【台高】天蓋を持った巨大氷筍・冬の喜平小屋谷.
Posted: 2013年2月18日(月) 23:57
きょうの予定は、積雪多ければ庵の谷、少なければ喜平小屋谷。
166号線を西進すると、局ヶ岳から三峰に続く山地の稜線が峠をまじえてもことごとく白くなっている。
また朝の陽を浴びて白く輝く迷岳の山頂がきれいだ。先日の雨はこの地方の高度では雪で随分積もったのだろう。
だが、蓮ダムが近づくに従って様子が変だ。迷岳の前衛峰には積雪のカケラもない。ダム湖周遊路にも雪は無いし、山に着いている雪も1000m近くにならないと無さそうだ。
[attachment=4]DSCN5025_925.jpg[/attachment]
【 日 付 】2013年02月17日
【 山 域 】台高北部 喜平小屋谷 笹ヶ峰
【メンバー】 zipp
【 天 候 】薄曇り
【 ルート 】《千石林道~喜平小屋谷~台高主稜~笹ヶ峰~千石林道》
08:20 千石林道ゲート前駐車地--- 09:55~10:10 喜平小屋谷出合--- 10:30~11:10 二俣(休憩/一段目の滝登)--- 11:22~11:33 大滝前--- 11:55 大滝滝口--- 12:07 二俣--- 12:30~13:35 ランチ場(co1230)--- 13:50 台高主稜線--- 14:20~14:25 笹ヶ峰--- 15:15~15:35赤嵓滝谷--- 16:45 駐車地
千石林道ゲート前に駐車して歩き出すと、フィフィと鳴く7.8羽ほどの鳥の群れが迎えてくれた。今季初見のウソだ。オスの喉の赤のグラデーションがきれいだ。
千石林道は、2年前の崩壊から相も変わらず手つかずで、来るたびに落石・倒木が増えている。林道の暗渠が埋まっているため、谷の流れが林道を流れているところもあるから、このままだとさらに林道は崩壊してしまうだろう。
歩き出したころは青空に映えた稜線の樹氷も、林道終点近くになると薄曇りの中で寒々と見える。
林道から垣間見える五段の滝の最下段の滝も氷柱が張り付き、滝壺も半ば凍っているようだ。林道終点で、積雪は10cmほどになった。
[attachment=3]DSCN4991_925.jpg[/attachment]
喜平小屋谷出合に降り、アイゼン、メットを着け一口羊羹を口に放り込む。
砂防堰を左から越えて左岸を辿る。植林の中、石垣と土管の散らばる乾溜工場跡から斜面を横切れば、栃の大木のある二俣はすぐだ。
積雪した岩転がる谷では足を運ぶのにも苦労し、右俣の滝は遠望ですまし、左俣の滝前へと向かう。そこには、滝音無く静かに凍りついてしまった滝があった。
ザックを降ろして氷結した滝を見ながら休憩だ。よく見ると氷で覆われた滝には、一ヵ所だけ窓が開き黒い岩と水の流れが見える。その窓にはこれから成長しそうな薄い被膜のような氷が外に向かって垂れ下っている。
一段目の滝前には左から雪崩跡入っていて、それに登って氷結した滝を難なく登れた。するとさらにその上の滝も見事に氷結していた。左から登り、氷にピッケルを打ち付けると跳ね返されてしまった。バイルに持ち替えてみるとよく刺さる。しかしなぁ、夏に登った時、滝口辺りが厭らしんだよなぁ、ちと危険すぎると滝下に戻り、倒木の刺さるルンゼ側を見ようと滝下を回り込んだその時、足元からミシミシと音がしたと思ったら、両足水没!奥ノ平谷上の廊下に続いてまたしてもなのだ。今回はこういうこともあるだろうと靴下の換えを持ってきているが、幸い靴の中までは濡れなかった。
当然、退却である。
[attachment=2]DSCN5015_800.jpg[/attachment]
一段目の滝下に戻り、左岸の雪の乗ったザレ地を巻き上がり、子尾根を乗越しさらにトラバースして、二俣。右に大滝を見上げると、おぉ!
滝下中段に大きな釣鐘型の氷筍が青い光を放って上に伸びている。そしてその上には、立体的な奇妙な氷柱が傘のようにぶら下がり、その間から滝の水流が氷筍のてっぺんへと降り注いでいた。不思議な光景だ。
回り込んで右岸の嵓上から覗くと、氷旬だけで15,6mほどあるだろうか。ヌタハラの奥峰滝(不動滝)でも氷筍ができるのだが、こんな大きなものは見たことがない。
左俣を辿り、ルンゼに取り付き高度を上げ、トラバースして滝口へ。
谷は20cm程の新雪で埋もれている。先日のヌタハラ谷のようには、残雪もクラストしていず歩きづらい。
二俣の右俣の滝は下部もドームに落ちる滝も見事に氷結している。それにこの二俣の中間尾根に、何故か大きな雪庇状の庇が発達していて不思議だ。積雪が多く時間もないので滝下に向かわず、そのまま滝を巻いて、滝上のナメへと出た。ナメの表面は薄氷が張り流れを見せている。
さらなる二俣、右俣の小滝群は下部は倒木がうるさいので巻いて、中段から谷中を進んで登れば、谷が左に折れて優しい源流の流れへと変わり、このルートの定番のランチ場すぐそこだ。
雪に埋もれてるかと思った水場も雪から出ている。背もたれ用の木の前を均してザックを降ろし、ビールを開けた。
気温が低いためか、回りの木に着雪した雪は落ちないままだ。時折薄日が差して、緩やかに湾曲した雪面に木の影を淡く落としている。風も無く動物の気配もない静かな世界だ。
[attachment=1]DSCN5045_925.jpg[/attachment]
左岸尾根に登れは、対岸には笹ヶ峰の大きな姿。ブナの木を見ながら少し登れば、迷岳方面の眺望が開け、あたりの木々にはいまだ樹氷がびっしり残っている。
台高主稜線に登り上がっても、人のトレースばかりか獣のトレースもない。雪を吹き流した風の痕だけだ。
いつもなら、稜線、縦走路のアップダウンを避けて三重県側を少し降りた斜面に付いたシカ道を辿るのだが、今日はそうはいってられない。稜線を忠実に辿った。
笹ヶ峰ピーク手前の展望岩から遠望する大峰の稜線は良く見えている。今日は何処も晴天の天気予報と裏腹に薄曇りのようだ。
笹ヶ峰にもトレースは無い。うねるように雪原が広がっている。
もしかしたら、積雪期に笹ヶ峰に来たことは無かったかも?こんなに積雪が豊富な場所だとは、初めて知った。積雪期にまた訪れたい場所だ。
[attachment=0]DSCN5060_925.jpg[/attachment]
あとは急峻な尾根道を赤嵓滝谷に降り、千石林道を帰るだけだ。
赤嵓滝谷でアイゼンを洗い、千石林道をポクポクと降りて行くと、ウソが周りを飛んで鳴き、朝出会ったウソの群れなんだろう、無事にお帰りなさいと云っているようだった。
積雪多ければ庵の谷、少なければ喜平小屋谷。