【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

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わりばし
記事: 1774
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by わりばし »

【日 付】2013年2月9日(土)
【山 域】台高
【コース】平瀬橋P7:25---9:40布引滝四段目---11:07作業小屋跡---12:55伐採地---平瀬橋P14:47
【メンバー】単独

 出発する時に雪が舞っていた。津はあまり雪が降らないので、出発段階では初めてだ。嬉野まで来ると田畑は白く、飯南も降っているのかと思いきや、飯南の谷では雪もやんでしまった。国道からは山の稜線がきれいに見える。奈良県側は雲が残っているようだが三重県側は山も良い天気のようだ。

 布引滝の氷瀑を周回するので、平瀬橋に駐車する。橋を渡り、左折し植林の登山道に入って行く。ここは現役の杣道で、歩きやすく好きな道だ。トラバースしながら高度を上げ40分程度登ると・536近くの作業小屋のあるコルに着く。通れない丸太橋を2か所高巻きなおも進むと崩壊地に出る。

崩壊地を渡り対岸の植林に入るとすぐに伐採した木の下部に黄赤テープにひも状の緑のビニールテープが結び付けられた分岐に着く。ここを真っ直ぐ進むと布引谷の登山道で杣道を下って行くと布引滝展望の伐採地に向かう。杣道を進むとすぐに水の流れる小谷を越え、その先の尾根を回り込むようにして進むと整備された植林に出る。杣道は右手に見える布引谷に下っていく。

 徒渉地点から左岸を見上げると伐採地のために明るくなっているのがわかる。手前の右岸の植林の尾根を上っていくと登山道に行きつく。登山道はかなり上部を通っている。ここからは谷をつめ布引谷四段目下を目指す。岩に着いた雪がすべりやすくいやらしいので、谷に入る前にアイゼンをつける。ゴーロの凍った谷を上って行く。雪は少ないが、アイゼンのおかげで凍った岩も難なく越えて行ける。白く凍った大岩を越えると正面に氷瀑の布引滝が見えた。例年のようにドーム状に発達した氷瀑ではないが、白い羽衣を滝がまとったような氷瀑で美しい。ここから見る布引滝は、高さも奥行きもあり圧倒的な存在感がある。奥行きのある滝には神秘的な何かを想像させてくれる深みがある。

[attachment=4]IMG_6820.jpg[/attachment]
 一息つき、三段目に向かう。左岸の嵓のバンドづたいに下流方向に上っていく。嵓にはツララがたくさんついており、気温が上がる時間帯には注意がいるだろう。そして、嵓が切れた場所を上って行くと、嵓の上部の斜面に出る。この斜面をトラバースしながら上って行き、大岩の下の小尾根を越えると、三段目が見えた。小尾根を下ると、登山道から三段目に向かうルートの下降点だった。思ったより楽に三段目に着いた。トラバースするにはこの時期が最適かもしれない。斜面がぬかるんだり、濡れ落ち葉の季節はいやらしそうだ。

[attachment=3]IMG_6827.jpg[/attachment] 
 三段目下から見ると、滝は水しぶきを上げて氷の周りを流れている。見ている間にも氷の塊がどんどん落ちてきていて、真下には近づけない。白一色のきれいな氷瀑だ。例年だと氷が発達し光の乱反射でブルーハワイ色になるのだが、白というのもきれいなものだ。滝下には落ちた氷でせき止められた氷の露天風呂が出来上がっていた。戻りかけた時に上部から大きな崩落の音が谷全体に鳴り響いた。一段目の滝の氷が大きく落ちたみたいだ。すると、目の前に音もなく浮遊する木の皮の化け物のような物が谷下に向かって下りて行く。目で追うと木の枝にとまった。ムササビのようだ。初めて飛んでいる所を見たが、あんなに静かに飛ぶとは思わなかった。

