八風大明神初詣
Posted: 2013年1月07日(月) 18:36
八風大明神初詣
2013.01.06(SUN)晴れのち小雪 単独
射撃場跡P = 三池谷右岸尾根= 584 =お菊池西コバ = 三角点 = 三池岳山頂 = 八風峠 = 八風谷登山道
正月から日本各地で山岳遭難のニュースが報じられている。皆さんは家族団らんの場でこういうニュースが出ると肩身が狭いのではなかろうか。
「この寒いのにわざわざ山へ登って、人に迷惑かけまくって、あいつらはアホや」という意見が出る。
まことにごもっともで返す言葉もなく、黙って針のムシロに座っているしかない。以前は厳冬の八ヶ岳も参戦したが、今は鈴鹿しか行かない私の場合は少し言い訳もできる。アルプスと鈴鹿では全然気象条件も地形も違うから大丈夫やでと。しかし実際鈴鹿でも遭難死亡事故は起きているので大きな顔はできない。
どのみち雪があるのに山なんぞ登るやつは全員アホだということは確定している。なぜアホと言われても山へ登るのか。陳腐な問いかも知れないが、明快な答えもない。私もすっかりレポを上げなくなったが、月に1、2回は登っている。ほかに趣味があってもやはり山はやめない。なぜだろう。何か山が呼んでいる気がする。山が誘っているのだ、壇蜜のように。戒壇の壇にお供えの意を表す蜜。宗教に通ずる意味深でインパクトのある名前だ。山の神に姿かたちがあるならば、きっと彼女のような容姿なのだろう。
初山行は山上社で一番近い八風峠。準氏神さまといえるだろう。こちらの祭神は伊勢津彦命というおっさんだが、道中には壇蜜もいるだろう。いい天気にウキウキと出発する。田光のR306旧道(巡見街道)と八風街道の辻にあったムクノキの巨木が伐採されて、大きな切り株だけになっていた。うーん、歴史的な遺物だけに残念。人家の傍にあるので、老木となっては致し方なしか。射撃場跡の駐車場で積雪10cm弱。意外なことに誰もいない。
嘉助の林道も食傷気味なので、どこから登るか地図を見る。三池谷の左岸は登山道でお菊池に通ずるが、右岸を登ってみよう。地形図・584の尾根である。これなら駐車場からいきなり山の中である。アバウトに山へ入ると深さ1mほどの水路に行く手を阻まれた。下りても何とか這い上がれそうだ。これを過ぎると植林の急登。正月ボケの体が悲鳴をあげる。ただひたすら高い方へ行けば自然に・584に着くだろう。ヤブツバキやカシの常緑林になってきたがヤブコギというほどのものではない。浅い雪の中を獣が駆け回った跡に落ち葉が表れて黒い筋となっている。これを追いかけて登れば効率が良い。途中で福王山が見えた。
・584は細長いピークで殆ど展望はない。緩やかに下ってまた急登になる。これを登りきると、ちょっとした広場になっている。地図を見ると三つの尾根の集合点である(640m)。下りに使うとここで迷いそうだ。もっとも南に外せばこの尾根も使えそうだ。ここからまた急登で、落ち葉の上の浅い雪がよく滑る。一度滑って膝を強打してしまった。油断は禁物。しかしこの尾根、ちょっと整備すれば登山道として使えそうだ。痩せ尾根からは釈迦ヶ岳が見えた。単独の場合マイペースで歩けるのが良い。何処でどれだけ休息するも自由自在。やがて岩場が現れた。小規模なもので困難ではない。これを上がると八風の稜線が見渡せる展望地に出た。初めてのコースは新鮮だ。
800m付近でルートは西から北へと向きを変える。サルの頭蓋骨のような形をした岩があった。傾斜が緩むとようやく三池岳が見えてくる。地図にある左の崩壊地は怖いものではない。でも落ちたら痛いでは済まないかも。ここからアセビの海になった。やはり登山道のような具合にはいかなかった。ガレ場のトラバースはできないので、トンネル状の場所を見つけて匍匐前進する。雪はサラサラなので濡れることはない。ようやく登山道のある稜線に這い上がったが、全くトレースがない。一瞬場所を間違えているのかと不安になる。しかしどう見ても三角点とお菊池の中間コバだ。ここはランチの適地だが時間がまだ早いので、三池岳へと向かう。
三角点や山頂は無人。朝の好天はどこへやら、強風が吹き荒れ、低く垂れこめた鉛色の空から雪が吹き付けてくる。付近の山々も頂上が見えず寒々とした風景である。厳しい山頂から家にメールを打っていると、八風峠側から赤いジャケットを着た単独者が登ってきた。少し話す。東側は怖いから往路を戻ると言っていた。お先に八風峠へ向かう。稜線は雪が多かった。吹き溜まりは膝を超える。
八風大明神にこうべを垂れる。お願い事は多過ぎるが、やはり還暦がリアルに射程圏に入ってくると家内安全と健康が主となる。完全に守りに入っている。50歳になった時は自分で驚いた。俺が50?そんなアホな・・・。60になった暁にはどんな気分がするのだろう。時間は余裕だが帰路は登山道を使おう。万一途中でメニエルの目眩が出たらというセーフティーマージンを見込む。強風の稜線でランチはできないので下りながら探す。なかなかいい場所がないので途中で妥協する。せっかく担ぎ上げた荷物なのに殆ど降りて食うのも悔しいからである。
今日はマルハニチレイの冷凍食品「あおり炒めの焼豚チャーハン」を持ってきた。しかし電子レンジを忘れてきた。代りにフライパンで炒めることにする。コンロを点火してみると恐ろしく心細い火しかでない。家に半端なカートリッジしかなかったのである。これはあかんと観念してツエルトを張る。だんだん風が強くなってきてセットに難儀した。ツエルトの中ではこんなガスでも何とかなる。バターをひとかけら敷いて、中身をフライパンにブチ込む。しかし火力が弱くて長~く炒めた分だけパサパサになりすぎた。如何にチャーハンの極意がパラパラにあると言えど、ものには限度がある。一つ勉強した。手早く炒めないとやはりダメだ。それにしてもやけに量が多いなと思って、帰って家内に聞いたらひと袋二人前だそうな。食べる途中に苦しくなって飲み物が欲しくなったのも頷ける。
ハリマオ
まことにごもっともで返す言葉もなく、黙って針のムシロに座っているしかない。以前は厳冬の八ヶ岳も参戦したが、今は鈴鹿しか行かない私の場合は少し言い訳もできる。アルプスと鈴鹿では全然気象条件も地形も違うから大丈夫やでと。しかし実際鈴鹿でも遭難死亡事故は起きているので大きな顔はできない。