【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

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easy pace
記事: 38
登録日時: 2012年9月06日(木) 23:29

【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by easy pace »

【 日 付 】2014年1月29日(水)
【 山 域 】東紀州
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】三木里06:45----八鬼山09:00----三田谷の頭10:10----明治道分岐11:35----三木里13:35

少し暖かい真冬の晴れの日、やぶこぎせず山歩きをして、明るい東紀州の山から雪の大台ケ原を遠望した。

三重県尾鷲市三木里海水浴場に駐車し、沓川に沿って北側の山間に入り、熊野古道八鬼山道で江戸道を往路に登った。
熊野古道であり近畿自然歩道であるが、ハイキングコースと侮ってはいけない。

まず、ハイカーは地元から歓迎されていない。特に、平日の昼間にウロウロしている男は不審者的であり、ろくな職業でないなと思われても仕方がない。リュックサック担いでステッキをもってトレッキングシューズで歩いているのだから、ゴミ不法投棄に来た訳ではなく、空き巣に来た訳でもないと分かって欲しいなと思う。しかし、この地では、ハイキングにくることも歓迎されていない様で、立ち木や看板に明示されている。

また、道の整備状況がハイキングコース的ではない。そもそもハイカーが歓迎されていないのだから、道が整備されていないのも当然である。いや、逆に、古道らしく荒れた雰囲気を意図的に残しているのかも知れない。それでも、かつてはハイキングコースとして整備された道であり、あちこちに道標があって迷うことなく、時々案内板で新しい知識を加えつつ歩くことが出来た。

江戸道の十五郎茶屋跡に上り着いた時、浜に打ち寄せる波の音が聞こえた様な気がした。地図を見ると海までは結構な距離があるので、波音は気のせいかも知れない。しかし、木々の間から砂浜を遠望できたので、冬に珍しい南風と地形が相俟って、本当に渚の音が届いていたのかも知れない。

八鬼山頂に近いさくらの森エリアは、東に面して熊野灘の景色があり、九鬼方向の入り江から漁船のエンジン音やJR紀勢線の列車音が響いて来た。空は青く晴れ渡り、日射しが暖かく気持ち良い朝である。

八鬼山峠(三木峠)から明治道を少し南へ行った分岐で、「どんぐりの小径」の道標に従って尾根筋を西へ辿る。八鬼山から三田谷の頭までは、雑木林で明るく、尾根上の立ち木が切られ広く開けた尾根が続いている。尾根筋が広いのは防火帯を兼ねているのかも知れない。苔むした大岩・小岩があったり小さなガレ場があったりして、楽しい明るい尾根歩きである。フカフカの落葉を踏みしめながら歩く足元には、ドングリが沢山落ちている。時々細い丸太で段々道が整備されていた様だが、時間が経って土が流れハードル状になっている所もある。残念なことに、北側から採石場の騒音が響いて来て趣を減じている。
広い尾根の鞍部
広い尾根の鞍部
a 広い尾根筋の鞍部.JPG (53.25 KiB) 閲覧された回数 2532 回
三田谷の頭
三田谷の頭
b 三田谷の頭 山頂.JPG (56.36 KiB) 閲覧された回数 2532 回
704 mピークから三田谷の頭山頂までの間で、右手・北側にすばらしい景色が広がる所がある。小さな岩に腰を下ろして、サーモス紅茶とクリフシリアルバーで休憩。景色を楽しむ。
尾鷲市街と台高南部
尾鷲市街と台高南部
龍辻からマブシ嶺から大台ケ原への稜線、堂倉山から加茂助谷の頭から仙千代が峰への稜線、地池高から樫山、龍辻から橡山、便石山から天狗倉山、尾鷲市街を一望のもとに眺めることが出来る。尾鷲の火力発電所は八鬼山の稜線に隠れ、煙突の先端が少し見える程度である。空気が澄んだ冬で、晴れて青空で、背後から日が射し順光で、非常に景色が良い。

龍辻からマブシ嶺から大台ケ原への稜線を見ながら、昔の紀州の人々は国境をこのように見ていたのだろうなと考えた。あの雪山の向こうには見知らぬ土地が広がっていると想像したのか、それとも自分には関係のない話だと考えたのか、実は結構情報が行き来していて和州や勢州をよく知っていたのか。

