【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

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kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
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【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by kitayama-walk »

【日 付】 2014年3月15日(土)
【天 候】 曇り(一時雪)後晴れ
【山 域】 奥美濃
【メンバー】クロオ、kitayama-walk

【コース】 6:35神岳ダム(駐車地)-7:20尾根取付点-9:00P1114-9:35JCTピーク1-10:15▲高丸11:30-11:55JCTピーク1-12:40JCTピーク2
-13:00▲烏帽子山14:15-14:30JCTピーク2-15:30P932-17:10林道出合-17:30神岳ダム(駐車地)

GPS軌跡図
GPS軌跡図
 高丸(1316.3m)は、越美国境稜線から東に外れている山であるが、地形図には山名が載っていない。奥美濃の国境稜線近くにある山としては、
伊吹山(1377m)に次ぐ高峰である。しかし、調べてみると登山道がない。無雪期には鳥ヶ東谷や大岩谷を詰めて登るヤブ山である。しかし、積雪
期には夜叉ヶ池から三周ヶ岳への稜線から辿るルートとイビデン神岳ダム上流の椀戸谷から朽ヶ洞尾根を辿るルートがある。
 烏帽子山(1242.2m)は、南(湧谷山)や東(蕎麦粒山、上谷山)から眺めるとピラミダルな山容が目立つ山であり、蕎麦粒山と同様に登ってみた
いと思っていた。 もちろん、この山もヤブ山なので無雪期にはそう簡単には登れない。そこで、積雪期の登山となるが、高丸と烏帽子山は稜線で
繋がっているので、椀戸谷出合から朽ヶ洞尾根を辿り、JCTピークから2つのピークを攻めることにした。

 吉川幸一著「岐阜の山旅100コース」(美濃上)に残雪期の山として、土蔵岳、大ダワ、上谷山、笹ヶ峰とともに、椀戸谷出合から朽ヶ洞尾根を辿
る高丸・烏帽子山が紹介されている。すでに高丸・烏帽子山以外は踏破していることから、次はこの2つを狙っていた。そうした折り、山日和さんが
3/9にこの2座を登ったという山レポが上がった。 ようし俺も登るぞ!と登行意欲満々。 次週3/15が天気がよさそうなのでクロオさんに声を掛けて
一緒に登ることにした。

 午前6時に坂内川上の夜叉龍神社でクロオさんと待ち合わせて林道を進むと、林道には全く雪がなく、多少の落石があったものの、ハンドルで交
わし、あっという間にイビデン神岳ダム先の椀戸谷出合の橋手前の駐車地まで車が入った。この日、奥美濃(揖斐川町)の天気予報は晴れだった
が、福井の方は曇り後晴れ。空を見上げると、雲が多く時折うっすら青くなるものの、ここは福井に近いのでちょっと天気を心配しながらの出発だ。
身支度をしていると、単独行の男性が到着したので、今日の予定を尋ねると私たちと全く同じだった。先に私たちが出発し(6:35)、椀戸谷右岸につ
いている林道を歩き始めるとすぐに雪があり、スノーシューを履くことにした。 林道には先週のものと思われるトレースがあった。 これを追いかける
ように快適に進むことができる。林道が大きく右にカーブし再び左にカーブするあたりが朽ヶ洞(941.6m)へ登る尾根の取付点だ。ここも通過して進
むとやがて林道は一旦に左岸に渡り再び右岸に渡り返して、大きくUターンしている。この右岸に渡った橋のたもとから取り付くことにした(7:20)。
すぐに右手に谷があったが、この左側の尾根に取り付いたのが失敗だった。少し登ると支谷の右側の尾根に取り付くべきことに気づいたので、途中
から支谷に下って渡渉し右側尾根に取り付いた。しかし、ここがヤブの急斜面となっていて難儀する。途中で引き返して尾根末端から取り付けばよ
かったと後悔するが、仕方がない。強引にヤブの斜面を突破するように登って行き、やっと尾根芯に出た。植林帯であるが、ヤブではないので歩き
やすい。

 尾根芯の植林は疎らになっていて、その間を縫うように登っていくと、やがてブナ林に変わってきた。いい感じだが、空はどんよりと曇り小雪もちら
ついてきた。当然ながらテンションが下がる。この尾根も結構傾斜が急であり、喘ぎながら登っていく。 雪面の固いところには1週間前のものと思わ
れるトレースがあった。やがてP1114の肩に出てきて(8:50)、ここから左に曲がるが、さらに登りが続く。ここは我慢して黙々とスノーシューを蹴って
登ると、傾斜が緩くなり平坦なところにやってきた。比較的大きなブナの木が数本立っている。ここがP1114地点だ(9:00)。小雪が舞う向こうに吊尾
根や烏帽子山がうっすらと見える。ここで最初の休憩を取る。テルモスに入れてきたコーヒーが温かくてうまい。

