【阿寺】 『君子危うきに近寄らず』 奥三界岳(1811m)
Posted: 2013年5月25日(土) 06:29
【日 時】 5月12日(日)
【地 図】 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 1592363558
【同行者】 単独
【天 候】 晴れ
【ルート】
夕森キャンプ場ゲート(6:27)~吊橋(6:55)~丸野林道(7:45)~イセ谷第二橋林道分岐(8:28/58)~奥三界岳(10:35/11:12)~(途中、小一時間ロスタイム)~イセ谷第二橋(13:23)~丸野林道下降点(14:07)~吊橋(14:40)~夕森キャンプ場ゲート(15:04)
先週のあの足の痛みは何だったのか。この1週間で足首と膝の痛みは引いた。このまま快方に向かってくれるといいなぁ。
無理は駄目だと、たんぽぽ氏に釘を刺されている。今回は無理せず、重い山行は避けねば。足の故障が慢性化したら大変だ。
引き出しの中から「奥三界岳」を引っ張り出した。これは三百名山。ちと距離はあるが、人の道を踏み外さねば、普通の山登りが約束される。
ガイド本をめくっていると、娘がのぞき込んできて「龍神の滝」に反応した。カ〇ス〇ウ〇の夕森キャンプ場の野営で見たよ、と言う。さっそく検索エンジンで「おくさんがい」と打ち込んでみる。いきなり「奥さん買い」などと誤変換して娘の失笑を買って焦る。(※正確には「奥さん外」だったかも^^;)
荷物も冬山装備の金物を削り、防寒具一式も取り出した。ザックの重量が〇〇kgを切った。快足とはいかないだろうが、いかにもリハビリ山行にふさわしい軽装となった。
地図と睨めっこする。丸野(夕森田立)林道と川上林道。どちらに車を置くべきか。前者に置けば足に優しい。ゲートからは単純な林道歩きだからだ。しかし、敢えて後者を選んだのは、「龍神の滝」やら「銅穴の滝」を拝めば、娘と共通の話題ができるからだ。
さて、龍神の滝は帰路の観光としよう。架線工事の下を通り、銅穴の滝を拝む。やがて林道をはずして吊橋への下りになる。
吊橋を渡れば明るい広葉樹の登り返しである。小鳥たちも上機嫌。私も気をよくして登るが、やがて植林下の登りとなった。しかし、かつての豊かな森が想像させる大きな切り株がそこかしこに残り、幽玄さをかもし出している。
ひと登りで丸野林道に飛び出した。気温急上昇と予報された一日だが、吹き来る風はさわやか。風薫る五月・・・とはよく言ったものだ。
ここからは、ほぼ水平道の新緑に囲まれる散策だ。明るい県境稜線や、先ほどから気になる夕森山を眺めて歩く。夕森山だが、こいつに登山道の記録はない。ならばと勢い立つが、今回はリハビリ山行なのだ。浮気心は禁物だ。
やがて路面の落石が目立つようになり、林道がイセ谷本谷を渡った。これが見もので、林道支線が頭上を走り、イセ谷を木橋で渡っているのだ。下から見上げる木橋の奥にのぞく「昇竜の滝」がお見事。これは一見の価値ありである。
さて、私は林道支線分岐から夕森山直下の営林小屋跡までぶらり歩いてみる。夕森山へは、この急尾根をかき上がるのが手っ取り早い。だが、なかなか濃厚なヤブ尾根と見た。おまけに上部には岩場がのぞいている。
夕森山の南へと回り込む林道を歩いてみよう。諦めが悪いのだ。そのまま南尾根の取り付きまで歩いた。そこには腐った木の階段があり、ガイド用のトラロープまであるではないか。
枯木に無骨に打ち付けられた長野営林局の「林班界」のプレートを目にした瞬間に、またまた浮気心に火がついた。いざ夕森山へ!と急傾斜を登って一歩踏み出そうとした。だが、ようやくのことで踏みとどまる。
濃密なヤブに加えて、ズボンを這い上がろうとする二匹のマダニに気がついたからだ。中国のみならず、日本でもマダニが媒介するSFTSウイルスで死者まで出ている。しかし、ダニはともかく、このまま激ヤブに突っ込んでいけば、またまた手負いの足に負荷をかけかねない。
危ない危ない、『君子危うきに近寄らず』である。
