【鈴鹿】吉凶相半ば 初登りの土倉岳
Posted: 2014年1月08日(水) 00:56
昨年末の山納めも前年に続いて御池テーブルランドのつもりで御池川林道へ向かった。
ところが直前の降雪で林道は雪に埋もれていた。仕方なく君ヶ畑に車を止めて歩き出したものの、小又橋まで1時間半近くかかるありさま。いいはずの天気も怪しいし、気力を振り絞ってノタノ坂までラッセルしたが風も強い。南側の鉄塔ピークでランチとして、消化不良の山納めは終わってしまった。
明けて5日は絶好の天気。あれ以来雪も降っておらず、小又橋まで入れる可能性大である。小又橋から歩き出せればテーブルランドは手にしたも同然。確かに小又橋まで車で入ることができたのだが・・・
[attachment=0]P1150565_1_1.JPG[/attachment]
【日 付】2014年1月5日(日)
【山 域】鈴鹿 土倉岳
【天 候】晴れ
【コース】小又橋10:50---11:38ノタノ坂---13:32土倉岳14:50---15:30小又谷林道---16:10小又橋
林道には轍が続いていた。思い通りの展開だ。だが途中から雪が深くなり、車の腹を擦るか擦らないかという状態となる。
不安を感じながらも小又橋の登山口まで辿り着いた。しかしUターンスペースは雪で埋もれている。轍は軽四駆のもののようで、ずいぶん小回りなターンをしていた。
愛車のUターンスペースを作ろうと雪に突っ込んだのが間違いだった。バックしようとギアを入れてもタイヤは空しく空転している。車を降りて床下を覗き込むと亀の子状態になっている。年末のふかふか雪と違って、足で踏んでも沈まないような雪質に変わっていたのだ。うわー、やっちまった。ここからが苦闘の始まりだった。
ピッケルで床下の雪を掻き出していくが、肝心なところはタイヤが邪魔で作業がはかどらない。雪面に寝そべって一心にピッケルを振るった。ある程度除雪したところで恐る恐るギアを入れてみる。エンジンの回転が上がるばかりで動かない。それを何回繰り返しただろう。今日は誰もやって来ない。2人ぐらいで押せばすぐに脱出できるのに・・・
時間だけが空しく過ぎ、最悪のことも頭をよぎり始めた。ロードサービスを頼むか。しかしここは携帯も圏外である。電話が繋がる君ヶ畑まで1時間以上歩かねばならない。更にロードサービスが到着するまでの時間を考えたら初登りは一巻の終わりだろう。そのロードサービスもあの雪道をまともに走って行けるだろうか。
根性を入れて再度トライする。丁寧に雪を取り除いて、4輪ともタイヤに敷物をかませた。
ギアをバックに入れてそーっとアクセルを踏む。少し動いた。これはイケるかもしれない。
もう一度アクセルを踏んで少し後ろに動いたところで足を離して揺り返しで前に戻る。この動作の連続で勢いをつけたところで後ろへ動いた瞬間にアクセルをやや踏み込んだ。動いた!! やっと元の轍に戻った。助かった~。
しかしまだ安心はしていられない。車の向きを変えなければ帰れない。足で雪均しをしてスペースを広げる。車の全長分ほどのスペースができたところで方向転換開始。小刻みに10回ほど切り返しただろうか。ついに車のノーズが君ヶ畑の方を向いた。これで帰れる。おっと帰ってはいけないのだ。
気が付けばここに着いてから2時間半が経過していた。時刻はもう11時前。テーブルランドなんぞとんでもない時間である。せめて土倉岳まで上がって、テーブルランドを間近に眺めよう。やっと初登り開始だ。やれやれ。
[attachment=7]P1150616_1_1.JPG[/attachment]
6日前の自分のトレースに加えて数人のトレースが残されていた。雪面はカチカチで、ツボ足でもまったく問題はない。
ノタノ坂の分岐で一瞬迷ったが、トレースに曳かれてノタノ坂方面へ向かってしまった。土倉なら小又川林道から南尾根に乗る方が仕事が速いし、昨年もそのルートを使っている。これが判断ミスだった。