 P1114からは高丸と烏帽子山をつなぐ吊尾根のJCTピークをめざす。傾斜が緩やかで、ブナが林立しているので気持ちよい。歩くにつれて少しず
つ青空も見えてきて天気が回復する兆候だ。右手に吊尾根と烏帽子山の姿がはっきりと見えてきたので、少しテンションが上がってきた。このあた
りまでやってくると、トレースは全くなくなった。1週間前のトレースはもうかき消されているのだ。 ブナを見上げると青空をバックに樹氷もそれなりに
ついている。なかなかいいぞ!これからだと内心ほくそ笑む。JCTピークに近づくと、高丸への稜線には小さいながらも雪庇ができている。ここで小
休止だ(9:35)。
JCTピークから高丸に続く尾根
JCTピークから高丸に続く尾根
 さて、JCTピークから高丸を眺めると、まだまだ距離がありそうだ。天候が回復しそうだったが、高丸方面はまだ灰色のままだ。ここからは一旦下っ
てから登り返しとなる。鞍部への下りの途中で体が宙に浮いた。一体何が起こったのか。雪庇が崩れたのだ。体が雪の急斜面を落ちていく。必死
になって足を下にし両手を雪面に突き立てると滑るのが止まった。稜線から20mほどの地点だ。体はどうか。大したことはなさそうだ。見上げると2
本のストックが雪面にある。これを拾い上げて稜線に這い上がるとクロオさんが待っていた。鞍部からは高丸への登り返しは急登になっている。山
頂直下の傾斜が特に急だ。喘ぎながら登っていくと、やがて傾斜が緩くなり、平坦な場所にやってきた。GPSで確認すると高丸山頂であった(10:15)。
山頂には雪で埋まった灌木の上部だけが出ていた。雲の動きが速く時々青空も出てくるが、やはり雲が多く好天とは言えない。しかし、風は微風な
のでそう寒くはない。クロオさんの到着するのを待って、山頂から少し北に歩いたところで天候の回復を待ちながら早いランチタイムにした。出発時
に出会った単独行の男性も山頂にやってきた(10:30)。
高丸山頂
高丸山頂
 今日も得正のカレーうどんだ。持ってきたのはアルミ鍋の方だ。鍋にお湯を沸かし、野菜、豚バラ肉、天ぷらを入れて、少し煮立ってくるとうどん玉
を投入する。うどんが柔らかくなると粉末カレー粉を入れて煮る。 カレーの香ばしい匂いが立ちこめる。今日も奮発してスーパードライのプレミアム
(ロング缶)だ!寒くてもやっぱりビールは欠かせない。 向こうにうっすらと見える烏帽子山とこれに続く吊尾根を眺めながら甘辛の熱いうどんを食
べると体が温まる。待つこと1時間。しかしまだ天候がぱっと回復しない。 これ以上待つこともできないのでJCTピークに戻って烏帽子山に向かうこ
とにした(11:30)。
高丸山頂でランチタイム
高丸山頂でランチタイム
 高丸からの下りは急降下になっているので、スノーシューを外してアイゼンに変えた。キックステップを切りながらどんどんと下っていく。鞍部から
はもちろん登り返しだ。 雪庇の崩れた跡を確認しながらJCTピークまで戻った(11:55)。ここから吊尾根を下って烏帽子山に向かう。先行する単独
行の男性のトレースがあるが、アイゼンを付けたツボ足のようだ。 烏帽子山への吊尾根にも雪庇ができており、 踏み抜かないように注意しなけれ
ばならない。単独行の男性は注意するあまりに灌木の中に入ってトレースを刻んでいた。私たちは眺望が得られる灌木の端を歩くようにした。
P1161を通過したあたりで先行の男性に追いついた。ここからは先頭に立ってトレースを刻んで行くことになった。
烏帽子山に向かう
烏帽子山に向かう
 P1161からは少し下り、次のJCTピークに登り返していく。するとピークには今日のものと思われるワカンのトレースがあった(12:40)。このトレース
はJCTピークの南尾根から上がってきて烏帽子山に向かっていた。 よく見ると2つのトレースがある。つまり、すでに山頂を往復しているのだ。JCT
ピークからは一旦鞍部に下り、烏帽子山に登り返す。向かう烏帽子山の上部には青空が増えてきた。青空をバックにまだ残っていた樹氷がきれい
だ。いい感じで登り返していくと、前に雪壁が立ちはだかった。ワカンのトレースはここで左に巻いている。ピッケルがあれば容易に登れるが、ストッ
クしかない。しかし、アイゼンの前爪で壁を蹴り込んで足場を作って行けば登ることができる。こうして雪壁も突破すると間もなく烏帽子山の山頂に
到達した(13:00)。
烏帽子山山頂に到達
烏帽子山山頂に到達
 烏帽子山の山頂に到達すると天気は回復傾向であるが、 今少し時間がかかりそうだ。 下山時間を考えると1時間程度は滞在できそうだ。烏帽子
山の山頂は長細い地形になっている。少し南に寄ると眺望がよい。時間が経つにつれて青空が広がってきた。待望の青空である。歩いてきた方向
(西)には吊尾根と高丸、右には三周ヶ岳が大きい。 高丸の左奥に見えるのは横山岳であろう。北西方向に目をやると、越美国境の山々-美濃俣
丸、大河内山、夏小屋丸、笹ヶ峰が白い。さらに右手には、不動山や千回沢山などが見えているのであろうが、はっきりと同定することができない。
東方向には薄く能郷白山が見える。 南には小蕎麦粒を従えた蕎麦粒山が大きい。 やはり蕎麦粒山はどこから見てもかっこいいのだ。しかし、もう
1時間以上経過した。そろそろ下山にかからなくてはならない(14:15)。
越美国境尾根の山々
越美国境尾根の山々
高丸と三周ヶ岳
高丸と三周ヶ岳
単独行の男性とともに烏帽子山の山頂から下り始めた。振り返ると空が真っ青だ。JCTピークまでやってきて、少し休憩して撮影タイムだ。天気が
回復したことから、ここでパノラマ写真をたくさん撮った。ここから南に延びる尾根(トガスに続いている)を下ることにする。もともと予定していたコー
スであったが、ワカントレースがあるので気が楽だ。これが後にしんどい思いをすることになる。この南に延びる尾根も快適に歩くことができる。振り
返ると、烏帽子山が大きくせり出して見える。 進行方向には小蕎麦粒、蕎麦粒山、トガスが見える。そして左手には、それまで薄かった能郷白山も
はっきりと姿を現してきた。今日は午後から天気が回復し、眺望も素晴らしくなり気持ちも軽い。しかし、それは最後まで続かなかった。

