えることにした。ここからは往路の尾根芯ではなく、左斜面の雪原を登っていくことにした。雪庇がないので斜面を駆け上がることができると判断したからだ。太陽が眩しいくらい強く照りつけるようになった。振り返ると経ヶ岳にはほとんど雲がなく青空が広がっている。天気予報がよい方に外れて僥倖に恵まれた。まさに晴れ男の面目躍如というところだ。中岳を少し過ぎたところで稜線に出て、杓子岳までは雪稜漫歩のスノーシューハイクとなった(15:15)。
青空の下の経ヶ岳(帰路)
青空の下の経ヶ岳(帰路)
 杓子岳で小休止した後、ここからは往路のピストンではなく、南尾根を下りP1215を経て林道に下ることにした。往路のヤセ尾根の難所を回避するとともに時間短縮しようという狙いである。地形図を見ると左側が断崖で切れ落ちているが、杓子岳から眺める限りでは尾根筋を歩くことができそうである。それに薄いワカンのトレースもついていた。所々に雪庇ができているので注意しながら下っていく。振り返ると青空をバックに杓子岳、経ヶ岳、そしてP1555が並んで見える。やがて尾根が右に曲がると急な下りとなる。所々ヤブが出てきた。まだ薄いヤブなのでそう苦労はしない。P1215付近で振り返って見るとかなり急な斜面を下ったことがわかった。その後は尾根芯を下っていけばよいというわけでなかった。尾根芯はヤブが結構出ていることから、右の谷に向かって下りることにする。これも予定どおりの行程である。比較的緩やかに谷に下っていき、ヤブのない植林の中を歩いて林道に着地したら、荒島岳のビューポイントであった(16:35)。

 さて、着地した林道からさらに尾根伝いに下って、直接青少年自然の家をめざす予定であったが、これより下は雪がないのでヤブになっている可能性が高い。それならば、林道を往路の林道登山口まで歩き、登山道を下った方が確実で安心である。という判断から林道を歩くことにした。除雪されていない林道にはまだ積雪がかなりあった。デブリも落石もあり、恐怖の滑り台もあった。すでに山スキーの男性はここを歩いて車に戻っていた。30分ほど林道を歩いて展望台に到着した(17:15)。まだ荒島岳の姿を見ることができた。あとは往路の登山道をどんどん下って駐車地である青少年自然の家に戻った(17:40)。
written by kitayama-walk
越前
記事: 217
登録日時: 2012年5月16日(水) 15:43

Re: 【奥越】経ヶ岳-福井県内最高峰に登る(杓子尾根ルート)

投稿記事 by 越前 »

kitayama-walkさん、今晩は。
実はこの経ヶ岳、私の雪山ステップアップに大きく貢献してくれた山なんです。
アプローチのしやすさ、さまざまな雪山としてのシチュエーションの場を持ち、なんといってもご褒美の白山の展望が素晴らしい。
間違いなく、私が地元で一番登っている雪山ですね。ただし、敗退も一番多い(^_^;)


登山ルートは、「福井の雪山」「福井の雪山Ⅱ」でいくつか紹介されているが、最もポピュラーな杓子尾根コースで登ることにした。このルートなら無雪期に歩いていることもあっておおよその感じがわかる。しかし、案内によると、保月山から杓子岳に至る間がヤセ尾根の難所であるとされている。下山は、杓子岳から南尾根を下り、P1215を経て林道に降り立つルートを考えた。
登路としてはkitayama-walkさんの登り下りルート、その間のルンぜ、スキージャムから、赤兔からは登っていますが、まだ南尾根からのルートには未挑戦です。

六呂師法恩寺林道を進むと途中にゲートがあってこれ以上進めない
へ~、ということは林道入り口からは入れたんですか。そりゃ、知りませんでした。

奥越高原青少年自然の家の奥にある登山道から登ることにした。
除雪の確保が保障されているので、私もいつもここからです。
尚、施設の向こう側が旧六呂師高原スキー場跡で、ここから登っても登山道と合流することが出来ます。