[attachment=2]IMG_6837.jpg[/attachment]
 小谷を上り登山道に復帰。人の歩いた跡はないが、獣くんたちの踏み跡はいくつもある。人の通らない冬の登山道は、獣くん御用達の道になっていた。道から見える一段目は氷が落ち勢いよく水が落ちていた。しばらくして滝口上の山の神に到着。ここからは右岸の杣道を使い作業小屋跡に向かう。雪景色の静かな谷を渡り小屋跡に行くと、やかんにタライにビールケースが散乱している。裏にまわると木製の風呂桶まで置かれていたので、驚いた。

[attachment=1]IMG_6849.jpg[/attachment]
 左岸の小屋跡の裏にある・1081につながる尾根を上る。雪が少ない分、アイゼンに落ち葉がつきすぐに下駄になってしまう。この尾根も最近は歩かれていないようで、邪魔な枝を折りながら進んでいくしかない。ザックが引っかかったりと面倒くさい。天気は快晴で、木々の間から迷岳がきれいに見える。雪の照り返しも強くサングラスを掛けた。稜線に出ると雪もしまりテープ道だけに枝を折ることなく楽に歩けた。二重山稜を楽しみながら歩いていて布引山を通過したのに気づかなかった。

 ・961手前の大岩が点在するコルに着き、伐採地に向けて下る。大岩地帯を越え植林に入ると伐採地は目の前だ。ここからは一段目から四段目までの布引滝の全貌が見られる。切り立った岩肌が白く凍てつき、そこに四段の白い竜が駆け下りている。今回の氷瀑は、水流があり動きのある分、迫力がある。なかなかすばらしい景色だ。ただ残念なのは、逆光になってしまうので写真では迫力が伝えられない事だ。

[attachment=0]IMG_6863.jpg[/attachment]
 対岸の伐採地を目印に下りて行けば、朝来た徒渉点に着き、来た道を戻るだけだ。
例年とは違う布引滝の白い氷瀑が見られたのは幸運だったのかもしれない。
布引滝を様々な角度から楽しめた山行だった。
添付ファイル
布引滝全貌
布引滝全貌
三段目下の露天風呂
三段目下の露天風呂
布引滝三段目
布引滝三段目
嵓のツララ
嵓のツララ
布引滝四段目より
布引滝四段目より
最後に編集したユーザー わりばし [ 2013年2月12日(火) 21:48 ], 累計 1 回
シュークリーム
記事: 2070
登録日時: 2012年2月26日(日) 17:35
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】氷瀑の布引滝 周回

投稿記事 by シュークリーム »

わりばしさん、こんにちは。
迷岳周辺は稜線は歩いたことがあるのですが、谷歩きをしたことがありません。台高は美しい氷瀑が見られる谷がいくつもあってこれから行くのが楽しみです。今回のコース、わりばしさんのわかりやすい解説でだいたいつかむことができました。そのうち機会があったらぜひ行ってみたいです。
今度のスノー衆は来られないようで残念ですが、今度ご一緒できる機会があると嬉しいですね。
                         @シュークリーム@
アバター
わりばし
記事: 1774
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】氷瀑の布引滝 周回

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、シュークリームさん。

迷岳周辺は稜線は歩いたことがあるのですが、谷歩きをしたことがありません。

今回歩いた布引山の尾根を上れば迷池でなかなかいいところですよ。

台高は美しい氷瀑が見られる谷がいくつもあってこれから行くのが楽しみです。今回のコース、わりばしさんのわかりやすい解説でだいたいつかむことができました。そのうち機会があったらぜひ行ってみたいです。

布引滝はこのこの流域では最も高い滝で、200m超級と言われています。
それだけに迫力がありますし、見る場所によって様々な楽しみ方ができます。
:D
布引滝四段目より
布引滝四段目より
今度のスノー衆は来られないようで残念ですが、今度ご一緒できる機会があると嬉しいですね。

私は17日のみエントリーしています。
私の現時点での勝手な読みとしては、16日より17日の方が天気が良さそうなので今回は行けると踏んでいます。
読みが当たればよろしくお願いします。