南に向かう尾根は次第に下っていくが、そろそろ右に下ると思いきや、トレースは相変わらず尾根を進んでいる。もうP932を通過し、次の小ピーク
に登り返している。どこまで行くのだろう?まさかトガスまで続いているのでは?などと思い始めた。しかし、小ピークを過ぎたところで右手の尾根を
下り始めた。地形図で確認すると、神岳ダムにダイレクトに下っている尾根である。高度を下げてくると雪が少なくなり、やがてヤブが出てきた。もう
登山道ではなくヤブ漕ぎしながら適当に下っていくしかない。かくしてようやく林道に降り立った。 この地点は椀戸谷の支谷を上がったところであっ
た。この支谷も大きく渡渉することが到底できない。 椀戸谷に近づいても谷が大きく渡渉は無理である。時刻はすでに午後5時である。日没まであ
とわずかである。少々焦ってきた。 しかし、よくみるとトレースが支谷の奥へと続いている。支谷を詰めて対岸に渡っているのだろうと推測した。トレ
ースを追って支谷を詰めて行くと、 予想どおり谷が詰まったところで渡渉することができた。ちょっと安心したせいか、渡渉し終わり対岸に登る途中
で雪穴に左足がはまり込んで転倒した。足首が抜けない。一人では脱出できない。クロオさんに引っ張り上げてもらい何とか抜け出ることができた。
後でこのとき左足首を捻挫したことがわかった。対岸のトレースを追いかけていくと神岳ダムの駐車地に無事戻ることができた(17:30)。
written by kitayama-walk
バーチャリ
記事: 547
登録日時: 2011年3月12日(土) 20:58

Re: 【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by バーチャリ »

kitayama-walk さん 今晩は

山日和さんが
3/9にこの2座を登ったという山レポが上がった。 ようし俺も登るぞ!と登行意欲満々。 次週3/15が天気がよさそうなのでクロオさんに声を掛けて
一緒に登ることにした。


そうそう私も山日和さんレポを見ていました。
そこに この時期ダムまでめつたいに入れる事はないから 今年はチャンスと聞き歳も考えずお願いしました


午前6時に坂内川上の夜叉龍神社でクロオさんと待ち合わせて林道を進むと、

道の駅でクロオさんと会いましたね。


ように快適に進むことができる。林道が大きく右にカーブし再び左にカーブするあたりが朽ヶ洞(941.6m)へ登る尾根の取付点だ。ここも通過して進

ここの尾根に取り付いたと思いますが

。強引にヤブの斜面を突破するように登って行き、やっと尾根芯に出た。植林帯であるが、ヤブではないので歩き
やすい。


この植林帯を使て下山でしたが。
ここの植林を登りに使うと早く稜線にたどり着きますね。

れるトレースがあった。やがてP1114の肩に出てきて(8:50)、ここから左に曲がるが、さらに登りが続く。ここは我慢して黙々とスノーシューを蹴って
登ると、傾斜が緩くなり平坦なところにやってきた。比較的大きなブナの木が数本立っている。ここがP1114地点だ(9:00)。小雪が舞う向こうに吊尾
根や烏帽子山がうっすらと見える。ここで最初の休憩を取る。テルモスに入れてきたコーヒーが温かくてうまい。


941.6mに突き上げる尾根は大変でしたが、
 稜線からは素晴らしいブナ林に 二重山稜の斜面とP1114地点まで見どころ沢山有りました。


 P1114からは高丸と烏帽子山をつなぐ吊尾根のJCTピークをめざす。傾斜が緩やかで、ブナが林立しているので気持ちよい。歩くにつれて少しず
つ青空も見えてきて天気が回復する兆候だ。右手に吊尾根と烏帽子山の姿がはっきりと見えてきたので、少しテンションが上がってきた。このあた
りまでやってくると、トレースは全くなくなった。1週間前のトレースはもうかき消されているのだ。 ブナを見上げると青空をバックに樹氷もそれなりに
ついている。なかなかいいぞ!これからだと内心ほくそ笑む。JCTピークに近づくと、高丸への稜線には小さいながらも雪庇ができている。ここで小
休止だ(9:35)。


いつかはここ歩きたいと思っていますが いつになるやら

体が宙に浮いた。一体何が起こったのか。雪庇が崩れたのだ。体が雪の急斜面を落ちていく。必死
になって足を下にし両手を雪面に突き立てると滑るのが止まった。稜線から20mほどの地点だ。体はどうか。大したことはなさそうだ。見上げると2
本のストックが雪面にある。これを拾い上げて稜線に這い上がるとクロオさんが待っていた。


20mも滑り大事にいたらなくて良かったですね !(^^)!


山頂には雪で埋まった灌木の上部だけが出ていた。雲の動きが速く時々青空も出てくるが、やはり雲が多く好天とは言えない。しかし、風は微風な
のでそう寒くはない。クロオさんの到着するのを待って、山頂から少し北に歩いたところで天候の回復を待ちながら早いランチタイムにした。出発時
に出会った単独行の男性も山頂にやってきた(10:30)。


おめでとうございます。 \(^o^)/

カレーの香ばしい匂いが立ちこめる。今日も奮発してスーパードライのプレミアム
(ロング缶)だ!寒くてもやっぱりビールは欠かせない。 向こうにうっすらと見える烏帽子山とこれに続く吊尾根を眺めながら甘辛の熱いうどんを食
べると体が温まる。待つこと1時間。しかしまだ天候がぱっと回復しない。 とにした(11:30)。


最近カレーうどんがお気に入りのようですね
暖かくなりましたら烏帽子岳にむけて頑張って下さい (^_^)/

 バーチャリ
たんぽぽ
記事: 708
登録日時: 2011年2月20日(日) 11:54

Re: 【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by たんぽぽ »

Rapid Kitaさん、こんばんは。

【メンバー】クロオ、kitayama-walk
【コース】 6:35神岳ダム(駐車地)-7:20尾根取付点-9:00P1114-9:35JCTピーク1-10:15▲高丸11:30-11:55JCTピーク1-12:40JCTピーク2
-13:00▲烏帽子山14:15-14:30JCTピーク2-15:30P932-17:10林道出合-17:30神岳ダム(駐車地)

