【鈴鹿】石楠花のつぼみも固き・クラシ北尾根(帰路でハプニング)
Posted: 2011年5月06日(金) 21:29
【 日 付 】2010/05/04
【 山 域 】 鈴鹿
【メンバー】あろん
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】朝明8:15—9:30中峠—10:00大瀞10:15—10:30オゾ谷出合—11:25ワサビ峠—12:40クラシ—12:50イブネ北端13:50—14:50小峠—15:10愛知川渡渉—15:30上水晶谷渡渉—16:00根の平峠—17:00朝明
東北の疲れも残る中、巷に流れる石楠花の情報が気になってきた。
僕の石楠花のお気に入りの尾根といえば、クラシ北尾根である。そうだ!あそこへ行こう!でも最後にあわやプチ遭難のおじさんに出くわして、びっくりの山行きでした。
湾岸高速も以前は四日市ICあたりからの渋滞だったのが、最近では四日市ジャンクションあたりからの渋滞になってしまって、今回初めて中勢バイパスを使ってみた。この道は、かの、りゅう氏が教えてくれたこれがまた良い道で、渋滞何のそので川越ICから四日市東ICまでスイスイなのである。りゅう氏に感謝感謝!
朝明の駐車場は7割の入りでさすがにGWの真っ只中である。集金のおじさんが寄ってくる。いつもどこへ行きますかと聞かれるのだが、統計でも取っているのか、未帰還者の予防のためなのか?よくわからないが、聞かれついでにどちら方面が多いですかと聞くと、「国見、釈迦、ブナ清水」と言う。
ブナ清水もメジャーになったものだ。笹をくぐりながら到達したものだが、今では入口にベンチがこさえてある。
中峠への道は好きな道のひとつで、クラシ北尾根を含めて今日のルートはお気に入りのコースだ。いくつもの砂防ダムを見ながら行くと、やがて大好きな曙滝が待っていてくれる。 この滝は近くまでくるとその姿を現すのだが、遠くから注意して見ると多段の滝になっているのがわかる。瀑布と言うには程遠いが、その品の良さは鈴鹿でも屈指の滝ではないかと思っている。いつかここを何段も直登で登ってみたいと思っているが、かなわずに10年以上過ぎてしまった。今年はなんとかここで遊びたいものである。
笹が全くなくなってしまってツル禿の中峠を越えると、下水晶谷のせせらぎが良い。小滝を見るに「お!これは女滝だな!」などと思っては自分の邪念に苦笑いして、男滝なんぞを探してみるが、そんな滝は見つからないのだ。 やがて大瀞鉄橋に着く。久しぶりに見る鉄橋は通行禁止のまま朽ち果てて落下する寸前のような有様で、真ん中あたりで屈曲し始めている。県境は越えているはずだが、朝明観光協会の通行禁止の看板が目に付く。峠までの登山道や、釈迦の登山道は朝明の駐車料金でかなり整備の助けになっているのだろうが、ぜひとも大瀞鉄橋の復活を願いたいものだ。 本流を渡渉して、鉄橋の反対側に上がると久しぶりに見る奥村さんの道標があった。奥村さんは、もう山にはこられないかもしれないと思うとさびしいものがある。
オゾ谷は出合とはうって変わって、奥のほうは広いたおやかな谷道となり、いくつも坑口をのぞきながら行けば、湯釜のあとらしきものも見られて鈴鹿の鉱山の歴史を垣間見ることが出来る。あえぎながら二股を右に取ればさらにあえいでワサビ峠に着いた。
一息いれれば北から吹いてくる風が肌寒い。朝明の賑わいとはうって変わって、ここまで誰にも会わずじまいだ。
クラシ北尾根はブナと石楠花の混在する素敵な尾根である。痩せ尾根のちょっぴりヒヤリとするところもあるのだが、鈴鹿中央最奥部の秘密の尾根だ。
石楠花のつぼみは多くまだ硬い。 二週間後が見ごろかななどと思いながら行けば、やがて誰が名づけたのかクラシジャンダルム(クラジャン)を越え、ブナの林に変わってくる。そして再び石楠花に覆われたクラシに寄ってわずかに戻ればそこはイブネの平原丘に飛び出すのだ。
今日はイブネ北端までにしておこう。ここで先客が一人、本日初めて登山者に会った。地図を見ておられたので声をかけると甲津畑~タイジョウでここまでこられたとのこと。 なんとも漂うヤブのにおいがしてさらに声をかけさせてもらうと、やぶこぎネットも時々ご覧になられて、たろぼうさんのサイトをよく見られているとのこと。話がはずんでランチをしながら小一時間もご一緒させていただいた。ヤブコギストはなぜか、雰囲気が漂ってきてなんとなくではあるが、わかるのだ。
