【鈴鹿】 中峠道の怪と小指の思い出
Posted: 2013年8月06日(火) 10:35
2013.08.04(SUN) 晴れ時々曇り 単独 八風周辺
[コース] 八風射撃場跡 八風街道 水晶谷 中峠 仙香池 南峠湿地帯
赤坂谷左俣 造林小屋 無名尾根 稜線 南峠道 駐車地
皆さまお久しぶりです。播磨屋です。春先に母が入院して以来、山は全くのご無沙汰。先日四十九日を終え、山でも登るかと思いましたが、クソ暑いし・・・。アンプの改修、スピーカーの制作、演奏会の生録音とか冷房の効いた室内から離れられず。しかし、もうええ加減にしておかないと筋力が低下すると思いまして、只でさえ乏しい筋力を総動員して山に登ることにしました。復帰初戦は近くでちょいちょいとお茶を濁しておくことに。そうしないと途中でバテて帰れないかもしれません。でも八風峠往復では味気ないので以前から気になっていたことを確かめてきました。前置き終わり。
添付二万五千図の中峠登山道の破線は水晶谷の芯を通っている。ご存じの通り実際の登山道は赤線で示した尾根道である。両者の線を結ぶとまるでピーナッツ。つまり鏡で映したように正反対である。八風峠本道の破線だって間違っているのだから、そう拘ることもないかもしれないが、尾根と谷では全然違う。昔はここに道があった可能性を排除できない。それを検証することにした。
キャンプ場は子どもたちで賑わっていたが、登山口のPには誰もいない。出発は9時15分と出遅れる。墓地の共同清掃があったからだ。いつもの林道を黙々と登る。やはり体が重くてスローペースだ。林道終点まで何とか止まらずに来たが、もう限界と荒れた河原の大石の上に座り込んで水を飲む。暑くてたまらない。
登山道をユルユルと登って行くとやけにケルンが目立つ。中には十数段重ねの力作もある。最近のものと見える。本流と八風谷の出合で沢靴に履き替えた。水流が細くて沢登りにはならないが、少しでも涼もうという涙ぐましい算段だ。八風峠道と分かれてそのまま谷を進む。この辺りは2008年の豪雨の爪跡がそのままで、巨岩転がるゴーロだ。数十cmから数mもある岩が軽々と流れる様は壮観だったろう。途中で滝が一本。二段で最初が5mくらいか。滝壺は浅いが底は砂地。これなら落ちても大丈夫と登る。久々の飛沫を浴びての全身運動。沢登りの片鱗を味わって、もう帰ってもいいくらいだ。
その後すぐ中峠登山道と合流。課題の出発点だ。ここもケルンだらけ。登山道はすぐロープの垂れた急登で尾根に入る。私は破線のある水晶谷へ入る。いきなり滝だ。流れが少ないのでトイ状の滝に見える。巻くことは可能だが沢靴なので水芯を登る。少ないながらも水勢があるので飛沫が心地よい。上に出るとあっと驚く大滝が目に入る。2段十数m。殆ど垂直で、これはアカンと思ったが直下まで見に行く。観察すると案外登れそうだ。途中までやってみる。しかし抜けきる勇気が出ない。下は滝壺がなく、尖った岩が散乱している。落ちたら死ぬか障害者確実。ロープの保険なしでは止めておくのが妥当だろう。下が滝壺なら遊べるのになあ。
左の岩壁はオーバーハング。右の支流も同様で巻くことはできない。退散して右岸から仕切り直し。右岸には杣道がある。これが旧道か? しかし落ち葉と泥の急登で、沢靴の弱点がモロに出て難儀する。青息吐息で滝上に出る。何となく道型がある。炭窯跡があるので、その道だろう。しかしテープ好きの多い鈴鹿にしては目印が皆無。やはり旧道ではなく、ただの地図の間違いなのか。「鈴鹿の山と谷」は水晶谷について、上部は悪いので入らぬ方がよいと書いている。
杣道を辿るとまた沢に下りて消えてしまった。破線通りに谷中を行く。もう滝はない。伏流水の一番搾りを飲んで生き返る。一服して地図を見る。破線は850m辺りで左折だ。地図の小支流を進むが道型もテープも皆無。ガレ場の急傾斜になったので左へ逃げる。ヤブの急傾斜を、枝を掴みながら登る。またいつものパターンにハマっている。更に沢靴のグリップの無さに泣く。痩せ尾根の上へ出ると背後の展望が開けた。爽快だ。
稜線直下に出たが、砂と風化した花崗岩とチクチクの灌木のミックスでなかなか進捗しない。疲れ果てたところで足元に赤い実。これってコケモモ? 鈴鹿にあったっけ。半信半疑で口に含むと甘く美味しかった。ようやくドンピシャで中峠の標識に出た。結論として25000図の破線はただの間違いと断定する。
近くの仙香池を見に行く。夥しいオタマが水面を波立てていて気持ち悪い。疲れたのでもう帰ってもいいのだが、涼しい清流に足を浸してランチにしたいので赤坂谷の左俣を下ることにした。流れが細くていい場所がないのでどんどん下る。下った分は帰りに登らねばならないことは自明の理である。そのうち右足の小指が痛みだした。先日夜中にトイレに起きたとき、思い切り嫁の足に蹴つまずいて痛めたのだ。タンスの角に小指を当てて目から火が出ることはママあるが、人の足で痛めたのは初めてだ。50代以上の人なら伊東ゆかりの「小指の思い出」を連想するだろう。全然違うか(^◇^) 当時「何で指なんか噛むのだろうと」子ども心に不思議な歌詞だった。
何だ噛んだで造林小屋へ着いてしまった。ゾーリン小屋でドイツのゾーリンゲンを思い出す。まるで無関係だがしょうがない。こちらのゾーリンは見事に倒壊している。倒壊と言うより圧し潰されたと言う感じ。以前来た時はまだ布団が吊るしてあったが・・・。暑いので赤坂本流側へ下りてメシとする。やはりこちらは水量があって気持ちが良い。食後休んでいたら人の声が聞こえた気がした。空耳かと思っていたらヘルメットを被った年配のおじさん二人が左岸から下りてきた。まさか人に会うとは。向こうも少し驚いて「釣りですか、山ですか?」とか「どちらから?」と尋問を受けた。
さてこのまま赤坂谷を遡行したいところだが「小指の思い出」が激しく疼いてきている。沢靴はキツくて余計痛いので、登山靴に履き替えて陸行で帰ることにする。歩いてみると沢靴よりは大分マシである。しばらく右岸の杣道を歩いたが、高度が上がらず遠回りになるので尾根に乗り換える。勾配が急に増して心肺が悲鳴を上げる。暑い、しんどい、足痛い、喉渇く・・・何で近江側に下りたんだろうと自分を呪う。別に難所でもないのだが、今日はあきまへん。
朦朧として南峠と段木の中間あたりの無名ピークに辿り着いた。段木から帰るか、南峠から帰るか思案する。やはり冷たい水場がある南峠から下りよう。水筒の水はヌルくて駄目だ。中峠・南峠分岐で美味しい水をたらふく飲んで生き返る。下りでまたたくさんのケルンを見る。自分も作ってみようと言う気になって積んでみた。格好の石がたくさんあるので7、8段ならすぐできる。しかし安定感はあるが芸術性に乏しいなと思う。次回の課題だ。駐車地に16時半ごろ着いた。久々の山行はずいぶんスローペースだった。
ハリマオ
2013.08.04(SUN) 晴れ時々曇り 単独 八風周辺