今シーズンは奥美濃が賑わってますね。
神岳ダムまでクルマが入れるとあって黒壁方面は大人気。
たんぽぽたちが入った日にも登山者がいて、まるで鈴鹿にでもいるような気分です。

鞍部への下りの途中で体が宙に浮いた。一体何が起こったのか。雪庇が崩れたのだ。体が雪の急斜面を落ちていく。必死になって足を下にし両手を雪面に突き立てると滑るのが止まった。稜線から20mほどの地点だ。体はどうか。大したことはなさそうだ。見上げると2本のストックが雪面にある。これを拾い上げて稜線に這い上がるとクロオさんが待っていた。
おおっ、これは危なかったですね。

山頂には雪で埋まった灌木の上部だけが出ていた。雲の動きが速く時々青空も出てくるが、やはり雲が多く好天とは言えない。しかし、風は微風なのでそう寒くはない。クロオさんの到着するのを待って、山頂から少し北に歩いたところで天候の回復を待ちながら早いランチタイムにした。
ここからの眺めは絶景なのですがこの日もイマイチだったんでしょうね。

 高丸からの下りは急降下になっているので、スノーシューを外してアイゼンに変えた。キックステップを切りながらどんどんと下ってく。
自分もここはワカン時代にしか歩いてないので、松の廊下のスノーシューで下れるか気になっているところです。

ピッケルがあれば容易に登れるが、ストックしかない。しかし、アイゼンの前爪で壁を蹴り込んで足場を作って行けば登ることができる。こうして雪壁も突破すると間もなく烏帽子山の山頂に到達した(13:00)。
やりましたね、二座制服!

北西方向に目をやると、越美国境の山々-美濃俣丸、大河内山、夏小屋丸、笹ヶ峰が白い。さらに右手には、不動山や千回沢山などが見えているのであろうが、はっきりと同定することができない。
Kitaさんの山座同定はいつも正確で感心していますよ。

そして左手には、それまで薄かった能郷白山もはっきりと姿を現してきた。今日は午後から天気が回復し、眺望も素晴らしくなり気持ちも軽い。
この辺りからから眺めた能郷白山はなかなか印象的だったのを覚えています。

南に向かう尾根は次第に下っていくが、そろそろ右に下ると思いきや、トレースは相変わらず尾根を進んでいる。もうP932を通過し、次の小ピークに登り返している。どこまで行くのだろう?まさかトガスまで続いているのでは?などと思い始めた。
忠実に尾根を進んでいますね。たんぽぽ登り返しがイヤなのですぐに林道や谷へ逃げますわ。

しかし、小ピークを過ぎたところで右手の尾根を下り始めた。地形図で確認すると、神岳ダムにダイレクトに下っている尾根である。高度を下げてくると雪が少なくなり、やがてヤブが出てきた。もう登山道ではなくヤブ漕ぎしながら適当に下っていくしかない。
尾根のヤセたところですよね、たんぽぽも登りにここを選んでしまい苦労したことがあります。

後でこのとき左足首を捻挫したことがわかった。対岸のトレースを追いかけていくと神岳ダムの駐車地に無事戻ることができた(17:30)。
捻挫はもう大丈夫でしょうか、お疲れさまでした。
IMG_0266-s.JPG
kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
お住まい: 京都市中京区
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Re: 【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by kitayama-walk »

バーチャリさん こんばんは。 :lol:

> そうそう私も山日和さんレポを見ていました。
> そこにこの時期ダムまでめつたいに入れる事はないから 今年はチャンスと聞き歳も考えずお願いしました。


やはり山日和さんのレポに触発されましたか。私の場合、残雪期の奥美濃の山を潰していたので、次は高丸と烏帽子山と考えていました。
ちょうどそんなときに山日和さんのレポが上がった次第です。その情報では、今年は神岳ダムまで車が入るというので、今がチャンスだと思っ
たのはバーチャリさんと同じですね。

> 道の駅でクロオさんと会いましたね。

 もちろん、その話はクロオさんから聞きました。今月は3週連続でクロオさんと雪山山行になりました。3/9蕎麦粒山、3/15高丸&烏帽子山、
3/23鷲ヶ岳&白尾山です。

> (林道が大きく右にカーブし再び左にカーブするあたりが朽ヶ洞(941.6m)へ登る尾根の取付点だ)ここの尾根に取り付いたと思います。

 最初は、私たちもここから取り付こうと思っていたのですが、気づかず取り過ぎてしまいました。GPSをしっかりと確認していなかったせいですね。
この橋のたもとから取り付きました
この橋のたもとから取り付きました
> この植林帯を使って下山でしたが、ここの植林を登りに使うと早く稜線にたどり着きますね。

 山日和さんは、林道終点まで行き、そこからこの尾根に取り付いています。私たちは、この尾根の末端に取り付こうとしたのですが、その末端
を間違えてしまったのです。橋を渡ったところで取り付いたのですが、支谷あり、この谷の右側の尾根が正解だったのですが、間違えて左側の
尾根に取り付いてしまいました。おかげで20分くらいはロスしてしまったのではないでしょうか。

> 941.6mに突き上げる尾根は大変でしたが、稜線からは素晴らしいブナ林に二重山稜の斜面とP1114地点まで見どころ沢山有りました。

 941.6mピークは「栃ヶ洞」という三角点峰ですが、ここへの尾根はヤブっぽいのですね。それならば、私たちが本来取り付くべき尾根を使って
登るのがよかったのかな。途中までは植林ですが、その後はブナ林になっているでしょう。結構急登ですが、いい感じの尾根です。
P1114です
P1114です
> (高丸と烏帽子山をつなぐ吊尾根) いつかはここ歩きたいと思っていますが、いつになるやら。

 今年はチャンスだったのですが、惜しいことをしましたね。でもまあ、山は逃げませんから、来年にでもアタックして下さい。
P1114からJCTピークに向かう稜線
P1114からJCTピークに向かう稜線
> 20mも滑り大事にいたらなくて良かったですね !(^^)!