[attachment=6]P1150630_1.JPG[/attachment]
ノタノ坂の乗越から雪の消えかけた急斜面を上がると、最初の鉄塔からまた雪尾根となった。スノーシューを履く。沈みは少ないが、意外に粘りのある重たい雪であまり快適ではない。トレースもいつしか消えてしまった。
わかってはいたのだが、この道は植林ばかりでまったく面白くない。ここを歩くのが久し振り過ぎて、少し記憶が薄れていたのかもしれない。右手に展開する県境稜線の山並みだけが慰めである。竜や藤原へ行ってたら、何の苦労もなく楽しめたんだろうなあと少しだけ後悔の念が湧いた。
[attachment=5]P1150648_1.JPG[/attachment]
茶屋川への巡視路分岐を過ぎるとやっと自然林になり、にわかにムードが良くなってくる。
動物の足跡だけが残る尾根はブナも増え始めて気分も上々。頭上はまさに雲一つない青空である。
[attachment=4]パノラマ 1_1_1.JPG[/attachment]
やっと土倉岳に着いた。目の前には東のボタンブチを擁するテーブルランド南面の急崖がドーンとそそり立つ。左に目をやればボタン岩からボタンブチへの南西面の岩壁が目を惹く。やっぱりここまで来てよかった。時間はもう1時半である。
風のないところを探してうろうろしたが、結局南東側斜面に落ち着いた。とにかく初登りを祝して乾杯だ。小又橋で遊んでいなければ今頃はテーブルランドを闊歩していただろう。
返すがえすも悔やまれるが、救援を呼んで一日が終わるよりははるかにマシだ。
[attachment=3]P1150668_1.JPG[/attachment][attachment=2]P1150678_1.JPG[/attachment]
下山はやはり南尾根を使おう。ノタノ坂への道はもう歩く気がしない。天狗堂のなかなかカッコいい姿を眺めながらブナ林を下る。左手に池ノ谷の植林が上がって来ると尾根の分岐は近い。南東への尾根を分けて南西へ下る。傾斜が急になるとすぐに小又谷が近付いて来る。この尾根は植林をほとんど見ることもなく、あっという間に小又谷へ下りることができる効率のいい尾根だ。登りも短く、ノタノ坂経由よりは断然優れていると思う。
[attachment=1]P1150688_1.JPG[/attachment]
段丘の残されたカモシカらしき足跡を辿って下流へ進むと、林道終点への渡渉点に着く。
林道へ少し登り返せば、後は坦々と林道を歩くのみである。雪がゆるんだ午後でもあまり沈まず、こっちから上がればテーブルランドの末端だけでも味わえたかもしれないと反省ザルになってしまう。
前回はこのルートでラッセルしながら土倉まで2時間ほど。今日の下りが小又橋まで1時間20分だから、計算上は十分テーブルランドに届いて少し遊べたということになる。ただあの雪の林道を暗くなってから走るのは辛いものがあるので、これも致し方ないか。
車に戻って帰り支度をしていると、1台の軽トラがやってきた。おじさんが話しかけて来た。
荷台のボックスの中で犬の鳴き声がする。猟のようである。こちらの経緯を話していると、おじさんは電動ウインチや無線機も装備して、ひとりでスタックしても大丈夫だと豪語している。これ以上は無理そうやなとUターンしかけたらホントにスタックしてしまった。ロープで引っ張って脱出を手伝ってあげる。新年早々いいことをすると気持がいいものだ。
なんだかんだあったものの、土倉岳とは言え山頂にも立ってそれなりに雪山ムードを満喫することができた。
最後には人助けまでして(ホントは私の車が邪魔でUターンできなかっただけなのだが)初登りを終えられたのは、幸先良しと言うべきなのだろうか。
「無理は禁物」と「あきらめない気持」の大切さを思い知った正月最後の休日だった。
山日和