                               わりばし
宮指路
記事: 1008
登録日時: 2011年2月27日(日) 21:13

Re: 【台高】氷瀑の布引滝 周回

投稿記事 by 宮指路 »

わりんばしさん、こんばんは

 出発する時に雪が舞っていた。津はあまり雪が降らないので、出発段階では初めてだ。嬉野まで来ると田畑は白く、飯南も降っているのかと思いきや、飯南の谷では雪もやんでしまった。

私はこの日の朝、大宇陀~大又に居ましたが前日は雪が降ったようですね。

 布引滝の氷瀑を周回するので、平瀬橋に駐車する。橋を渡り、左折し植林の登山道に入って行く。ここは現役の杣道で、歩きやすく好きな道だ。トラバースしながら高度を上げ40分程度登ると・536近くの作業小屋のあるコルに着く。通れない丸太橋を2か所高巻きなおも進むと崩壊地に出る。

迷岳に向かう谷沿いの道ですね

崩壊地を渡り対岸の植林に入るとすぐに伐採した木の下部に黄赤テープにひも状の緑のビニールテープが結び付けられた分岐に着く。ここを真っ直ぐ進むと布引谷の登山道で杣道を下って行くと布引滝展望の伐採地に向かう。

ここからは道のない道ですね

 徒渉地点から左岸を見上げると伐採地のために明るくなっているのがわかる。手前の右岸の植林の尾根を上っていくと登山道に行きつく。登山道はかなり上部を通っている。ここからは谷をつめ布引谷四段目下を目指す。岩に着いた雪がすべりやすくいやらしいので、谷に入る前にアイゼンをつける。ゴーロの凍った谷を上って行く。雪は少ないが、アイゼンのおかげで凍った岩も難なく越えて行ける。白く凍った大岩を越えると正面に氷瀑の布引滝が見えた。例年のようにドーム状に発達した氷瀑ではないが、白い羽衣を滝がまとったような氷瀑で美しい。ここから見る布引滝は、高さも奥行きもあり圧倒的な存在感がある。奥行きのある滝には神秘的な何かを想像させてくれる深みがある。

氷の付き方がもう一つですね。今年は雪も少ないし昨年に比べて冷え方も大したことがないようですね

 一息つき、三段目に向かう。左岸の嵓のバンドづたいに下流方向に上っていく。嵓にはツララがたくさんついており、気温が上がる時間帯には注意がいるだろう。そして、嵓が切れた場所を上って行くと、嵓の上部の斜面に出る。この斜面をトラバースしながら上って行き、大岩の下の小尾根を越えると、三段目が見えた。小尾根を下ると、登山道から三段目に向かうルートの下降点だった。思ったより楽に三段目に着いた。トラバースするにはこの時期が最適かもしれない。斜面がぬかるんだり、濡れ落ち葉の季節はいやらしそうだ。

普通の人ではなかなか近づけそうにないですね。

 三段目下から見ると、滝は水しぶきを上げて氷の周りを流れている。見ている間にも氷の塊がどんどん落ちてきていて、真下には近づけない。白一色のきれいな氷瀑だ。例年だと氷が発達し光の乱反射でブルーハワイ色になるのだが、白というのもきれいなものだ。

そうですね~。寒い時の滝ははいろんな芸術品を見せてくれますね

滝下には落ちた氷でせき止められた氷の露天風呂が出来上がっていた。

ここは綺麗ですね。登山道からはこういう景色はなかなか見れないですね

戻りかけた時に上部から大きな崩落の音が谷全体に鳴り響いた。一段目の滝の氷が大きく落ちたみたいだ。

3年前だったか夫婦滝の氷漠を見に行った時にそんなことがありましたがビビリますよね

すると、目の前に音もなく浮遊する木の皮の化け物のような物が谷下に向かって下りて行く。目で追うと木の枝にとまった。ムササビのようだ。初めて飛んでいる所を見たが、あんなに静かに飛ぶとは思わなかった。
ムササビ君も驚いたようですね

