【鈴鹿】谷尻谷を辿り大蔵鉱山
Posted: 2013年9月30日(月) 12:03
【日 付】2013年9月28日(土)
【山 域】鈴鹿
【コース】朝明P7:00---10:35谷尻谷出合---12:30コリカキ場13:00---ワサビ峠---14:20大蔵鉱山跡(オゾ谷)---16:00朝明P
【メンバー】単独
引っ越しに家の修繕などバタバタ動いているうちに秋の虫の音が聞こえる季節になってしまった。2ヶ月ぶりの山行は、静けさと人の営みの跡を求めて以前から行きたいと思っていた谷尻谷を選んだ。
朝明駐車場から中峠に向かう。中峠ではススキが風になびき、下水晶谷には栗の実がそこかしこに落ち、山はすっかり秋の装いに変わりつつある。先が長いので、神崎川ぞいは谷尻谷出合までできる限り登山道を使い時間短縮をはかった。天狗滝の巻き道を使いテラスに下りて沢靴にはき替える。ここから出合まではすぐなのだが、泳がなければならない。気持ちを整え飛び込み、泳ぎだすとこれまた冷たい。これからの季節の泳ぎはつらいなあ。泳ぐ距離を短めにして、出合に着く。
谷尻谷の開かずの門CS8m滝が深い淵の奥にどっしりと構えている。ここは上れないので、神崎川を20mくらい下り左岸のルンゼを上り巻くことにする。小尾根を越え踏み跡をたどっていくと下部が見えない状態で20m下に谷尻谷が見えるが、これでは下れない。CS滝上に下りるのが最も高低差が少なく下りられるようなので、小尾根を少し下ると赤テープがあった。ここからは降口までていねいに赤テープがつけられているので迷うことはない。最後は、岩場をトラバース気味に下りる。岩場には細いお助けロープが何本か下がっている。これに頼るのは心もとないが、ロープを出してもお助けロープが結んである木にかけるしかない。ここを下りるためにロープも持参したが、慎重に下りればどうにかなるだろうと結局ロープを使わなかった。滝の落口から見ると両岸が迫った暗い回廊から明るく輝く神崎川が見えた。
[attachment=4]IMG_7511.jpg[/attachment]
両岸とも切り立っているが、左岸の花崗岩の岩壁は圧倒的で、天に突き上げるような粗削りな岩肌が日に照らされてまぶしい。ゴーロの谷を上っていくと出合の暗い渓相に反して明るく花崗岩の岩肌に小滝とナメが連続して出てくる。エメラルドグリーンの静かな流れが美しい。
深い釜を持ったCS7m滝があらわれて、行き止まりになる。滝の左の岩が上れそうなのでザックを置いて確かめに行くが、足場はあるものの微妙に前方に傾斜していていやらしい。二か所空身なら登れる所があったが、今回は単独なのでパスした。そこで左岸を巻くことにする。ここにはお助けロープがかけられているが、なにせいやらしい草付の斜面に設置場所が見えないロープが上部からたらされている。ロープに頼って切れたら真っ逆さまに落ちてしまう。ここのロープは巻き道の目印と考えて、使わない方が賢明だろう。
[attachment=3]IMG_7523.jpg[/attachment]
小滝を越えると右岸に杉の古木が残されており特別な場所であることがわかる。ここには架線も放置されていることから何かを運ぶ中継地点として利用されていたようだ。帰ってから西尾本を調べてみると下谷尻谷は上流からこのあたりまで道があったようで、なおかつ左岸の上部には鉱山跡があることから考えると鉱山関連の場所のように思われる。
大釜を持つ4mの斜瀑は右の岩棚からこえる。荒々しい花崗岩の岩棚と滝のコントラストが際立って見える滝だ。
[attachment=2]IMG_7535.jpg[/attachment]
すぐに切り立った岩の間から真横に流れ落ちる滝が見えてくる。岩堤の滝で、右の岩壁から水が勢いよく飛び出しており、滝の下をくぐって登った。
[attachment=1]IMG_7545.jpg[/attachment]
谷が広がり台地がでてくると左岸に杉の古木が見られる。コリカキ場の手前の開けた場所にあり、ここでお金明神参拝の禊関連のなんらかの行事をしたのかもしれない。