尾鷲から吉野まで、崩れ易い谷道より徒渉せずにすむ尾根道の方が歩き易く、この尾根も昔の主要道だったのかも知れない。少なくとも、里の人々に顔を見せられない人達は尾根を利用していたに違いない。旅人を歓迎しない集落もあったのだろうな、村の入り口に道祖神とか辻神があってそこから先によそ者は立ち入り禁止とか。

戻る時に「どんぐりの森」を彷徨ってみた。尾根から張り出した比較的平らな部分に雑木林が保存されており、少し太い木があるところを見るとちょっと前から伐採を控えていたのかも知れない。片隅に育成天然林と表現した看板が立っていた。
どんぐりの森
どんぐりの森
c どんぐりの森.JPG (53.55 KiB) 閲覧された回数 2532 回
八鬼山峠(三木峠)から明治道を下った。江戸道より明治道が歩き易いという印象は無い。ある程度の幅は確保されているが、落石やガレが放置されている。道の脇に炭焼き釜があるのは、旧街道というより杣道だったのだろうか。嘗ては材木や薪炭材にする伐採で禿げ山に近かった筈で土石流が頻発したのだろうか、斜面にも谷間にもガレが多い。

歓迎されていない山歩きは気が滅入って歴史や民俗や経済や騒音や様々なことを考えさせられた。
しかし、尾鷲市街から台高南部まで、様々な山々の景色は素晴らしかった。
最後に編集したユーザー easy pace [ 2014年2月01日(土) 06:52 ], 累計 1 回
シュークリーム
記事: 2065
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by シュークリーム »

easy paceさん、おはようございます。

【 日 付 】2014年1月29日(水)
【 山 域 】東紀州
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】三木里06:45----八鬼山09:00----三田谷の頭10:10----明治道分岐11:35----三木里13:35


29日はいい天気だったですねえ。私は鈴鹿の山を眺めながら1日かごの鳥でした。
コースタイムも早朝から午前中を主体にして、早めの下山で安心して歩けるパターンですね。
私も退職したらこういう風に低山ののんびり歩きを楽しみたいものです。


まず、ハイカーは地元から歓迎されていない。特に、平日の昼間にウロウロしている男は不審者的であり、ろくな職業でないなと思われても仕方がない。リュックサック担いでステッキをもってトレッキングシューズで歩いているのだから、ゴミ不法投棄に来た訳ではなく、空き巣に来た訳でもないと分かって欲しいなと思う。しかし、この地では、ハイキングにくることも歓迎されていない様で、立ち木や看板に明示されている。

世界遺産に指定されるときにいろいろあったみたいですね。ハイカーもマナーの良くないのがいるのかなあ。

九鬼山頂に近いさくらの森エリアは、東に面して熊野灘の景色があり、九鬼方向の入り江から漁船のエンジン音やJR紀勢線の列車音が響いて来た。空は青く晴れ渡り、日射しが暖かく気持ち良い朝である。

厳冬期でもこのあたりは小春日和ですねえ。

歓迎されていない山歩きは気が滅入って歴史や民俗や経済や騒音や様々なことを考えさせられた。
しかし、尾鷲市街から台高南部まで、様々な山々の景色は素晴らしかった。


お疲れさんでした。冬の暖かい山歩き、よかったですねえ。
                         @シュークリーム@
easy pace
記事: 38
登録日時: 2012年9月06日(木) 23:29

Re: 【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by easy pace »

シュークリームさん、おはようございます。

  "私も退職したらこういう風に低山ののんびり歩きを楽しみたいものです。
    いろいろ考えながら、または、何も考えずに、のんびり歩きは良いものです。

""八鬼山頂に近いさくらの森エリアは、東に面して熊野灘の景色があり、九鬼方向の入り江から漁船のエンジン音や
JR紀勢線の列車音が響いて来た。空は青く晴れ渡り、日射しが暖かく気持ち良い朝である。

  "厳冬期でもこのあたりは小春日和ですねえ。
    もうすぐ春ですね、でも油断大敵です。

""歓迎されていない山歩きは気が滅入って歴史や民俗や経済や騒音や様々なことを考えさせられた。
 しかし、尾鷲市街から台高南部まで、様々な山々の景色は素晴らしかった。