 小谷を上り登山道に復帰。人の歩いた跡はないが、獣くんたちの踏み跡はいくつもある。人の通らない冬の登山道は、獣くん御用達の道になっていた。

昨日、小岐須渓谷から仙ヶ岳に向かいましたがさすがにこの時期はトレースがなく谷沿いの道は鹿の通り道になっていました。

 ・961手前の大岩が点在するコルに着き、伐採地に向けて下る。大岩地帯を越え植林に入ると伐採地は目の前だ。ここからは一段目から四段目までの布引滝の全貌が見られる。切り立った岩肌が白く凍てつき、そこに四段の白い竜が駆け下りている。今回の氷瀑は、水流があり動きのある分、迫力がある。なかなかすばらしい景色だ。ただ残念なのは、逆光になってしまうので写真では迫力が伝えられない事だ。

良いビューポイントをご存知ですね。数年通い続けているだけに詳しいですね。

                                                                宮指路
zipp
記事: 1165
登録日時: 2011年3月09日(水) 22:49

Re: 【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by zipp »


 こんばんは、わりばしさん。
 氷瀑見物は、今季はそろそろ終わりの時期になりました。
積雪は南岸低気圧で積もることもありましょうが、長く低温が続くことは、これからの時期難しくなりますね。

 出発する時に雪が舞っていた。津はあまり雪が降らないので、出発段階では初めてだ。嬉野まで来ると田畑は白く、飯南も降っているのかと思いきや、飯南の谷では雪もやんでしまった。
 この日の雪は、鈴鹿の方が多かったようですね。

 布引滝の氷瀑を周回するので、平瀬橋に駐車する。
 わりばしさんは、紳士ですね(^^;。
ここから山に入ったのは、一度しかないかも(^^;;。

ここからは谷をつめ布引谷四段目下を目指す。
 ここから遡っていくと、葉を落とした木々の谷間に、天から落ちるような滝が見えていいです。

白く凍った大岩を越えると正面に氷瀑の布引滝が見えた。例年のようにドーム状に発達した氷瀑ではないが、白い羽衣を滝がまとったような氷瀑で美しい。ここから見る布引滝は、高さも奥行きもあり圧倒的な存在感がある。奥行きのある滝には神秘的な何かを想像させてくれる深みがある。
 一段目は見えないけど、ここから見る布引滝が一番迫力あって美しいです。
布引滝は、数年に一度レベルでしかきれいな氷瀑は見れません。異常低温注意報が数日続くような日でないと難しいです。今年は「低温注意報」は出たんだけど、なかなかきれいに氷結してくれない気難しい滝ですわ。
それに今季は、どの滝もきれいに氷瀑してくれないようです。

この斜面をトラバースしながら上って行き、大岩の下の小尾根を越えると、三段目が見えた。小尾根を下ると、登山道から三段目に向かうルートの下降点だった。思ったより楽に三段目に着いた。トラバースするにはこの時期が最適かもしれない。斜面がぬかるんだり、濡れ落ち葉の季節はいやらしそうだ。
 いやらしい斜面のトラバースです。滑り落ちたら、さっき見た左岸の嵓から落ちるのですから、それを考えるとゾォ~ですもんね(^^;。

滝下には落ちた氷でせき止められた氷の露天風呂が出来上がっていた。
 う~む。
滝下には、氷柱が落ちてできた小山ほどの氷のドームが出来上がるのですが、露天風呂ですか :(

すると、目の前に音もなく浮遊する木の皮の化け物のような物が谷下に向かって下りて行く。目で追うと木の枝にとまった。ムササビのようだ。初めて飛んでいる所を見たが、あんなに静かに飛ぶとは思わなかった。
 おお!これは素晴らしいわりばしさんへのプレゼントでしたね。
日中、ムササビは活動しないもんだけど、大きな氷柱の音にびっくりして巣穴から出て来たんだろうか?

雪景色の静かな谷を渡り小屋跡に行くと、やかんにタライにビールケースが散乱している。裏にまわると木製の風呂桶まで置かれていたので、驚いた。
 なんやかんやと散乱してますね~。70年代のものかなぁ?