一瞬何が起こったのか分かりませんでした。しかし、目の前が雪で覆われたので、転倒したのが分かりました。落ちた斜面はそう急ではなか
ったので滑落は20mほどで済みました。クロオさんも私の姿が見えなくなったのでびっくりしたようです。今回の山行で怪我をしたのは、最終の
ところでの左足首の捻挫です。が、翌日も北八ヶ岳に行きましたが。
高丸山頂での樹氷
高丸山頂での樹氷
烏帽子山から高丸・三周ヶ岳のパノラマ
烏帽子山から高丸・三周ヶ岳のパノラマ
> 最近カレーうどんがお気に入りのようですね。

 そうなんです。得正のカレーうどんは甘辛でうまいです。クロオさんによると、名古屋地方ではなかなか手に入らないとか。
一度食べてみてほしいと思いますが。
得正のカレーうどんでランチです
得正のカレーうどんでランチです
written by kitayama-walk
kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
お住まい: 京都市中京区
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Re: 【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by kitayama-walk »

 たんぽぽさん、こんにちは。

> 今シーズンは奥美濃が賑わってますね。神岳ダムまでクルマが入れるとあって黒壁方面は大人気。
> たんぽぽたちが入った日にも登山者がいて、まるで鈴鹿にでもいるような気分です。


そうですよね。奥美濃の雰囲気がよい上に、今シーズンは寡雪のせいでアプローチが容易になっていることも手伝っていると思います。
高丸&烏帽子山は狙っていた山ですが、林道歩きが長いと思っていたところ、山日和さんのレポでイビデンダムまで車が入ることを知り、
これは今シーズンがチャンスだと思った次第です。

 同じ高丸にアタックしたのですが、私とクロオさんは3/15、たんぽぽさんとバーチャリさんは3/16と一日違いでしたね。バーチャリさんは
3/15に黒津山に登っていると聞いているので、連日登山でお元気ですねぇ。私も3/16は北八ヶ岳に行きましたけれど。 :lol:

> (鞍部への下りの途中で体が宙に浮いた。体が雪の急斜面を落ちていく。必死になって足を下にし両手を雪面に突き立てると滑るのが
> 止まった。稜線から20mほどの地点だ。体はどうか。大したことはなさそうだ。)おおっ、これは危なかったですね。


 斜面もそう急ではなかったので、途中で止まりました。最初は何が起こったのかわかりませんでした。斜面の雪が固くなかったので止め
るのも何とかなりました。
転落した箇所
転落した箇所
> (高丸山頂)ここからの眺めは絶景なのですが、この日もイマイチだったんでしょうね。

 高丸山頂に到達したのは10:15でまだ早い時間でした。まだ雲が多く、これから晴れてくるだろうと思い、早いランチタイムにしたわけです。
まあ1時間も待てば晴れてくるだろうと思ってのことでしたが、なかなか晴れてくれませんでした。11:30を切りにして高丸山頂を後にしました。
晴れていれば、すぐそばに三周ヶ岳があり、夜叉が丸、三国岳、左千方、そして横山岳や金糞岳と見えたのでしょうね。それに、越美国境に
続く美濃俣丸、大河内山、夏小屋丸、笹ヶ峰も。不動山、千回沢山なんかもね。
JCTピークから高丸に続く尾根
JCTピークから高丸に続く尾根
> (高丸からの下りは急降下になっている)自分もここはワカン時代にしか歩いてないので、松の廊下のスノーシューで下れるか気になって
> いるところです。


高丸直下が急登になっているので、登りもしんどかったですが、下りはスノーシューではちょっと危ないと思います。やはりアイゼンかツボ足
でキックステップを踏みながらサクサクと下るのが正解でしょう。

> (アイゼンの前爪で壁を蹴り込んで足場を作り、雪壁を突破すると間もなく烏帽子山の山頂に到達した)。やりましたね、2座制服!

 敗退することなく、最初から予定していた2座を踏めたのはうれしいものです。今シーズン敗退したのは、アラクラ→黒津山→天狗山の周回で、
黒津から天狗に行けなかったことくらいですね。このとき(2/9)は天候も悪かったですから。

> Kitaさんの山座同定はいつも正確で感心していますよ。

 現地には周囲の山が載っているおおまかな地図(印刷したもの)を持って行くのですが、大体の同定しかできません。帰宅してからカシミール3D
で調べています。もっとも、それでも間違うこともあり、山日和さんから指摘を受けることも2、3度ありましたね。

> (それまで薄かった能郷白山もはっきりと姿を現してきた)この辺りからから眺めた能郷白山はなかなか印象的だったのを覚えています。

 たんぽぽさんも、烏帽子山の南尾根(トガスに続いている)を下ったことがあるのですか。思ったよりいい感じの尾根で、烏帽子山もどっかりとした
山容を見せてくれますね。これは「烏帽子」には見えないですが。能郷白山は標高が高いのでやはり白く見えますね。どでっとした山容で、隣にピラ
ミダルな磯倉を従えていますね。
烏帽子山もどっかりとしています(南尾根から)
烏帽子山もどっかりとしています(南尾根から)
能郷白山と磯倉(右)を望む
能郷白山と磯倉(右)を望む
> (P932を通過し、次の小ピークに登り返している。どこまで行くのだろう?まさかトガスまで続いているのでは?などと思い始めた。)
> 忠実に尾根を進んでいますね。たんぽぽ登り返しがイヤなのですぐに林道や谷へ逃げますわ。


