【越美国境】 県境分水嶺塗りつぶし計画初回 美濃俣丸 2/17
Posted: 2013年2月22日(金) 00:24
山を歩き始めて十年。
その間には高島トレイル・余呉トレイルと、福井・滋賀の県境でもある中央分水嶺も歩いてきたが、残りの県境分水嶺をも歩き通せないかと考えることは、私の中では自然な流れだった。
しかし中央分水嶺も岐阜県境に入ると登山道すらほとんど無く、雪積期を利用するとしても格段に難しくなる上に情報もほとんど手に入らなかった。
昨年の上谷山、一昨年の夜叉ヶ池周回で望むことが出来た【美濃俣丸】。
すぐ近くにも見えたが、その時は目標として目指すには自分の実力ではまだ早いと思っていた。
が、「やぶこぎ」との出会いが、全くの未知のエリアに光を当ててくれ、知らないことに対する闇雲な不安感を取り除いてくれた。ありがたい。
冬季の足となるスノーシューの扱いも、それなりのレベルまでは引き上げられたかと思われた。
そして私には必須条件である好天予報となった日曜日、いよいよ県境分水嶺塗りつぶし計画の初回として美濃俣丸へ向けての山行開始となる。
【 日 付 】 2013年2月17日(日)
【 山 域 】 越美国境
【メンバー】単独
【 天 候 】 晴れ
【 ルート 】 広野ダム(6:50)-(8:50)鉄階段-(11:27)P912m-(13:03)昼食地(13:25)-山頂(14:01)
-(15:56)県境ジャンクション-(17:40)湖岸道-(18:13)広野ダムP マイナス4℃の寒さの中、五時前に家を出る。
星空の下、慎重な運転で広野ダムへ。さらに気温はマイナス8℃まで下る。たしかに雪は降るがいつも雲がちな福井でのこの低温は珍しい。
手倉山(上谷山)登山口となる上水道施設前には岐阜ナンバーが一台いたが、十五センチ程の路面の雪を踏み締めて広野ダムへと登っていった車は私が最初だった。
冬の夜叉ヶ池でもよく利用したトイレ前に駐車して準備をしていると、滋賀ナンバーが入ってきた。ご夫婦で山スキー、上谷山へと向うそうだ。
歩き始めの第一歩、うっと声が出た。貧弱な根雪の上に、山スキーには極上のパウダーだろうた~っぷりの新雪。スノーシューでも膝下十センチほども沈む。とても予定していた五時間での山頂は無理だろう。
来月になれば除雪もされるだろう湖岸道を、スノーシューでパウダースノーを歩く。
予報どおりに天気は上々、風もない。高揚感を感じつつ一歩一歩を踏み締める。
いよいよ未踏の県境分水嶺を攻略していく最初の山行がはじまったのだ。
岐阜県境分水嶺は岐阜側から見れば奥美濃最深部、厳冬期アプローチに使える道すらない。越前側からみてもこの広野ダムの次はR158の油坂峠まで無い。入れるのは温見峠や冠山峠の除雪を待ってからだが、使える残雪期は短い。昨年、あれだけあった上谷山の雪がたったひと月でほぼ消えてしまっていたのには驚いた。
それに残雪期に行きたい山は他にも多い。県境分水嶺の未踏部分全てを完了しようとすればかなりの年数が必要と思われる。夏季の沢登りではアノ激藪だと相当難しいだろうし。
その大いに困難が予想される未踏分水嶺攻略の初回も始まったばかりだが、たった四キロほどの平坦地の湖岸道を二時間もかけてやっと登山口へ到着。やはり予想していた五時間での美濃俣丸山頂など到底無理だと判明した。
いままでの雪山でも撤退判断は午後二時と決めている。今回、敗退したくなかったらあと五時間で山頂へ到達しなくてはならない。それが出来なければ、本来の目的である周回先の分水嶺ルートもアウトになってしまうのだ。
鉄階段はスノーシューの前爪を使って難なくクリアできた。しかし目前には平坦地を歩いてきた身には信じられないような急斜面が迫る。ともあれ一旦休憩だ。アウターともう一枚も脱ぐと、今までがよほど暑かったのだと気がついた。よし、水分補給をしたら出発だ。
ストックは片付け、雪面からいくらでも突き出している枝や杉の木を手がかりにしてスノーシューキックステップで急斜面を登っていく。 なに、急斜面という事は少々手間取っても確実に標高が稼げるってコトだ。
か、すぐに強烈なそれも雪まみれのヤブに出くわす。 なに、降りかかる雪はしょうがないけど、手がかりがコレだけ増えると足元の踏ん張るキックステップが少々いい加減でも全然大丈夫ってコトだ。
こんなにけな気に頑張っているのに、尾根に乗った頃から周りが暗くなってきた。
おいおい、予報は一日晴れって・・・文句を言ったところですっかりと空は雲に覆われてしまった。
せめて降ってきたりはしないでねと、お願いをしておく。よし、お願いしといたから大丈夫だろう!