林道支線の分岐まで戻り、これまた落石に埋まった林道らしきを辿る。林道詰めには作業小屋の残骸があり、そこが登山口だった。ここを登ると笹原きらめく展望地帯に飛び出した。終始、恵那山を背に登ってきたのだが、ここからの南面の展望は素晴らしい。
恵那山の足下に高峰山が可愛らしい。あれが南木曽か。遠く、南アの池口山もすぐにそれと知れる。となればあれが奥丸山であれが光岳で・・・と、次々に山並みを追う幸せ。やがて、残雪を頂いた中央アルプスも南の端から順に見えてくる。
ルートは小沢をいくつか渡っていく。昨日は大雨。たっぷりな水量が嬉しい。こんな暑い日には、ふんだんに迸る清涼な水に手を合わせたい気分だ。沢芯を、そして沢脇をと歩いて登り詰めれば、夕森山への稜線がおいでおいでしている。しかし、今回はリハビリ山行だなのだ。それをくれぐれも忘れてはならない。『君子危うきに近寄らず』である。一旦、夕森山に誘い込まれたら、どんな結末が待ち受けているかわからない。
県境ラインに乗ると、コメツガやヒノキ、アスナロの森に吸い込まれる。林床にひっそり咲くバイカオウレンの白花が可憐だ。所々に残る残雪を踏み、湿原状を過ぎると、まもなく奥三界岳の山頂である。木組みの展望台の傍らに三角点。御料局の三角点まで置かれている。
展望台に登ればご機嫌の展望と言いたいところだが、檜が成長して背を伸ばしている。見えるのは白山と御岳の左半身だけである。それでも御岳から張り出した継母岳が美しいスカイラインを描いている。振り向けば井出ノ小路山をはじめとする阿寺山系の山並みが目に留まる。
ぐらぐらする木のベンチに座ってくつろぐ。のんびりパンをかじり、家族にメールしたりで時間をつぶす。標高1800mの陽光は爽やかそのもの。
帰路は樹間に御岳を探して途中下車。背を没する笹の海に飛び込んでみる。しまった、『君子危うきに近寄らず』であった。すぐに後悔する。密なヤブは人の侵入をたやすく許してくれるほど寛大ではなかった。これは1級のヤブコギである。
それでも、遮るもののない御岳の展望を一目だけでも、と願って頑張る頑張る。計算違いだったのは、それを求めるならば奥三界岳の北東尾根にすべきであった。ここでは北東尾根が邪魔して全面的な展望は許されない。それでも、御岳の右半身が見えた。山頂で見た左半身と合わせてジグソーパズルの完成である。負け惜しみ臭いが、乗鞍岳と穂高の全貌もそれなりだ。
これ以上深追いするのはよそう。『君子危うきに近寄らず』である。後戻りも等しくエネルギーを甚だしく消費する。これまたタイムロスである。発汗量も洒落にならない。PETボトルの水をがぶ飲みすると青空がまぶしい。
それだけで終わらないのが私の心の弱さである。下山の道すがら、沢芯を下って林道詰めに向かう途中のこと。明るい尾根筋が手招きしているではないか。笹原に開けた旧道跡なのか、仕事場跡状に誘い込まれた。途中で行き詰まるが、そのままショートカットで林道支線に逃げよう、というよこしまな心が浮かぶ。
どうにか踏みとどまって後戻りするが、今度は谷筋を降りて林道支線に降りようという浮気心に火がつきそうになる。これでは、赤提灯やネオン街に誘い込まれるオヤジそのものだ。
あかんあかん。『君子危うきに近寄らず』である。喘ぎつつ登山道に復帰。またまたタイムロスである。思い直して林道詰めに降りる。林道支線を戻りつ、「浮気心通りにショートカットしていたら」・・・と検証してみる。案の定、思いとどまって良かった。行き着く先は、急傾斜の笹ヤブ下りで疲労困憊か、沢筋の下降で上部の堰堤に詰まり、そこをクリアしても連瀑帯に泣いたであろう。
林道支線の分岐。「昇竜の滝」は、五月(さつき)の陽光を浴びてあっぱれだ。私も、山のエネルギー充填である。夕森山を見ながらのんびり丸野林道を歩く。そうは言っても、夕森山の山肌を子細に観察するのは忘れない。今日のところは許してやろうじゃないか。どこが適ルートなのだろう・・・山肌に点在する岩峰群をしっかり目に焼き付けて歩く。
いや、駄目駄目。今年のモットーは『君子危うきに近寄らず』でいこう!