またどこかでお会いしましょうと声をかけ、帰路についた。
イブネ北端から小峠までの尾根は尾根芯に石楠花があったりして、頂点を歩けない。何度も谷に下りそうになってはトラバースの連続だ。踏み跡の薄いヤブコギで小峠に降り立った。ここから北東に向う破線は土石流でズタズタであったが、今ではずいぶん落ち着いて歩きやすくなっていた。愛知川に出合うとテントが一張り。さすがにGWを満喫されているカップルに出会う。
愛知川を渡って上水晶谷に沿って千種街道との合流点を目指すことにする。
国見峠道と千種街道の合流点、上水晶谷を渡るところで僕の来るのを明らかに待っている人がいる。知り合いかと思いながら近づいて行くが、見覚えがない。その人から声をかけられた。55歳ぐらいか。
「同行者とはぐれてしまって、単独で歩いている人を見ませんでしたか?」
「そんな人は知りませんよ。どちらから来られたんですか?」
「御在所からです」
「このあたりはよくご存知の方ですか?」
「いえ、まだ登山初心者なんです。」
ひきつった顔で話をされるが、どうしようもないので
「僕も気をつけて探しながら行きます。」と言って別れた。彼はそのまま国見峠のほうへ上がっていった。
すっかり笹のなくなってしまった千種街道の神杉を見上げ、その生命力に感心しながら行けば根の平峠まではすぐである。
根の平峠でまたこちらを向いて僕を待っている人がいる。60歳ぐらいか。
「友人とはぐれて、道に迷ってしまって、ここがどこだか、どうやってここに来たのかわからなくなってしまいました。」
「ここって。根の平峠ですが・・・。根の平峠ってご存じないですか?」
「わかりません。相棒の足が速く、先に行ってしまって置いていかれて、わからなくなってしまいました。車はスカイラインのゲートの前に駐車しています。」
「相棒って名古屋の方ですか、その方なら先ほど会いましたよ。国見峠のほうに上がられましたよ。」
「ここからどう行けば相棒に追いつくでしょうか?」
「ここからこの坂を上がって国見岳を越えて、国見峠に着いてから左に折れて裏道を行きます。・・・・わかりますか?」
「わかりません。さまよい続けてヘトヘトです。」
根の平峠も国見岳もわからない人とここで遭遇した。この時点で午後4時だ。登山者の少ない中放ってもおけず。
「朝明に下りますので付いてきてください。御在所山の家付近まで送ります。」
歩き始めるものの、その人との距離はどんどん開いて行く。僕の足は痛いのにまだそれよりも遅い。まあ、一本道だからいいかと西山荘でコーラを飲みながら待つことにした。
やはり根の平で別れなくてよかった。裏道の途中で闇下になっていたと思うし、あわや遭難騒ぎになっていたかもしれない。
車で送ると相棒はまだ帰着しておらず。今頃必死で探しているんだろうなとは思うが、相棒は鈴鹿は良く知っているとのことなので、ここで別れることにした。この二人組みは会社の上司と部下の関係らしい。若い方は心臓バクバクだろうな、かわいそうに、しかしながら「置いていってはアカンワナァ」
最後にハプニングはあったものの、好きなコースが歩けてよかった。
福島に行けた事でモヤモヤも吹っ切れたような気もするし、やっぱりおらが鈴鹿で心の洗濯が出来たような気がする。2週間後にもう一度石楠花のトンネルに会いに来よう! つう
【 山 域 】 鈴鹿
【メンバー】あろん
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】朝明8:15—9:30中峠—10:00大瀞10:15—10:30オゾ谷出合—11:25ワサビ峠—12:40クラシ—12:50イブネ北端13:50—14:50小峠—15:10愛知川渡渉—15:30上水晶谷渡渉—16:00根の平峠—17:00朝明
東北の疲れも残る中、巷に流れる石楠花の情報が気になってきた。
僕の石楠花のお気に入りの尾根といえば、クラシ北尾根である。そうだ!あそこへ行こう!でも最後にあわやプチ遭難のおじさんに出くわして、びっくりの山行きでした。
湾岸高速も以前は四日市ICあたりからの渋滞だったのが、最近では四日市ジャンクションあたりからの渋滞になってしまって、今回初めて中勢バイパスを使ってみた。この道は、かの、りゅう氏が教えてくれたこれがまた良い道で、渋滞何のそので川越ICから四日市東ICまでスイスイなのである。りゅう氏に感謝感謝!