ヤブの尾根芯をはずし植林帯をトラバースしていたが、頃合を見計らって尾根へと戻る。ここからはストックを出して快適なスノーシュー登高となった。しばらく登った後、少し太めのブナの間に座り込み「さ~て半分くらいは登ったかな?」GPSを取り出してみる。ゲげっ何度も縮尺を変えて見直すが、登ったのはまだ一割!十%、十分の一とも言う・・・・。気落ちして、行動食にもってきた大福餅をやけ食いする。
その後も辛抱の低山部分を黙々とこなし、尾根を挟んで右側だけの木々が真っ白、左側の木々は黒々としたところへ来た。斜面を吹き上がってきた強い風が、尾根を越えた瞬間に運んできた雪を手放した様子が見て取れる。
つまり尾根歩きでは、黒々としたほう(風上)が新雪が薄く歩きやすい。
しかし太いブナも多くなってくると、複雑な山上の風に雪をかぶった木々や雪庇が右だったり左だったり両方だったり、いったいドコ歩いたらラクなの?
さらに登っていくと標高が上がったせいばかりではない、周りが明るくなっていく。よし、また晴れてきた♪
雪の白さも一層際立つ。やっぱりこうでなくては!! 樹間から頂の白い山もすぐ近くに見える。日差しはさんさんと降り注ぎ、霧氷もどんどん立派に、派手になっていく。雪は深いが青空の下周りの景色もさらに広がり始め、息は荒くとも素晴らしいロケーションにテンションは高まる。
しかし展望が開けてからも、深い新雪に遅々として行程は進まない。とりあえずニセピークの下で午後一時。山頂はもうちょっとのハズだ。二時には山頂に立ってないと敗退となってしまうのだが、飯も食わねば戦は出来ない。
この事態を予想したわけでもないが、今日も幕の内弁当と保温ポットにおでんだ♪ 雪庇の角を崩して景色を楽しみながらも手早くすませる。
食後で気が緩んでいたのか雪庇のハジを歩いてしまい、私の足跡から見事に崩落を発生させてしまった。やばっ。
すぐに急登が始まる。特に山頂手前の斜度はとんでもなかった。気持ちの良い空の青さが広がり、足元の雪面はエビノシッポで凄いことになっていた。そのシュカブラをこわしながら歩き、遂に念願の美濃俣丸山頂へ。360度の大展望を独り占め!!やりとげた達成感は大きい。 が、まて、本題の県境分水嶺がこれからだ。まだまだ登り返しもあるし油断は禁物だ。名残惜しいが気を引き締めなおしてすぐに下りにかかる。
新雪がどんだけあろうと下りはさすがに早い、あっという間に鞍部まで下った。 しかしここからが正念場だった。
目前のピークは思ったほど高くはないとホッとしたものだが、それを過ぎるとまた次のピークが現れる。それをを過ぎてもまた・・・・すぐ左の三周ヶ岳にからかわれている気分だ。
ようやくたどり着いた県境JPへは二時間もかかってしまった。下るだけだとは言えあと800mも標高を落とさなくてはならないのにここで午後四時というのはチト厳しいかも。
記録を読むと、この下山路とした「カイドウノ尾」は比較的穏やかな登りが続く長大な尾根だとある。
しかしおいおい、こりゃちょっと穏やかすぎ! ちっとも標高が落ちていかないどころか、この期に及んでの登り返しまである。やっと始まった急下降を少しこなして四時半。休憩がてらGPSに正確な日没時間と湖岸道までの直線距離を教えてもらう。日没17:32であと1.98キロだという。なんとか逃げ切れそうだ。大福の残りとコーラで気持ちを落ち着かせた。
途中少し危ない目にも合ったが、尻すべりで最後の斜面を下って無事湖岸道へ降り立ったのは日没時間の五分後。あとは朝の自分のトレースをたどりヘッデンは使わずに車へと帰着した。
その間には高島トレイル・余呉トレイルと、福井・滋賀の県境でもある中央分水嶺も歩いてきたが、残りの県境分水嶺をも歩き通せないかと考えることは、私の中では自然な流れだった。
しかし中央分水嶺も岐阜県境に入ると登山道すらほとんど無く、雪積期を利用するとしても格段に難しくなる上に情報もほとんど手に入らなかった。
昨年の上谷山、一昨年の夜叉ヶ池周回で望むことが出来た【美濃俣丸】。