 事前に山日和さんからトレース(GPS軌跡図)をもらっており、P932よりかなり手前で右手の尾根を下ることにしていたのですが、この日はワカンの
トレースがあったので、これに引っ張られました。登ってきて下っているのだから、これを追えば確実に下山できるだろうと考えてしまったのです。
ちょっと安易な考えでしたね。
烏帽子山のJCTピークから南尾根を下る
烏帽子山のJCTピークから南尾根を下る
> (小ピークを過ぎたところで右手の尾根を下り始めた。地形図で確認すると、神岳ダムにダイレクトに下っている尾根である。)
> 尾根のヤセたところですよね、たんぽぽも登りにここを選んでしまい苦労したことがあります。


最後はヤブ漕ぎなり、結構苦労しました。あとで調べてみると、大垣山岳協会編「美濃の山」第1巻に烏帽子山のレポがあり、それには「椀戸谷
左岸の林道を歩いて最初の沢を大きく迂回したところで、尾根の末端に取り付いた。尾根は植林後まったく手が入っておらず、早春の山にしては
ヤブがひどかった。」とあります(1995/3/26)。結局、このルートを下ったわけですね。たんぽぽさんも、このルートで登ったのでしょうか?
烏帽子山へのルート地図
烏帽子山へのルート地図
> 捻挫はもう大丈夫でしょうか、お疲れさまでした。

 まあ、翌日3/16に北八ヶ岳に行ったくらいですから、大したことはありませんでした。もう痛みも引きました。
written by kitayama-walk
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クロオ
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登録日時: 2011年2月20日(日) 09:08
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Re: 【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by クロオ »

kitayama-walk さん、こんばんは


 吉川幸一著「岐阜の山旅100コース」(美濃上)に残雪期の山として、土蔵岳、大ダワ、上谷山、笹ヶ峰とともに、椀戸谷出合から朽ヶ洞尾根を辿る高丸・烏帽子山が紹介されている。すでに高丸・烏帽子山以外は踏破していることから、次はこの2つを狙っていた。そうした折り、山日和さんが3/9にこの2座を登ったという山レポが上がった。 ようし俺も登るぞ!と登行意欲満々。 次週3/15が天気がよさそうなのでクロオさんに声を掛けて一緒に登ることにした。


 お誘いありがとうございます。越美国境の山に登ると、展望の山座同定で必ず出てくる名前で気になっていました。ちなみに私は、美濃の上谷山は先日登りましたが、こちらの上谷山はまだ未踏です。


 林道は一旦に左岸に渡り再び右岸に渡り返して、大きくUターンしている。この右岸に渡った橋のたもとから取り付くことにした(7:20)。すぐに右手に谷があったが、この左側の尾根に取り付いたのが失敗だった。少し登ると支谷の右側の尾根に取り付くべきことに気づいたので、途中から支谷に下って渡渉し右側尾根に取り付いた。しかし、ここがヤブの急斜面となっていて難儀する。途中で引き返して尾根末端から取り付けばよかったと後悔するが、仕方がない。強引にヤブの斜面を突破するように登って行き、やっと尾根芯に出た。植林帯であるが、ヤブではないので歩きやすい。


 取付いた尾根をそのまま上がれば、やがて林道に出ていたかも。


 尾根芯の植林は疎らになっていて、その間を縫うように登っていくと、やがてブナ林に変わってきた。いい感じだが、空はどんよりと曇り小雪もちらついてきた。当然ながらテンションが下がる。この尾根も結構傾斜が急であり、喘ぎながら登っていく。


 いい感じの尾根でしたが、長い尾根でした。
DSC04366.jpg


 P1114からは高丸と烏帽子山をつなぐ吊尾根のJCTピークをめざす。傾斜が緩やかで、ブナが林立しているので気持ちよい。歩くにつれて少しずつ青空も見えてきて天気が回復する兆候だ。右手に吊尾根と烏帽子山の姿がはっきりと見えてきたので、少しテンションが上がってきた。


 小雪も止んで、青空も見え、烏帽子山も見えてきてよかったのですが、なかなか雲が無くならなかったです。
DSC04375.jpg
DSC04391.jpg


 さて、JCTピークから高丸を眺めると、まだまだ距離がありそうだ。天候が回復しそうだったが、高丸方面はまだ灰色のままだ。ここからは一旦下ってから登り返しとなる。鞍部への下りの途中で体が宙に浮いた。一体何が起こったのか。雪庇が崩れたのだ。体が雪の急斜面を落ちていく。必死になって足を下にし両手を雪面に突き立てると滑るのが止まった。稜線から20mほどの地点だ。体はどうか。大したことはなさそうだ。見上げると2本のストックが雪面にある


 ピークから下って行くと姿が見えなかったので、もう行かれてしまった、相変わらず速い、と思っていました。しかし、トレースが鞍部で消えている。よく見るとストックが1本だけ突き刺さっている。雪庇の下を見たらおみえだったのでびっくりでした。右側斜面も結構急だったので、私はスノーシューを脱いでアイゼンを付けていたら這い上がって来られた。たいした怪我も無くてほんとうによかったです。


 鞍部からは高丸への登り返しは急登になっている。山頂直下の傾斜が特に急だ。喘ぎながら登っていくと、やがて傾斜が緩くなり、平坦な場所にやってきた。GPSで確認すると高丸山頂であった(10:15)。


 ここは結構急斜面でした。木も少なく、つかまるものも無いので慎重に登りました。特に最後の平坦なところに上がる手前は雪が柔らかく踏み抜きそうで、足場を慎重に探しました。
IMG_1057.jpg


 今日も得正のカレーうどんだ。持ってきたのはアルミ鍋の方だ。鍋にお湯を沸かし、野菜、豚バラ肉、天ぷらを入れて、少し煮立ってくるとうどん玉を投入する。うどんが柔らかくなると粉末カレー粉を入れて煮る。 カレーの香ばしい匂いが立ちこめる