朝明の駐車場は7割の入りでさすがにGWの真っ只中である。集金のおじさんが寄ってくる。いつもどこへ行きますかと聞かれるのだが、統計でも取っているのか、未帰還者の予防のためなのか?よくわからないが、聞かれついでにどちら方面が多いですかと聞くと、「国見、釈迦、ブナ清水」と言う。
ブナ清水もメジャーになったものだ。笹をくぐりながら到達したものだが、今では入口にベンチがこさえてある。
中峠への道は好きな道のひとつで、クラシ北尾根を含めて今日のルートはお気に入りのコースだ。いくつもの砂防ダムを見ながら行くと、やがて大好きな曙滝が待っていてくれる。 この滝は近くまでくるとその姿を現すのだが、遠くから注意して見ると多段の滝になっているのがわかる。瀑布と言うには程遠いが、その品の良さは鈴鹿でも屈指の滝ではないかと思っている。いつかここを何段も直登で登ってみたいと思っているが、かなわずに10年以上過ぎてしまった。今年はなんとかここで遊びたいものである。
笹が全くなくなってしまってツル禿の中峠を越えると、下水晶谷のせせらぎが良い。小滝を見るに「お!これは女滝だな!」などと思っては自分の邪念に苦笑いして、男滝なんぞを探してみるが、そんな滝は見つからないのだ。 やがて大瀞鉄橋に着く。久しぶりに見る鉄橋は通行禁止のまま朽ち果てて落下する寸前のような有様で、真ん中あたりで屈曲し始めている。県境は越えているはずだが、朝明観光協会の通行禁止の看板が目に付く。峠までの登山道や、釈迦の登山道は朝明の駐車料金でかなり整備の助けになっているのだろうが、ぜひとも大瀞鉄橋の復活を願いたいものだ。 本流を渡渉して、鉄橋の反対側に上がると久しぶりに見る奥村さんの道標があった。奥村さんは、もう山にはこられないかもしれないと思うとさびしいものがある。
オゾ谷は出合とはうって変わって、奥のほうは広いたおやかな谷道となり、いくつも坑口をのぞきながら行けば、湯釜のあとらしきものも見られて鈴鹿の鉱山の歴史を垣間見ることが出来る。あえぎながら二股を右に取ればさらにあえいでワサビ峠に着いた。
一息いれれば北から吹いてくる風が肌寒い。朝明の賑わいとはうって変わって、ここまで誰にも会わずじまいだ。
クラシ北尾根はブナと石楠花の混在する素敵な尾根である。痩せ尾根のちょっぴりヒヤリとするところもあるのだが、鈴鹿中央最奥部の秘密の尾根だ。
石楠花のつぼみは多くまだ硬い。 二週間後が見ごろかななどと思いながら行けば、やがて誰が名づけたのかクラシジャンダルム(クラジャン)を越え、ブナの林に変わってくる。そして再び石楠花に覆われたクラシに寄ってわずかに戻ればそこはイブネの平原丘に飛び出すのだ。
今日はイブネ北端までにしておこう。ここで先客が一人、本日初めて登山者に会った。地図を見ておられたので声をかけると甲津畑~タイジョウでここまでこられたとのこと。 なんとも漂うヤブのにおいがしてさらに声をかけさせてもらうと、やぶこぎネットも時々ご覧になられて、たろぼうさんのサイトをよく見られているとのこと。話がはずんでランチをしながら小一時間もご一緒させていただいた。ヤブコギストはなぜか、雰囲気が漂ってきてなんとなくではあるが、わかるのだ。
またどこかでお会いしましょうと声をかけ、帰路についた。