しばらくはブナの自然林の中を緩やかに登って行く。天気はまだ青空が多く、荒島岳、銀杏峰や部子山などの景色も次第によくなってくる。先行する山スキーの男性はかなり健脚のようでなかなか追いつけないが、ようやく保月山に到着した
保月山手前の尾根の合流地点で、雪庇の上にさらに斜めに二メートルほどの雪庇が重なって突破に苦労したことがあります。
また、同じ地点での下山時、歩いてきた雪庇に隠れて下の登山道のある雪庇へ降りるのを忘れてだいぶ登り返したことも有りました。

さて、保月山から先が今回のコースの難所と言われているヤセ尾根である(10:30)。前方を見ると雪を被ったヤセ尾根が杓子岳へと続いているのがわかる。しかも、一旦下ってから登り返しになっている。ここからはスノーシューを外して、やはりアイゼンを装着することにした。いつぞやの笈ヶ岳のときのような怖さはないが、やはりヤセ尾根なので転倒しないように慎重に足を運ぶ。やがて雪稜が行き詰まった。ここが夏道の岩峰であった。
時間オーバーでここですでに敗退となったことも・・・。

杓子岳からは、なだらかな雪稜が続く中岳とその左には目的の経ヶ岳(南峰)が大きく見える。さあ、ここからはスノーシューハイクだ。中岳への登りは一部ササが露出しているので左から巻いて上がっていく。よく見るとスキー板がデポしてある
本邦が見えてのスノーシューハイクはいつもテンション高まります。
・・・にしても、スキーなら切窓までのトラバースは簡単なのに?
もうひとつ言えば、山頂からの池の大沢への大滑走がメインとなるのでは?

先ほどは雲が広がってきて、天気が下り坂になると思いきや、反対に雲が少なくなって青空が広がってきた。おまけに風もほとんどなく、山頂はむしろぽかぽか陽気だ。下山タイムを午後2時と決めてランチタイムにすることにした。いつも得正のカレーうどんでは飽きてしまうので、今日は「千とせの肉うどん」にした。お笑い芸人を育てた大阪ミナミの味という触れ込みだ。これに野菜、練り天、豚バラ肉を入れて煮込んだ。ビールもヱビスのロング缶と奮発した。ぐびぐびと喉が鳴るほどうまい!やはり晴れた山で飲むビールの味は格別である。おにぎり1個と肉うどんを平らげながらクロオさんを談笑しているとあっという間に時間が過ぎてしまい午後2時が近づいた。
とても強力な晴男が近くにいたのかもしれません。
しかし、うまいタイミングでしたね~。

左下には池ノ大沢と呼ばれる平坦地があるが、もともと経ヶ岳は火山であり、池ノ大沢は火口原である。以前無雪期に唐谷川を遡ってここに登ってきたことがあったが、ブナ林が印象的であった。
積雪期でのあれだけのぶな林は神秘的な空間となります。

途中で雪面に移動して急斜面をキックステップで駆け下りるとあっという間に切窓に着いた
登りの十分の一の時間で降りられる爽快感が素晴らしいですね。

さて、着地した林道からさらに尾根伝いに下って、直接青少年自然の家をめざす予定であったが、これより下は雪がないのでヤブになっている可能性が高い
はい、残雪期だとその通りです。少なくともスノーシューは二度とは履かせてはもらえませんね。

それならば、林道を往路の林道登山口まで歩き、登山道を下った方が確実で安心である。という判断から林道を歩くことにした。
雪がつながっていればOKですが、急がば回れですね。
経ヶ岳。楽しんでいただけましたか?
機会があればほかのルートも是非に~
越前
kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
お住まい: 京都市中京区
連絡する:

Re: 【奥越】経ヶ岳-福井県内最高峰に登る(杓子尾根ルート)

投稿記事 by kitayama-walk »

越前さん、こんばんは。

> 実はこの経ヶ岳、私の雪山ステップアップに大きく貢献してくれた山なんです。
> アプローチのしやすさ、さまざまな雪山としてのシチュエーションの場を持ち、なんといってもご褒美の白山の展望が素晴らしい。
> 間違いなく、私が地元で一番登っている雪山ですね。ただし、敗退も一番多い(^_^;)


福井県人の越前さんにとっては、荒島岳と経ヶ岳は基本的な雪山なんでしょうね(もちろん無雪期の山としても)。
 特に、経ヶ岳は白山の展望台としてはもってこいだと思います。赤兎山や大長山もそうでしょうが、雪山としての難易度が違いま
すね。積雪量によっては敗退も十分あることでしょう。だから残雪期にアプローチしてみました。