 左岸の小屋跡の裏にある・1081につながる尾根を上る。
 ここ歩いたことないんです。誰かがマーキングテープを付けてましたが。

この尾根も最近は歩かれていないようで、邪魔な枝を折りながら進んでいくしかない。ザックが引っかかったりと面倒くさい。
 ここ、ヤブ尾根でしたか。

ただ残念なのは、逆光になってしまうので写真では迫力が伝えられない事だ。
 逆光?午後まだ早い時間なのかな?

例年とは違う布引滝の白い氷瀑が見られたのは幸運だったのかもしれない。
布引滝を様々な角度から楽しめた山行だった。

 迷池の方まで足を延ばされたら良かったのに~。
お疲れ様でした。
   zipp
アバター
わりばし
記事: 1774
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】氷瀑の布引滝 周回

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、宮指路さん。

 出発する時に雪が舞っていた。津はあまり雪が降らないので、出発段階では初めてだ。嬉野まで来ると田畑は白く、飯南も降っているのかと思いきや、飯南の谷では雪もやんでしまった。

私はこの日の朝、大宇陀~大又に居ましたが前日は雪が降ったようですね。

奈良県側は降ったようですねえ。鈴鹿と同じで雲が残りますもんねえ。

 布引滝の氷瀑を周回するので、平瀬橋に駐車する。橋を渡り、左折し植林の登山道に入って行く。ここは現役の杣道で、歩きやすく好きな道だ。トラバースしながら高度を上げ40分程度登ると・536近くの作業小屋のあるコルに着く。通れない丸太橋を2か所高巻きなおも進むと崩壊地に出る。

迷岳に向かう谷沿いの道ですね

そうです。あまり登山者には利用されていませんが、植林地に行く杣道として使われています。

崩壊地を渡り対岸の植林に入るとすぐに伐採した木の下部に黄赤テープにひも状の緑のビニールテープが結び付けられた分岐に着く。ここを真っ直ぐ進むと布引谷の登山道で杣道を下って行くと布引滝展望の伐採地に向かう。

ここからは道のない道ですね

登山道ではありませんが現役の杣道は続いています。

 徒渉地点から左岸を見上げると伐採地のために明るくなっているのがわかる。手前の右岸の植林の尾根を上っていくと登山道に行きつく。登山道はかなり上部を通っている。ここからは谷をつめ布引谷四段目下を目指す。岩に着いた雪がすべりやすくいやらしいので、谷に入る前にアイゼンをつける。ゴーロの凍った谷を上って行く。雪は少ないが、アイゼンのおかげで凍った岩も難なく越えて行ける。白く凍った大岩を越えると正面に氷瀑の布引滝が見えた。例年のようにドーム状に発達した氷瀑ではないが、白い羽衣を滝がまとったような氷瀑で美しい。ここから見る布引滝は、高さも奥行きもあり圧倒的な存在感がある。奥行きのある滝には神秘的な何かを想像させてくれる深みがある。

氷の付き方がもう一つですね。今年は雪も少ないし昨年に比べて冷え方も大したことがないようですね

2月初めなのに氷の付き方は少ないです。
寒いように思えますが、例年と比べると暖かいのでしょうね。


 一息つき、三段目に向かう。左岸の嵓のバンドづたいに下流方向に上っていく。嵓にはツララがたくさんついており、気温が上がる時間帯には注意がいるだろう。そして、嵓が切れた場所を上って行くと、嵓の上部の斜面に出る。この斜面をトラバースしながら上って行き、大岩の下の小尾根を越えると、三段目が見えた。小尾根を下ると、登山道から三段目に向かうルートの下降点だった。思ったより楽に三段目に着いた。トラバースするにはこの時期が最適かもしれない。斜面がぬかるんだり、濡れ落ち葉の季節はいやらしそうだ。