  "お疲れさんでした。冬の暖かい山歩き、よかったですねえ。
    ありがとうございます、
    これからは春の息吹をさがす山歩きになりそうですね。
kando1945
記事: 402
登録日時: 2013年1月02日(水) 09:28

Re: 【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by kando1945 »

easy paceさん、おはようございます。はじめまして。

三重県尾鷲市三木里海水浴場に駐車し、沓川に沿って北側の山間に入り、熊野古道八鬼山道で江戸道を往路に登った。
熊野古道であり近畿自然歩道であるが、ハイキングコースと侮ってはいけない。

まず、ハイカーは地元から歓迎されていない。特に、平日の昼間にウロウロしている男は不審者的であり、ろくな職業でないなと思われても仕方がない。リュックサック担いでステッキをもってトレッキングシューズで歩いているのだから、ゴミ不法投棄に来た訳ではなく、空き巣に来た訳でもないと分かって欲しいなと思う。しかし、この地では、ハイキングにくることも歓迎されていない様で、立ち木や看板に明示されている。

数年前、168号が大塔付近で崩落した年に私も八鬼山に登りました。
バイクで行き、宮川ダムを見物して大台原海山線で尾鷲に出るつもりでしたが、林道は通行止めで大台周りを余儀なくさせられました。
三木里の民宿で一泊し、JRで尾鷲に行き、タクシーで登山口まで行き八鬼山に登り、江戸道で下りました。
8月の暑い時で、あれだけ汗をかいたのは初めてでした。


また、道の整備状況がハイキングコース的ではない。そもそもハイカーが歓迎されていないのだから、道が整備されていないのも当然である。いや、逆に、古道らしく荒れた雰囲気を意図的に残しているのかも知れない。

ハイカーを歓迎しない雰囲気は全く感じませんでしたが、その後何かがあったのでしょうか。
その後、もう一度、天狗倉山と便石山にも行きました。


江戸道の十五郎茶屋跡に上り着いた時、浜に打ち寄せる波の音が聞こえた様な気がした。

江戸道は丸い大きな石が敷き詰められていて、苔むしていてとても滑りやすかった記憶があります。

龍辻からマブシ嶺から大台ケ原への稜線を見ながら、昔の紀州の人々は国境をこのように見ていたのだろうなと考えた。あの雪山の向こうには見知らぬ土地が広がっていると想像したのか、それとも自分には関係のない話だと考えたのか、実は結構情報が行き来していて和州や勢州をよく知っていたのか。

オチョボ岩から見る大台ヶ原はとてもきれいでしたし、象の背から見る尾鷲湾も雄大でした。

歓迎されていない山歩きは気が滅入って歴史や民俗や経済や騒音や様々なことを考えさせられた。
しかし、尾鷲市街から台高南部まで、様々な山々の景色は素晴らしかった。

三木里から熊野本宮を通って168号を走っていると、大塔のところで対岸に下ろされ、川に直径2mくらいの鉄管を二つ並べ
その上に土をかぶせた、突貫工事の仮橋を渡って168号に戻りました。
家に帰ってテレビで、この日の早朝168号が崩落する瞬間の映像を見て、現場の写真を撮っておけばよかったと後悔しました。
運転中、手袋をしていなかったので両手の甲の皮が日焼けで向けてしばらく痛い目に会いました。

熊野古道に興味を持ち、伊勢路のツヅラト峠をツアーで歩いたのが私の山歩きの始まりでした。
これからもよろしくお願い申し上げます。
easy pace
記事: 38
登録日時: 2012年9月06日(木) 23:29

Re: 【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by easy pace »

kando 1945さん、こんにちは。

 数年前、168号が大塔付近で崩落した年に私も八鬼山に登りました。
 その後、もう一度、天狗倉山と便石山にも行きました。オチョボ岩から見る大台ヶ原はとてもきれいでしたし、象の背から見る尾鷲湾も雄大でした。


  良いところですよね。黒潮に近くて温暖で、常緑広葉樹が多い海辺から冠雪の山々まで遠くないですし。
  季節によっては小さな虫とか長い虫とかに要注意ですが。


 熊野古道に興味を持ち、伊勢路のツヅラト峠をツアーで歩いたのが私の山歩きの始まりでした。

  熊野古道・東海自然歩道・近畿自然歩道など様々なコースがありますが、地元の生活道路や森林作業道と重なっている部分も多く、
  整備など地元の人々の好意に依存している部分もあり、謙虚な気持ちで利用させて頂きたいと、いつも考えています。

 これからもよろしくお願い申し上げます。

  よろしくお願い致します。
zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

Re: 【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by zipp »


easy pace さん、こんばんは。
遅いレスで失礼ゴメン!