 袋入りは先日近くのスーパーでたまたま売られていました。お店の人にお聞きすると、常時置いているのではなく、時々仕入れるとのことでした。
 名古屋の大手スーパーでも聞いてみたのですが、今現在は取り扱いは無く、そのスーパーが調べたところ、アルミ鍋、袋入り、冷凍品、の3種類あるとのことでした。アルミ鍋は関西限定とのことで名古屋では入手販売できない。袋入りは2月末で製造打ち切り。冷凍品は扱えるので来週から常時置くとのことでした。今度、冷凍品購入してみようと思います。


 向こうにうっすらと見える烏帽子山とこれに続く吊尾根を眺めながら甘辛の熱いうどんを食べると体が温まる。待つこと1時間。しかしまだ天候がぱっと回復しない。 これ以上待つこともできないのでJCTピークに戻って烏帽子山に向かうことにした(11:30)。


 展望が晴れそうで、なかなか晴れない。残念でした。でも、あんな遮る物のなにも無い場所で、さほど寒くもなく食事できてよかったです。


 高丸からの下りは急降下になっているので、スノーシューを外してアイゼンに変えた。キックステップを切りながらどんどんと下っていく。鞍部からはもちろん登り返しだ。 雪庇の崩れた跡を確認しながらJCTピークまで戻った(11:55)。


 急降下は結構怖かったです。慎重に降りました。霧氷がとてもきれいでした。
DSC04400.jpg


 ここから吊尾根を下って烏帽子山に向かう。先行する単独行の男性のトレースがあるが、アイゼンを付けたツボ足のようだ。 烏帽子山への吊尾根にも雪庇ができており、 踏み抜かないように注意しなければならない。単独行の男性は注意するあまりに灌木の中に入ってトレースを刻んでいた。私たちは眺望が得られる灌木の端を歩くようにした。P1161を通過したあたりで先行の男性に追いついた。ここからは先頭に立ってトレースを刻んで行くことになった。


 平坦になだらかで一見歩きやすそうな吊尾根に遠くからは見えたのですが、実際は灌木が結構邪魔で、かといって雪庇はあまり乗りたくなく、結構歩き辛かったです。朝のことがあったからか、灌木ぎりぎりにトレースがありました。


 JCTピークからは一旦鞍部に下り、烏帽子山に登り返す。向かう烏帽子山の上部には青空が増えてきた。青空をバックにまだ残っていた樹氷がきれいだ。いい感じで登り返していくと、前に雪壁が立ちはだかった。ワカンのトレースはここで左に巻いている。ピッケルがあれば容易に登れるが、ストックしかない。しかし、アイゼンの前爪で壁を蹴り込んで足場を作って行けば登ることができる。こうして雪壁も突破すると間もなく烏帽子山の山頂に到達した(13:00)。


 雪壁には掴まるところも無く、怖そうだったので、私も左に巻きました。


 烏帽子山の山頂に到達すると天気は回復傾向であるが、 今少し時間がかかりそうだ。 下山時間を考えると1時間程度は滞在できそうだ。烏帽子山の山頂は長細い地形になっている。少し南に寄ると眺望がよい。時間が経つにつれて青空が広がってきた。待望の青空である。歩いてきた方向(西)には吊尾根と高丸、右には三周ヶ岳が大きい。 高丸の左奥に見えるのは横山岳であろう。北西方向に目をやると、越美国境の山々-美濃俣丸、大河内山、夏小屋丸、笹ヶ峰が白い。さらに右手には、不動山や千回沢山などが見えているのであろうが、はっきりと同定することができない。東方向には薄く能郷白山が見える。 南には小蕎麦粒を従えた蕎麦粒山が大きい。 やはり蕎麦粒山はどこから見てもかっこいいのだ。


 天気がよくなってよかったです。越美国境の山々、奥美濃の山々も、かなり分かるようになった。登ったことのある山を同定するのは、楽しいし、嬉しい。
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単独行の男性とともに烏帽子山の山頂から下り始めた。振り返ると空が真っ青だ。


 最近は青空と言っても白味かかっていました。久しぶりに紺色の空を見ました。


 進行方向には小蕎麦粒、蕎麦粒山、トガスが見える。そして左手には、それまで薄かった能郷白山もはっきりと姿を現してきた。


 トガスももう一度快晴の日に登りたいと思っています。


 南に向かう尾根は次第に下っていくが、そろそろ右に下ると思いきや、トレースは相変わらず尾根を進んでいる。もうP932を通過し、次の小ピークに登り返している。どこまで行くのだろう?まさかトガスまで続いているのでは?などと思い始めた。しかし、小ピークを過ぎたところで右手の尾根を下り始めた。地形図で確認すると、神岳ダムにダイレクトに下っている尾根である。高度を下げてくると雪が少なくなり、やがてヤブが出てきた。もう登山道ではなくヤブ漕ぎしながら適当に下っていくしかない。かくしてようやく林道に降り立った。


 大垣山学協会の「美濃の山」のレポートをきちんと確認していれば、全然問題無かったルートでしたね。


 予想どおり谷が詰まったところで渡渉することができた。ちょっと安心したせいか、渡渉し終わり対岸に登る途中で雪穴に左足がはまり込んで転倒した。足首が抜けない。一人では脱出できない。クロオさんに引っ張り上げてもらい何とか抜け出ることができた。後でこのとき左足首を捻挫したことがわかった。


 雪の上を歩くときは、雪穴に注意が必要ですね。雪穴が分かるところでは、気をつけるので問題無いのですが、問題は、思いもしていなかったところで不意に落ちる場合です。仮に怪我はしなかったとしても、雪上に出るのに、体力を使ったり、変な体勢になって足が攣りそうになったり。


 岸のトレースを追いかけていくと神岳ダムの駐車地に無事戻ることができた(17:30)。


 お疲れ様でした。お陰さまで、奥美濃の困難そうな山2座、登ることができました。

                                                     クロオ
kitayama-walk
記事: 719
登録日時: 2011年6月06日(月) 01:33
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Re: 【奥美濃】高丸(黒壁)・烏帽子山-奥美濃を代表する山