普通の人ではなかなか近づけそうにないですね。

アイゼンをつけていればこの時期なら行けると思います。それ以外の季節はイヤですねえ・・ :mrgreen:
嵓の下を歩く
嵓の下を歩く
 三段目下から見ると、滝は水しぶきを上げて氷の周りを流れている。見ている間にも氷の塊がどんどん落ちてきていて、真下には近づけない。白一色のきれいな氷瀑だ。例年だと氷が発達し光の乱反射でブルーハワイ色になるのだが、白というのもきれいなものだ。

そうですね~。寒い時の滝ははいろんな芸術品を見せてくれますね

氷瀑は同じように見えて、時期と天候によっていろいろな顔を見せてくれておもしろいです。

滝下には落ちた氷でせき止められた氷の露天風呂が出来上がっていた。

ここは綺麗ですね。登山道からはこういう景色はなかなか見れないですね

写真だと別世界のようでしょ。
実際は上から氷が落ちてきてヤバイヤバイ・・


戻りかけた時に上部から大きな崩落の音が谷全体に鳴り響いた。一段目の滝の氷が大きく落ちたみたいだ。

3年前だったか夫婦滝の氷漠を見に行った時にそんなことがありましたがビビリますよね

ヤブコギの皆さんといかれた時ですね。
布引滝三段目
布引滝三段目
すると、目の前に音もなく浮遊する木の皮の化け物のような物が谷下に向かって下りて行く。目で追うと木の枝にとまった。ムササビのようだ。初めて飛んでいる所を見たが、あんなに静かに飛ぶとは思わなかった。

ムササビ君も驚いたようですね

氷瀑が落ちた音に驚いたようで、見れてラッキーでした。

 小谷を上り登山道に復帰。人の歩いた跡はないが、獣くんたちの踏み跡はいくつもある。人の通らない冬の登山道は、獣くん御用達の道になっていた。

昨日、小岐須渓谷から仙ヶ岳に向かいましたがさすがにこの時期はトレースがなく谷沿いの道は鹿の通り道になっていました。

やっぱり登山道は獣くんにとっても歩きやすいですよねえ。
人間さえいなければ。

布引滝上の流れ
布引滝上の流れ
 ・961手前の大岩が点在するコルに着き、伐採地に向けて下る。大岩地帯を越え植林に入ると伐採地は目の前だ。ここからは一段目から四段目までの布引滝の全貌が見られる。切り立った岩肌が白く凍てつき、そこに四段の白い竜が駆け下りている。今回の氷瀑は、水流があり動きのある分、迫力がある。なかなかすばらしい景色だ。ただ残念なのは、逆光になってしまうので写真では迫力が伝えられない事だ。

良いビューポイントをご存知ですね。数年通い続けているだけに詳しいですね。

大きな滝だけにいろいろ楽しめますし、里に近く雪雲におおわれにくいのがいいですねえ。                                                                
アバター
わりばし
記事: 1774
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、zippさん。

 氷瀑見物は、今季はそろそろ終わりの時期になりました。
積雪は南岸低気圧で積もることもありましょうが、長く低温が続くことは、これからの時期難しくなりますね。

今年は氷瀑見学の時期も短いですねえ。

 出発する時に雪が舞っていた。津はあまり雪が降らないので、出発段階では初めてだ。嬉野まで来ると田畑は白く、飯南も降っているのかと思いきや、飯南の谷では雪もやんでしまった。

 この日の雪は、鈴鹿の方が多かったようですね。

鈴鹿は積もったようですが、天候がねえ・・ :mrgreen:

 布引滝の氷瀑を周回するので、平瀬橋に駐車する。
 わりばしさんは、紳士ですね(^^;。

ここから山に入ったのは、一度しかないかも(^^;;。

この道、嫌いじゃないんですよ。

ここからは谷をつめ布引谷四段目下を目指す。
 ここから遡っていくと、葉を落とした木々の谷間に、天から落ちるような滝が見えていいです。

天からという感じがピッタリです。
谷に挟まれた滝の奥行きがそう感じさせるんですかねえ。


白く凍った大岩を越えると正面に氷瀑の布引滝が見えた。例年のようにドーム状に発達した氷瀑ではないが、白い羽衣を滝がまとったような氷瀑で美しい。ここから見る布引滝は、高さも奥行きもあり圧倒的な存在感がある。奥行きのある滝には神秘的な何かを想像させてくれる深みがある。

