【台高】予想外のスケール!本谷ゴルジュ。宮川水系大熊谷。
Posted: 2013年8月06日(火) 23:06
[attachment=7]DSCN6565_800.jpg[/attachment]
先週は、癒しの谷、青田・木屋谷奥山谷左俣、口ワサビ谷下降を企てるも、豪雨に合い茶褐色の濁流となった奥山谷出合で撤退。
今回は、宮川大熊谷本流を遡行し、崩レ俣谷下降を企ててみたが…。
大熊谷の東俣谷、崩レ俣谷の記録は見られるが、本谷の記録はほとんど目にしない。わたしが読んだ記録は、松阪山岳会の機関誌『台高』に載っていた1960年代半ばの記録のみ。その記録は、松阪からバスで入り、日帰りで稜線まで登って帰っている記録だったはずなのだ。
【 日 付 】2013年07月21日
【 山 域 】台高東部 大熊谷
【メンバー】zipp
【 天 候 】晴天
【 ルート 】
08:35 大熊林道崩レ俣谷出合駐車地--- 08:45 林道最初のカーブ(入渓地点)--- 10:05 三滝谷出合--- 10:30 ゴンノカミ谷出合--- 11:10~11:30 10数m滝上--- 12:10~13:35 40m滝滝口(昼食)--- 14:10~14:20 ゴンノカミ谷出合--- 14:50 林道終点--- 15:15 駐車地
[attachment=6]迷岳南地図エアリア_640.jpg[/attachment]
大熊林道は、崩レ俣谷出合から先は、崩壊したまま何年も前から手も付けられていない。
最初のカーブで谷に入る。ちょうどここは、左岸枝谷が長瀑を掛けている出合先なのだが、その滝は、きょうは岩肌を濡らしているだけだ。
谷は、大岩重なるゴーロで、きょうは水流が伏流し、まともに陽が照りつけ暑いことこの上なし。それに体調もおかしく(単なる二日酔い!?)、大岩の日陰に入って休み休みの遡行になってしまう。
小さな砂防堰を越えたところでやっと水流が出て来て、足を濡らして一息つく。この谷は三滝谷出合付近までは、大岩ゴーロに小滝と釜が散在する谷だ。
林道終点近くのワイヤの絡まった小滝、それにちょとしたナメ、大岩横の小滝をこなしていくと、大きな釜を持った小滝の奥に豪快な6m滝が落ちていて、やっと滝らしい滝に巡り遇える。
[attachment=5]DSCN6538_640.jpg[/attachment]
出合直ぐに100m近い滝を擁する三滝谷の滝見物には行かず、その対岸右岸に入る小さな谷に滝が掛っているのに気付き見に行く。何処まで高さが続くのか定かでない滝が掛り、思わぬ水量があるのに驚いた。(帰ってからよくよく地図を見ると、八景山に突きあげる谷だった。わたしは今までこの谷は、すぐ上流隣のモミ谷の左俣であろうと思っていたのだった。)
三滝谷出合上からの風景は、好きな風景だ。左岸は岩壁がそそり立ち、谷奥にはモミ谷の出合に落ちる滝、そしてその奥に尖頭をもった岩峰が聳えている。
モミ谷の滝の先の本流には、6m程の高さの岩盤が谷幅いっぱいに広がり、滝を落としている。
登れるとすれば、水流のある右端だろうか?それには釜に浸からざるを得ないのでパスだ。右岸に垂れ下っているワイヤーを利用して巻き上がった。
[attachment=4]DSCN6545_640.jpg[/attachment]
谷は右岸に壁が立った大岩のゴーロ。赤色チャートの転石が多くなり、右岸にはレンガ状の壁も見られる。
左岸に窯跡・石積み道を見れば、正面に土砂の押出しのようなところにいくつか水流のあるゴンノカミ谷出合だ。
本流は右に折れて、谷幅が狭まり小滝とナメが連続し、渓相が一変する。4m程の小滝を右から登り上がればゴルジュの入口。奥には黒い岩盤に、下部に小滝を連続させくねった10数m程の滝。
安全のため確保しながら登るが、足場が狭いこともあって足やら腕の筋肉が痙攣をおこしそうだ。えらく時間がかって立木のところで一安心、…実は左岸の草付バンドを辿ればここまで来れるのではある。ここからひと登りなのだが、手掛かり無く厭らしいのでハーケンをかまして登った。