> 登路としてはkitayama-walkさんの登り下りルート、その間のルンぜ、スキージャムから、赤兔からは登っていますが、まだ南尾
> 根からのルートには未挑戦です。


 なるほど、法恩寺山や赤兎山からのアプローチも魅力的ですね。P1555経由のの南尾根ルートも登ってみたい気がします。

> (六呂師法恩寺林道を進むと途中にゲートがあってこれ以上進めない)へ~、ということは林道入り口からは入れたんですか。

 入れました。ゲートも何もなかったですから。しかし、途中に落石があって、車から下りて退けることもありました。唐谷川を詰める
ルートならゲートから歩いても大丈夫だと思います。

> (青少年自然の家の奥にある登山道から)除雪の確保が保障されているので、私もいつもここからです。

 そうですね。青少年自然の家なら除雪してあることは確実ですから、間違いないルートですね。

> 保月山手前の尾根の合流地点で、雪庇の上にさらに斜めに二メートルほどの雪庇が重なって突破に苦労したことがあります。
> また、同じ地点での下山時、歩いてきた雪庇に隠れて下の登山道のある雪庇へ降りるのを忘れてだいぶ登り返したことも有りました。


やはりここもかなり積雪があるんですね。雪庇が2m以上重なっているというのは想像もできませんが、これを突破するには時間が
かかったことでしょうね。

> (ヤセ尾根から岩峰へ)時間オーバーでここですでに敗退となったことも・・・。

 ここはいつも厳しいのでしょうね。もっとたくさん雪があったら、どんな状況なんでしょうか、写真で見てみたいです。

> 本邦が見えてのスノーシューハイクはいつもテンション高まります。スキーなら切窓までのトラバースは簡単なのに?
> もうひとつ言えば、山頂からの池の大沢への大滑走がメインとなるのでは?


経ヶ岳の本峰が見えてくると、さあ行こうという気になります。もちろん、天気がよい場合ですが。
 今回は本峰にも雪が少なく、ササの露出がかなりあったので、山スキーはちょっと無理だったと思いますね。

> とても強力な晴男が近くにいたのかもしれません。しかし、うまいタイミングでしたね~。

私自身がかなり晴れ男です。山日和さんもちょっと南方で応援してくれていましたから。

> (左下には池ノ大沢と呼ばれる平坦地がある)積雪期でのあれだけのぶな林は神秘的な空間となります。

 今回は上から眺めただけになりますが、無雪期には歩いたことがあるので、それなりの想像がつきますね。

> (雪の急斜面をキックステップで駆け下りる)登りの10分の1の時間で降りられる爽快感が素晴らしいですね。

 そうですね。タッタカタッタカという感じで下ってくることができますから。

> (着地した林道から下は雪がないのでヤブになっている可能性が高い)残雪期だとその通りです。少なくともスノーシューは
> 二度とは履かせてはもらえませんね。


 林道から下はもう雪が少ないのでヤブと見ました。それならば歩いてきた登山口から下った方が安全という選択肢は間違っていませんでした。
林道には恐怖の滑り台が一部残っていましたが。
written by kitayama-walk
アバター
クロオ
記事: 469
登録日時: 2011年2月20日(日) 09:08
お住まい: 愛知県海部郡大治町
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Re: 【奥越】経ヶ岳-福井県内最高峰に登る(杓子尾根ルート)

投稿記事 by クロオ »

kitayama-walk さん、こんばんは


 週末の天気予報も次第によくなり、嶺北の方が晴れ予報になっていた。福井の山といえば、今年のスノー衆パート3(2/22)で縫ヶ原山に登っているが、このとき見た雪をかぶった荒島岳と経ヶ岳の印象的であったことから、どちらに登ろうか思案した。百名山の荒島岳(1523.5m)には無雪期にはもちろん、残雪期(2009/3/1)にも登っている。これに対し、三百名山の経ヶ岳(1625.2m)には無雪期に2度登ったことはあるが、積雪期には未踏であることから、今回は経ヶ岳に登ろうと決めた。早速クロオさんに声を掛けたところ、3/29は空いているということだったので、一緒に登ることにした。