 一段目は見えないけど、ここから見る布引滝が一番迫力あって美しいです。
布引滝は、数年に一度レベルでしかきれいな氷瀑は見れません。異常低温注意報が数日続くような日でないと難しいです。今年は「低温注意報」は出たんだけど、なかなかきれいに氷結してくれない気難しい滝ですわ。
それに今季は、どの滝もきれいに氷瀑してくれないようです。

この数年が当たり年だったんですね。
今季のような年もありますよね。


この斜面をトラバースしながら上って行き、大岩の下の小尾根を越えると、三段目が見えた。小尾根を下ると、登山道から三段目に向かうルートの下降点だった。思ったより楽に三段目に着いた。トラバースするにはこの時期が最適かもしれない。斜面がぬかるんだり、濡れ落ち葉の季節はいやらしそうだ。
 いやらしい斜面のトラバースです。滑り落ちたら、さっき見た左岸の嵓から落ちるのですから、それを考えるとゾォ~ですもんね(^^;。

右岸の嵓ですね。
この季節はアイゼンをつければ安心して通れました。


滝下には落ちた氷でせき止められた氷の露天風呂が出来上がっていた。
 う~む。
滝下には、氷柱が落ちてできた小山ほどの氷のドームが出来上がるのですが、露天風呂ですか :(

みぞれ鍋って感じかなあ。 :lol:
谷はこんな感じ
谷はこんな感じ
すると、目の前に音もなく浮遊する木の皮の化け物のような物が谷下に向かって下りて行く。目で追うと木の枝にとまった。ムササビのようだ。初めて飛んでいる所を見たが、あんなに静かに飛ぶとは思わなかった。

 おお!これは素晴らしいわりばしさんへのプレゼントでしたね。
日中、ムササビは活動しないもんだけど、大きな氷柱の音にびっくりして巣穴から出て来たんだろうか?

夜行性のむささびの滑空が見れたのはラッキーでした。 :idea:
もっと早く飛ぶイメージがあったのですが、グライダーのように音もなく浮遊しながら落ちていくさまは動物には思えなかったです。
最初、巨大な木の皮が舞い落ちてきたと思いましたから。



雪景色の静かな谷を渡り小屋跡に行くと、やかんにタライにビールケースが散乱している。裏にまわると木製の風呂桶まで置かれていたので、驚いた。

 なんやかんやと散乱してますね~。70年代のものかなぁ?

ビールケースなんかもプラスチックですし、ある程度まで使われていたようですねえ。
小屋裏の風呂桶
小屋裏の風呂桶
 左岸の小屋跡の裏にある・1081につながる尾根を上る。

 ここ歩いたことないんです。誰かがマーキングテープを付けてましたが。

尾根上のマーキングはごくわずかです。
末端にTWさんのがありますが・・


この尾根も最近は歩かれていないようで、邪魔な枝を折りながら進んでいくしかない。ザックが引っかかったりと面倒くさい。

 ここ、ヤブ尾根でしたか。

ヤブってほどではないにしても木の枝がしっかりととうせんぼしてくれています。

ただ残念なのは、逆光になってしまうので写真では迫力が伝えられない事だ。

 逆光?午後まだ早い時間なのかな?