北谷尻谷の出合のコリカキ場に着き、ゆったりと昼食をとる。谷尻谷の右股を北谷尻谷、左股を上谷尻谷と呼んでおり、上谷尻谷を辿る。谷は大きく開けて穏やかな渓相に変わり、ドラム缶やトロッコに使われたような金具が見られるようになる。右岸から左岸の広場に移る場所には橋脚に使ったとおもわれる人工的に四角に加工された石も残されている。これから向かう大蔵鉱山の関連施設があったのだろう。
ワサビ谷の出合の高台には、真新しい避難小屋がありきれいに整備されている。ただいただけないのは名称が「奥丹尻谷避難小屋」となっており谷尻谷の奥という意味の奥谷尻谷の間違いである。京の湯豆腐屋じゃあるまいし、修正してほしいものだ。こういった間違いはひとり歩きしてしまうから困ったもんだ。
ワサビ谷を上りワサビ峠を越える。この道は佐目方面から大峠を越えて谷尻谷を経てオゾ谷に向かう鉱山の道として使われていたようだ。オゾ谷を下っていくと左岸の段丘に坑口が4カ所埋もれかけてのこっており、鉄くずも放置されている。少し下ると石垣が見えてくる。これまでただの石垣と思っていたが、上から見てみると1m四方に区切られた窯が6カ所程連なっており精錬のために使われた窯であることがわかる。
[attachment=0]IMG_7570.jpg[/attachment]
家に帰って調べてみると大蔵鉱山精錬所という名前で明治31年に操業が始まり男28人女7人の計35人が当時ここで働いていたようだ。銀と銅を含む鉱石が産出されていた。ここで第1次精錬を行って谷尻谷経由で運んだようだ。
谷尻谷は佐目の領域で、お金明神といい鉱山と深いつながりをもった山域だった。美しい谷と人の営みの軌跡を堪能できた山行だった。
【山 域】鈴鹿
【コース】朝明P7:00---10:35谷尻谷出合---12:30コリカキ場13:00---ワサビ峠---14:20大蔵鉱山跡(オゾ谷)---16:00朝明P
【メンバー】単独
引っ越しに家の修繕などバタバタ動いているうちに秋の虫の音が聞こえる季節になってしまった。2ヶ月ぶりの山行は、静けさと人の営みの跡を求めて以前から行きたいと思っていた谷尻谷を選んだ。
朝明駐車場から中峠に向かう。中峠ではススキが風になびき、下水晶谷には栗の実がそこかしこに落ち、山はすっかり秋の装いに変わりつつある。先が長いので、神崎川ぞいは谷尻谷出合までできる限り登山道を使い時間短縮をはかった。天狗滝の巻き道を使いテラスに下りて沢靴にはき替える。ここから出合まではすぐなのだが、泳がなければならない。気持ちを整え飛び込み、泳ぎだすとこれまた冷たい。これからの季節の泳ぎはつらいなあ。泳ぐ距離を短めにして、出合に着く。
谷尻谷の開かずの門CS8m滝が深い淵の奥にどっしりと構えている。ここは上れないので、神崎川を20mくらい下り左岸のルンゼを上り巻くことにする。小尾根を越え踏み跡をたどっていくと下部が見えない状態で20m下に谷尻谷が見えるが、これでは下れない。CS滝上に下りるのが最も高低差が少なく下りられるようなので、小尾根を少し下ると赤テープがあった。ここからは降口までていねいに赤テープがつけられているので迷うことはない。最後は、岩場をトラバース気味に下りる。岩場には細いお助けロープが何本か下がっている。これに頼るのは心もとないが、ロープを出してもお助けロープが結んである木にかけるしかない。ここを下りるためにロープも持参したが、慎重に下りればどうにかなるだろうと結局ロープを使わなかった。滝の落口から見ると両岸が迫った暗い回廊から明るく輝く神崎川が見えた。
[attachment=4]IMG_7511.jpg[/attachment]
両岸とも切り立っているが、左岸の花崗岩の岩壁は圧倒的で、天に突き上げるような粗削りな岩肌が日に照らされてまぶしい。ゴーロの谷を上っていくと出合の暗い渓相に反して明るく花崗岩の岩肌に小滝とナメが連続して出てくる。エメラルドグリーンの静かな流れが美しい。