 週の始めの天気予報では、良くない予報だったので全く山に行くことは考えていませんでした。他にやらなければいけないこともありましたが、天気がよくて山のお誘いがあれば、もちろん参加です。


 この3月は4週連続でクロオさんと二人山行となった。


 本当によくお世話になりました。kitayamaさんの情報量にはいつも頭が下がります。


 経ヶ岳は、県境の山を除くと、福井県内最高峰であり、三角点のある南峰と吊り尾根で結ばれる北峰(1609m)からなる双耳峰である。登山ルートは、「福井の雪山」「福井の雪山Ⅱ」でいくつか紹介されているが、最もポピュラーな杓子尾根コースで登ることにした。


 せっかく入手した「福井の雪山」「福井の雪山Ⅱ」、じっくり読みたいのですが、なかなか時間がありません。特にこの4月から仕事が変わり超忙しいです。


 待ち合わせは、スノー衆パート3のときと同じ大野のVIOに午前7時だ。予定より早く6:20頃に到着すると、すでにクロオさんが待っていた。


 少し早目に着いたので、一眠りしようと思ったら、kitayamaさんが到着しました。


 取りあえず行けるところまで行こうということで六呂師法恩寺林道を進むと途中にゲートがあってこれ以上進めない。P665地点あたりだ。ゲート前には多摩ナンバーの車が1台駐まっており、山スキーを担いだ単独行の男性が出発しようとしていた。ここから林道を歩いて登るが、経ヶ岳は初めてだという。私は、このゲート地点から林道登山口(展望台)まで歩くと1時間以上かかることは分かっていたので、林道を引き返して奥越高原青少年自然の家の奥にある登山道から登ることにした。


 林道のことを把握していなかったので、はじめ、なぜ青少年自然の家への道を曲がらないのかなぁと思っていました。


 途中で振り返ると次第に陽が当たってきて雲が切れて青空が多くなってきていて、荒島岳や銀杏峰、部子山などの姿がきれいだ。少しテンションが上がってきて、さあ登るぞという気持ちになった。


 高曇りだったので山はずっと見えていましたが、雲がだんだん薄くなり青空も見えてきました。
DSC04485.jpg


 奥越高原青少年自然の家は福井県が運営している施設で、この日も大型観光バスが1台駐車場に駐まっていて、子どもたちが宿泊していた。


 立派な施設でした。ホームページを見たら、小中学生の宿泊料金は、320円だそうです。大人でも、1,130円です。


 登山口からは登山道が山腹を登っていた。そう急登ではないが、15分ほどで尾根に出た(8:25)。三角山(P799)から少し登った地点である。尾根は緩やかに登っており標高800mを超えると少し雪が出てきた。左手に荒島岳(1523.5m)と小荒島岳(1186m)を見ながら歩くと間もなく林道に出た(8:40)。ここが無雪期の登山口で標柱もある。林道を右に50mほど行くと展望台と駐車地がある。無雪期にはこの駐車場に車を置いて登山することになる。展望台からは荒島岳、小荒島岳、能郷白山、姥ヶ岳、部子山、銀杏峰などの山々が見える。すると、先ほどゲートで出会った単独行の山スキーの男性がやってきた。やはりゲートからここまでの林道歩きに1時間以上かかったようである。


 とても立派な林道でした。展望台、よく見えました。地図で見ると林道はかなり長い。それも、滑り台状の積雪がかなり残っていて、スキーを背負って、よく歩いて来られました。
DSC04498.jpg

 さて、保月山から先が今回のコースの難所と言われているヤセ尾根である(10:30)。前方を見ると雪を被ったヤセ尾根が杓子岳へと続いているのがわかる。しかも、一旦下ってから登り返しになっている。ここからはスノーシューを外して、やはりアイゼンを装着することにした。


稜線の雪の下には、普通の一般道があるのが分かりましたが、雪がその上に細く積もっているので慎重に歩きました。


 やがて雪稜が行き詰まった。ここが夏道の岩峰であった。ここは右から巻いて乗り越すことになっていることは事前にわかっていた。覚えのあるハシゴが2つあった。


 今回のコース一番の難所でした。大きな岩でした。


 このハシゴを越えると、今度はバーティカルな急斜面を登ることになる。無雪期にはロープがあるところだ。灌木が進路を遮り邪魔になるが、これをつかんでよじ登る。所々雪が穴を開けており、それに足を突っ込んで苦労するが、何とか雪稜の上に出た。