ふ~さん
【地 図】 http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html ... 1592363558
【同行者】 単独
【天 候】 晴れ
【ルート】
夕森キャンプ場ゲート(6:27)~吊橋(6:55)~丸野林道(7:45)~イセ谷第二橋林道分岐(8:28/58)~奥三界岳(10:35/11:12)~(途中、小一時間ロスタイム)~イセ谷第二橋(13:23)~丸野林道下降点(14:07)~吊橋(14:40)~夕森キャンプ場ゲート(15:04)
先週のあの足の痛みは何だったのか。この1週間で足首と膝の痛みは引いた。このまま快方に向かってくれるといいなぁ。
無理は駄目だと、たんぽぽ氏に釘を刺されている。今回は無理せず、重い山行は避けねば。足の故障が慢性化したら大変だ。
引き出しの中から「奥三界岳」を引っ張り出した。これは三百名山。ちと距離はあるが、人の道を踏み外さねば、普通の山登りが約束される。
ガイド本をめくっていると、娘がのぞき込んできて「龍神の滝」に反応した。カ〇ス〇ウ〇の夕森キャンプ場の野営で見たよ、と言う。さっそく検索エンジンで「おくさんがい」と打ち込んでみる。いきなり「奥さん買い」などと誤変換して娘の失笑を買って焦る。(※正確には「奥さん外」だったかも^^;)
荷物も冬山装備の金物を削り、防寒具一式も取り出した。ザックの重量が〇〇kgを切った。快足とはいかないだろうが、いかにもリハビリ山行にふさわしい軽装となった。
地図と睨めっこする。丸野(夕森田立)林道と川上林道。どちらに車を置くべきか。前者に置けば足に優しい。ゲートからは単純な林道歩きだからだ。しかし、敢えて後者を選んだのは、「龍神の滝」やら「銅穴の滝」を拝めば、娘と共通の話題ができるからだ。
さて、龍神の滝は帰路の観光としよう。架線工事の下を通り、銅穴の滝を拝む。やがて林道をはずして吊橋への下りになる。
吊橋を渡れば明るい広葉樹の登り返しである。小鳥たちも上機嫌。私も気をよくして登るが、やがて植林下の登りとなった。しかし、かつての豊かな森が想像させる大きな切り株がそこかしこに残り、幽玄さをかもし出している。
ひと登りで丸野林道に飛び出した。気温急上昇と予報された一日だが、吹き来る風はさわやか。風薫る五月・・・とはよく言ったものだ。
ここからは、ほぼ水平道の新緑に囲まれる散策だ。明るい県境稜線や、先ほどから気になる夕森山を眺めて歩く。夕森山だが、こいつに登山道の記録はない。ならばと勢い立つが、今回はリハビリ山行なのだ。浮気心は禁物だ。
やがて路面の落石が目立つようになり、林道がイセ谷本谷を渡った。これが見もので、林道支線が頭上を走り、イセ谷を木橋で渡っているのだ。下から見上げる木橋の奥にのぞく「昇竜の滝」がお見事。これは一見の価値ありである。
さて、私は林道支線分岐から夕森山直下の営林小屋跡までぶらり歩いてみる。夕森山へは、この急尾根をかき上がるのが手っ取り早い。だが、なかなか濃厚なヤブ尾根と見た。おまけに上部には岩場がのぞいている。
夕森山の南へと回り込む林道を歩いてみよう。諦めが悪いのだ。そのまま南尾根の取り付きまで歩いた。そこには腐った木の階段があり、ガイド用のトラロープまであるではないか。
枯木に無骨に打ち付けられた長野営林局の「林班界」のプレートを目にした瞬間に、またまた浮気心に火がついた。いざ夕森山へ!と急傾斜を登って一歩踏み出そうとした。だが、ようやくのことで踏みとどまる。
濃密なヤブに加えて、ズボンを這い上がろうとする二匹のマダニに気がついたからだ。中国のみならず、日本でもマダニが媒介するSFTSウイルスで死者まで出ている。しかし、ダニはともかく、このまま激ヤブに突っ込んでいけば、またまた手負いの足に負荷をかけかねない。
危ない危ない、『君子危うきに近寄らず』である。
林道支線の分岐まで戻り、これまた落石に埋まった林道らしきを辿る。林道詰めには作業小屋の残骸があり、そこが登山口だった。ここを登ると笹原きらめく展望地帯に飛び出した。終始、恵那山を背に登ってきたのだが、ここからの南面の展望は素晴らしい。