八鬼山09:00----三田谷の頭10:10----明治道分岐11:35----三木里13:35
 「三田谷の頭」とは、八鬼山西方の751.5三角点の山なんですね。
三木里から登れば、江戸道・明治道があるので、なんとかピストンは免れることができるのですね(^^;。

熊野古道であり近畿自然歩道であるが、ハイキングコースと侮ってはいけない。

まず、ハイカーは地元から歓迎されていない。特に、平日の昼間にウロウロしている男は不審者的であり、ろくな職業でないなと思われても仕方がない。リュックサック担いでステッキをもってトレッキングシューズで歩いているのだから、ゴミ不法投棄に来た訳ではなく、空き巣に来た訳でもないと分かって欲しいなと思う。しかし、この地では、ハイキングにくることも歓迎されていない様で、立ち木や看板に明示されている。

 何年か前に、植林立ち木の落書きを消したという報道がありましたが、あれは市内側の八鬼山への熊野古道だったのかな?
まぁ土地の所有者が、そもそも反対してるのでしたよね。

八鬼山から三田谷の頭までは、雑木林で明るく、尾根上の立ち木が切られ広く開けた尾根が続いている。尾根筋が広いのは防火帯を兼ねているのかも知れない。苔むした大岩・小岩があったり小さなガレ場があったりして、楽しい明るい尾根歩きである。
 なかなか面白そうですね。
ここは、尾鷲市内稜線周回ルートの一部なんですね。
随分昔、高峯山に登った時、そこに置かれているノートに市内周回ルートをテン泊装備で回っていると書き込みがありました。

704 mピークから三田谷の頭山頂までの間で、右手・北側にすばらしい景色が広がる所がある。小さな岩に腰を下ろして、サーモス紅茶とクリフシリアルバーで休憩。景色を楽しむ。
龍辻からマブシ嶺から大台ケ原への稜線、堂倉山から加茂助谷の頭から仙千代が峰への稜線、地池高から樫山、龍辻から橡山、便石山から天狗倉山、尾鷲市街を一望のもとに眺めることが出来る。尾鷲の火力発電所は八鬼山の稜線に隠れ、煙突の先端が少し見える程度である。空気が澄んだ冬で、晴れて青空で、背後から日が射し順光で、非常に景色が良い。

 この画像、もっと大きな画像で見たいです!

[attachment=0]DSCN8720_800.jpg[/attachment]
添付ファイル
頂山山腹から見た大台ケ原~嘉茂助谷ノ頭。<br />中央の無線塔は419.4三角点のあるところ(本年1/19)
頂山山腹から見た大台ケ原~嘉茂助谷ノ頭。
中央の無線塔は419.4三角点のあるところ(本年1/19)
   zipp
easy pace
記事: 38
登録日時: 2012年9月06日(木) 23:29

Re: 【東紀州】三田谷の頭から雪の大台ケ原を眺める

投稿記事 by easy pace »

 zippさん、こんにちは。
   こちらこそ遅くなって申し訳ありません。

  何年か前に、植林立ち木の落書きを消したという報道がありましたが、あれは市内側の八鬼山への熊野古道だったのかな?
  まぁ土地の所有者が、そもそも反対してるのでしたよね。


   八鬼山峠の北側は以前と比較してかなりきれいになりました。今も反対している人はいます。

  ここは、尾鷲市内稜線周回ルートの一部なんですね。随分昔、高峯山に登った時、
  そこに置かれているノートに市内周回ルートをテン泊装備で回っていると書き込みがありました。


   尾鷲市内稜線周回ルート、惹かれます。でも、季節を選びたいですね。

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   もう少し画像追加します。
[attachment=1]景色 左.JPG[/attachment][attachment=0]景色 右.JPG[/attachment]
   昔は土木建築材や薪炭材として切られて残った立ち木が少なくて、いろんなところから見通せていたのかも知れません。
   古道の成り立ちや森林資源について等、いろいろ考えさせられました。

   easy pace
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