すぐ近くにも見えたが、その時は目標として目指すには自分の実力ではまだ早いと思っていた。
が、「やぶこぎ」との出会いが、全くの未知のエリアに光を当ててくれ、知らないことに対する闇雲な不安感を取り除いてくれた。ありがたい。
冬季の足となるスノーシューの扱いも、それなりのレベルまでは引き上げられたかと思われた。
そして私には必須条件である好天予報となった日曜日、いよいよ県境分水嶺塗りつぶし計画の初回として美濃俣丸へ向けての山行開始となる。
【 日 付 】 2013年2月17日(日)
【 山 域 】 越美国境
【メンバー】単独
【 天 候 】 晴れ
【 ルート 】 広野ダム(6:50)-(8:50)鉄階段-(11:27)P912m-(13:03)昼食地(13:25)-山頂(14:01)
-(15:56)県境ジャンクション-(17:40)湖岸道-(18:13)広野ダムP マイナス4℃の寒さの中、五時前に家を出る。
星空の下、慎重な運転で広野ダムへ。さらに気温はマイナス8℃まで下る。たしかに雪は降るがいつも雲がちな福井でのこの低温は珍しい。
手倉山(上谷山)登山口となる上水道施設前には岐阜ナンバーが一台いたが、十五センチ程の路面の雪を踏み締めて広野ダムへと登っていった車は私が最初だった。
冬の夜叉ヶ池でもよく利用したトイレ前に駐車して準備をしていると、滋賀ナンバーが入ってきた。ご夫婦で山スキー、上谷山へと向うそうだ。
歩き始めの第一歩、うっと声が出た。貧弱な根雪の上に、山スキーには極上のパウダーだろうた~っぷりの新雪。スノーシューでも膝下十センチほども沈む。とても予定していた五時間での山頂は無理だろう。
来月になれば除雪もされるだろう湖岸道を、スノーシューでパウダースノーを歩く。
予報どおりに天気は上々、風もない。高揚感を感じつつ一歩一歩を踏み締める。
いよいよ未踏の県境分水嶺を攻略していく最初の山行がはじまったのだ。
岐阜県境分水嶺は岐阜側から見れば奥美濃最深部、厳冬期アプローチに使える道すらない。越前側からみてもこの広野ダムの次はR158の油坂峠まで無い。入れるのは温見峠や冠山峠の除雪を待ってからだが、使える残雪期は短い。昨年、あれだけあった上谷山の雪がたったひと月でほぼ消えてしまっていたのには驚いた。
それに残雪期に行きたい山は他にも多い。県境分水嶺の未踏部分全てを完了しようとすればかなりの年数が必要と思われる。夏季の沢登りではアノ激藪だと相当難しいだろうし。
その大いに困難が予想される未踏分水嶺攻略の初回も始まったばかりだが、たった四キロほどの平坦地の湖岸道を二時間もかけてやっと登山口へ到着。やはり予想していた五時間での美濃俣丸山頂など到底無理だと判明した。
いままでの雪山でも撤退判断は午後二時と決めている。今回、敗退したくなかったらあと五時間で山頂へ到達しなくてはならない。それが出来なければ、本来の目的である周回先の分水嶺ルートもアウトになってしまうのだ。
鉄階段はスノーシューの前爪を使って難なくクリアできた。しかし目前には平坦地を歩いてきた身には信じられないような急斜面が迫る。ともあれ一旦休憩だ。アウターともう一枚も脱ぐと、今までがよほど暑かったのだと気がついた。よし、水分補給をしたら出発だ。
ストックは片付け、雪面からいくらでも突き出している枝や杉の木を手がかりにしてスノーシューキックステップで急斜面を登っていく。 なに、急斜面という事は少々手間取っても確実に標高が稼げるってコトだ。
か、すぐに強烈なそれも雪まみれのヤブに出くわす。 なに、降りかかる雪はしょうがないけど、手がかりがコレだけ増えると足元の踏ん張るキックステップが少々いい加減でも全然大丈夫ってコトだ。
こんなにけな気に頑張っているのに、尾根に乗った頃から周りが暗くなってきた。
おいおい、予報は一日晴れって・・・文句を言ったところですっかりと空は雲に覆われてしまった。
せめて降ってきたりはしないでねと、お願いをしておく。よし、お願いしといたから大丈夫だろう!