 ここは雪の下に木の梯子状の階段があったので、なるべくそれを利用し、雪を踏み抜かないように登りました。 


 何とか雪稜の上に出た。すると前方には杓子岳に続く緩やかな尾根と左にはこんもりした中岳、その間には経ヶ岳が頭を出している。


 ここからは雄大で気持ちのいいスノーシュー歩きでした。
DSC04503.jpg
DSC04510.jpg


 よく見るとスキー板がデポしてある。山スキーの男性は今日はスキーは無理とあきらめて置いていったのだ。


 ヤブっぽいところもあったのに、よく担いでこられました。せっかく持ってこられたのに、お気の毒に…。


 この中岳の右斜面には雪庇がなかったので、この斜面をショートカットして切窓に下ることもできそうだったが、尾根芯を進み、中岳山頂をちゃんと踏んでから最低鞍部である切窓に急降下だ(11:50)。


 ここはルートが大きく分かれました。とても広い山頂の中岳でした。どこが山頂かは、よく分かりませんでした。


 ここから山頂までは230mほどの急登になる。すでに雪がなく登山道にササが出ている箇所がある。雪のない部分は歩きにくいので、できるだけ雪のある部分を踏んで登っていく。


 長い急登でした。あとここだけと思いながら登りました。


 先ほどは雲が広がってきて、天気が下り坂になると思いきや、反対に雲が少なくなって青空が広がってきた。おまけに風もほとんどなく、山頂はむしろぽかぽか陽気だ。


 いい天気になりました。3月の休みは、午前中天気がよくなく、午後晴れの天気が多かったです。


 おにぎり1個と肉うどんを平らげながらクロオさんを談笑しているとあっという間に時間が過ぎてしまい午後2時が近づいた。


 天気がよくて、展望のいい山頂は立ち去り難いです。時間はすぐに過ぎていきます。


 さて下山を開始する(14:10)。登ってきたササ道をアイゼンで下るが、歩きにくい。左下には池ノ大沢と呼ばれる平坦地があるが、もともと経ヶ岳は火山であり、池ノ大沢は火口原である。以前無雪期に唐谷川を遡ってここに登ってきたことがあったが、ブナ林が印象的であった。途中で雪面に移動して急斜面をキックステップで駆け下りるとあっという間に切窓に着いた(14:30)。


 私は、一歩一歩慎重にしか歩けなく、結構時間が掛かりました。


 振り返ると経ヶ岳にはほとんど雲がなく青空が広がっている。天気予報がよい方に外れて僥倖に恵まれた。まさに晴れ男の面目躍如というところだ。中岳を少し過ぎたところで稜線に出て、杓子岳までは雪稜漫歩のスノーシューハイクとなった(15:15)。


 ここからの経ヶ岳が、「福井の雪山Ⅱ」の表紙ですね。
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 杓子岳で小休止した後、ここからは往路のピストンではなく、南尾根を下りP1215を経て林道に下ることにした。往路のヤセ尾根の難所を回避するとともに時間短縮しようという狙いである。地形図を見ると左側が断崖で切れ落ちているが、杓子岳から眺める限りでは尾根筋を歩くことができそうである。


 途中で振り返ったら、断崖絶壁のところがありましたが、歩いているところに怖いところは無かったです。


 比較的緩やかに谷に下っていき、ヤブのない植林の中を歩いて林道に着地したら、荒島岳のビューポイントであった(16:35)。


 「ビューポイント」と書いてありましたね。


 除雪されていない林道にはまだ積雪がかなりあった。デブリも落石もあり、恐怖の滑り台もあった。すでに山スキーの男性はここを歩いて車に戻っていた。30分ほど林道を歩いて展望台に到着した(17:15)。


 この林道、雪が残っていて歩きにくく、谷の向こう側の林道がずっと見えていて、なかなか近づかず、結構長かったです。


 まだ荒島岳の姿を見ることができた。あとは往路の登山道をどんどん下って駐車地である青少年自然の家に戻った(17:40)。


 登山道には、マンサクとサンシュユの黄色い花が咲いていました。
 3月は本当にお世話になりました。
 
 レポの改行、正常になりましたね。

                                                     クロオ
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