深い釜を持ったCS7m滝があらわれて、行き止まりになる。滝の左の岩が上れそうなのでザックを置いて確かめに行くが、足場はあるものの微妙に前方に傾斜していていやらしい。二か所空身なら登れる所があったが、今回は単独なのでパスした。そこで左岸を巻くことにする。ここにはお助けロープがかけられているが、なにせいやらしい草付の斜面に設置場所が見えないロープが上部からたらされている。ロープに頼って切れたら真っ逆さまに落ちてしまう。ここのロープは巻き道の目印と考えて、使わない方が賢明だろう。
[attachment=3]IMG_7523.jpg[/attachment]
小滝を越えると右岸に杉の古木が残されており特別な場所であることがわかる。ここには架線も放置されていることから何かを運ぶ中継地点として利用されていたようだ。帰ってから西尾本を調べてみると下谷尻谷は上流からこのあたりまで道があったようで、なおかつ左岸の上部には鉱山跡があることから考えると鉱山関連の場所のように思われる。
大釜を持つ4mの斜瀑は右の岩棚からこえる。荒々しい花崗岩の岩棚と滝のコントラストが際立って見える滝だ。
[attachment=2]IMG_7535.jpg[/attachment]
すぐに切り立った岩の間から真横に流れ落ちる滝が見えてくる。岩堤の滝で、右の岩壁から水が勢いよく飛び出しており、滝の下をくぐって登った。
[attachment=1]IMG_7545.jpg[/attachment]
谷が広がり台地がでてくると左岸に杉の古木が見られる。コリカキ場の手前の開けた場所にあり、ここでお金明神参拝の禊関連のなんらかの行事をしたのかもしれない。
北谷尻谷の出合のコリカキ場に着き、ゆったりと昼食をとる。谷尻谷の右股を北谷尻谷、左股を上谷尻谷と呼んでおり、上谷尻谷を辿る。谷は大きく開けて穏やかな渓相に変わり、ドラム缶やトロッコに使われたような金具が見られるようになる。右岸から左岸の広場に移る場所には橋脚に使ったとおもわれる人工的に四角に加工された石も残されている。これから向かう大蔵鉱山の関連施設があったのだろう。
ワサビ谷の出合の高台には、真新しい避難小屋がありきれいに整備されている。ただいただけないのは名称が「奥丹尻谷避難小屋」となっており谷尻谷の奥という意味の奥谷尻谷の間違いである。京の湯豆腐屋じゃあるまいし、修正してほしいものだ。こういった間違いはひとり歩きしてしまうから困ったもんだ。
ワサビ谷を上りワサビ峠を越える。この道は佐目方面から大峠を越えて谷尻谷を経てオゾ谷に向かう鉱山の道として使われていたようだ。オゾ谷を下っていくと左岸の段丘に坑口が4カ所埋もれかけてのこっており、鉄くずも放置されている。少し下ると石垣が見えてくる。これまでただの石垣と思っていたが、上から見てみると1m四方に区切られた窯が6カ所程連なっており精錬のために使われた窯であることがわかる。
[attachment=0]IMG_7570.jpg[/attachment]
家に帰って調べてみると大蔵鉱山精錬所という名前で明治31年に操業が始まり男28人女7人の計35人が当時ここで働いていたようだ。銀と銅を含む鉱石が産出されていた。ここで第1次精錬を行って谷尻谷経由で運んだようだ。
谷尻谷は佐目の領域で、お金明神といい鉱山と深いつながりをもった山域だった。美しい谷と人の営みの軌跡を堪能できた山行だった。
朝明駐車場から中峠に向かう。中峠ではススキが風になびき、下水晶谷には栗の実がそこかしこに落ち、山はすっかり秋の装いに変わりつつある。先が長いので、神崎川ぞいは谷尻谷出合までできる限り登山道を使い時間短縮をはかった。天狗滝の巻き道を使いテラスに下りて沢靴にはき替える。ここから出合まではすぐなのだが、泳がなければならない。気持ちを整え飛び込み、泳ぎだすとこれまた冷たい。これからの季節の泳ぎはつらいなあ。泳ぐ距離を短めにして、出合に着く。