滝口から先は両岸壁の中。箱淵が続き、小滝の向こうに滝の飛沫が左から噴き出している。この先なにかが潜んでいそうな悪相だ。そういえば、隣の三滝谷の大滝の上もこんなところだった、もっと暗かったけど。
一つ目の箱淵は立って越えたが、二つ目の箱淵は泳ぐしかない。とりあえず偵察にザックをデポし泳いで小滝に取り付いた。
小滝の先は、深い釜。そこに10m程の斜瀑が落ちていた。滝の左には豚の鼻のような岩が三つ並んでオーバーハングしている。登るとすればここなのだろうが、アブミでもなければ不可能だ。
[attachment=3]DSCN6575_640.jpg[/attachment]
万事休すだ。ゴンノカミ谷出合に戻り、昼食喰って帰ろう。
先ほど登った滝口へ帰る途中、それでも両岸の弱点を探りながら帰ると、滝口から戻るように斜上する岩のはがれたバンドを右岸に見つけた。下を覗くと高度感があって恐いが、剥がれた大きな岩を動かないでくれと祈りながら手を掛け登っていく。下から覗いた時は立木もあると思って取り付いたのだが、どれもこれも枯れ木で全く役に立たない。
喉を涸らして安全地帯にあがるとケモノ道が走り、近くには岩壁から水が滴り落ちていた。
その水でのどを潤していると、足元にはいつの時代のものともしれぬ番線が落ちていた。
ならば、ここは人も入らないようなところでは無く、先ほどのケモノ道は人も使ってた道ではなかったろうか?
その道を外して先ほど阻まれた滝を見降ろす。斜瀑の上には小滝やナメが連なり、流芯に大きな岩、そしてその先、高い岩壁を白布で覆うように大滝が落ちていた。
正直、参った! こんな滝があろうとは、予想外の展開だ。
[attachment=2]DSCN6589_640.jpg[/attachment]
大滝下に降りることなく、先ほどのケモノ道に戻りさらに巻いていくと、架線時代のワイヤが何本も垂れ下っている。登るために使ったワイヤかと引っ張ってみると、何の抵抗もなく抜けてしまうものもある。
すでに滝口の高さ以上に登ったところで、緩く傾斜した砂の載ったバンドを見つけてトラバースする。滝口へ続く子尾根にのると、さらに上流から大きな滝音が聞こえてくる。おいおい、まだこのゴルジュは抜けられないのか。
薄暗い壁に囲まれた谷に降り、カメラを取り出そうとしたらウエストバックのジッパーが壊れて口を開けていた。当然カメラは無くなっていた。
そういえば、巻の途中で視界の端に足元から転がり跳ねていく石を見た。あれは石ではなくカメラだったのだ。
その上、肝心の地図も無くしているのに気付いた。これでは、この先進めない。
滝口にザックをデポし、上流を見に行く。すぐ上には、8m程の右は直瀑、左は段瀑のちょっと変わった二筋の滝。
廊下の右岸を登ってさらに行くと、20m程の二筋滝。よく見ると、右が本谷の滝で左が枝谷の滝、滝下の深そうな釜が枝谷の出合になっているのだ。そしてその枝谷の奥には、さらに岩壁に落ちる滝が白く見えた。
[attachment=1]P7210121_640.jpg[/attachment]
ザックをデポした滝口に戻って、ビアを開ける。
何てことだ、本谷を甘く見すぎていた。地形図で確認したいが、それもままならぬ。
また来なくちゃ行けなくなってしまったなぁとランチを喰い終えた。
帰路、谷底までは落ちていなかったカメラを回収して安堵し、ケモノ道はしっかりゴンノカミ谷出合まで続いている仕事道であることを確認できた。
後日談:
冒頭の松阪山岳会の記録を再度読みなおすと、ゴルジュの最初の滝?を登って、杣道を使い、大熊谷ノ頭と白倉山稜線間の1188pに登った記録の様である。
わらじの会の遡行記録はあるのだろうが、奈良の図書館まで足を運べない。が、手持ちの川崎実氏の「秘瀑」を見ていたら、本谷ゴルジュ上流の滝もいくつか紹介されていた。気づいていなかったのである。
ちなみに今回遡行した到達点は標高590mの枝谷出合までだった。なんだ!これっぽっちだったのかと、地図をみて唖然としちまった。
[attachment=0]DSCN6584_800.jpg[/attachment]