時間が早かったのかあ。
布引滝
布引滝
例年とは違う布引滝の白い氷瀑が見られたのは幸運だったのかもしれない。
布引滝を様々な角度から楽しめた山行だった。


 迷池の方まで足を延ばされたら良かったのに~。

迷池まで行けば時間的にも伐採地からいい写真が撮れたかも。
雨子庵子

Re: 【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by 雨子庵子 »

わりばしさんこんにちわ、雨子庵です。

【日 付】2013年2月9日(土)
【山 域】台高
【コース】平瀬橋P7:25---9:40布引滝四段目---11:07作業小屋跡---12:55伐採地---平瀬橋P14:47
【メンバー】単独


この2日後に、下見を兼ねて、飯高の「お熊ケ池」の林道をドライブ。
気持ちの良い、整備された林道でした。
残念ながら天気はドンドン下り坂でしたが、見晴らしも良かったです。
その中で、撮った写真。「布引滝」かな~と「期待」しつつ撮ったのですが、わりばしさんの写真のおかげで「期待」が「確証」に変わりました。
遠くから見ても、「おお~」ですから、近くで見たら迫力あるんでしょうね・・・。
右下に蓮ダム管理事務所が見えます。冬なら滝のホンの一部が、この事務所のチョイ下の道で見えます。
右下に蓮ダム管理事務所が見えます。冬なら滝のホンの一部が、この事務所のチョイ下の道で見えます。
アバター
わりばし
記事: 1774
登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
お住まい: 三重県津市

Re: 【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by わりばし »

おはようございます、雨子庵子さん。

【日 付】2013年2月9日(土)
【山 域】台高
【コース】平瀬橋P7:25---9:40布引滝四段目---11:07作業小屋跡---12:55伐採地---平瀬橋P14:47
【メンバー】単独


この2日後に、下見を兼ねて、飯高の「お熊ケ池」の林道をドライブ。
気持ちの良い、整備された林道でした。

お熊ヶ池の林道ってあるんですねえ。
写真からなんとなく場所はわかるのですが、まったく未開の場所です。
雨子庵子さんならでわの情報ですね。
ありがとうございます。

四段目より
四段目より
残念ながら天気はドンドン下り坂でしたが、見晴らしも良かったです。
その中で、撮った写真。「布引滝」かな~と「期待」しつつ撮ったのですが、わりばしさんの写真のおかげで「期待」が「確証」に変わりました。
遠くから見ても、「おお~」ですから、近くで見たら迫力あるんでしょうね・・・。

遠くからでもこんなに目立つんですねえ。
大きいことは良いことだです。
:mrgreen:

おまけに最近はまっている飯高のとっときみその写真を貼っておきます。
とっとき焼きねぎ地味噌
とっとき焼きねぎ地味噌
落第忍者
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登録日時: 2011年2月20日(日) 15:31
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Re: 【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by 落第忍者 »

わりばしさん、こんばんは。

とっとき味噌に反応です。
昨日はスノー衆の予備日でしたが、募集前から予定が入っていたので欠席になってしまいました。
で、何をしていたかと言うと、件の味噌を使った美味しい物を頂いてきましたよ。

メインは餅搗き大会だったのですが、その後も鹿刺し・ボタン鍋・炊き込みご飯と満腹の一日でして。
猪肉を炊くのにピッタリのいい味噌ですね。
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落第忍者
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わりばし
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登録日時: 2011年2月20日(日) 16:55
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Re: 【台高】氷瀑の布引滝をめぐる旅

投稿記事 by わりばし »

おはよございます、落第忍者さん。

とっとき味噌に反応です。
昨日はスノー衆の予備日でしたが、募集前から予定が入っていたので欠席になってしまいました。
で、何をしていたかと言うと、件の味噌を使った美味しい物を頂いてきましたよ。

とっとき味噌というのは「とっておきの味噌」という意味ですね。
いつも使う味噌とは違うのかなあ?


メインは餅搗き大会だったのですが、その後も鹿刺し・ボタン鍋・炊き込みご飯と満腹の一日でして。
猪肉を炊くのにピッタリのいい味噌ですね。

飯高であったって事ですね。
鹿さしにボタン鍋ですか。
特にボタン鍋にはとっとき味噌のビリカラがたまらないでしょうね。

落第忍者さんのかわりに行ったスノー衆の大御影山の写真を貼っておきます。
 
大御影山
大御影山
      
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