ところが直前の降雪で林道は雪に埋もれていた。仕方なく君ヶ畑に車を止めて歩き出したものの、小又橋まで1時間半近くかかるありさま。いいはずの天気も怪しいし、気力を振り絞ってノタノ坂までラッセルしたが風も強い。南側の鉄塔ピークでランチとして、消化不良の山納めは終わってしまった。
明けて5日は絶好の天気。あれ以来雪も降っておらず、小又橋まで入れる可能性大である。小又橋から歩き出せればテーブルランドは手にしたも同然。確かに小又橋まで車で入ることができたのだが・・・
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【日 付】2014年1月5日(日)
【山 域】鈴鹿 土倉岳
【天 候】晴れ
【コース】小又橋10:50---11:38ノタノ坂---13:32土倉岳14:50---15:30小又谷林道---16:10小又橋
林道には轍が続いていた。思い通りの展開だ。だが途中から雪が深くなり、車の腹を擦るか擦らないかという状態となる。
不安を感じながらも小又橋の登山口まで辿り着いた。しかしUターンスペースは雪で埋もれている。轍は軽四駆のもののようで、ずいぶん小回りなターンをしていた。
愛車のUターンスペースを作ろうと雪に突っ込んだのが間違いだった。バックしようとギアを入れてもタイヤは空しく空転している。車を降りて床下を覗き込むと亀の子状態になっている。年末のふかふか雪と違って、足で踏んでも沈まないような雪質に変わっていたのだ。うわー、やっちまった。ここからが苦闘の始まりだった。
ピッケルで床下の雪を掻き出していくが、肝心なところはタイヤが邪魔で作業がはかどらない。雪面に寝そべって一心にピッケルを振るった。ある程度除雪したところで恐る恐るギアを入れてみる。エンジンの回転が上がるばかりで動かない。それを何回繰り返しただろう。今日は誰もやって来ない。2人ぐらいで押せばすぐに脱出できるのに・・・
時間だけが空しく過ぎ、最悪のことも頭をよぎり始めた。ロードサービスを頼むか。しかしここは携帯も圏外である。電話が繋がる君ヶ畑まで1時間以上歩かねばならない。更にロードサービスが到着するまでの時間を考えたら初登りは一巻の終わりだろう。そのロードサービスもあの雪道をまともに走って行けるだろうか。
根性を入れて再度トライする。丁寧に雪を取り除いて、4輪ともタイヤに敷物をかませた。
ギアをバックに入れてそーっとアクセルを踏む。少し動いた。これはイケるかもしれない。
もう一度アクセルを踏んで少し後ろに動いたところで足を離して揺り返しで前に戻る。この動作の連続で勢いをつけたところで後ろへ動いた瞬間にアクセルをやや踏み込んだ。動いた!! やっと元の轍に戻った。助かった~。
しかしまだ安心はしていられない。車の向きを変えなければ帰れない。足で雪均しをしてスペースを広げる。車の全長分ほどのスペースができたところで方向転換開始。小刻みに10回ほど切り返しただろうか。ついに車のノーズが君ヶ畑の方を向いた。これで帰れる。おっと帰ってはいけないのだ。
気が付けばここに着いてから2時間半が経過していた。時刻はもう11時前。テーブルランドなんぞとんでもない時間である。せめて土倉岳まで上がって、テーブルランドを間近に眺めよう。やっと初登り開始だ。やれやれ。
[attachment=7]P1150616_1_1.JPG[/attachment]
6日前の自分のトレースに加えて数人のトレースが残されていた。雪面はカチカチで、ツボ足でもまったく問題はない。
ノタノ坂の分岐で一瞬迷ったが、トレースに曳かれてノタノ坂方面へ向かってしまった。土倉なら小又川林道から南尾根に乗る方が仕事が速いし、昨年もそのルートを使っている。これが判断ミスだった。