イブネ北端から小峠までの尾根は尾根芯に石楠花があったりして、頂点を歩けない。何度も谷に下りそうになってはトラバースの連続だ。踏み跡の薄いヤブコギで小峠に降り立った。ここから北東に向う破線は土石流でズタズタであったが、今ではずいぶん落ち着いて歩きやすくなっていた。愛知川に出合うとテントが一張り。さすがにGWを満喫されているカップルに出会う。
愛知川を渡って上水晶谷に沿って千種街道との合流点を目指すことにする。
国見峠道と千種街道の合流点、上水晶谷を渡るところで僕の来るのを明らかに待っている人がいる。知り合いかと思いながら近づいて行くが、見覚えがない。その人から声をかけられた。55歳ぐらいか。
「同行者とはぐれてしまって、単独で歩いている人を見ませんでしたか?」
「そんな人は知りませんよ。どちらから来られたんですか?」
「御在所からです」
「このあたりはよくご存知の方ですか?」
「いえ、まだ登山初心者なんです。」
ひきつった顔で話をされるが、どうしようもないので
「僕も気をつけて探しながら行きます。」と言って別れた。彼はそのまま国見峠のほうへ上がっていった。
すっかり笹のなくなってしまった千種街道の神杉を見上げ、その生命力に感心しながら行けば根の平峠まではすぐである。
根の平峠でまたこちらを向いて僕を待っている人がいる。60歳ぐらいか。
「友人とはぐれて、道に迷ってしまって、ここがどこだか、どうやってここに来たのかわからなくなってしまいました。」
「ここって。根の平峠ですが・・・。根の平峠ってご存じないですか?」
「わかりません。相棒の足が速く、先に行ってしまって置いていかれて、わからなくなってしまいました。車はスカイラインのゲートの前に駐車しています。」
「相棒って名古屋の方ですか、その方なら先ほど会いましたよ。国見峠のほうに上がられましたよ。」
「ここからどう行けば相棒に追いつくでしょうか?」
「ここからこの坂を上がって国見岳を越えて、国見峠に着いてから左に折れて裏道を行きます。・・・・わかりますか?」
「わかりません。さまよい続けてヘトヘトです。」
根の平峠も国見岳もわからない人とここで遭遇した。この時点で午後4時だ。登山者の少ない中放ってもおけず。
「朝明に下りますので付いてきてください。御在所山の家付近まで送ります。」
歩き始めるものの、その人との距離はどんどん開いて行く。僕の足は痛いのにまだそれよりも遅い。まあ、一本道だからいいかと西山荘でコーラを飲みながら待つことにした。
やはり根の平で別れなくてよかった。裏道の途中で闇下になっていたと思うし、あわや遭難騒ぎになっていたかもしれない。
車で送ると相棒はまだ帰着しておらず。今頃必死で探しているんだろうなとは思うが、相棒は鈴鹿は良く知っているとのことなので、ここで別れることにした。この二人組みは会社の上司と部下の関係らしい。若い方は心臓バクバクだろうな、かわいそうに、しかしながら「置いていってはアカンワナァ」
最後にハプニングはあったものの、好きなコースが歩けてよかった。
福島に行けた事でモヤモヤも吹っ切れたような気もするし、やっぱりおらが鈴鹿で心の洗濯が出来たような気がする。2週間後にもう一度石楠花のトンネルに会いに来よう! つう