恵那山の足下に高峰山が可愛らしい。あれが南木曽か。遠く、南アの池口山もすぐにそれと知れる。となればあれが奥丸山であれが光岳で・・・と、次々に山並みを追う幸せ。やがて、残雪を頂いた中央アルプスも南の端から順に見えてくる。
ルートは小沢をいくつか渡っていく。昨日は大雨。たっぷりな水量が嬉しい。こんな暑い日には、ふんだんに迸る清涼な水に手を合わせたい気分だ。沢芯を、そして沢脇をと歩いて登り詰めれば、夕森山への稜線がおいでおいでしている。しかし、今回はリハビリ山行だなのだ。それをくれぐれも忘れてはならない。『君子危うきに近寄らず』である。一旦、夕森山に誘い込まれたら、どんな結末が待ち受けているかわからない。
県境ラインに乗ると、コメツガやヒノキ、アスナロの森に吸い込まれる。林床にひっそり咲くバイカオウレンの白花が可憐だ。所々に残る残雪を踏み、湿原状を過ぎると、まもなく奥三界岳の山頂である。木組みの展望台の傍らに三角点。御料局の三角点まで置かれている。
展望台に登ればご機嫌の展望と言いたいところだが、檜が成長して背を伸ばしている。見えるのは白山と御岳の左半身だけである。それでも御岳から張り出した継母岳が美しいスカイラインを描いている。振り向けば井出ノ小路山をはじめとする阿寺山系の山並みが目に留まる。
ぐらぐらする木のベンチに座ってくつろぐ。のんびりパンをかじり、家族にメールしたりで時間をつぶす。標高1800mの陽光は爽やかそのもの。
帰路は樹間に御岳を探して途中下車。背を没する笹の海に飛び込んでみる。しまった、『君子危うきに近寄らず』であった。すぐに後悔する。密なヤブは人の侵入をたやすく許してくれるほど寛大ではなかった。これは1級のヤブコギである。
それでも、遮るもののない御岳の展望を一目だけでも、と願って頑張る頑張る。計算違いだったのは、それを求めるならば奥三界岳の北東尾根にすべきであった。ここでは北東尾根が邪魔して全面的な展望は許されない。それでも、御岳の右半身が見えた。山頂で見た左半身と合わせてジグソーパズルの完成である。負け惜しみ臭いが、乗鞍岳と穂高の全貌もそれなりだ。
これ以上深追いするのはよそう。『君子危うきに近寄らず』である。後戻りも等しくエネルギーを甚だしく消費する。これまたタイムロスである。発汗量も洒落にならない。PETボトルの水をがぶ飲みすると青空がまぶしい。
それだけで終わらないのが私の心の弱さである。下山の道すがら、沢芯を下って林道詰めに向かう途中のこと。明るい尾根筋が手招きしているではないか。笹原に開けた旧道跡なのか、仕事場跡状に誘い込まれた。途中で行き詰まるが、そのままショートカットで林道支線に逃げよう、というよこしまな心が浮かぶ。
どうにか踏みとどまって後戻りするが、今度は谷筋を降りて林道支線に降りようという浮気心に火がつきそうになる。これでは、赤提灯やネオン街に誘い込まれるオヤジそのものだ。
あかんあかん。『君子危うきに近寄らず』である。喘ぎつつ登山道に復帰。またまたタイムロスである。思い直して林道詰めに降りる。林道支線を戻りつ、「浮気心通りにショートカットしていたら」・・・と検証してみる。案の定、思いとどまって良かった。行き着く先は、急傾斜の笹ヤブ下りで疲労困憊か、沢筋の下降で上部の堰堤に詰まり、そこをクリアしても連瀑帯に泣いたであろう。
林道支線の分岐。「昇竜の滝」は、五月(さつき)の陽光を浴びてあっぱれだ。私も、山のエネルギー充填である。夕森山を見ながらのんびり丸野林道を歩く。そうは言っても、夕森山の山肌を子細に観察するのは忘れない。今日のところは許してやろうじゃないか。どこが適ルートなのだろう・・・山肌に点在する岩峰群をしっかり目に焼き付けて歩く。
いや、駄目駄目。今年のモットーは『君子危うきに近寄らず』でいこう!
ふ~さん
ガイド本をめくっていると、娘がのぞき込んできて「龍神の滝」に反応した。カ〇ス〇ウ〇の夕森キャンプ場の野営で見たよ、と言う。さっそく検索エンジンで「おくさんがい」と打ち込んでみる。いきなり「奥さん買い」などと誤変換して娘の失笑を買って焦る。(※正確には「奥さん外」だったかも^^;)