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ノタノ坂の乗越から雪の消えかけた急斜面を上がると、最初の鉄塔からまた雪尾根となった。スノーシューを履く。沈みは少ないが、意外に粘りのある重たい雪であまり快適ではない。トレースもいつしか消えてしまった。
わかってはいたのだが、この道は植林ばかりでまったく面白くない。ここを歩くのが久し振り過ぎて、少し記憶が薄れていたのかもしれない。右手に展開する県境稜線の山並みだけが慰めである。竜や藤原へ行ってたら、何の苦労もなく楽しめたんだろうなあと少しだけ後悔の念が湧いた。
[attachment=5]P1150648_1.JPG[/attachment]
茶屋川への巡視路分岐を過ぎるとやっと自然林になり、にわかにムードが良くなってくる。
動物の足跡だけが残る尾根はブナも増え始めて気分も上々。頭上はまさに雲一つない青空である。
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やっと土倉岳に着いた。目の前には東のボタンブチを擁するテーブルランド南面の急崖がドーンとそそり立つ。左に目をやればボタン岩からボタンブチへの南西面の岩壁が目を惹く。やっぱりここまで来てよかった。時間はもう1時半である。
風のないところを探してうろうろしたが、結局南東側斜面に落ち着いた。とにかく初登りを祝して乾杯だ。小又橋で遊んでいなければ今頃はテーブルランドを闊歩していただろう。
返すがえすも悔やまれるが、救援を呼んで一日が終わるよりははるかにマシだ。
[attachment=3]P1150668_1.JPG[/attachment][attachment=2]P1150678_1.JPG[/attachment]
下山はやはり南尾根を使おう。ノタノ坂への道はもう歩く気がしない。天狗堂のなかなかカッコいい姿を眺めながらブナ林を下る。左手に池ノ谷の植林が上がって来ると尾根の分岐は近い。南東への尾根を分けて南西へ下る。傾斜が急になるとすぐに小又谷が近付いて来る。この尾根は植林をほとんど見ることもなく、あっという間に小又谷へ下りることができる効率のいい尾根だ。登りも短く、ノタノ坂経由よりは断然優れていると思う。
[attachment=1]P1150688_1.JPG[/attachment]
段丘の残されたカモシカらしき足跡を辿って下流へ進むと、林道終点への渡渉点に着く。
林道へ少し登り返せば、後は坦々と林道を歩くのみである。雪がゆるんだ午後でもあまり沈まず、こっちから上がればテーブルランドの末端だけでも味わえたかもしれないと反省ザルになってしまう。
前回はこのルートでラッセルしながら土倉まで2時間ほど。今日の下りが小又橋まで1時間20分だから、計算上は十分テーブルランドに届いて少し遊べたということになる。ただあの雪の林道を暗くなってから走るのは辛いものがあるので、これも致し方ないか。
車に戻って帰り支度をしていると、1台の軽トラがやってきた。おじさんが話しかけて来た。
荷台のボックスの中で犬の鳴き声がする。猟のようである。こちらの経緯を話していると、おじさんは電動ウインチや無線機も装備して、ひとりでスタックしても大丈夫だと豪語している。これ以上は無理そうやなとUターンしかけたらホントにスタックしてしまった。ロープで引っ張って脱出を手伝ってあげる。新年早々いいことをすると気持がいいものだ。
なんだかんだあったものの、土倉岳とは言え山頂にも立ってそれなりに雪山ムードを満喫することができた。
最後には人助けまでして(ホントは私の車が邪魔でUターンできなかっただけなのだが)初登りを終えられたのは、幸先良しと言うべきなのだろうか。
「無理は禁物」と「あきらめない気持」の大切さを思い知った正月最後の休日だった。
山日和
30日に続けて御池岳連荘ですか。一昨年お会いした時は、御池岳には私ほどには執着されていなかったようですが。