先週は、癒しの谷、青田・木屋谷奥山谷左俣、口ワサビ谷下降を企てるも、豪雨に合い茶褐色の濁流となった奥山谷出合で撤退。
今回は、宮川大熊谷本流を遡行し、崩レ俣谷下降を企ててみたが…。
大熊谷の東俣谷、崩レ俣谷の記録は見られるが、本谷の記録はほとんど目にしない。わたしが読んだ記録は、松阪山岳会の機関誌『台高』に載っていた1960年代半ばの記録のみ。その記録は、松阪からバスで入り、日帰りで稜線まで登って帰っている記録だったはずなのだ。
【 日 付 】2013年07月21日
【 山 域 】台高東部 大熊谷
【メンバー】zipp
【 天 候 】晴天
【 ルート 】
08:35 大熊林道崩レ俣谷出合駐車地--- 08:45 林道最初のカーブ(入渓地点)--- 10:05 三滝谷出合--- 10:30 ゴンノカミ谷出合--- 11:10~11:30 10数m滝上--- 12:10~13:35 40m滝滝口(昼食)--- 14:10~14:20 ゴンノカミ谷出合--- 14:50 林道終点--- 15:15 駐車地
[attachment=6]迷岳南地図エアリア_640.jpg[/attachment]
大熊林道は、崩レ俣谷出合から先は、崩壊したまま何年も前から手も付けられていない。
最初のカーブで谷に入る。ちょうどここは、左岸枝谷が長瀑を掛けている出合先なのだが、その滝は、きょうは岩肌を濡らしているだけだ。
谷は、大岩重なるゴーロで、きょうは水流が伏流し、まともに陽が照りつけ暑いことこの上なし。それに体調もおかしく(単なる二日酔い!?)、大岩の日陰に入って休み休みの遡行になってしまう。
小さな砂防堰を越えたところでやっと水流が出て来て、足を濡らして一息つく。この谷は三滝谷出合付近までは、大岩ゴーロに小滝と釜が散在する谷だ。
林道終点近くのワイヤの絡まった小滝、それにちょとしたナメ、大岩横の小滝をこなしていくと、大きな釜を持った小滝の奥に豪快な6m滝が落ちていて、やっと滝らしい滝に巡り遇える。
[attachment=5]DSCN6538_640.jpg[/attachment]
出合直ぐに100m近い滝を擁する三滝谷の滝見物には行かず、その対岸右岸に入る小さな谷に滝が掛っているのに気付き見に行く。何処まで高さが続くのか定かでない滝が掛り、思わぬ水量があるのに驚いた。(帰ってからよくよく地図を見ると、八景山に突きあげる谷だった。わたしは今までこの谷は、すぐ上流隣のモミ谷の左俣であろうと思っていたのだった。)
三滝谷出合上からの風景は、好きな風景だ。左岸は岩壁がそそり立ち、谷奥にはモミ谷の出合に落ちる滝、そしてその奥に尖頭をもった岩峰が聳えている。
モミ谷の滝の先の本流には、6m程の高さの岩盤が谷幅いっぱいに広がり、滝を落としている。
登れるとすれば、水流のある右端だろうか?それには釜に浸からざるを得ないのでパスだ。右岸に垂れ下っているワイヤーを利用して巻き上がった。
[attachment=4]DSCN6545_640.jpg[/attachment]
谷は右岸に壁が立った大岩のゴーロ。赤色チャートの転石が多くなり、右岸にはレンガ状の壁も見られる。
左岸に窯跡・石積み道を見れば、正面に土砂の押出しのようなところにいくつか水流のあるゴンノカミ谷出合だ。
本流は右に折れて、谷幅が狭まり小滝とナメが連続し、渓相が一変する。4m程の小滝を右から登り上がればゴルジュの入口。奥には黒い岩盤に、下部に小滝を連続させくねった10数m程の滝。
安全のため確保しながら登るが、足場が狭いこともあって足やら腕の筋肉が痙攣をおこしそうだ。えらく時間がかって立木のところで一安心、…実は左岸の草付バンドを辿ればここまで来れるのではある。ここからひと登りなのだが、手掛かり無く厭らしいのでハーケンをかまして登った。
滝口から先は両岸壁の中。箱淵が続き、小滝の向こうに滝の飛沫が左から噴き出している。この先なにかが潜んでいそうな悪相だ。そういえば、隣の三滝谷の大滝の上もこんなところだった、もっと暗かったけど。