ヤブの尾根芯をはずし植林帯をトラバースしていたが、頃合を見計らって尾根へと戻る。ここからはストックを出して快適なスノーシュー登高となった。しばらく登った後、少し太めのブナの間に座り込み「さ~て半分くらいは登ったかな?」GPSを取り出してみる。ゲげっ何度も縮尺を変えて見直すが、登ったのはまだ一割!十%、十分の一とも言う・・・・。気落ちして、行動食にもってきた大福餅をやけ食いする。
その後も辛抱の低山部分を黙々とこなし、尾根を挟んで右側だけの木々が真っ白、左側の木々は黒々としたところへ来た。斜面を吹き上がってきた強い風が、尾根を越えた瞬間に運んできた雪を手放した様子が見て取れる。
つまり尾根歩きでは、黒々としたほう(風上)が新雪が薄く歩きやすい。
しかし太いブナも多くなってくると、複雑な山上の風に雪をかぶった木々や雪庇が右だったり左だったり両方だったり、いったいドコ歩いたらラクなの?
さらに登っていくと標高が上がったせいばかりではない、周りが明るくなっていく。よし、また晴れてきた♪
雪の白さも一層際立つ。やっぱりこうでなくては!! 樹間から頂の白い山もすぐ近くに見える。日差しはさんさんと降り注ぎ、霧氷もどんどん立派に、派手になっていく。雪は深いが青空の下周りの景色もさらに広がり始め、息は荒くとも素晴らしいロケーションにテンションは高まる。
しかし展望が開けてからも、深い新雪に遅々として行程は進まない。とりあえずニセピークの下で午後一時。山頂はもうちょっとのハズだ。二時には山頂に立ってないと敗退となってしまうのだが、飯も食わねば戦は出来ない。
この事態を予想したわけでもないが、今日も幕の内弁当と保温ポットにおでんだ♪ 雪庇の角を崩して景色を楽しみながらも手早くすませる。
食後で気が緩んでいたのか雪庇のハジを歩いてしまい、私の足跡から見事に崩落を発生させてしまった。やばっ。
すぐに急登が始まる。特に山頂手前の斜度はとんでもなかった。気持ちの良い空の青さが広がり、足元の雪面はエビノシッポで凄いことになっていた。そのシュカブラをこわしながら歩き、遂に念願の美濃俣丸山頂へ。360度の大展望を独り占め!!やりとげた達成感は大きい。 が、まて、本題の県境分水嶺がこれからだ。まだまだ登り返しもあるし油断は禁物だ。名残惜しいが気を引き締めなおしてすぐに下りにかかる。
新雪がどんだけあろうと下りはさすがに早い、あっという間に鞍部まで下った。 しかしここからが正念場だった。
目前のピークは思ったほど高くはないとホッとしたものだが、それを過ぎるとまた次のピークが現れる。それをを過ぎてもまた・・・・すぐ左の三周ヶ岳にからかわれている気分だ。
ようやくたどり着いた県境JPへは二時間もかかってしまった。下るだけだとは言えあと800mも標高を落とさなくてはならないのにここで午後四時というのはチト厳しいかも。
記録を読むと、この下山路とした「カイドウノ尾」は比較的穏やかな登りが続く長大な尾根だとある。
しかしおいおい、こりゃちょっと穏やかすぎ! ちっとも標高が落ちていかないどころか、この期に及んでの登り返しまである。やっと始まった急下降を少しこなして四時半。休憩がてらGPSに正確な日没時間と湖岸道までの直線距離を教えてもらう。日没17:32であと1.98キロだという。なんとか逃げ切れそうだ。大福の残りとコーラで気持ちを落ち着かせた。
途中少し危ない目にも合ったが、尻すべりで最後の斜面を下って無事湖岸道へ降り立ったのは日没時間の五分後。あとは朝の自分のトレースをたどりヘッデンは使わずに車へと帰着した。
【 山 域 】 越美国境