投稿記事 by kitayama-walk »

 クロオ、こんばんは。

> お誘いありがとうございます。越美国境の山に登ると、展望の山座同定で必ず出てくる名前で気になっていました。
> ちなみに私は、美濃の上谷山は先日登りましたが、こちらの上谷山はまだ未踏です。


 そうですよねぇ。奥美濃の山々の中でも登りにくい山になりますよね。昨年は、美濃俣丸&笹ヶ峰に登ったので、次は高丸&烏帽子山と
考えていました。さらに難しいのは、不動山&千回沢山ですね。こちらは日帰りではちょっと難しいでしょうね。
 江越国境の上谷山(かみたにやま)は未踏でしたか。こちらも展望がよくていい山ですよ。

> 取付いた尾根をそのまま上がれば、やがて林道に出ていたかも。

後から思えばそうかも知れませんね。あの橋のところで尾根に取り付かず、林道を進んで終点まで行けば、もっと楽ができたことでしょう
ね。でも、尾根の末端から取り付くというのはポリシーでもあります。

> いい感じの尾根でしたが、長い尾根でした。

植林帯を抜けると、ブナ林になっているので、いい感じの尾根でした。晴れていたらもっとよかったでしょう。急登になっていたので、長く感
じられたのかも知れませんが、まああんなものでしょう。

> 小雪も止んで、青空も見え、烏帽子山も見えてきてよかったのですが、なかなか雲が無くならなかったです。

予報では回復傾向だったので、早く晴れてくれないかと思っていました。P1114からJCTピークに向かう途中で青空も出てきたので、昼前
から晴れてくると読んだのですが、ちょっと遅かったですね。高丸山頂の展望はいいはずなのに、それが見えなかったのは口惜しいです。

> ピークから下って行くと姿が見えなかったので、もう行かれてしまった、相変わらず速い、と思っていました。しかし、トレースが鞍部で消
> えている。よく見るとストックが1本だけ突き刺さっている。雪庇の下を見たらおみえだったのでびっくりでした。右側斜面も結構急だったの
> で、私はスノーシューを脱いでアイゼンを付けていたら這い上がって来られた。たいした怪我も無くてほんとうによかったです。


 ご心配をかけました。雪庇が崩れて転落してしまいました。初めての経験でした。でもまあ、落ちた斜面はそう急ではなかったので、滑落
するのを止めることができました。ちょっとした打撲傷ってところでした。

> (高丸直下の登り)ここは結構急斜面でした。木も少なく、つかまるものも無いので慎重に登りました。特に最後の平坦なところに上がる
> 手前は雪が柔らかく踏み抜きそうで、足場を慎重に探しました。


そう、ここは急登になっていましたね。でも、スノーシューをつけたまま、登ることもできました。次第に尾根が広がってきたので、どんどん
登ることができました。

> (得正のカレーうどん)袋入りは先日近くのスーパーでたまたま売られていました。お店の人にお聞きすると、常時置いているのではなく、
> 々仕入れるとのことでした。名古屋の大手スーパーでも聞いてみたのですが、今現在は取り扱いは無く、そのスーパーが調べたところ、
> アルミ鍋、袋入り、冷凍品、の3種類あるとのことでした。アルミ鍋は関西限定とのことで名古屋では入手販売できない。袋入りは2月末
> で製造打ち切り。冷凍品は扱えるので来週から常時置くとのことでした。今度、冷凍品購入してみようと思います。


そこまでは知りませんでした。よく尋ねてみたもんですね。やはり、得正は大阪のお店なので関西圏内での販売が基本なのですね。
しかし、袋入りは2食分で298円。アルミ鍋は1色で298円です。違いは、干し牛肉とあられが付いているかいないかです。経済的なこ
とを考えると、袋入りの方がお得です。冷凍品があるとは知りませんでしたが。

> (高丸山頂で)展望が晴れそうで、なかなか晴れない。残念でした。でも、あんな遮る物のなにも無い場所で、さほど寒くもなく食事
> できてよかったです。


 天気はよくなかったけれど、風がなかったので助かりましたね。1時間あまり山頂に滞在したのですが、ぱっとしなかったですね。
思うようにいかないのが世の常です。

> 急降下は結構怖かったです。慎重に降りました。霧氷がとてもきれいでした。

 そうですか。スノーシューからアイゼンに履き替え、キックステップを効かせながら下れば、いい感じで下りることができました。

> 平坦になだらかで一見歩きやすそうな吊尾根に遠くからは見えたのですが、実際は灌木が結構邪魔で、かといって雪庇はあま
> り乗りたくなく、結構歩き辛かったです。朝のことがあったからか、灌木ぎりぎりにトレースがありました。


 吊尾根自体はそう危険でもなかったと思います。ただ小さな雪庇がせり出しているので、踏み抜きに注意して灌木ギリギリを
歩きました。

> 雪壁には掴まるところも無く、怖そうだったので、私も左に巻きました。

烏帽子岳直下の雪壁は、アイゼンのキックステップを使い、ピッケルの代わりにストックを代用しました。それでも滑ることなく
雪壁を乗り越えることができました。

>天気がよくなってよかったです。越美国境の山々、奥美濃の山々も、かなり分かるようになった。登ったことのある山を同定す
> るのは、楽しいし、嬉しい。


 やはり青空が広がってくるとうれしいですね。山に登れば、その周囲の山も覚えられます。

> 最近は青空と言っても白味かかっていました。久しぶりに紺色の空を見ました。
> トガスももう一度快晴の日に登りたいと思っています。


空の青さが強いときは、かなりいい感じに思えます。トガス(戸粕)は未踏ですが、展望地があると言われているので、もう少し
待ってから登るつもりです。

 大垣山学協会の「美濃の山」のレポートをきちんと確認していれば、全然問題無かったルートでしたね。
written by kitayama-walk
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