一つ目の箱淵は立って越えたが、二つ目の箱淵は泳ぐしかない。とりあえず偵察にザックをデポし泳いで小滝に取り付いた。
小滝の先は、深い釜。そこに10m程の斜瀑が落ちていた。滝の左には豚の鼻のような岩が三つ並んでオーバーハングしている。登るとすればここなのだろうが、アブミでもなければ不可能だ。
[attachment=3]DSCN6575_640.jpg[/attachment]
万事休すだ。ゴンノカミ谷出合に戻り、昼食喰って帰ろう。
先ほど登った滝口へ帰る途中、それでも両岸の弱点を探りながら帰ると、滝口から戻るように斜上する岩のはがれたバンドを右岸に見つけた。下を覗くと高度感があって恐いが、剥がれた大きな岩を動かないでくれと祈りながら手を掛け登っていく。下から覗いた時は立木もあると思って取り付いたのだが、どれもこれも枯れ木で全く役に立たない。
喉を涸らして安全地帯にあがるとケモノ道が走り、近くには岩壁から水が滴り落ちていた。
その水でのどを潤していると、足元にはいつの時代のものともしれぬ番線が落ちていた。
ならば、ここは人も入らないようなところでは無く、先ほどのケモノ道は人も使ってた道ではなかったろうか?
その道を外して先ほど阻まれた滝を見降ろす。斜瀑の上には小滝やナメが連なり、流芯に大きな岩、そしてその先、高い岩壁を白布で覆うように大滝が落ちていた。
正直、参った! こんな滝があろうとは、予想外の展開だ。
[attachment=2]DSCN6589_640.jpg[/attachment]
大滝下に降りることなく、先ほどのケモノ道に戻りさらに巻いていくと、架線時代のワイヤが何本も垂れ下っている。登るために使ったワイヤかと引っ張ってみると、何の抵抗もなく抜けてしまうものもある。
すでに滝口の高さ以上に登ったところで、緩く傾斜した砂の載ったバンドを見つけてトラバースする。滝口へ続く子尾根にのると、さらに上流から大きな滝音が聞こえてくる。おいおい、まだこのゴルジュは抜けられないのか。
薄暗い壁に囲まれた谷に降り、カメラを取り出そうとしたらウエストバックのジッパーが壊れて口を開けていた。当然カメラは無くなっていた。
そういえば、巻の途中で視界の端に足元から転がり跳ねていく石を見た。あれは石ではなくカメラだったのだ。
その上、肝心の地図も無くしているのに気付いた。これでは、この先進めない。
滝口にザックをデポし、上流を見に行く。すぐ上には、8m程の右は直瀑、左は段瀑のちょっと変わった二筋の滝。
廊下の右岸を登ってさらに行くと、20m程の二筋滝。よく見ると、右が本谷の滝で左が枝谷の滝、滝下の深そうな釜が枝谷の出合になっているのだ。そしてその枝谷の奥には、さらに岩壁に落ちる滝が白く見えた。
[attachment=1]P7210121_640.jpg[/attachment]
ザックをデポした滝口に戻って、ビアを開ける。
何てことだ、本谷を甘く見すぎていた。地形図で確認したいが、それもままならぬ。
また来なくちゃ行けなくなってしまったなぁとランチを喰い終えた。
帰路、谷底までは落ちていなかったカメラを回収して安堵し、ケモノ道はしっかりゴンノカミ谷出合まで続いている仕事道であることを確認できた。
後日談:
冒頭の松阪山岳会の記録を再度読みなおすと、ゴルジュの最初の滝?を登って、杣道を使い、大熊谷ノ頭と白倉山稜線間の1188pに登った記録の様である。
わらじの会の遡行記録はあるのだろうが、奈良の図書館まで足を運べない。が、手持ちの川崎実氏の「秘瀑」を見ていたら、本谷ゴルジュ上流の滝もいくつか紹介されていた。気づいていなかったのである。
ちなみに今回遡行した到達点は標高590mの枝谷出合までだった。なんだ!これっぽっちだったのかと、地図をみて唖然としちまった。
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先週は、癒しの谷、青田・木屋谷奥山谷左俣、口ワサビ谷下降を企てるも、豪雨に合い茶褐色の濁流となった奥山谷出合で撤退。